アシュトンの兄妹


●アシュトンの屍人●

なんか、余計な寄り道をした気がするけど、漸く本来の目的地アシュトンに着いた。その僕達の前に、見慣れた白い鎧の騎士がいた・・・。けど・・・。

(ざくっ)←全身鎧の騎士に斬りつける白い鎧の騎士

デボルドッ!」 (僧侶) 

あの騎士は・・・間違いない、ギルダスさんだ!ギルダスさ〜ん!

(デニムの方を向く白い鎧の騎士)

「・・・・・・」 (白い鎧の騎士) 

(どがんっ)←白い鎧の騎士に斬りつける、全身鎧の騎士

「・・・」 (白い鎧の騎士) 

(踵を返して立ち去る白い鎧の騎士)

ぎ、ギルダスさん・・・?ま、待ってよ!・・・どうなってるんだ?

(少女に詰め寄る不気味な戦士達)

「嫌ッ・・・こないで・・・」 (少女) 

(少女を護るように寄り添う全身鎧の騎士)

「デボルド・・・」 (少女) 

ギルダスさんも気になるけど、今は彼女たちを助けなければ・・・ギルダスさんのこと、何か知っているかもしれないし。

敵は全員ゾンビだった。ただ倒してもまた時間が経てば復活する、厄介な奴。しかし、僕達は必殺・ペトロクラウドを手に入れたんだ!これさえあればゾンビなんか、固めて一斉トドメでポイよ。エクソシストいらずで経済的。

「ちりーん。」 (プレザンス) 

(風鈴片手に黄昏る神父)

あ、拗ねちゃった・・・。

そうは言っても、まず彼女の近くにいるゾンビをどうにかしないと・・・どれくらい強いか知らないけど、たかがプリースト、ソルジャーの2〜3体に囲まれたら終わりだ。
でも、デボルドと呼ばれていた騎士が彼女をどうにか護っている。この隙に、スタンスローター!ペトロクラウド!コカトリス!
下手に動かれると困るので、彼女達にも石になってもらった。ゲストの怖さは姉さん達で嫌というほど経験しているからね・・・。
そうして、どうにか倒し、死体(既に死んでる人の死体って、変な表現)を一箇所にまとめてプレザンスさんにお願い。

「わしの出番はこんなところだな。」 (プレザンス) 

普通はそうです。
さて・・・彼女たちに話を聞かないと。

●屍術師の影●

彼女はオリアスと名乗った。オリアスは、アシュトン近辺で発生していた怪事件が、これらアンデッド達の仕業だと言う。なるほど、彼らは駐留部隊のなれの果てだったのか・・・。
後で線香の一本でも・・・日本か?

「ギルダスさんについて、何か知らないか?君達を襲っていた騎士だけど・・・。」 (デニム) 

「・・・あの異国風の鎧を纏った騎士のこと?いいえ、私は何も。でも・・・見たでしょう?彼はもう、あなたの知っている人ではないわ。」 (オリアス) 

「いや、あれはギルダスさんに間違いない。・・・何を知っているんだ?」 (デニム) 

「・・・。彼らは、ある一人の魔術師の実験台にされたの。死者を生き還らせる秘術の研究と称して・・・死んだ人達を次々とアンデッドにしていったわ・・・。みんな失敗作だって、捨てていったけど。あの騎士も・・・多分。」 (オリアス) 

そんな、ギルダスさんが・・・?誰なんだ、その魔術師は!?

「元ガルガスタン監督官、ニバス・オブデロード!・・・そして、私の父!」 (オリアス) 

きっ・・・君が・・・屍術師ニバスの娘・・・?!

「そう、私はオリアス・オブデロード!悪魔に魂を売ると称してこれを口先三寸でたぶらかし、悪魔の力を身につけた背徳の魔術師である父と戦う、儚く可憐な乙女!」 (オリアス) 

(背景、牡丹の花満開。オリアス、ポーズキメ中)

(花びらを中空に巻くデボルド)

ちっ・・・・・・近寄り難い人種だ。ところで、彼は?

「・・・デボルド。」 (オリアス) 

(デボルド、オリアスの隣にやってくる)

「兜を取って。」 (オリアス) 

(デボルド、立ちすくんだまま)

「・・・・・・兜を、取ってみせて、兄さん。」 (オリアス) 

「・・・」 (デボルド) 

(デボルド、一度オリアスに顔を向け、兜を取る)

・・・・・・!?

(デボルド、兜を再び被る)

お、オリアス!彼は・・・!?いや、でもさっき元気に・・・一体全体?

「私の兄・デボルドは、以前の戦争の時に死んでしまったの。そして、それをニバスが実験に・・・使ったの。肉体は蘇生を果たしたわ。でも、記憶は・・・心は・・・失われた。」 (オリアス) 

ニバス・・・自分の子供まで実験の為に・・・?なんてやつだ。

「お願いです。私達をあなたの部隊に加えて下さい。父を・・・ニバスを止めなければ!」 (オリアス) 

・・・断っても、二人だけで行くつもりなんだろうな。
わかった、一緒に戦おう。

「ありがとう。ニバスを倒し、真の平和を手にするまで、私達の命、あなたと共に・・・!」 (オリアス) 

(しゅぼっ)←デボルド、打ち上げ花火点火

(ひるるるるるるる・・・どどーん♪)

わー、なんだなんだ!?

「続編であることを強調させて頂きました。」 (オリアス) 

(がしゃこん♪)←デボルド、ロボコン調に小首をかしげているらしい

何の続編だよまったく・・・デボルドも、ホントは血色が悪いだけなんじゃないのか?妙なところに気が利くし・・・。
ところで、これは僕のお話なんじゃないんですか?

伝統芸だ。」 (天) 

「嘘つくな。」 (カノープス) 

「ホッホッホ。」 (ウォーレン) 

・・・駄目だ、絡まってくると頭痛の種でしかない。適当に相手しよう。

●死屍死屍累々●

そこから僕達は、ギルダスさんが向かっていったらしい方向に進んでいった。
ヘドン山、そしてバンハムーバの神殿も不死者が巣食っていた。けど、ニバスの姿も、ギルダスさんの姿も見当たらない。後には、死屍だったものの死屍が累々と・・・あれ?

「ちゃんと昇天させておるわい、心配するな。」 (プレザンス) 

あ、そーですよね。よかった。
・・・ところでオリアス?

「何?」 (オリアス) 

君は、僧侶にしては標準装備魔法が凄いね。

「う・・・。仕様です。」 (オリアス) 

ふーん・・・。デボルドもグラムロック渡してから余計に遅くなってねぇ・・・。

「う・・・。兄は、生まれつき鈍足だったもので。」 (オリアス) 

ふーん・・・装備は何とかなるとして、彼の命中率の悪さは致命的だ。どうにかしないとなぁ。

(神殿の奥から一人の僧侶がデニムに近寄ってくる)

「助かったぞ若いの。・・・どうかしたか?」 (神殿の僧侶) 

「・・・失礼、こんな朽ちた神殿に、まだ人が居たとは思わなかったもので。」 (デニム) 

「朽ちていてもここはかつての総本山。我等僧侶は、ここを護る義務がある。ま、イクソシズムの準備は怠ったがな。わっはっは!」 (僧侶) 

「は・・・はぁ。妙な人だなぁ・・・。」 (デニム) 

「フォッホホホ。」 (僧侶) 

(遠間から近づいてくるシスティーナ)

「デニム、ここにはもう問題なさそうよ・・・。あら?」 (システィーナ) 

(そそくさと去る僧侶)

「・・・どうしたの?」 (デニム) 

「え、いや・・・。気のせいね、多分。」 (システィーナ) 

「?」 (デニム) 

となると、この先かなぁ・・・。

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