そして僕達は、またダムザ砦までやってきた。これより西はなく、後は船でどこかへ行くしかない。
【デニム達が到着する直前】
(砦の上のニバス、ギルダス)
「ふ〜む・・・。体細胞が崩れ始めていますねぇ・・・。もう長くはありませんねぇ。 申し訳ありませんねぇ、あなたを失敗作の一つにしてしまった。これも運命と諦めて下さいねぇ。『不老不死』は我々人間が求める、永遠のテーマなのですから・・・。」 (ニバス)
(かがみ込むニバス)
「・・・やはり、これに頼らねばなりませんかねぇ。」 (ニバス)
以上、少々フライング気味のウォーレン・ムーンがお届けしました。
ウォーレンさんッ!
「ホッホッホ。デニムくんは最近カルシウムが足りないようですね。」 (ウォーレン)
十分足りてますッ。
それはいいとして、見つけたぞ、ニバス!そして・・・ギルダスさん・・・。
「父さん・・・父さん、もうやめてッ!これ以上人々を苦しめないでッ!」 (オリアス)
(砦の上のニバス、振り向き)
「ほう、私を父さんと呼ぶのはどこの誰かと思えば、我が娘ではありませんか。」 (ニバス)
・・・どういう頭の構造してるんだ、この人。
「しかし、心外ですね。私が誰を苦しめたというンです?」 (ニバス)
「もう、死んだ人を迷わせないでッ!彼らに町を襲わせて、どういうつもりなの!?」 (オリアス)
「おやおや、彼らが町を襲ったンですか?さぁ、私はそんな命令を出した覚えはありませンよ?それは、彼らがそうしたいから襲っているンですよ、オリアス。
わかっているのでしょう?彼らは生者が憎いンです。死が苦痛なンです。同じ思いを分かつ仲間が欲しいンです。私は、彼らの『生』に対する執着心を使い、彼らの願いをかなえたンです!
・・・感謝されても、恨まれる筋合いはないというもの。」 (ニバス)
「父さん・・・」 (オリアス)
「それとも。オリアス、お前が学んだその神の教えで、彼らの魂を救済しますか?そら、デボルドの魂も救えぬお前の力で、何か出来るというのならやってみせてご覧なさい!」 (ニバス)
「・・・・・・私は、私は逃げないッ!父さんの様に逃げはしないッ!父さん、あなたをこれ以上、迷わせはしないわッ!」 (オリアス)
「ほう、なかなか口達者になったものですねぇ。感心しました、我が娘よ。・・・ならば、この私を倒してみなさい。」 (ニバス)
(ニバス、サモンダークネス連発でアンデッド召喚)
ギルダスさん・・・ギルダスさんッ!僕だよ、デニムだよッ!思い出してギルダスさんッ!
「・・・・・・で・・・にむ・・・」 (ギルダス)
「ほう・・・覚えていますか?あなたの仲間だった人ですよ?」 (ニバス)
「な・・・か・・・・・・ま・・・」 (ギルダス)
「そうです。思い出してご覧なさい。あなたが、ライムで、生命を助けたンですよ。」 (ニバス)
「ライム・・・タスケタ・・・・・・」 (ギルダス)
「そーうです!なかなか興味深いことですねぇこれは・・・。しかし、そこであなたは死んでしまった。彼を助けなければ、あなたが死ぬことはなかったンです。そう、彼が、死んでいれば、あなたは生きていたンです! どうです?彼のこと、どうしますか?」 (ニバス)
「・・・アイツヲ、コロセバ・・・・・・」 (ギルダス)
「ふーむ、やはり普通の反応ですねぇ。致し方ありません、さあ、彼を殺すンです!あなたの手で、彼にあなたと同じ死の苦痛を!さあ!」 (ニバス)
「ウウ・・・ウウオオオオ!」 (ギルダス)
ぎ、ギルダスさん・・・・・・。
「ギルダス・・・すまんな、楽にしてやるぞ。」 (カノープス)
カノープスさんッ!?
「デニムくん!ギルダスはもう手後れです!後はあの哀れな肉体から、彼の魂を解放すること、それだけが私達に出来ることですッ!」 (ミルディン)
そんなッ!!・・・駄目だ、絶対、何か方法が・・・!!
戦闘そのものはさほど辛いものじゃない。以前にも攻略したことのある場所だ、癖は分かっている。ただ、ギルダスさんと戦うのが・・・。
デボルドはニバスに真っ直ぐ進んで行った。オリアスもそれを追っている。ニバスも、アンデッドを呼ぶだけが能じゃないところをアピールしている。
「ギルダスさんッ!返事をして、ギルダスさん!」 (デニム)
「・・・・・・」 (ギルダス)
くっ・・・やはり無理なのか!?
・・・
「デボルド・・・惜しいですねぇ、今までの中では最高傑作なンですがねぇ。」 (ニバス)
「ふざけないでッ!あなたは、兄さんを助けたくて一生懸命だったんじゃない・・・格好の実験材料を得て、不老不死の術を試したかっただけ!不老不死の術しか・・・自分のことしか考えてないッ!」 (オリアス)
「当たり前です。誰しも自分が一番可愛いものなンですから。」 (ニバス)
「それが人の性とはいえ、父さんの行為は赦されない!・・・母さん、天国の母さん、私に力を・・・父さんを倒す勇気を貸してッ!」 (オリアス)
(デボルド、間に割って入る)
「に、兄さん・・・?」 (オリアス)
「父さん、これ以上非道なことはしないでくれ。」 (デボルド)
「ッ!?」 (オリアス)
「何と!?」 (ニバス)
「隙ありッ!」 (デボルド)
(ぶんっ)←グラムロックをニバスの脳天に振り下ろすデボルド
「甘いッ!」 (ニバス)
(ぱんっ、さくっ)←ニバス、真剣白刃取りに失敗
「・・・・・・うーむ、読みはよかったンですがねぇ。技術が伴いませんでしたねぇ。」 (ニバス)
「30点というところだね父さん。」 (デボルド)
「はっはっは。歳には勝てん。ぐふっ!」 (ニバス)
「・・・はっ、父さん!」 (オリアス)
「し・・・仕方ありません・・・『死者の指輪』よッ!」 (ニバス)
(倒れるニバス。暗黒の魔法陣に包まれる。煙。薄れ行き、中にニバスの姿)
「いかがです?この身体は。」 (ニバス)
「と・・・父さん。」 (オリアス)
「不死、というだけならば過去の遺産が実現済みです。問題なのは人間を止めねばならないことですがねぇ。くくくくく・・・。」 (ニバス)
「・・・・・」 (デボルド)
「どうやら時間制限がある様ですねぇ・・・。ま、いいでしょう。オリアス、残念ですがここでお別れです。またお会いしましょう。では。」 (ニバス)
(どろんっ)←カラスに化けて飛び去るニバス
「(はっ)父さん!デニムッ!」 (オリアス)
「見ていた!サラッ!」 (デニム)
「わーってるって♪」 (サラ)
(きりきりきり・・・びしゅっ、どすっ)
「カァ〜ッ!」 (カラス)
(ひるるるる・・・どさっ)
「『サンダーフレア』!」 (システィーナ)
(どどーん!)
「くケーッ!」 (カラス)
「追い討ち付き♪」 (サラ)
・・・わかっててやってるのかな、ニバスも。
ところでオリアス。デボルドって、ホントはちゃんと生きてるんだろ?
「いいえ、たまにああなるけど、時間制限があるのよ・・・。」 (オリアス)
(がしゃこん♪)←ロボコン調に首をかしげるデボルド
ええい、謎ばかり増やして、もう・・・。
はっ・・・。ギルダスさん?ギルダスさんッ!?
「・・・で・・・デニム、か?」 (ギルダス)
「そ、そうだよッ!僕だよギルダスさんッ!」 (デニム)
「お前は、無事だったか・・・。」 (ギルダス)
「ギルダスさんのおかげだよ!」 (デニム)
「そうか・・・」 (ギルダス)
「・・・!ギルダスさんも元気そうでよかったよ!」 (デニム)
「・・・・・・元気そう?」 (ギルダス)
「また僕と一緒に戦ってくれるんでしょ?ね?!」 (デニム)
「・・・・・・・・・・・・そう、そうだな。」 (ギルダス)
やった!ギルダスさんの魂、繋ぎ止めたぞッ!
あ、カノープスさんとミルディンさんもいるよッ。
すぐにアルモリカ城へ帰ろう。
「ああ・・・。」 (ギルダス)
やったよ。今回ばかりはニバスに感謝だよッ!ニバスの術はほとんど完全だったんだ!
【デニムが離れた後】
「ギルダス・・・」 (カノープス)
「すまねぇ・・・。あいつに見られてると、死ぬことも出来ねぇ。」 (ギルダス)
「本当に、もたないのですか?」 (ミルディン)
「ああ、そうらしい・・・。へっ、生きて、アイツ等の創るヴァレリアを・・・見て・・・・みた・・かった・・・・ぜ。」 (ギルダス)
(ギルダス、倒れる)
「・・・・・・。」 (二人)
ホワイトナイト:ギルダス・W・バーンの死を、ウォーレン・ムーンがお届けしました。
・・・・・・。
ギルダス・・・さん?