心眼の剣士


●強制●

休もうとして、最寄の町クリザローへ立ち寄った僕達だけど・・・なんか暗転しますよ!?戦闘じゃないけど、一体何が!?

闇が晴れると、目の前にはレオナールさんが居た。久々に部下を連れている。

「君もガルガスタンの残党に襲われたか・・・全く困ったものだな連中には。」 (レオナール) 

いや、あの・・・ま、いっか。話がスムーズに進まなくなるし。

「何しに来たの?英雄さん。今度はガルガスタンに味方して、私達の邪魔でもするつもり?」 (フェスタ) 

な、なんですかいきなり。

「・・・よさないか。」 (レオナール) 

「裏切り者の癖に、したり面で出てくるんじゃないわよッ!」 (フェスタ) 

(たたた・・・ばたんっ)←フェスタ、部屋を出る

「・・・気にしないでやってくれ。多くの仲間が傷付けられ、感情が昂ぶっているんだ・・・。」 (レオナール) 

・・・レオナールさんの方も厄介そうですね。

「ああ・・・だが、退くわけにもいかない。そろそろ失礼するよ。私達はこの先のクァドリガ砦の残党討伐に向かうところだ。」 (レオナール) 

お気をつけて・・・。

(外に出ようとするレオナール、ふと立ち止まる)

「あまり気に病むな。私は、いつでも君の味方だ。」 (レオナール) 

レオナールさん・・・。

●落涙●

先に発ったレオナール隊とは別に、僕達は港町アシュトンに向かうことにした。でも、タインマウスの丘に差し掛かったあたりで、突然不安に駆り立てられた・・・。

「どうました、デニム君?」 (ミルディン) 

・・・。やっぱり気になる!クァドリガ砦に向かおう!

(急転身するデニム)

「お、おいおい!チッ、しょうがねぇな全く。」 (カノープス) 

嫌な予感がするんだ・・・レオナールさん、無事でいてくれ!

・・・

クァドリガ砦に到着した僕達は、石にされたレオナールさんの部下を見つけた。でも、レオナールさんは石にされていない。どこに!?まさか・・・。

「ふん、いくら来ようと無駄なこと。ウォルスタのブタども!枢機卿様のお恨みを晴らさせてもらうッ!」 (ボス) 

「貴様・・・レオナールさんはどうした!」 (デニム) 

「貴様らウォルスタのブタどもに、名前などあったのか?フン、知ったことではないわッ!貴様らはどうせ死ぬ身、知ったとてどうにもなるかッ!」 (ボス) 

くっそ・・・ガルガスタンめ!

・・・

砦を攻め上らなければならない上に、敵はかなりの手練だ。レオナールさんの部下の石化も解除しなきゃ・・・。
高低差のせいで攻め手に不利な戦いだけど、僕達にはもう殆ど関係のない話になっている。コカトリス達、ありがとう。お金にもなってくれて、僕は嬉しいよ。

(みょんみょんみょんみょん)←クリアランス

「う・・・あ、ありがとう。一応、礼は言っておくわ。」 (フェスタ) 

「レオナールさんはどうしたんだ!?」 (デニム) 

「砦の中に囚われているわ!」 (フェスタ) 

中か・・・どのみち、こいつらを倒さないと駄目か。
戦いは激しくなり、両軍とも負傷者が増えてきた。そんな折り、砦の内部から誰かが出てきた。

「タムズ、カモス、フェスタ!無事か!・・・デニム君か、助かった!」 (レオナール) 

レオナールさん!無事でしたか、よかった!

●剣聖●

・・・って、ゆっくりできる状況じゃないや。
と、またしてもその時。
砦の最上段に誰かが立った・・・。逆光でよく見えない・・・。って、飛んだ!?

ハボリムだ!討ちとって名を上げろ!」 (敵騎士) 

・・・ハボリム?何者だ?
って、思ってる先からざくざく斬り進んでいくぞ、あの人!?一体何者なんだ!?

ハボリムって人が出てきてから、ガルガスタンの残党は完全に浮き足立ち、僕達は残敵掃討部隊みたいな形になった。
そして、ボスのボティスにとどめをさした。

「う・・・・・・、シ ョ ッ カ ー 軍団、ば ん ざ ー い!

(どたっ、どがーん)

・・・しょっかー?胡散臭い奴だ。

「助かったよ、デニムくん。君には何度となく助けられたな。」 (レオナール) 

いや、何か嫌な予感がして・・・。

(レオナールの元にやってくるハボリム)

「おお、ハボリム殿、さすがの手並みでしたな。」 (レオナール) 

ご存知なんですか?

「うむ。私も名だけは聞いていたが、剣聖の称号を持つ名うての戦士だ。偶然、この砦におられたのだ。君の襲撃で砦の中が手薄になったのを期に、一緒に脱出したというわけだ。ハボリム殿、彼が・・・」 (レオナール) 

「わかるよ。君がゴリアテの英雄、デニム・パウエルだね。」 (ハボリム) 

あ、はい。・・・?ハボリムさん、ひょっとして、目が?

されど心の目は開いておる。心配無用だ。私はハボリム・ヴァ・・・ごほっごほっ!失礼、ハボリム・ヴァンダムだ。」 (ハボリム) 

龍虎武神隊隊長のデニムです。

「・・・デニム君、ひとつ聞かせてくれ。君の『真の敵』とは、ロスローリアンなのかね?」 (ハボリム) 

真の敵・・・?
・・・確かにロスローリアンは僕にとって、父を連れ去る為にゴリアテを焼き討ちした、許せない連中です。しかし、彼らを倒せばそれで真の平和が訪れる、というわけでもないと思います。
それでも、今は倒すべき相手です。ゴリアテのことや、ライム、ボード砦のことも含めて・・・。

「・・・。わかった、期待以上の答えは貰った。どうだろう?私を君の部隊に加えてくれないか?足手纏いになる様なら捨ててもらって構わない。どうかね?」 (ハボリム) 

「僕の部隊に・・・?こちらこそ喜んで。あなたのような方に味方になってくれれば心強い。」 (デニム) 

「ありがとう。・・・済まないね、レオナール殿。君の世話になるといっておきながら。」 (ハボリム) 

「いえ、お気になさらず。デニムくん、これからアシュトンに行くのだろう?・・・生きて帰るのだぞ。」 (レオナール) 

はい!

レオナールさんの配慮からか、タムズ、カモス、フェスタの三人が僕の部隊に参加することになった。なんか、何気に大所帯になってきたなぁ・・・。
よし、次はアシュトンだ。ギルダスさん・・・会えればいいけど・・・。

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