どの道、タインマウスの丘へ向かうには、未だ賞金稼ぎがうろつく場所をすり抜けないといけない。
っと、案の定出くわしちゃった!
「こんなところで3万ゴートの賞金首と遭うとは、俺の運もまんざら捨てたもんじゃねぇな!」 (賞金稼ぎ)
・・・前から思ってたんだけど、バーサーカーになる人ってみんなあんな人ばっかりだね。
「ホント。見るからに悪党ってカンジよね。」 (カチュア)
そりゃ、見れば誰だってわかるよ姉さん。
「うわーっはははー!可愛いツラしてそりゃねぇぜお嬢ちゃんよ。でもま!お前等にとっちゃあ、死神みてぇなもんだからなぁ。がーっはっはっはーだ!」 (賞金稼ぎ)
駄目だ、バーサーカーってやっぱり馬鹿ばっかりだ。
「んだとてめこンくそガキィ!黙って聞いてりゃつけあがりやがって・・・おう野郎ども、やっちまいな!」 (賞金稼ぎ)
「へい親分!」 (野郎ども)
どこの組のモンなんだか・・・。
・・・
でも結局、バーサーカーを集中攻撃したら、向こうが勝手に逃げ出してくれた。
「ちくしょうッ、ぬかったぜ。野郎ども!引き上げるぞ!」 (賞金稼ぎ)
「あーらほーらさっさーぃ」 (野郎ども)
「やらーれちゃったーくやしいなー♪
こーんどこーそー勝ちましょおー♪
さ ー よ お ー な ー ら ー ィ♪」 (一同)
(連結自転車で夕日に向かって駆け出す敵一同)
なんなんだ全く・・・。
(程なく立ち昇るドクロ雲)
何がしたかったんだ、一体全体。
・・・?誰か近づいてきた。姉さんかな?
「多少は、出来るみたいね。」 (アロセール)
アロセール!どこ行ってたんだよ戦いだったのに・・・。
「ああ?私に『戦え』って言うの?・・・あんたの手駒になった覚えは、ないんだけど。」 (アロセール)
・・・いいけどね別に。
タイムボカンなゾード湿原(?)を抜けてボルドュー湖畔に到着した僕達だったけど、今度はガルガスタン軍にぶつかっちゃった。全く、誰だよ「静かな湖畔の森の陰」なんて歌ってんのは。
「そりゃここのことじゃねえんだろう。ボサッとしてないで、行くぜ!」 (カノープス)
カノープスさん・・・最近出番無いね。
「やっかましい!」 (カノープス)
「その顔、見覚えあるぞ・・・そうか!貴様が賞金首の・・・」 (ゲンちゃん)
「ええい、こんな奴の為に割くスペースなんか無いんじゃ!とうっ!」 (天)
(ぷすっ)
「無念〜」 (ゲンちゃん)
(ばたっ)
ああっ!一撃でクリア!?
「フェィターリティー♪」 (天)
なんなんだこの人は・・・。
「・・・妙なモノを、飼っているな。」 (アロセール)
違うよアロセール、あれは勝手に・・・。ええい、なんなんだ全く!
そして僕達は、タインマウスの丘までやってきた。ここいるって話だったけど・・・考えてみれば、こんな何も無い丘にランスロットさん達が居るなんておかしいよね。
なんて考えてたら、誰か近づいてきた。本当にランスロットさん?・・・いや、あれは・・・。
「ヴァイス!」 (デニム)
「よう、また遭えて嬉しいぜ。賞金稼ぎに殺られたんじゃないかとヒヤヒヤしてたんだぜ。」 (ヴァイス)
くっ・・・やっぱり罠か。
「ヴァイス、何故お前がここに・・・?」 (アロセール)
「・・・?なんだアロセール、死んだんじゃねぇのか。なんでデニムと一緒なんだ?・・・お前も裏切るのか。全く馬鹿な奴だ。」 (ヴァイス)
「いや、私は・・・。」 (アロセール)
「フン、まあいい。デニム!カチュア!お前達姉弟にはここで死んでもらうぜ。・・・バルマムッサの生き証人には死んでもらわねぇと公爵様が困るってよ。」 (ヴァイス)
「公爵・・・待てヴァイス!あの虐殺は、公爵の・・・」 (アロセール)
「・・・ほう?レオナールから何も聞いてないんだなお前。ああ、そうとも。バルマムッサの虐殺は俺達がやったのさ。勿論、レオナールもなぁ・・・。知らなければ良かったか?クックック・・・。」 (ヴァイス)
「そんな・・・・・・レオナール、そこまでしなければいけなかったのか?」 (アロセール)
「さあ!とっとと片づけてやる!野郎ども出てこいッ!」 (ヴァイス)
(それを合図に周囲に現れるヴァイス部隊)
「・・・奴等を皆殺しにしろッ!バルマムッサの同胞を殺した、ウォルスタを裏切ったあの連中を!一人も生かして帰すなッ!」 (ヴァイス)
くっ・・・ヴァイス!
周りを囲まれはしたけど、僕達だって長い逃亡生活の間、戦い抜いてきた歴戦の猛者だ。ヴァイスごとき目じゃない。
とはいうものの、形成不利な状態からの挽回には時間がかかった。
「うー・・・眠いのに気が抜けない・・・寝るか。」 (天)
(ぶすっ)
「ぎゃー!」 (天)
「寝てんじゃねぇボケ!ちゃんと動かせオラコラ!」 (カノープス)
(ざくざくっ)
「キョーッ!」 (天)
一体この人達、どういう関係なんだろう・・・。
「殺せッ、殺せ裏切り者を!」 (ヴァイス)
「あんな非道なことを、どの面下げて正当だと言い張るッ!」 (デニム)
「歴史が許すッ!戦争屋はそうやって戦ってきたんだ!理想をがなりたてるだけの弁士ごときに、戦場に出る資格はないッ!」 (ヴァイス)
ヴァイス・・・!
「伏せろッ!」 (アロセール)
え、わっ!
(どずっ)
「・・・ッぐう・・・!」 (ヴァイス)
見れば、ヴァイスの肩に矢が深々とささっていた。大きく体勢を崩したのかヴァイスは、尻餅をついたような状態で倒れていた。
「兄の仇、討たせてもらうぞ、ヴァイス!」 (アロセール)
アロセールかやっぱり。・・・って、よけなけりゃ僕が射られてたってことでしょうか!?
「くっ、歯が立たんか。ここは退くぞ!・・・デニム!どの道お前達にはもう逃げ場はないんだ!次に遭う時は、必ず俺が殺してやるッ!」 (ヴァイス)
・・・え?もうおしまい?
「はっはっは。先は長いのでな。」 (天)
何が長いんだろう。
「人の話聞けよコラ!」 (ヴァイス)
あ、ごめんごめんヴァイス。えーっと・・・
「もう俺の台詞は終わりだ!おぼえてやがれべらんめぇ!」 (ヴァイス)
「ヴァイス様、自転車が・・・」 (兵)
「何ィ!?あンのヒゲモジャマッチョヤローかーッ!」 (ヴァイス)
行っちゃった・・・ヴァイス、どこの生まれなんだっけ?
後はアロセールだけど・・・。アロセール?
「・・・済まない。弓引く相手を間違っていたようだ。」 (アロセール)
・・・一歩間違えれば死んでたよ。
「だから済まないって言ってるじゃないか・・・。」 (アロセール)
・・・これから、どうする?
「・・・よければ、このまま一緒に戦わせてくれ。ヴァイスはどうやら、お前を目の仇にしている様だ。お前と一緒に居ればまた現れるだろう。」 (アロセール)
僕と一緒に居るの・・・?な、なんか妙に照れくさい感じがするなぁ。あはははは。
「・・・バーカ。」 (アロセール)
(アロセール、ぷいと背を向けて立ち去る)
うわ冷めてー。・・・はっ!
「デーニームー?」 (カチュア)
わっ!だからやめてよその、オーラと妙な擬音背負うのはッ!?
「飛呂彦ブランド、って奴か、確か。」 (カノープス)
「第三部な。」 (天)
な、何を冷静に・・・ね、姉さん、ねーさーんッ!?うわーっ!?