激動のライム


●公爵御満悦●

予定より早くライムに到着した僕達は、駐留部隊に見つからない様に身を潜めながらも周囲の状況を探った。
駐留しているのはバクラム軍が主で、暗黒騎士団は殆ど見かけない。もう少し警戒しているかと思っていたけど、大した事はない。

「デニム、どういう手筈になっているんだ?」 (カノープス) 

「公爵の元へ影を遣わしました。影がタイミングを報せてくれます。」 (デニム) 

「見ろ、ロスローリアンの女コマンドだ。」 (フォルカス) 

(視線の先、オズマの姿)

「・・・ま、タルタロスが来ているのだ。コマンドも数名来ているとは思っていたがな。」 (バイアン) 

「デニム、影が戻ったわ。」 (システィーナ) 

(影、デニムの元へ素早く到着)

「デニム殿、ロスローリアンはバールゼフォンを代表として送り込んで来る模様。」 (影) 

なんだって!?じゃあ、作戦は?」 (デニム) 

「レオナール殿は、作戦は予定通り遂行すると。デニム殿には行動を起こして頂きたく。」 (影) 

「・・・確かに、人質ならナンバー2の彼でも成立するでしょう。」 (ミルディン) 

「よし、では予定通り、ライム駐留軍の掃討に移る!」 (デニム) 

「退屈だねぇ・・・早く終わらないかね。」 (オズマ) 

「はっはっは、ウォルスタの連中でも攻めてくれば少しは気も紛れるでしょうが・・・」 (バクラム兵) 

「無理無理。今の連中にそこまでの兵力も気力も無いさ。」 (バクラム兵) 

うわっはっはっは!」 (バクラム兵) 

「・・・馬鹿は死ななきゃ治らないねぇ。」 (オズマ) 

(ひゅっ・・・・・・どどどっ)←バクラム兵の近くに矢が飛んできて刺さる

「うわったった!?」 (バクラム兵) 

我々はウォルスタ解放軍の龍虎武神隊である。ライム駐留のバクラム兵に告ぐ。
貴軍は我々の領土であるライムを不当に侵犯している。武器を収め、早々に撤退して頂きたい。聞き届けられない場合、これはバクラム軍の侵略とみなし、貴軍の全将兵を抹殺させて頂く。

「ど、どうやって連中がここへ・・・!?」 (兵) 

「ふん、心配するな。こっちにはロスローリアンがついてるんだ。」 (兵) 

 

龍虎武神隊・・・お前か、私の可愛いオズを殺したのは!」 (オズマ) 

 

「誤解されたままの様だな。」 (カノープス) 

「無理もないでしょう。」 (ミルディン) 

「ホッホッホ。全て星の導き通り。」 (ウォーレン) 

もう・・・セリエさんのせいで厄介なインネンつけられちゃったじゃないか。
・・・。あれ?ロスローリアンが退いていくぞ?

「作戦が進行している証拠だ。」 (フォルカス) 

あ、そっか。

駐留のバクラム兵に告ぐ!暗黒騎士団の助けはないと知れ!
見ただろう?連中はライムから撤退したのだ。貴軍を見捨ててまで、我々との戦いを避けたのだ!
無駄な抵抗は止めた方が身の為だ。我々も必要以上の血を流すつもりはない。

「う・・・何故ロスローリアンの連中は・・・!?」 (兵) 

「ええい愚か者めッ!ウォルスタ軍なんぞ、我々だけでも十分だ。一戦も交えずに退いたと知れれば、我々は罰せられるにきまっているのだぞ!?」 (兵) 

(バクラム兵、交戦準備)

 

「駄目だな、やっぱり。」 (カノープス) 

仕方の無い・・・。

●ちと戻って●

【ライムの廃屋】
暗黒騎士団の代表とロンウェー公爵達は、ここで密会を行なう手筈となっていた。しかし、現れた暗黒騎士団代表は、ナンバー2の誉れ高いバールゼフォン・V・ラームズ。当初の予定が狂った公爵達だったが、作戦は遂行された。

「ナンバー2も、そのざまでは形無しだな。」 (公爵) 

「貴様ら、なにをやっているのかわかっているのかッ!」 (バールゼフォン) 

「連れて行け。」 (レオナール) 

「ハッ」 (兵士) 

(引きずられるナンバー2)

「ぬを〜ッ、わしの出番、ひょっとして終わりか〜!?」 (バールゼフォン) 

(奥へ)

「・・・気のせいか、出番を気にする奴が多いな最近。」 (公爵) 

「あまりお気になさらない様に。」 (レオナール) 

「オズマ様・・・」 (バケツ) 

(ぼそぼそ)

「なんだとッ!?おのれ、謀りおったか!」 (オズマ) 

(デニムの口上が続く)

「オズマ様、いかがなされますか?このままバクラム軍に加勢しますか?」 (バケツ) 

「放っておけ。」 (オズマ) 

(デニムに一瞥)

「・・・こんなところで死ぬなよ、貴様は私が殺すのだからな。」 (オズマ) 

(オズマ、バケツと共に退場)

以上、多元中継は疲れるとぼやくウォーレン・ムーンがお届けしました。

・・・疲れるんならやめればいいのに。

「いや、これも占星術師の勤めでしてな。」 (ウォーレン) 

「どんな占星術だ。」 (カノープス) 

「ホッホッホ。」 (ウォーレン) 

えーっと・・・。

●ライム奪還●

暗黒騎士団の助成が無いとはいえ、駐留軍との戦闘はなかなか苦心させられた。
別働隊(指揮:ハボリム)やレオナールさん達の部隊が他方面の駐留軍と戦っているから、連中に増援が来る心配はないんだけど・・・城や砦よりは楽とはいえ、守備側はそれなりにシフトを組んでいたので、攻略も容易ではない。
それでも戦いは最初、僕達のペースで進んでいた。暗黒騎士団に頼れないということで、連中の士気は下がっていた。
しかし・・・。

(魔法の集中攻撃を受けるカノープス)

「ぐっ!」 (カノープス) 

カノープスさんッ!?」 (デニム) 

「・・・このッ!」 (カノープス) 

(どすっ)←敵ウィザードにトドめを刺すカノープス

「ぐぉぉぉぉ・・・」 (敵ウィザード) 

(がくっ)←膝を地につくカノープス

 

召喚魔法!こんなところでその呪文の持ち手に遭うとは!」 (バイアン) 

「くッ・・・カノープスさんッ!」 (デニム) 

(駆け出すデニム)

 

「ここまでの様だな、鳥野郎。」 (敵テラーナイト) 

「ち・・・ドジ踏んじまったな・・・だが、ただじゃ死にはしねぇぜ。」 (カノープス) 

「そのザマでなにが出来るかッ!」 (敵テラーナイト) 

(斧を振り上げる敵テラーナイト)

るぁいだっきーっ!」 (?) 

(空中から超高速で敵テラーナイトに飛び蹴りを食らわす謎のホークマン)

ぐはーッ!?」 (敵テラーナイト) 

(どんがらがっしゃん、べしゃっ)←盛大に吹っ飛ぶ敵テラーナイト

 

「いよーぅ、らしくねぇ戦いっぷりじゃねぇか。」 (謎ホ) 

「・・・お前も来てたのか。すると・・・?」 (カノープス) 

 

オン・バサラ・ウンケン・ソワカ!」 (謎のニンジャ) 

(高台に布陣していたバクラム兵が斬り刻まれる)

ぐわーっ!?」 (バクラム兵) 

「フッ!」 (謎忍) 

 

「・・・なに?他にも仲間が居たってこと?」 (敵竜使い) 

(ガシャッ、ガシャッ)←謎の黒騎士、下手より登場

「こっちもか・・・『ポルテウスボロス』!」 (敵竜使い) 

(白竜、騎士に向かっていく)

「・・・フン!」 (謎の黒騎士) 

(どがっ)←騎士、一撃で白竜を倒す

「そっ・・・そんな!一流の竜騎兵にだってそんな芸当は・・・」 (敵竜使い) 

(ゆっくりと近寄る黒騎士)

「ククク、仲間とは違うな。俺は単に、目に飛び込んできた貴様を斬る為に居るのだ。」 (謎の黒騎士) 

「こ、こいつ一体・・・?」 (敵竜使い) 

そりゃ!」 (謎黒) 

(どずっ)←一瞬に竜使いの胸板を剣で貫く黒騎士

「がふっ・・・疾・・・」 (敵竜使い) 

(どさっ)←倒れる竜使い

「・・・・・・久々の人斬りだったのだがな。フム、当てが外れたな。」 (謎黒) 

・・・・・・。
ひょっとして、またお知り合いですか?

「ホッホッホ。最近多いですな。しかしこれも星のお導き。」 (ウォーレン) 

この人もどんどん胡散臭くなってきたなぁ・・・。

●説明ネーム●

「なんか、最近妙に出没頻度が高いな・・・なんなんだお前等。」 (カノープス) 

「なんだとはご挨拶な。」 (謎忍) 

「こう見えても、西側の山で酷い目に遭ってきたばっかりなんだぞ。」 (謎ホ) 

人間以外だとどうも斬った気がしなくて難儀した。」 (謎黒) 

「アンニュイな気分を暴れて紛らわせていたのだが、妙なフェアリーが連れてきた天使神様ビームに追い立てられてな・・・。」 (謎ホ) 

「人が折角遭難気分を味わっていたのに、無粋な女だ。」 (謎忍) 

「遭難していたのか・・・。」 (謎ホ) 

黄色い看板の宣伝でもさせたいのか貴様。」 (謎忍) 

「神様ビーム・・・まったく、本国では今何が起きているんだ?」 (カノープス) 

「何を言ってやがる。貴様らがいつまで経っても帰ってこないからこうなったんじゃないか。」 (謎黒) 

「何の話だ・・・?」 (カノープス) 

えーっと・・・。
と、ともかく・・・ライムは奪還したぞ!後は、公爵とレオナールさんの首尾だけど・・・。

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