ゲド戦記 1
さほど興味のなかったゲド戦記。
TVの予告編を見て、2つの部分の興味を持った。
挿入歌への純粋な興味。
プラス、首輪をつけられ運ばれていく少年への
「どうしたんだ、お前!これからどこへ行こうというんだ!」
という下世話な興味だった。
![しかも妙に艶っぽい](imp_pic/erotic.GIF)
何かのプレイに見えたのだ。
いや、本当に。
DEATH NOTEの時と同じく、酷評されているのは知っていた。
しかも今回は批評家だけでなく、試写会を見た人の評価も悪い。
しかし、実際に自分の目で見た結果を言うと「そこまで悪い内容ではない」と思う。
確かにファンタジーに関する知識やゲド戦記自体を知らなければわかりにくい部分もあった。
しかし、それが原因で内容が理解できないという程でもない。
原作を知っている人からすると不満なのかもしれないし、ジブリ作品という事で見る前の期待が高すぎたのかもしれないと思う。
今回もDEATH NOTEの時と同じ映画館に行った。
微妙にさびれた場所にある映画館だが、出来てからまだ1年も経っていない。
人は少ないが、施設自体は新しくて綺麗なので気に入っているのだ。
つぶれないかという不安はあるが。
人はDEATH NOTEの時の5倍は入っていた。
夏休みとジブリの偉大さを痛感した。
冒頭、穏やかなはずの時期に大荒れの海。
そこに2匹の竜が現れ、互いを喰いあう。
このような異変が世界で発生しており、事態の収拾に多忙な王様。
そんな王様に、侍女が
「アレン様(王様の息子)を昨夜からお見かけしない」
「最近アレン様はふさぎこみがちでした」
と相談した。
その時、王妃(悪いが男に見える)が侍女を叱り付けた。
アレンはもう17歳だから大丈夫だ、そんな事で王を呼び止めるなという内容だったと思う。
この言葉にワシは鑑賞しながら憤慨していた。
17歳だろうが、40歳だろうがふさぎこむ時はふさぎこむっつーの。
年齢が大丈夫である理由になるか!
あんたが王子に向けているのは王子なら大丈夫という信頼ではなく、王子で17歳ならば大丈夫であるべきだという強要だ。
あんたがそんな風だから、アレンの最後のSOSも見逃したんだ!
(アレンがこの後何をするかはあらすじで知っていた)
などと母親に無駄に怒っている間に、アレンは父を刺し、剣を奪って逃亡した。
この映画の監督が宮崎駿の息子だと考えると、このシーンには別に意図があるのかなと深読みしてしまう。
アレンは監督の写し鏡なのだろうか?
このアレン、性格が非常に後ろ向きだ。
大抵視線の先が地面で、常に悲しげな表情だ。
つまり陰気なのだ。
アレンを陰気と思っていると、ワシも大体視線は地面だなと気付いて微妙に落ちこんだ。
落ちこんでいる間にゲドが登場した。
ゲドは船に乗り、どこからかやってきた。
上陸して間もなく、ゲドはアレンと遭遇。
その時のアレンは狼(?)に襲撃されていた。
騎乗していた馬(?)が転倒し、狼に囲まれてしまい逃亡をあきらめた瞬間。
アレンの顔が崩れた。
この人、基本的には美形だが頻繁に顔が崩れる。
まぁ、そのギャップが魅力といえば魅力なのかもしれない。
しかし最後まで鑑賞すると、そこまで顔崩さなくても良いだろうと思うぐらい崩れる事もあった。
顔が崩れた次の瞬間、何が起きたのかわからないがアレンは狼を撃退した。
その後、共がほしかったというゲドとアレンは行動を一緒にする。
いくつかの廃墟となった村を越えて、大きな街にたどりついたゲド一行。
そこはやばい薬が売られていたり、人身売買が行われていたりと、とんでもない街だった。
ここでゲドと別行動をとったアレンは人狩りに捕らえられそうになっている少女を見つけた。
後をつけていた事を人狩りに見抜かれ、出て来いと言われたアレンは柱の陰から悲しげにゆっくりと出てくる。
「へへーん、ばれちまったか」とか「その娘を放せよっ!」等という気力はアレンにはない。
「殺す」と言う脅しの言葉に、「命などいるか」と返した後にアレンは豹変した。
表情の歪むアレン。
いつもの悲しげな雰囲気はそこになく、狂気という言葉が今の彼には似合う。
そして、この状態のアレンは強い。
人狩りを難なく倒し、少女に駆け寄ったが思いっきり拒絶されていた。
報われない男、アレン。
少女に拒絶された後、アレンは散歩途中にあった海辺の階段で横になって眠ろうとした。
この行動にワシの心の中ですさまじいツッコミが入った。
こんな所で寝るなよ!
どう考えても危険だっつーの!
結局、日も暮れて夜になった後も熟睡していたアレンは先程の人狩りから報復をうけ、奴隷にするために連れて行かれた。
アレンが気がつくと、首輪がつけられ手錠がかかっていた。
これがワシに下世話な興味を持たせたシーンの事実か。
何が原因でこんな事になるのかと思っていたが、まさか街中で昼寝をしていたせいだとは予想もしなかったわい。
どう考えてもアレンの過失だ。
このような状況に陥った場合、普通の主人公ならば諦めずに脱出方法を考えるだろう。
しかし、アレンは周囲を見渡した後、顔を伏せてすぐに諦めていた。
ここでも心の中ですさまじいツッコミが入った。
諦めるの早っ!
もうすこし考えろよ!
アレンは諦めたが、ゲドは必死にアレンを探してくれていた。
ゲドはアレンの居場所をつきとめて、颯爽と助けに来てくれた。
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