アルモリカ城へ戻った僕達だけど、結局何も結果が出なかったわけで・・・。
公爵への報告に行った僕は、びっくりしてしまった。
僕は、ロスローリアンのコマンド級騎士の一人、オズ殺しにされていたんだ!
「僕達が到着した時には、既に彼は殺されていたんですよ!」 (デニム)
「ふむ・・・いいだろう、貴君を信じよう。だが、あの暗黒騎士団の一個師団を、コマンド級騎士もろとも、僅か三名のヴァレリア解放戦線の戦士達が壊滅させたというのは、簡単には信用してもらえまい。」 (騎士)
ああっもう、セリエさん達の鬼神の強さが恨めしいよ!
「よい。まだ交渉の余地はあろう。オズを殺したのはヴァレリア解放戦線の残党で、我々は裏切り者を追って偶然その場に居合わせたに過ぎない、としておこう。デニムも手を出さなかったのは賢明であった。」 (公爵)
は、はあ・・・。
「ところで、デニムには早速だがアシュトンへ発ってもらいたい。アシュトン駐留部隊からの連絡が途絶えたままなのだ。当地からは奇妙な報告もあり、捨て置くことは出来ん。それに・・・アシュトンではゼノビアのギルダス殿に似た騎士を見かけたと聞く。」 (公爵)
ギルダスさんが!?本当ですか?
「行ってくれるな?」 (公爵)
はい!
・・・あれ?ひょっとして公爵、僕をつってるのかな?
あの・・・ところで姉さんは?
「ん?ああ、そうだったね。ずっとふさぎ込んだままなんだ。どうにか話を聞いて、なだめすかすなりしてくれないか。」 (レオナール)
ええ。そのつもりです。
「頼む。私ももうすぐ出撃しなければならない。ガルガスタンの残党のしつこさには、ほとほと呆れるばかりだ・・・。」 (レオナール)
大変ですね・・・っと、僕も他人事じゃないですね。頑張りましょう。
「うむ。ではカチュアの方は任せる。」 (レオナール)
はい。
・・・
あ、姉さん!
(デニムを見つけると背を向けて急ぎ足で立ち去ろうとするカチュア)
「ま、待ってよ姉さん!」 (デニム)
(カチュア、立ち止まり振り返る)
「何の用?英雄さん。」 (カチュア)
いやに絡むなぁ・・・いい加減、機嫌を直してよ。
「用がないなら、行くわね。」 (カチュア)
「待って!父さんが、生きていたんだ!姉さん!」 (デニム)
「なんですって!?」 (カチュア)
(間)
「そう、生きてたの、あの人。」 (カチュア)
「あの人って・・・父さんだよ?嬉しくないの?」 (デニム)
「で、助けに行くの?あの人を。」 (カチュア)
「も、もちろんだよ!当たり前じゃないか!どうしたんだい、姉さん。」 (デニム)
「・・・本当の父さんじゃないのに?」 (カチュア)
・・・・・・。
え?
「あの人は私達の父さんじゃないのよッ!私達の父親は、もう居ないのよ、デニムッ!」 (カチュア)
な、なにをいいだすんだ・・・!?
「落ち着いて姉さん!何を言ってるんだ!?」 (デニム)
「私、聞いたのよ昔。私達は、本当の両親が死んだ後、あの人に引き取られたの。」 (カチュア)
「・・・・・・そんな!ど、どうして今頃!?」 (デニム)
(間)
「あなたが、離れていくからよ・・・。」 (カチュア)
「離れて・・・って、僕は姉さんとずっと一緒だったじゃないか!」 (デニム)
「嘘よッ!あなたは私より戦争を選んだわ!私のことよりも、戦争のことを考えてるわ!私なんか、どうなったっていいのよ、デニムはッ!・・・たった二人の姉弟なのに!」 (カチュア)
(カチュア、デニムに背を向けてダッシュ)
姉さん!
そんな・・・離れていったのは姉さんじゃないか・・・。
・・・・・・。
姉さんのことは、暫く放っておこう。タイミングが悪かったかもしれない。落ち着いた頃、もう一度話し合おう。きっと判ってくれる筈だ。
父さん・・・。
本当の父さんでないとしても、父さんは父さんだよ、姉さん・・・。
でも、父さんのことは当面、セリエさんを当てにするしかないな。暗黒騎士団を相手にするとなれば、僕の意志だけではもう動けない・・・。
僕は、新たな任務を果たすべく、港町アシュトンへ進軍を開始した。
アシュトンまでの道程は少しあるけど、ガルガスタンが幅を効かせていた頃とは違って、随分気楽に進める。
なんて思ってたらまただよ!えっ!?なんで!?タインマウスの丘って、青かったじゃない!!
「システム的な解説してんじゃねぇぞデニム!」 (カノープス)
だあって!くそ、ギルダスさんと会えるかもしれないってのに・・・!
・・・あれ?あの人達、前にも会ったぞ?ねぇ、カノープスさん。
「ああ。・・・お前、またか?」 (カノープス)
「まただ。なかなか似合うだろう、こっちの装束も。」 (猛獣使い)
「で、お前もか。」 (カノープス)
「えっへへへ〜。」 (女ホークマン)
「最近、どーも妙な連中がこっちに集まってるが、何やるつもりなんだ?」 (カノープス)
「ふむ?俺は単独行だったんだがな・・・。他にも来ているのか?」 (猛獣使い)
「あれっ?知らなかったの?何人か遊びに来てるわよ、こっちに。」 (女ホークマン)
「お前もだろうが、お前も!」 (カノープス)
「ぷー。」 (女ホークマン)
「いや、凄い顔ぶれですねこうしてみると。」 (ミルディン)
「ホッホッホ。なにぶん、久しぶりの登場ですからな。」 (ウォーレン)
あの・・・結局戦闘じゃないんですね?
「んー?おお、邪魔くさい奴ならいたが・・・。」 (猛獣使い)
で、どうしたんです?その人。
「うむ。そこにおるが。」 (猛獣使い)
(簀巻き状態の敵猛獣使い)
「畜生!俺の先の先を読んでこんな連中を差し向けやがって!」 (敵)
いや、あの・・・この人達が勝手に・・・。
「ベルダ!オブダ!バンガ!ザンガ!一旦退くぞ!おぼえてやがれ小僧!それとテメーもだ!」 (敵)
(敵猛獣使い、グリフォンとコカトリスに運び去られる)
な・・・なんなんだ・・・。
「お、そろそろ出番もお終いか。」 (猛獣使い)
「十分出てるじゃねーか。」 (カノープス)
「そういうな。ではまた会おう。」 (猛獣使い)
「またね〜♪」 (女ホークマン)
・・・。これからも、出てくるんですか?
「俺に聞くなよ。・・・ま、多分な。」 (カノープス)
「星のお導きです。」 (ウォーレン)
はあ・・・前途多難というかなんというか・・・。
気が抜けたので僕達は、一旦クリザローの町で一息つくことにした。アルモリカ城に戻るのは今はまずいしね・・・。