fletress.htm : Home



Copyright (C) 2005 G-Blue All Rights Reserved.
当サイトの利用に関しての注意事項

(このページはフォントサイズを中にして表示して下さい)
 フレットレスギターの製作や調整に関する資料や情報は全くといってないので、経験を元に分かる範囲で説明します。これからフレットレスギターの製作を考えている人の参考になればと思います。製作したときの画像やメモ等がないので、初めの説明は記憶で進めます。
製作方法や調整方法の考え方が違うかも知れませんが、あくまで私の方法です。また製作に関してのトラブルは、自己責任でお願いします。
 まず使用するギターは、何でもいいという訳ではありません。ギターの選択は慎重に行いましょう。選択のポイントは、
 A・・・ネックが真っ直ぐなもの。ポジションマークはドットタイプが好ましい。
 B・・・指板の目が細かく指板自体が硬いもの。

 Aのネックに関しては、きれいな順反りや逆反りであれば、トラスロッド調整でなんとかなるかも知れれませんが、ねじれているものは使用しない方がいいでしょう。フレットレスギターはネックの精度が顕著にでますので慎重に選択して下さい。

 Bの指板の目が細かいのは、ローズよりエボニーの方がいいかも知れません。メイプルのギターは持っていないので分かりません。(笑) 指板が硬いギターというのは比べた経験がないので何ともいえませんが、柔らかいと高音弦でサスティーンがでなくなります。私はYAMAHAのSG-2000を使用していますが、少し柔らかい感じがします。過去にSG-1200を使用したことがありますが、指板の目が粗かった記憶があります。

 製作はフレットを抜くところから行います。(当然か!)先のとがったキリみたいなものを使用して下さい。フレットには返しがありますので、古いギターの場合は、きれいに抜けないことがあります。私のギターもきれいに抜けませんでした。図1の
@はネックを横から見たときの断面でAのようにきれいに抜くことはできなくてもあきらめないで行いましょう。返しでささくれても、指で触ったり剥がしたりしないでなるべくそのままにしておきます。触ると余計にひどくなります。

 フレットを抜き終わったらささくれた個所を定規を使って
Bのようにカッターナイフで切って溝を広げます。このときの広げた溝の幅は2〜3m/mになると思います。私の場合は、ささくれがなくても全部の個所をやりました。大きくささくれた個所はエポキシ樹脂を流しますので無視します。

 次にフレットの代わりの目印になる白のアクリルを入れます。形状は図2を参考にして下さい。当然ですがネックはローポジションからハイポジションまで幅が違うので、ひとつづつ合わせながら製作します。

 溝に流し込むエポキシ樹脂は日新レジン(株)のクリスタルレジンを使用します。これは川崎の東急ハンズで購入しましたが、入手できない場合はプラスチック形成用の物を選択して下さい。選択に不安があれば無理してでも日新レジンのもの入手して下さい。私は2種類のエポキシ樹脂を用意して、別の物では硬くならずやり直しました。この選択は重要です。

 このクリスタルレジンはA液とB液を混ぜて使用するタイプで、配合は説明書通りでいいでしょう。流し込む量は図1の
Bのように多めにします。固まるとCのようになるのと、後でヤスリで削りますので必ず多めにして下さい。このクリスタルレジンは固まるまで3日ほどかかり、これを2回から3回、Bのようになるまで行います。

 クリスタルレジンが固まったら紙ヤスリで削ります。目の粗い順で400・600・800番程度のサンドペーパーを使用します。まず
Dのようにエポキシ樹脂と指板がフラットになるように削りますが、大体フラットになったところで目の細かいヤスリで指板全体と一緒に削ります。ポジションマークが四角のもの(名称が分からない)はポジション付近がフラットになるように削った方がいいでしょう。SG-2000はポジションマークが四角のタイプですが、ヤスリで削ることでほぼ違和感なく使用できるようになりました。

 最後に弦を張って調整します。まずトラスロッド調整です。私のやり方は、緩めに弦を張ってギターの下(お尻)から1弦側と6弦側を見るとネックの反り具合が分かります。回す方向はギターのマニュアルを見て下さい。私は今回のギター以外でも時間が経つとネックが曲がったりしますので、ノートに機種ごとのメモをしていつでも調整できるようにしています。

 次にナット調整をします。ナットの溝の深さをカッターナイフを使って削ります。フレットを抜いた訳ですから、その分ナットの溝を深くしてローポジション側の弦高を調整します。ロッド調整は弦を緩めて調整した方がいいですが、ナット調整はチューニングをして実際のテンションで音を確認しながら調整をします。

以上がフレットレスギターの製作と調整です。調整は一気に行わず、弾きながら自分にあったポイントを探るのがいいと思います。
フレットレスギターについては、ブログの中でも取り上げていますので参考にして下さい。
 2005/06/03

図1
図2
フレットレスギターの製作と調整
2005/07/18