モルーバを探して


●姉妹の再会●

僕達はブリガンテス城を後にして、みんなの待ってる野営地まで戻った。
・・・。

「・・・なに?」 (オリビア) 

いや、寒くないのかな、って・・・。

「・・・・・・エッチ。」 (オリビア) 

な!べッ!別にそういう意味でみてたわけじゃなくって・・・

「(くすっ)冗談よ、冗談。」 (オリビア) 

・・・そんな目で見なかったわけじゃ決してないけど。男って悲しいよな。

「そのくらいのことが漸く分かったか半人前め。」 (天) 

あーもーうるさいなあ、半人前でいーですからとっととどっかいってください。
とかやってるうちに、みんなが見えてきた。

システィーナ姉さん!」 (オリビア) 

「・・・オリビア!?久しぶりじゃないの、どうしたの一体?」 (システィーナ) 

「今日から私も一緒よ。」 (オリビア) 

「やあ、オリビアちゃんじゃないか。相変わらずいい脚だねぇ。」 (フォルカス) 

「・・・まだ居たの?」 (オリビア) 

「はっはっは。どういうわけか君の姉妹には歓迎されないなぁ僕は。」 (フォルカス) 

「ったりまえだっての。」 (システィーナ) 

・・・。単なる女好きなんじゃないのか?フォルカスって・・・。
というか、システィーナと姉妹だったんだ・・・ってことは・・・・・・。
セリエさんの妹!?うわー、なんだかなー。
・・・。
あれ?それじゃ、あと一人は?

「・・・シェリー姉さんは、バクラム軍に属しているわ。」 (システィーナ) 

「そうだったの・・・。じゃあ、いずれ戦うことになるの・・・?」 (オリビア) 

「仕方がないわ。でも、その時はどうにか説得して最悪の事態を避けたいわね・・・。」 (システィーナ) 

これもややこしい事情がありそうだなぁ。

●モルーバ様を探せ!レベル3.8i●

ちょっと、なんですこのレベルっての。

固体識別番号とでもいうか。なんならMS-07Eではどうだ?」 (天) 

ジオンの青い奴ですな。」 (ウォーレン) 

違いの分かる荒法師だ。うわーっははは!」 (天) 

もー。つっかかるととめどないなぁ。

僕はあらかたのことをみんなに説明した。僕がバクラム人であるということも、今、ここまで戦ってきたみんなにとっては些事でしかなかった様で、嬉しかった。

「大体事情は飲み込めたが、その大神官モルーバってのはどこにいるんだ?」 (カノープス) 

「さあ・・・私も折りがあれば探していたのですが、一向に・・・。」 (オリビア) 

「どこにいるのかわからなければ、どうにもなりませんね・・・。」 (ミルディン) 

「既に亡くなられているか殺されている可能性はないのかね?」 (ハボリム) 

「・・・それは、分かりませんけど・・・。」 (オリビア) 

ハボリムさん。

「ん・・・そうか、モルーバ殿は君達の父上だったね。迂闊なことを言ってしまって済まぬ。」 (ハボリム) 

「いえ・・・でも、その可能性は無いとは言い切れません。」 (オリビア) 

「・・・・・・デニム、前にバンハムーバの神殿に行った時、僧侶の人と話してたよね。」 (システィーナ) 

え?・・・あ、うん、確かに。誰も居ないと思ってたからびっくりしたけど・・・。

「・・・あの人の歩き方、後ろ姿だったけど父さんにイメージが重なるの。もしかしたら・・・。」 (システィーナ) 

え!?あの人が!?君達姉妹の父親!?
俄かには信じられないよ。

「私達姉妹は全員、母方の遺伝子強く受け継いだのよ。」 (システィーナ) 

「多分、無意識の内に選択していたのだと思うわ。」 (オリビア) 

「お母様には感謝しなくちゃね。」 (システィーナ) 

「うん。」 (オリビア) 

まだ何も言ってないのによくわかるね。

「大体の予想はつくわ。」 (システィーナ) 

「・・・いずれにせよ、バンハムーバの神殿へ向かうのがよかろう。フィダックに戻っても当てはないのだからな。」 (バイアン) 

そうですね。よしッ、僕達はこのままバンハムーバの神殿に向かおう。

●暗躍するバクラム軍●

バンハムーバの神殿へは結構厄介なヘドン山を通らなければいけない。でも、バーナム山脈ほどの天険ではないから、通過するには苦労しない。
でも、どうやら僕達以外にこの先へ用がある連中がいるみたいだ・・・。

「・・・ん?貴様は、デニム!何故ここに・・・!?」 (ルロッツァ) 

・・・どちら様ですか?

「ど・・・フッ、解放軍の指導者にして名にしおう龍虎武神隊の隊長が、この俺を知らないとは・・・。」 (ルロッツァ) 

「そんな有名人には見えないがな。」 (フォルカス) 

「私にはただのウォーロックに見えるが。」 (プレザンス) 

「お、久しぶりじゃん神父。」 (カノープス) 

「あとはティアラを待つばかり。」 (プレザンス) 

「はぁ?」 (カノープス) 

だー!
誰だお前は。トレーニング中という風情でもないが、どこの所属だ。

「所属?所属は、バクラム・ヴァレリア国だ。俺は特派分遣隊副隊長・ルロッツァ。名前聞いて思い出したか?」 (ルロッツァ) 

知らないよ。どちらにしても、そこはどいてもらおう。無駄死にはしたくないだろう?

「言ってくれるね全く・・・。見せてやろう、バクラム軍の精鋭の力をな!」 (ルロッツァ) 


・・・
とか言う割には、随分あっさりとやられてやんの。所詮バクラム軍なんてこの程度のものか。

「ごふっ・・・フン、大方貴様らの狙いも・・・モルーバだろうが、残念だったな・・・今頃はもう・・・・・・。」 (ルロッツァ) 

(どさっ)←断末魔のルロッツァ

先行されたのはわかったが、バクラム軍がどうしてモルーバ様を・・・!?

「急ぎましょうデニムッ!何か、予感がするの!」 (オリビア) 

ああ、そのつもりだ!

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