【文学作品(書物)】

    
方丈記 (ほうじょうき)

【成立時期】
   
 鎌倉時代 (1212年)

【作者・編者など】
   
 鴨長明(かものちょうめい)

【種別・ジャンル】
    
随筆(ずいひつ) (日本の3大随筆)

      
※ 随筆(ずいひつ)…自分が体験し、感動したり興味をもったりした
                    ことを思うままに書きとめた文章のこと


【内 容】
    世の中の火事やききん、地震(じしん)などの災厄(さいやく)を描いて、
    この世のはかなさを述べている。また、自然とともに生きることの安らか
    さを書いている。

【特 長など】
   ● 「無常観(むじょうかん)」が中心 … 人の世は、はかないこと
   ● 章段(しょうだん)分けはない。
   ● 和漢混交文(わかんこんこうぶん)で書かれている。
   ● 隠者文学(いんじゃぶんがく)の傑作(けっさく)

   ※ 隠者文学(いんじゃぶんがく)…世をのがれて遠い山里などに
                        住んだ人の文学

【備 考】
   〈 方丈記の書き出し 〉
      ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず

      淀(よど)みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、
      久しくとどまりたるためしなし。

    [意 味]
      流れゆく川の流れは、絶えることなく流れ続けている。今、流れて
      いるその水は以前に流れていたものではない。流れの静かな所に
      浮かんでいる水のあわは、一方で消えたかと思うと他方で新しく
      できて、長い間そのままの状態であるようなことはない。

   ● 鴨長明(かものちょうめい)は、この他に説話集の「発心集(ほっしん
      しゅう)」、歌論集の「無名抄(むみょうしょう)」などがある。



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