逃れ得ぬ宿命


●屍術師・アゲイン●

そして僕達は、またダムザ砦までやってきた。これより西はなく、後は船でどこかへ行くしかない。

【デニム達が到着する直前】

(砦の上のニバス、ギルダス)

「ふ〜む・・・。体細胞が崩れ始めていますねぇ・・・。もう長くはありませんねぇ。 申し訳ありませんねぇ、あなたを失敗作の一つにしてしまった。これも運命と諦めて下さいねぇ。『不老不死』は我々人間が求める、永遠のテーマなのですから・・・。」 (ニバス) 

(かがみ込むニバス)

「・・・やはり、これに頼らねばなりませんかねぇ。」 (ニバス) 

以上、少々フライング気味のウォーレン・ムーンがお届けしました。

ウォーレンさんッ!

「ホッホッホ。デニムくんは最近カルシウムが足りないようですね。」 (ウォーレン) 

十分足りてますッ。
それはいいとして、見つけたぞ、ニバス!そして・・・ギルダスさん・・・。

「父さん・・・父さん、もうやめてッ!これ以上人々を苦しめないでッ!」 (オリアス) 

(砦の上のニバス、振り向き)

「ほう、私を父さんと呼ぶのはどこの誰かと思えば、我が娘ではありませんか。」 (ニバス) 

・・・どういう頭の構造してるんだ、この人。

「しかし、心外ですね。私が誰を苦しめたというンです?」 (ニバス) 

「もう、死んだ人を迷わせないでッ!彼らに町を襲わせて、どういうつもりなの!?」 (オリアス) 

「おやおや、彼らが町を襲ったンですか?さぁ、私はそんな命令を出した覚えはありませンよ?それは、彼らがそうしたいから襲っているンですよ、オリアス。 わかっているのでしょう?彼らは生者が憎いンです。死が苦痛なンです。同じ思いを分かつ仲間が欲しいンです。私は、彼らの『生』に対する執着心を使い、彼らの願いをかなえたンです!
・・・感謝されても、恨まれる筋合いはないというもの。」 (ニバス) 

「父さん・・・」 (オリアス) 

「それとも。オリアス、お前が学んだその神の教えで、彼らの魂を救済しますか?そら、デボルドの魂も救えぬお前の力で、何か出来るというのならやってみせてご覧なさい!」 (ニバス) 

「・・・・・・私は、私は逃げないッ!父さんの様に逃げはしないッ!父さん、あなたをこれ以上、迷わせはしないわッ!」 (オリアス) 

「ほう、なかなか口達者になったものですねぇ。感心しました、我が娘よ。・・・ならば、この私を倒してみなさい。」 (ニバス) 

(ニバス、サモンダークネス連発でアンデッド召喚)

●白騎士●

ギルダスさん・・・ギルダスさんッ!僕だよ、デニムだよッ!思い出してギルダスさんッ!

「・・・・・・で・・・にむ・・・」 (ギルダス) 

「ほう・・・覚えていますか?あなたの仲間だった人ですよ?」 (ニバス) 

「な・・・か・・・・・・ま・・・」 (ギルダス) 

「そうです。思い出してご覧なさい。あなたが、ライムで、生命を助けたンですよ。」 (ニバス) 

「ライム・・・タスケタ・・・・・・」 (ギルダス) 

そーうです!なかなか興味深いことですねぇこれは・・・。しかし、そこであなたは死んでしまった。彼を助けなければ、あなたが死ぬことはなかったンです。そう、彼が、死んでいれば、あなたは生きていたンです! どうです?彼のこと、どうしますか?」 (ニバス) 

「・・・アイツヲ、コロセバ・・・・・・」 (ギルダス) 

「ふーむ、やはり普通の反応ですねぇ。致し方ありません、さあ、彼を殺すンです!あなたの手で、彼にあなたと同じ死の苦痛を!さあ!」 (ニバス) 

「ウウ・・・ウウオオオオ!」 (ギルダス) 

ぎ、ギルダスさん・・・・・・。

「ギルダス・・・すまんな、楽にしてやるぞ。」 (カノープス) 

カノープスさんッ!?

「デニムくん!ギルダスはもう手後れです!後はあの哀れな肉体から、彼の魂を解放すること、それだけが私達に出来ることですッ!」 (ミルディン) 

そんなッ!!・・・駄目だ、絶対、何か方法が・・・!!

●ニバス始末記●

戦闘そのものはさほど辛いものじゃない。以前にも攻略したことのある場所だ、癖は分かっている。ただ、ギルダスさんと戦うのが・・・。
デボルドはニバスに真っ直ぐ進んで行った。オリアスもそれを追っている。ニバスも、アンデッドを呼ぶだけが能じゃないところをアピールしている。

ギルダスさんッ!返事をして、ギルダスさん!」 (デニム) 

「・・・・・・」 (ギルダス) 

くっ・・・やはり無理なのか!?
・・・

「デボルド・・・惜しいですねぇ、今までの中では最高傑作なンですがねぇ。」 (ニバス) 

ふざけないでッ!あなたは、兄さんを助けたくて一生懸命だったんじゃない・・・格好の実験材料を得て、不老不死の術を試したかっただけ!不老不死の術しか・・・自分のことしか考えてないッ!」 (オリアス) 

当たり前です。誰しも自分が一番可愛いものなンですから。」 (ニバス) 

「それが人の性とはいえ、父さんの行為は赦されない!・・・母さん、天国の母さん、私に力を・・・父さんを倒す勇気を貸してッ!」 (オリアス) 

(デボルド、間に割って入る)

「に、兄さん・・・?」 (オリアス) 

「父さん、これ以上非道なことはしないでくれ。」 (デボルド) 

「ッ!?」 (オリアス) 

「何と!?」 (ニバス) 

「隙ありッ!」 (デボルド) 

(ぶんっ)←グラムロックをニバスの脳天に振り下ろすデボルド

「甘いッ!」 (ニバス) 

(ぱんっ、さくっ)←ニバス、真剣白刃取りに失敗

「・・・・・・うーむ、読みはよかったンですがねぇ。技術が伴いませんでしたねぇ。」 (ニバス) 

「30点というところだね父さん。」 (デボルド) 

「はっはっは。歳には勝てん。ぐふっ!」 (ニバス) 

「・・・はっ、父さん!」 (オリアス) 

「し・・・仕方ありません・・・『死者の指輪』よッ!」 (ニバス) 

 

(倒れるニバス。暗黒の魔法陣に包まれる。煙。薄れ行き、中にニバスの姿)

 

「いかがです?この身体は。」 (ニバス) 

「と・・・父さん。」 (オリアス) 

不死、というだけならば過去の遺産が実現済みです。問題なのは人間を止めねばならないことですがねぇ。くくくくく・・・。」 (ニバス) 

「・・・・・」 (デボルド) 

「どうやら時間制限がある様ですねぇ・・・。ま、いいでしょう。オリアス、残念ですがここでお別れです。またお会いしましょう。では。」 (ニバス) 

(どろんっ)←カラスに化けて飛び去るニバス

「(はっ)父さん!デニムッ!」 (オリアス) 

「見ていた!サラッ!」 (デニム) 

「わーってるって♪」 (サラ) 

(きりきりきり・・・びしゅっ、どすっ)

カァ〜ッ!」 (カラス) 

(ひるるるる・・・どさっ)

「『サンダーフレア』!」 (システィーナ) 

(どどーん!)

くケーッ!」 (カラス) 

「追い討ち付き♪」 (サラ) 

・・・わかっててやってるのかな、ニバスも。
ところでオリアス。デボルドって、ホントはちゃんと生きてるんだろ?

「いいえ、たまにああなるけど、時間制限があるのよ・・・。」 (オリアス) 

(がしゃこん♪)←ロボコン調に首をかしげるデボルド

ええい、謎ばかり増やして、もう・・・。

●死すべき運命の者●

はっ・・・。ギルダスさん?ギルダスさんッ!?

「・・・で・・・デニム、か?」 (ギルダス) 

「そ、そうだよッ!僕だよギルダスさんッ!」 (デニム) 

「お前は、無事だったか・・・。」 (ギルダス) 

「ギルダスさんのおかげだよ!」 (デニム) 

「そうか・・・」 (ギルダス) 

「・・・!ギルダスさんも元気そうでよかったよ!」 (デニム) 

「・・・・・・元気そう?」 (ギルダス) 

「また僕と一緒に戦ってくれるんでしょ?ね?!」 (デニム) 

「・・・・・・・・・・・・そう、そうだな。」 (ギルダス) 

やった!ギルダスさんの魂、繋ぎ止めたぞッ!
あ、カノープスさんとミルディンさんもいるよッ。
すぐにアルモリカ城へ帰ろう。

「ああ・・・。」 (ギルダス) 

やったよ。今回ばかりはニバスに感謝だよッ!ニバスの術はほとんど完全だったんだ!

【デニムが離れた後】

「ギルダス・・・」 (カノープス) 

「すまねぇ・・・。あいつに見られてると、死ぬことも出来ねぇ。」 (ギルダス) 

「本当に、もたないのですか?」 (ミルディン) 

「ああ、そうらしい・・・。へっ、生きて、アイツ等の創るヴァレリアを・・・見て・・・・みた・・かった・・・・ぜ。」 (ギルダス) 

(ギルダス、倒れる)

「・・・・・・。」 (二人) 

ホワイトナイト:ギルダス・W・バーンの死を、ウォーレン・ムーンがお届けしました。

・・・・・・。
ギルダス・・・さん?

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