1、『詩経』とは?
中国最古の詩集。周の始めから春秋時代にかけての詩、三百五篇を孔子が編纂したとされる。
内容は地方の民謡である「風」(ふう)、周王室の宮廷詩である「雅」(が)、祭祀の歌「頌」(しょう)。
儒教で尊重される五種の経典、即ち易経・書経・詩経・春秋・礼記の一つでもある。
2、『詩経』の中の「準1級」配当四字熟語を見てみよう!(意味や四字の分析・解説は、使用テキスト参照。「頁」は、テキストの掲載ページを示す。)
四字熟語 | 頁 | 原典の詳細 | |
鳶飛魚躍 えんぴぎょやく |
250 | 原文訓読 | 鳶飛戻天 鳶(とび)飛びて天に戻(いた)り 魚躍于淵 魚(うお)淵(ふち)に躍(おど)る 豈弟君子 豈弟(がいてい)の君子(くんし)よ 遐不作人 遐(なん)ぞ人を作(な)さざらん |
通釈 | 鳶は飛んで天に至り、 魚は深い淵の上に飛び跳ねる。 楽しみ安らげる祖先の霊よ、 万年まで恵福を与えたまえ。 |
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註釈 | 「鳶」や「魚」は、神霊が霊験を示し表すものとして描写される。 |
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詩経 | 雅の中の「旱麓」(かんろく)という作品より | ||
魚網鴻離 ぎょもうこうり |
254 | 原文訓読 | 魚網之設 漁網を之(こ)れ設けしに 鴻則離之 鴻則(すなわ)ち之(こ)れに離(かか)る 燕婉之求 燕婉(えんえん)として求むるに 得此戚施 此(こ)の戚施(せきし)を得たり |
通釈 | 魚を捕ろうと仕掛けた網に、 蝦蟇(がま)がかかってしまった。 すなおに(良い若者)を求めようとしたのに、 こんな蝦蟇のような男をつかまえてしまった。 |
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註釈 | 「漁網鴻離」の「鴻」は、四字熟語辞典では一般的に「おおとり」として雁の大きいもの、という解説がなされている。 原典の解釈になると、聞一多(ぶんいった・中国の詩人、文学者。1899〜1946)が、「鴻」を蝦蟇と論証し、その説がとられている。 |
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詩経 | 風の中の「新台」(しんだい)という作品より |
主な参考文献
新釈漢文大系『詩経』上中下 石川忠久著、明治書院
中国の名詩鑑賞『詩経』 内田泉之助監修・乾一夫編、明治書院
『漢検四字熟語辞典』 日本漢字教育振興会編集、日本漢字能力検定協会
『用例でわかる四字熟語辞典』 学研辞典編集部、学研
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