ロンウェー公爵救出


●出発の朝●

いよいよアルモリカ城にとらわれているロンウェー公爵を救出しに行くんだけど・・・。

「ねぇちょっと。」 (デニム) 

「なんだ坊主。」 (天) 

「上の方で誰かがうるさいんだけど。」 (デニム) 

「最初だけ我慢してやれ。」 (天) 

どうも僕の上に謎の看板が出るんだけどなぁ・・・。でも、これで最後だっていうから我慢しよう。で、早速準備に取り掛かった。僕だって死にたくないから装備の手入れには余念が無い。けど・・・

「あの・・・ランスロットさん達って、騎士なんですよね?」 (デニム) 

「ああ、私と、白騎士のミルディンとギルダスは確かにそうだよ。ウォーレンもカノープスも騎士ではないけど王家に仕えていた人間だ。」 (ランスロット) 

「それが、この装備ですか?僕らだって貧相な装備ですけど、騎士だった人がレザーアーマーとかタワーシールドなんていう最安値の装備なんですか?ゼノビアでは。」 (デニム) 

「仕方がねぇだろ。そういう仕組みなんだからよ。」 (ギルダス) 

「なんでバルダー・・・」 (デニム) 

「それ以上はゲーム倫理教会からクレームがくるから言ってはいかん。」 (天) 

「何の話ですか、それ。」 (デニム) 

剣は確かに立派なんだけど・・・それに見合う防具っていうのはあると思うんだ。それが皮製の一番安い鎧なんていうのは、ちょっと僕はゼノビア王国っていうのに不信感を持っちゃうな。
ランスロットさんたちくらい強ければ、きっと短剣でも僕たち以上に活躍できる。僕はそう思って引っぺがそうとしたんだけど駄目だった。いつか貰えると良いなぁ。

【デニム達は着々とここアルモリカ城に近づきつつあった。
そんな中、アルモリカ城警備隊長・バパールの元に一人の兵士が駆け寄る。】

「愚かさも最低ランクなバパール隊長〜。」 (兵) 

(どばきゃ)

妙な呼び方すんじゃねぇこの唐変木!なんだ一体。」 (バパール 

「妙な連中がアルモリカ城に近づいてきます。騎士風の戦士もいて、もしかしたらウォルスタの連中じゃないかと・・・」 (兵) 

「ほほう!連中、じれてきたと見える。戦力はどのくらいだ!」 (バパール) 

「いや、子供も含めて8名なのですが・・・」 (兵) 

(どばきゃ)

んだそりゃあ!!・・・まぁいい、お前はその足でアガレスの野郎んとこに行って報告してこい。『ちょっくら暇つぶしに行ってくるぜ』ってな。おい手前ら!狩りの時間だ!」 (バパール) 

プレデター!」 (一同) 

そのアガレス。

「まったく・・・だからあいつは門番から上にあがれないのだ。ま、バパールのことだ大事はあるまいが、万一には備えておくもの。各員、臨戦態勢で待機せよ!」 (アガレス) 

「機動力が10に・・・」 (兵) 

なるか馬鹿者!」 (アガレス) 

(ばきっ)

以上、報告は「見てきたように物を言う」通りすがりのウォーレン・ムーンでした。

・・・ウォーレンさん?どこにいってらしたんですか?

「ほっほっほ。これも星の定めにて。」 (ウォーレン) 

「ここへきて絶好調だなジジイ。」 (カノープス) 

「何が絶好調だ、何が。」 (ランスロット) 

よくわかんないから、放って置こう。

●アルモリカ城門前●

アルモリカ城の前に到着した僕たちだったけど、ガルガスタンの奴等には知られていたみたいだった。考えてみれば、隠れもしなかったから無理もないよね。
とか考えてたら、敵のリーダーらしい奴が大声をあげてきた。蛮声ってのはこういうんだろうね。

「フン、公爵処刑の噂につられてのこのこやってきたか、ウォルスタのブタどもが!」 (バパール 

「何だと、このヒゲモジャマッチョヤロー!」 (ヴァイス) 

ヴァイスが負けずに返した。こういうことになるとヴァイスは強いんだよな。
でも、何故かギルダスさんがヴァイスの方に視線をやった気がしたんだけど・・・どうかしたのかな?ミルディンさんは相変わらずだけどなんだか口元が笑ってたような・・・。

相手のバパールはやる気満々だった。僕も剣を抜いて構えたんだけど、ランスロットさんたちの方が早かった。僕たちに戦い方を教えてくれているみたいだ。敵を目の前にしてこの余裕、やっぱりランスロットさんは凄いや。
でも、僕だって戦えるんだ!一気に前に進んだら、階段のところでなにかを見つけた。拾ってる余裕はない筈なんだけど、僕は敢えて拾った。僕だってランスロットさんみたいに余裕があるんだぜヘヘン♪
でもなんだろう、この呪文書・・・。

戦闘は進んでいった。バパールはランスロットさんと切り結んでいたけど、突然僕に斬りかかってきた!ザクッ!痛い!痛いっていうのが頭でなく身体で分かる!これが戦いの感覚というものか!?

「デニムッ!!」 (カチュア) 

傷は姉さんが魔法で癒してくれた。姉さんは僧侶・ハイプリーストだから神聖系魔法が使えるんだ。

「貴様ら、ウォルスタの者じゃねぇな・・・?何者だ!」 (バパール) 

「死ぬ者に教える必要はない」 (ランスロット) 

(ずばしゃ!)←一閃、バパールに止めを刺すランスロット

「ぐふっ・・・ど、ドジっちまったぜ・・・」 (バパール) 

ランスロットさんがバパールを倒した!やっぱりランスロットさんは強い!騎士団長ってのはやっぱり強くなきゃ駄目だよね。
なんて感激してたら他のガルガスタン兵が突然姿を消したんだ!ぴしゅん!って!転移石なんて持ってなかったはずなのに・・・ひょっとして、ゴーストだったのか!?

「どうしたんだ、デニムは。」 (ヴァイス) 

「わけのわからないこと想像して混乱しているみたいね。デニム!」 (カチュア) 

「はっ!・・・何か妙な感じだったけど、何だったんだろう??」 (デニム) 

「ともかく、中に行くぞ!デニム君達は我々の後ろにいればいい。見ることも大事だ」 (ランスロット) 

はい、そーします。姉さんも心なしかほっと安心したようだ。ヴァイスは不服みたいだけど、今はランスロットさんたちに任せた方がいいみたいだし、表だって文句は言わなかった。よかった。

●アルモリカ城内●

城の中に入った僕たちは、やっぱりガルガスタン兵に待ち構えられていた。そりゃ城門であれだけ派手にやってれば、誰だって気がつくよね。

「ええいっ、ニバス様の留守中になんたる不祥事・・・者ども、ぬかるな!」 (アガレス) 

「はっ!」 (一同) 

「威勢のいいことだなぁ。このまま一気に行くぜ!」 (カノープス) 

元気一番、カノープスさんたちは目の前の兵士を気にも留めずにずんずん進んでいく。弓兵達が気にならないのかなぁ?あ、案の定ビュンビュン矢が飛んでいってるよ!けど、一本も当たらない!連中が下手なのかカノープスさん達が凄いのかわからない!

「貴様ら、どこの手の者だ!ウォルスタではないな・・・バクラムか?!」 (アガレス) 

「我々はゼテギネア大陸から流れてきた者だ。仕官の口を探している。」 (ランスロット) 

「傭兵か・・・それで選んだのがウォルスタとは、自殺行為だな。え?」 (アガレス) 

「なんなら、今からでも俺達を雇うか?死にたくなきゃそうした方がいいぜ。」 (ギルダス) 

「我々は余所者の手など借りぬわ!まして貴様の様な傭兵崩れなど、相手にならぬわ!」 (アガレス) 

(ずぶしゃっ)←カノープスの槍がアガレスを貫く

「がはっ・・・ば、馬鹿な・・・ガルガスタンが・・・ウォルスタごときに後れを取る・・・と・・は・・・」 (アガレス) 

(倒れるアガレス)

「一応、忠告はしたんだけどなぁ。」 (ギルダス) 

「忠告になってませんよ。あれではただの挑発です。」 (ミルディン) 

「気を利かせたつもりなんだがなぁ。」 (ギルダス) 

ここでもリーダー格の騎士が倒されたら、他のガルガスタン兵は一目散に逃げ出した。仇を討とうという考えが無いんだろうか、ガルガスタン人には。

●ロンウェー公爵●

僕たちはわずか数名のガルガスタン兵の命と引き換えにアルモリカ城を奪取したんだ。凄いよね、これって。だって、たった8人で城が手に入ったんだもん。ランスロットさんたちがいれば、一ヶ月もしないうちにヴァレリアの城はウォルスタのものになるんじゃないかな!

「寝ぼけたこと抜かしてんじゃねぇ。」 (天) 

あ、ひっどいなぁ。それくらいランスロットさんたちが凄いって言いたかっただけだよ。今回だって意外と手薄だったからできたんだと思うし。
そして僕たちは、リーダーのロンウェー公爵たちを助けることに成功したんだ!

「此度の働きには実に見事じゃ。改めて礼を言わせてもらうぞ、デニム。」 (公爵) 

「ありがたきお言葉です、公爵様。」 (デニム) 

・・・でも、公爵様はヴァイスと同じようにランスロットさんたちがゼノビアの先遣隊ではないかと疑っているみたい。そんな人が命をかけて戦ったりはしないと思うけど・・・。
カチュア姉さんが僕の気持ちを代弁してくれたのが功を奏したのか(ランスロットさんの実直さが伝わったからと思うけどね)、公爵様はランスロットさんたちを雇ってくれることになった。バンザーイ!・・・としたいのを我慢した。ちょっと子供っぽすぎるからね。
ランスロットさんたちが退室した後、僕たちはロンウェー公爵に騎士に任命されたんだ!

「僕・・・いえ、私達が騎士、ですか?」 (デニム) 

「うむ。此度の働きにはそれ程の価値がある。おおそうじゃな、騎士団として兵を与えよう。今後もウォルスタの未来の為に尽くして欲しい。どうか?」 (公爵) 

「も、勿論よろこんで!いいんだろデニム!」 (ヴァイス) 

だろ、って・・・殆ど強制してる癖によく言うよ全く。

「はい、騎士の叙勲、受けさせて頂きます公爵閣下。」 (デニム) 

・・・なんか姉さんの視線が痛いよ・・・また怒ってるんじゃないかなぁ・・・。

「うむ。では・・・おお、騎士団の名前がいるな。ふむ、そちが良い名をつけるがよい。」 (公爵) 

「な、名前ですか?」 (デニム) 

うーん、困ったなぁ。僕はあんまりそういうの得意じゃないし・・・。そうだ、僕の生まれ月を取ってこよう!我ながらグッアイディーア♪

「では・・・」 (デニム) 

龍虎武神隊」 (謎の騎士) 

「というのはどうでしょう。」 (デニム) 

・・・あれ?今のは僕じゃないぞ!?誰だ!?

「ほほう、なかなか良い名だ。」 (公爵) 

(舞台袖に高速で割り込む謎の爺)

浅草〜」 (爺) 

(そのまま舞台裏に直行)

「・・・何かね今のは」 (公爵) 

ウォーレンさんに似ていた気がするけど・・・。

で、早速僕たちは任務を言い渡された。任命されたばかりの僕たちが動かなきゃいけなくらい、ウォルスタは逼迫していたのか・・・。
まあいいや。その任務は、ガルガスタンの監督官ニバスを追跡した部隊の救出だった。レオナールという騎士の部隊らしいんだけど、連絡が無く苦戦しているみたいなんだって。僕たちは20,000ゴートを受け取り、部隊の兵員たちと合流した。

●トレーニング●

僕たちはランスロットさんを探していた。お礼を言いたかったし、なによりアドバイスが欲しかった。いきなり騎士団を率いるっていったって、実感わかないもん。

「聞いたよデニムくん。これから出撃だって?」 (ランスロット) 

「はい。」 (デニム) 

「出撃前はしっかりトレーニングしておくことだ。死にたくなかったらな。」 (ランスロット) 

「トレーニング、ですか?それっていきなりレベル50まであげようってアレですか?」 (デニム) 

「いや、そこまであげろとは言わないが・・・」 (ランスロット) 

ランスロットさんとはそこで別れて、僕たちは演習場に向かったんだ。でも、折角トレーニングやろうっていうのにヴァイスは「やらない」って言い出したんだ。十分強いから、だって。そりゃあ確かに僕より強い・・・あれ!僕が一番レベル低いの!?うっそーヤバイッスよー!△川×郎みたいだけど気にしないで〜。
でも、僕も今71点の経験点があるから、あと少し誰かとトレーニングすればみんなと同じレベル。え?この経験点はどうしたのかって?いやだなぁ、そんなこと聞かなくってもわかってるんでしょ?ゲッゲッゲ。

「ウチの弟になんて笑い方させるのよッ!」 (カチュア) 

(殴)

(←天、昏倒)

「・・・姉さん、実は姉さんが一番強いんじゃないかなぁ」 (デニム) 

「こいつが弱いだけよ。」 (カチュア) 

この人、ホントに誰なんだろう・・・。

「聞いたら驚くから教えない。」 (天) 

えいっ(蹴)

(←天、沈黙)

何かにちょっと憑依されたけど、トレーニングで僕はレベル2になった。みんなと一緒。
後は装備だけど、弓と盾のパターンがあるけど、で統一させることにした。攻撃は最大の防御ってね。僕も弓を装備。カチュア姉さんは・・・戦いに積極的じゃないから持ってくれないだろうな。

さあ、明日の朝はタインマウスの丘を通ってクリザローの町へ向かうぞ!

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