ボード砦攻防戦


●ボード砦●

【デニム到着前の様子】

「手間をかけさせたわね・・・。さあ、ハイムへ戻りましょうか。」 (オズマ) 

「な、なんということを・・・。お前達はそれでも人の子か!」 (神父) 

「フン、こっちだって無駄な争いはしたくなかったんだがな。先にちょっかいを出してきたのは、こいつらの方さ。見逃せるかよ。」 (オズ) 

「・・・終わった様ね。さ、長居は無用。引き上げるわよ、オズ。」 (オズマ) 

「ああ。よし!撤収だ。」 (オズ) 

「神父を連れて行きなさい。くれぐれも、丁重にね。」 (オズマ) 

「ハッ!」 (バケツ) 

(どんっ)←神父の背を激しく突くバケツ

「ごふっ!」 (神父) 

 

「ふふ、少しは薬になってくれるかしらね?」 (オズマ) 

「さあね。あれで随分頑固だからな・・・。俺達も引き上げよう、姉さん。」 (オズ) 

「オズ様、残党が・・・。」 (バケツ) 

「なんだ、まだ居たのか?姉さんは先に引き上げてくれ。俺だけで十分だろう。」 (オズ) 

「そう?あまり無理はしないで頂戴ね、オズ・・・。」 (オズマ) 

(オズマ、オズを抱き寄せる)

「・・・姉さんに何かあったら、おっさんに叱られるからな。・・・案内しろ!」 (オズ) 

「は、ハッ!」 (バケツ) 

(オズ、バケツとともに砦の上に向かう)

「ふふ・・・可愛い子。」 (オズマ) 

(オズマ、砦を後にし、先行隊を追う)

以上、ボード砦の隠し部屋からウォーレン・ムーンがお届けしました。

ウォーレンさんッ!

「いやっははは。これも仕事ですからな。」 (ウォーレン) 

内職ってやつか?」 (カノープス) 

「本職、占星術師じゃなかったでしたっけ?・・・いつ仕事してました?」 (ミルディン) 

「ホッホッホ。」 (ウォーレン) 

どこでもドア標準装備なのかな・・・。
ともかく!ボード砦に急ごう!

【またまたボード砦】

「敵の戦力はどの程度だ?」 (オズ) 

「ハッ、3名ほどかと・・・。」 (バケツ) 

(ごんっ)←バケツをグラムロックの柄で小突くオズ

「たった3人相手に、なにやってんだ貴様ら!」 (オズ) 

「そっ、それが・・・」 (バケツ) 

(オズ、砦上部に到着。バケツの死屍累々の状態を見て・・・)

「・・・なんじゃあこりゃあッ!」 (オズ) 

(女戦士、それを聞き振り向く)

「あんたが大将?」 (女戦士) 

「あんたが大将!」 (謎の戦士) 

「あんたが大将!」 (謎の魔術師) 

「あんたが大〜将〜ぉ〜♪」 (天) 

(どばきゃっ)←女戦士、折檻

だまってろ、この唐変木ども!」 (女戦士) 

【その頃の某所】

「っくしゅ!」 (某氏) 

「どうした、風邪でもひいたか?」 (女) 

「いや・・・久々に呼ばれた気がしてね。」 (某氏) 

「呼ばれた?大方、慰安旅行に出てる連中だろう。まったく、お前は仕方ないとしても、なんで俺も行っちゃいけないんだよ。」 (女) 

これッ!」 (怪婆) 

(女の背後から薙刀を振り下ろす怪婆)

うわッ!?」 (女) 

(どすっ)←薙刀が床を打ち付ける音

「殺す気かクソババアッ!」 (女) 

「まだ言うか!全くもって頑固者め、余計なとこだけ父親似か!」 (怪婆) 

「これは俺の地だっつーの!」 (女) 

(喧騒の中、くつろぎの某氏)

「はっはっは、毎日よく飽きないものだ。」 (某氏) 

(メイド服の女、何事も無いかの様に登場)

「お紅茶お持ちしました〜。クッキーも焼いてみたんです〜♪」 (メイド服の女) 

「はっはっは、君も毎日よく飽きないな。うむ、いただこう。」 (某氏) 

(まだ喧騒の中)

「落ち着くなぁ・・・。」 (某氏) 

「すっかり馴染みましたねぇ。」 (メイド服の女) 

「付き合いも長いからな。」 (某氏) 

【話を戻してボード砦。】

「三文芝居はそこまでだ。・・・なんだ、お前等は?」 (オズ) 

「なんだ、とはご挨拶だな。私の留守中に随分好き勝手やってくれたみたいだね。」 (女戦士) 

「ほう?するとお前がヴァレリア解放戦線の・・・セリエ、とか言ったか?」 (オズ) 

「人の名を気安く呼ぶなシスコン野郎。」 (セリエ) 

「シ・・・ええい、今更何を血迷って戻って来た?随分派手にやってくれたみたいだが、まだお前達をなぶり殺すくらいの兵は残ってるぜ?」 (オズ) 

「数が出りゃ良いってもんじゃないぜ、シスコン野郎。」 (謎の戦士) 

「ま、シスコンボスの質も大した物ではなさそうで残念ですがね。」 (謎の魔術師) 

「・・・なんなんだ口裏を合わせたみたいに。」 (オズ) 

さて!仲間の恨み、とっとと晴らさせてもらうよ。」 (セリエ) 

「何を小生意気な・・・。」 (オズ) 

(オズ、呪文の詠唱に入る)

「魔法か。散れ!シスコン野郎は私が獲る。」 (セリエ) 

「合点!」 (謎の戦士) 

「承知の助!」 (謎の魔術師) 

「古典的だな」 (天) 

すっこんどれッ!」 (セリエ) 

(どばきっ)←セリエの折檻炸裂

以上、先行逃げ切り型ウォーレン・ムーンがお届けしました。
おや、ちょうどそこへ・・・。

●デニム合流●

やっとボード砦についた・・・。なんか、主人公である僕を放っておいて好き勝手やってくれたみたいですね。

「何のことだ?」 (天) 

はぁ・・・。別に良いんですけどね。

「デニム、あれ!」 (システィーナ) 

あれ?・・・あれ、セリエさん!?何が起こってるんだ!?誰だ、あの騎士・・・ひょっとして、ロスローリアンが!?
いけない、戦力差が見えなくなるほどセリエさん自暴自棄になってる!

「姉さんッ!セリエ姉さんッ!しっかりしてッ!」 (システィーナ) 

(砦の上のセリエ)

「システィーナ!?」 (セリエ) 

「貰ったぞッ!【チャーム】!!」 (オズ) 

「!しまっ・・・」 (セリエ) 

(誘惑の霧に包まれるセリエ)

姐御!」 (謎の戦士) 

姉様!?」 (謎の魔術師) 

「・・・フッ、たあいもない。」 (オズ) 

(遠間で見ていたシスティーナ)

「姉さん!?デニム、先に行くわよッ!」 (システィーナ) 

(猛烈なスピードで駆け出すシスティーナ)

システィーナ!」 (フォルカス) 

(それを追うフォルカス)

システィーナ!フォルカス!・・・僕達も急ごうッ!みんな、遅れるなッ!
・・・

「良い娘だ・・・こっちにこい。可愛がってやるぞ。」 (オズ) 

(ゆっくりオズに近寄っていくセリエ)

「姐御!」 (謎の戦士) 

「お前等はそいつらを潰せッ!」 (オズ) 

「ハッ!」 (バケツ) 

 

「・・・ほう、近くで見れば随分と美人だ。姉さんには到底及ばないがな。」 (オズ) 

(どずっ)←セリエの槍がオズの胸に深々と埋まる

「ごふっ・・・な・・・に・・・・・・?」 (オズ) 

(どしゃ)←倒れるオズ

「不意を突いてこのザマとは、コマンド級が聞いて呆れる。」 (セリエ) 

「お、オズ様!?」 (バケツ) 

「さあて、と。一旦斬り結んだ以上、降伏は赦さないよ。そのつもりなんかハナからないけどね。」 (セリエ) 

●外れ●

僕達もそんなに時間をかけたわけじゃない。砦の上のセリエさんが識別できるほどの距離からダッシュしたんだけど、その間にロスローリアンの一個師団は全滅しちゃった。
わー・・・。なんなんだ一体・・・。たった3人で一個師団潰しちゃったよ・・・。
セリエさん達が三組いたら、ロスローリアンは壊滅するんじゃないか?

「姉さん、ごめんなさい。余計なことしちゃった?」 (システィーナ) 

「いや、まともに斬り結んだら結構厄介だったろうから丁度よかった。元気そうだな、まだ大丈夫か?」 (セリエ) 

「やめてよそういう微妙な発言・・・。」 (システィーナ) 

「セリエ姉さん、よく無事で。」 (フォルカス) 

「貴様・・・姉さんと呼ぶなと何度も言って聞かせた筈だが?」 (セリエ) 

「はっはっは。この戦争が終われば嫌でもそう呼ばせて頂きますよ。」 (フォルカス) 

「チッ・・・。ほう、これはこれは・・・公爵の犬が何の用だ?」 (セリエ) 

僕は犬じゃないですってば・・・。それより、これはどうしたことですか?見れば、暗黒騎士みたいですけど・・・。

「うむ、私の留守中に襲撃を受けたようだ。情けない話だ。」 (セリエ) 

「姐御!プランシーの旦那がいやせんぜ!」 (謎の戦士) 

「目的はそれか・・・。」 (セリエ) 

ぷ、プランシー・・・?僕の父さんと同じ名前だ。誰なんです?

「お前の父上だ。」 (セリエ) 

なんだ、道理で・・・。ってちょっと待って!!父さんが生きてるの!?なんでセリエさんとこに居たの!?どうしてロスローリアンが!?

「落ち着け、デニム。いいか?このヴァレリアに駐留しているロスローリアンは、島の覇権を望んでいるわけじゃない。・・・マナフロアを探しているらしい。それが何かは知らないが、唯一その手がかりを知るのが、プランシー叔父様だ。」 (セリエ) 

マナフロア・・・。
・・・・・・。
まさか・・・ゴリアテは・・・父さんを捕まえる、ただそれだけの為に・・・?

「そうだ。プランシー叔父様を捕らえるのが主な目的だった。ゴリアテの件は、おそらくその隠蔽工作だったのだろう。」 (セリエ) 

そ、そんな・・・父さん一人の為に、町を・・・?信じられない・・・。

「・・・これからどうするの、姉さん。」 (システィーナ) 

「神父を取り戻す。」 (セリエ) 

無茶よ!これだけの人数でどうするというの!?・・・私達と一緒に行きましょう?いいでしょ、デニム。」 (システィーナ) 

あ、う・・・うん。そうだよ、それがいいよセリエさん。

「・・・悪くない申し出だが断る。これだけのことをされたんだ。組織の長として、果たさねばならない責任がある。わかるか、デニム?」 (セリエ) 

責任・・・。僕は無責任だ、といいたいのですか?

「自分で考えろ。心配するな、お前の父上は必ず保護してやる。私の意地にかけてな。・・・また会えたら、その時はお前の力になれるかもしれない。それまで、自分を磨き上げるんだな。」 (セリエ) 

・・・。はい。

「よう、ヴァイスはどうなったんだ、デニムよ。」 (カノープス) 

あ、すっかりわすれてた!

「ヴァイス?あの賞金首がどうかしたのか?」 (謎の戦士) 

いや、僕達がここへきたのはヴァイスを追ってのことなんです。御存じないですか?

「知らん。あんな自己中なガキ、生きてようと死んでようと知ったことではない。」 (セリエ) 

うっわひでー言い草。
・・・しかし、そうすると一体どこから出た話だったんだ?

ともかく、ヴァイス追討は今回は失敗。セリエさんたちとはそこでわかれて、僕達はアルモリカ城へ一旦戻ることにした。

・・・。
あれ?セリエさん、ヴァイスのこと知ってたのかな・・・?

NEXT→[姉弟、兄妹

[戻り先]→【HOME】>【繁盛記・目次