行方をくらます女


●事情説明●

あれから、もうそろそろ一ヶ月が経とうとしている。
どれからかわからない人は、ちゃんと読み返してね。いちいち説明なんかしないから。

ライム占領に気をよくしたバクラム軍は、その勢いで南下しようとしたけど、これは僕等ウォルスタ解放軍が阻んだ。今のところ、僕等とバクラム軍の戦力比は五分五分。でも、僕等がガルガスタン軍を完全に掌握すれば、戦局は一気に変わる筈。
不安要素は、ローディスの暗黒騎士団だ・・・。
一応、バクラム軍と手を結んでいる筈の彼らが全く沈黙をまもっているというのは、以前に公爵と交わした非干渉条約があるからか、それとも・・・。
いずれにせよ、お互いに決め手を欠いている為、戦局は膠着状態に入った。

「終わった?」

あ、うん姉さん。全く、なんで僕がこんな説明しなきゃいけないんだ・・・。

「じゃ、行くわよ。」

うん。

僕等は公爵と、今後の行動指針を決める為の会議に出席した。会議ったって、公爵と僕等、それにレオナールさんがいる程度だ。他の人達って居ないのかなぁ、ウォルスタには。
・・・
その会議で僕は、ヴァイス追討の任に当たることになった。ヴァイスは、僕と入れ替わるように賞金首になってしまったんだ・・・。勿論、公爵が仕掛け人なんだけど。

「・・・もういいわ、デニム。これ以上、デニムがする必要はないのよ?」

姉さん・・・そういうわけには、もう行かないんだ。

「そう、姉さんの言うことが聞けないのね。いいわ、勝手になさい!

(がたっ、たたたたた・・・)←カチュア、席を立ちあがり部屋を駆け去る

姉さんッ!

「放っておけ、デニム。」 (レオ) 

はいそーします。

●次の幕に行く前に●

待ちなさいッ!」 (カチュア) 

「何だ貴様は。とっととどこへなりと出て行かんか。」 (天) 

「なんでデニムがあんなにあっさり引き下がるのよッ!」 (カチュア) 

「デニムは我が侭なおねーさんに嫌気が差しているのだよ。いい加減自覚したまえチミィ。」 (天) 

「何を勝手なことを。デニムが私を嫌うわけが無いじゃない。寝ぼけてるんじゃない?」 (カチュア) 

「ええい、貴様の様な愚か者に構っておる暇など無いのじゃ、去ねぃ!」 (天) 

(ポチッとな♪)

「きゃーっ!?」 (カチュア) 

・・・。
今、姉さんの断末魔が聞こえたような・・・。

ま、いっか♪姉さんのことだから心配ないだろう。

●合流●

あの後、ミルディンさんとウォーレンさんが戻ってきているって話を聞いた僕は、カノープスさんと連れ立って会いに行ったんだ。
ミルディンさんは元気そうだったけど、ウォーレンさんは酷い怪我をしたらしく、意識不明の重体だそうだ。
重体・・・?
そこにいるのはわかってますよッ!

(しゅっ、かかかっ)←デニムの放った手裏剣が壁に突き刺さる[※デニム:ニンジャLV15]

(どろんっ)←突如、煙。中からもう一人のウォーレンが登場

「ほっほっほ。成長しましたねデニム君。」 (ジジイ) 

「なんだ、元気そうじゃないか。」 (カノープス) 

「でも、普通は重体でしょう?ベッドに寝ていて、目を醒まさないんですから。」 (ミルディン) 

・・・。ベッドで寝ているウォーレンさんは誰なんです?

「心配御無用。そこで寝ているのはクグツです。」 (ウォーレン) 

「いかにも。拙者ハンニバル・スミス。」 (クグツ) 

うわっ!?しゃべりますよこれ!?クグツじゃないんですか!?」 (デニム) 

「ゼノビアのいっこく堂とお呼び下さい。」 (ウォーレン) 

この程度のことはやるんじゃないかと思ってたからなぁ。」 (カノープス) 

昔からだったんですね。」 (ミルディン) 

「いやっははは。照れますな。」 (ウォーレン) 

・・・謎だ、この人。

「ところで、デニム君はこれから・・・?」 (ミルディン) 

あ、はい。当面はヴァイス追討の任に就くんですが・・・その前に色々とやることがあって。

「基本ですかな。」 (ウォーレン) 

「何のだ。」 (カノープス) 

僕も染まってきたって感じですかね?

「いい具合だと思いますよ。」 (ミルディン) 

・・・嬉しい気がしない

●売ります飼います●

僕達はヴァイスのことを放っておいて、バルマムッサの町やコリタニ城、アルモリカ城とかいった拠点を何度か転々とした。
その間、何故かドラゴンやコカトリスが大量に部隊構成を圧迫したけど、今では資金もたっぷり補充できたし、これで新装備もバッチリだよ。

あ、トレーニングが終わったみたいだ。はい、お疲れ様〜。

「いや、何かするってわけじゃないけどさ〜・・・。」 (ウィッチ) 

「あんたはになってるだけだからいいけど、ウチはずっと付き合わなきゃいけないんだからね。」 (クレリック) 

「コケー。」 (コカトリス) 

お姉さん達にしかお願いできないんです。ごめんなさい。

(ぽ〜・・・)

「(はっ)な、なんてことないわよ、この位!ね?」 (クレリック) 

「そっ、そうね!心配しなくていいからね、別に。」 (ウィッチ) 

 

「な?随分と卑怯だろ?」 (カノープス) 

「はぁ・・・なにがですか?」 (ミルディン) 

(相変わらず穏やかな表情のミルディンをじっと見るカノープス)

「聞く相手がまずかったな。」 (カノープス) 

・・・これだけ沢山のドラゴンやコカトリスを育て上げたのに、部隊に一頭一匹も残ってないのはどういうことなんだろう?

「知ってて聞くな。」 (天) 

うぇっへへへ。

「デニム、そろそろいいんじゃない?いい加減、退屈してるんだけど。」 (システィーナ) 

そーだね。そろそろヴァイスを探しに行こうか。

「・・・そういえばデニム、カチュアはどうした?」 (フォルカス) 

姉さんは・・・そういえばどうしたんだろう?断末魔を聞いた気がしたけど、まさか?!
・・・
フッ、姉さんに限ってそれはないか。どうせまたふてくされてるんだろう。放っておけば、また機嫌も良くなるさ。

そんな中、ヴァイスがボード砦に潜んでいるんじゃないかという疑惑が発生してきた。よし、渡りに船だ。レッツラゴー!(死語)
・・・ボード砦って、セリエさんの?なんでまたそんなとこに・・・。

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