なんか、余計な寄り道をした気がするけど、漸く本来の目的地アシュトンに着いた。その僕達の前に、見慣れた白い鎧の騎士がいた・・・。けど・・・。
(ざくっ)←全身鎧の騎士に斬りつける白い鎧の騎士
「デボルドッ!」 (僧侶)
あの騎士は・・・間違いない、ギルダスさんだ!ギルダスさ〜ん!
(デニムの方を向く白い鎧の騎士)
「・・・・・・」 (白い鎧の騎士)
(どがんっ)←白い鎧の騎士に斬りつける、全身鎧の騎士
「・・・」 (白い鎧の騎士)
(踵を返して立ち去る白い鎧の騎士)
ぎ、ギルダスさん・・・?ま、待ってよ!・・・どうなってるんだ?
(少女に詰め寄る不気味な戦士達)
「嫌ッ・・・こないで・・・」 (少女)
(少女を護るように寄り添う全身鎧の騎士)
「デボルド・・・」 (少女)
ギルダスさんも気になるけど、今は彼女たちを助けなければ・・・ギルダスさんのこと、何か知っているかもしれないし。
敵は全員ゾンビだった。ただ倒してもまた時間が経てば復活する、厄介な奴。しかし、僕達は必殺・ペトロクラウドを手に入れたんだ!これさえあればゾンビなんか、固めて一斉トドメでポイよ。エクソシストいらずで経済的。
「ちりーん。」 (プレザンス)
(風鈴片手に黄昏る神父)
あ、拗ねちゃった・・・。
そうは言っても、まず彼女の近くにいるゾンビをどうにかしないと・・・どれくらい強いか知らないけど、たかがプリースト、ソルジャーの2〜3体に囲まれたら終わりだ。
でも、デボルドと呼ばれていた騎士が彼女をどうにか護っている。この隙に、スタンスローター!ペトロクラウド!コカトリス!
下手に動かれると困るので、彼女達にも石になってもらった。ゲストの怖さは姉さん達で嫌というほど経験しているからね・・・。
そうして、どうにか倒し、死体(既に死んでる人の死体って、変な表現)を一箇所にまとめてプレザンスさんにお願い。
「わしの出番はこんなところだな。」 (プレザンス)
普通はそうです。
さて・・・彼女たちに話を聞かないと。
彼女はオリアスと名乗った。オリアスは、アシュトン近辺で発生していた怪事件が、これらアンデッド達の仕業だと言う。なるほど、彼らは駐留部隊のなれの果てだったのか・・・。
後で線香の一本でも・・・日本か?
「ギルダスさんについて、何か知らないか?君達を襲っていた騎士だけど・・・。」 (デニム)
「・・・あの異国風の鎧を纏った騎士のこと?いいえ、私は何も。でも・・・見たでしょう?彼はもう、あなたの知っている人ではないわ。」 (オリアス)
「いや、あれはギルダスさんに間違いない。・・・何を知っているんだ?」 (デニム)
「・・・。彼らは、ある一人の魔術師の実験台にされたの。死者を生き還らせる秘術の研究と称して・・・死んだ人達を次々とアンデッドにしていったわ・・・。みんな失敗作だって、捨てていったけど。あの騎士も・・・多分。」 (オリアス)
そんな、ギルダスさんが・・・?誰なんだ、その魔術師は!?
「元ガルガスタン監督官、ニバス・オブデロード!・・・そして、私の父!」 (オリアス)
きっ・・・君が・・・屍術師ニバスの娘・・・?!
「そう、私はオリアス・オブデロード!悪魔に魂を売ると称してこれを口先三寸でたぶらかし、悪魔の力を身につけた背徳の魔術師である父と戦う、儚く可憐な乙女!」 (オリアス)
(背景、牡丹の花満開。オリアス、ポーズキメ中)
(花びらを中空に巻くデボルド)
ちっ・・・・・・近寄り難い人種だ。ところで、彼は?
「・・・デボルド。」 (オリアス)
(デボルド、オリアスの隣にやってくる)
「兜を取って。」 (オリアス)
(デボルド、立ちすくんだまま)
「・・・・・・兜を、取ってみせて、兄さん。」 (オリアス)
「・・・」 (デボルド)
(デボルド、一度オリアスに顔を向け、兜を取る)
・・・・・・!?
(デボルド、兜を再び被る)
お、オリアス!彼は・・・!?いや、でもさっき元気に・・・一体全体?
「私の兄・デボルドは、以前の戦争の時に死んでしまったの。そして、それをニバスが実験に・・・使ったの。肉体は蘇生を果たしたわ。でも、記憶は・・・心は・・・失われた。」 (オリアス)
ニバス・・・自分の子供まで実験の為に・・・?なんてやつだ。
「お願いです。私達をあなたの部隊に加えて下さい。父を・・・ニバスを止めなければ!」 (オリアス)
・・・断っても、二人だけで行くつもりなんだろうな。
わかった、一緒に戦おう。
「ありがとう。ニバスを倒し、真の平和を手にするまで、私達の命、あなたと共に・・・!」 (オリアス)
(しゅぼっ)←デボルド、打ち上げ花火点火
(ひるるるるるるる・・・どどーん♪)
わー、なんだなんだ!?
「続編であることを強調させて頂きました。」 (オリアス)
(がしゃこん♪)←デボルド、ロボコン調に小首をかしげているらしい
何の続編だよまったく・・・デボルドも、ホントは血色が悪いだけなんじゃないのか?妙なところに気が利くし・・・。
ところで、これは僕のお話なんじゃないんですか?
「伝統芸だ。」 (天)
「嘘つくな。」 (カノープス)
「ホッホッホ。」 (ウォーレン)
・・・駄目だ、絡まってくると頭痛の種でしかない。適当に相手しよう。
そこから僕達は、ギルダスさんが向かっていったらしい方向に進んでいった。
ヘドン山、そしてバンハムーバの神殿も不死者が巣食っていた。けど、ニバスの姿も、ギルダスさんの姿も見当たらない。後には、死屍だったものの死屍が累々と・・・あれ?
「ちゃんと昇天させておるわい、心配するな。」 (プレザンス)
あ、そーですよね。よかった。
・・・ところでオリアス?
「何?」 (オリアス)
君は、僧侶にしては標準装備魔法が凄いね。
「う・・・。仕様です。」 (オリアス)
ふーん・・・。デボルドもグラムロック渡してから余計に遅くなってねぇ・・・。
「う・・・。兄は、生まれつき鈍足だったもので。」 (オリアス)
ふーん・・・装備は何とかなるとして、彼の命中率の悪さは致命的だ。どうにかしないとなぁ。
(神殿の奥から一人の僧侶がデニムに近寄ってくる)
「助かったぞ若いの。・・・どうかしたか?」 (神殿の僧侶)
「・・・失礼、こんな朽ちた神殿に、まだ人が居たとは思わなかったもので。」 (デニム)
「朽ちていてもここはかつての総本山。我等僧侶は、ここを護る義務がある。ま、イクソシズムの準備は怠ったがな。わっはっは!」 (僧侶)
「は・・・はぁ。妙な人だなぁ・・・。」 (デニム)
「フォッホホホ。」 (僧侶)
(遠間から近づいてくるシスティーナ)
「デニム、ここにはもう問題なさそうよ・・・。あら?」 (システィーナ)
(そそくさと去る僧侶)
「・・・どうしたの?」 (デニム)
「え、いや・・・。気のせいね、多分。」 (システィーナ)
「?」 (デニム)
となると、この先かなぁ・・・。