ゲド戦記 2

 人狩りからうけた報復の傷でグッタリしているアレンを連れて、知り合いのテナーの家を訪れるゲド。

 ここに、先程アレンが助けた少女テルーも住んでいた。

 最初はアレンを嫌っていたテルーだったが、アレンの身の上話を聞いていくうちに打ち解けていった。

 その後しばらくアレン、テナー、テルーの3人はひたすら農作業をしていた。

 この間、悪役のクモや、その手先のウサギ(先程の人狩りの親玉)はゲドが接近している事を察して、どうにかして捕まえようと暗躍していた。
 ゲドも世界の異変に関する事を調べまわっていた。

 しばらく農作業をしていたアレンだが、彼は影という謎の生き物に追われているため同じ場所に留まる事はできない。
 アレンは数日後の夜、テナーの家を出た。

 しばらく歩いた先でアレンは影と遭遇し、逃げ惑うが池(沼?)で溺れて気を失う。

 その様子を見ていた悪役クモは利用できると思ったのか、近寄る影を追い払い、アレンを連れ去った。

 おそらく同時刻、テルーとテナーはウサギの襲撃にあい、テナーはクモの居城に連れ去られた。
 テルーはテナーが囚われた事を伝える役として柵に繋がれてしまった。
 柵を引き抜き、縄を無理やり解き、テルーはゲドに事の次第を伝えに向かった。

 テルーから話を聞いたゲドはクモの居城に向かう。

 その頃、アレンはハジア(麻薬みたいなもの)とクモの嘘によって、寝返っていた。

 普通ならば、寝返る行為はフィクションであっても憤慨してしまうワシだが、今回は冷静だった。
 まぁ、アレンだったら仕方ないか。という気持ちになっていた。

 テナーもゲドもクモの後ろに控えるアレンを見たが、2人とも「裏切ったな」と怒ったりはしなかった。
 年の功か。
 それともワシと同じく、アレンだったら仕方ないと思ったのか。

 ゲドに刃を向けるアレン。
 それでもゲドはアレンを受け止め、彼が恐怖する「死」について優しく説いてくれた。

 涙が溢れるアレン。
 ついでに鼻水もダラダラ。

 うっあー!
 美形台無し!


 鼻を拭け!鼻を!


鼻を拭け!鼻を!


 アレンが鼻水をたらして泣いている間に、不意をつかれたゲドは捕らえられ地下牢に連れて行かれてしまった。

 しかし、その時のワシはそんな現状どうでも良かった。
 アレンが鼻をたらしているショックが大きすぎて、頭の中はほぼ「鼻を拭け!」という懇願に支配されていた。

 その頃、家で待っていろと言われたテルーはそれに逆らいクモの居場所に向かうべく行動していた。

 アレンの影が彼女をクモの居城に導き、アレンの真の名「レバンネン」を教え、消えた。

 この真の名の意味、パンフレットを確認すると物語内部で一応説明はしてあったようだけど聞き逃した。
 原作を知っている人なら当然わかるだろう。
 ファンタジーの知識がある人もなんとなく理解できると思う。
 普通の人は意味がわからないかもしれないなと思った。

 この物語自体「ゲド戦記」の一部を題材にしているためにテナーとゲド、クモとゲドの関係等、原作を知らない人ではわからない前設定もあるようだ。
 全てを詰め込むのは無理なので、仕方のない事だとは思うのだがね。
 テナーの語る墓所の話が全くわからなくて、帰宅後チラッと調べてしまったわい。

 クモの居城に侵入したテルーは落ち込むアレンを見つけ、勇気付ける。
 そして2人は囚われたゲドとテナーの救出に向かった。
 ゲドとテナーの救出には成功したが、テルーを人質にしてクモは逃げた。

 先程までは熟女(男だが)の雰囲気を漂わせていたクモ。
 しかし、それは魔法の力によるものだったようで、テルーを連れて逃げている時はヨボヨボのじいさんだった。

 ヨボヨボで足元もおぼつかないががテルーは担げる。
 しかも長い階段を上り、建物の頂上に到達できた。

 体力があるんだかないんだか。

 クモに首を絞められ絶命したかにみえたテルー。

 しかし、彼女は何事もなかったかのように起き上がった。
 その瞳の色は赤に変化していた。

 そして、瞳どころか姿も変化するテルー。

 彼女は、竜だった。

 原作でも彼女は竜なのだろうか?
 竜だとすると、彼女に虐待を加えたのも竜なのだろうか?
 テルーの顔の火傷は口から火をふいて焼いたものなのだろうか?
 それにテナーがテルーをどういう経緯で見つけたのかがわからなくなった。

 そのあたりも原作には説明してあるのだろうか?

 崩れる建物からアレンを拾いあげ飛翔するテルー。

 しばらく飛んだ後、アレンを地面に下ろし向かいあう2者。

 ポスターで見たシーンだ。
 まさかこの竜がテルーだったとは。

 その後、人間の姿に戻ったテルーとアレンをゲド達が迎えに来た。

 アレンは国に戻るそうだ。
 ・・・国王を刺した罪は一体どうなるのだろうか?
 また会いにきてもいいかなとテルーに言っている時点で投獄される事や死刑になる事を一切考慮していないようだが、そんなに軽い処罰で済むのかが疑問だ。
 いや、王が刺され、アレンがさらわれたと考えられていて、アレンの仕業という事にすらなっていない可能性もあるのか。

 それでもアレンは正直に話すだろうな。

 この話はしばらくアレン、ゲド、テルー、テナーの4人で過ごした後、別れるシーンで終わっている。
 結構唐突に終了した気がした。



 この映画で今1番心に残っているのは、物語ではなくアレンという人物についてだ。

 常に後ろ向きで自信がないという所に自分と近い物を感じてしまった。

 農場にいる時にアレンはテルーに何をやっても自信がないと語っていた。
 その気持ちが視線を地面に向け、陰気な雰囲気を持たせているのだろう。

 ワシも何をやっても自分は駄目なんだという劣等感が強い。
 ワシだけでなく、こういう劣等感の強い人は結構いると思う。

 ここまで自分に自信が持てない原因は自分でもよくわからないが、心当たりがひとつだけある。

 それは「褒められた事がない」という事だ。

よくできたね


 だいたい日本人は叱る事は頻繁にするが、褒める事はあまりしない傾向にあると思う。

 例えばテストの点数が悪ければ怒る親は多いだろうが、点数が良い場合に褒める親は多いのだろうか?

 叱られはするが、良い事をしても褒められる事はない。
 あぁ、自分には叱られる要素はあっても、褒められる要素はないのだと思ってしまっても仕方がない気がする。

 親は照れくさいから褒めないのだと頭では理解している。
 でも、心がそう思い込みたいだけだと拒否をする。

 何の根拠もない自論だが、劣等感を持つ人にはそんな人が多そうだ。

 もちろん褒められる事なく成長しても、自信に満ち溢れた人はいるとは思うが。



 話が多少逸れたが、ゲド戦記の感想はこんな感じだった。

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