荒野の銃士


●グリムスビーの町●

姉さんをバーニシア城において、僕たちはグリムスビーの町へ向かった。
・・・
グリムスビーの町は結構変わった作りになっている。道という概念が無いのか、家が密集している。ある意味では、家の屋根が道の様なものだ・・・。その為か、屋根も随分頑丈な作りで、しかも平たくなっている。

「こんなところに立て篭もられたら、手を焼きそうだな。」 (フォルカス) 

まったくだ・・・暗黒騎士団がのこのこしてることを祈ろう。

・・・

ん?
向こうの方に何か集団が見えるぞ・・・?鎧姿・・・バケツだ!なにやら連中に捕まってる人がいるみたいだけど・・・。

「デニム、よく見ろ!あの騎士を。」 (カノープス) 

え?
あの騎士は・・・。ライムで僕に斬りつけてきた暗黒騎士!ギルダスさんは僕を先に行かせる為にこいつと戦って・・・くそっ!ギルダスさんを負かすなんて、絶対卑怯な手口を使って勝ったに違いない!そんなツラをしていやがる!

「よしよし、覚えていればそれでいい。いいかデニム、落ち着いていこうぜ。」 (カノープス) 

わかってますって。まず、あの捕まってる人を助けるのが先決ですね。

「・・・んん?チッ、これからがイイトコだってぇのによ。確か、解放軍の指導者になったんだっけなぁ?よかったなぁ、指導者が次々とおっ死んでくれて。さもなきゃお前みてぇな小僧にその身分はまわってこねぇもんなぁ。あ?」 (コマンド級騎士) 

言いたいことはそれだけか、マル・・・マル・・・・・・?なんてったっけ?

「おいおい、しっかりしろよデニム。」 (カノープス) 

(ぼそぼそ)←カノープス、デニムに耳打ち

わかりました。
言いたいことはそれだけか!観念するんだな、マルコメ味噌!

(がらがっしゃん)←マルティム、盛大にこける

「だ、誰がマルコメ味噌だ!」 (マルコメ味噌) 

違うのか?だってほら、名前のとこそうなってるじゃない。

「・・・?ばっ、てめぇ、何のつもりだコラァッ!」 (マルコメ味噌) 

「うるせーな、いいじゃねぇかそっちの方が面白いんだからよ。」 (天) 

「なぁ〜にをわけのわからねぇ事を・・・!」 (マルコメ味噌) 

「ククッ・・・ファーッハハハ!なかなかいいじゃないの、気に入ったぜボウズ!」 (囚われの男) 

手前は黙ってろッ!レンドル、貴様まだ自分の立場が分かってねぇようだな?銃を持たねぇテメーなんざ、ただの木偶の坊だってことぐらい、知ってんだぜ?」 (マルコメ味噌) 

「ケッ!なめられたもんだぜ。」 (レンドル) 

・・・いけない、ともかく急いで仕掛けるッ!丸大ソーセージの注意をこっちに引きつけるんだ!

だぁーれがじゃ!」 (丸大ソーセージ) 

●銃士●

僕たちが動いた為、暗黒騎士団は僕たちに向かってきた。ただ、レンドルって人を捕まえてるバケツ達とマルティムはそのままだ。

「いい度胸だな、あいつも。バケツごときで俺達を止められると思ってんのか?」 (フォルカス) 

まったくだ。
戦いは終始僕達のペースで進んでいた。当初は驚異的な戦闘力と恐れられていたバケツ達も、いざ戦ってみるとなんてことはない雑兵に過ぎないことがわかってきた。だから、バケツ如きにこの龍虎武神隊の精鋭が負けることは決して無い!

【それを眺めるマルティム】

「・・・チッ!なんでェ、あんなガキの部隊にいい様にあしらわれやがって・・・。」 (丸大ソーセージ) 

「ククッ、ざまぁねぇなマルシンハンバーグさんよ。」 (レンドル) 

「貴様・・・いい加減にしねぇとマジで殺しちまうぞ?」 (マルシンハンバーグ) 

「できるもんならやってみな?」 (レンドル) 

「ケッ!銃がなきゃ何も出来ねぇ癖に虚勢だけはいっちょまえだな。」 (マルシンハンバーグ) 

「・・・勝手にそう思い込んでるだけだろ?迷惑な話だ・・・ぜ!」 (レンドル) 

(ばきっ、どかずしゃ)←素手でバケツを殴り倒すレンドル

よし、だいぶ近づいたぞ!なんか、銃がなきゃ木偶だとか言われてたけど、銃ってあのバルバスが使ってた、これかなぁ・・・。
・・・あれ?なんだよ、あの人、鎧冑で完全防備してるバケツを素手で殴り倒し始めたぞ!?全然強いじゃないか!

「・・・手前!いい気になるなよッ!」 (マルティム) 

(びゅっ)←マルティムの剣が空を切る

「っと!・・・へぇ、やるじゃないの。」 (レンドル) 

(レンドルの革上着に切れ目が走る)

「手加減しちゃやらねぇからな・・・。」 (マルティム) 

「そうそう、手加減してちゃ勝てないぜ?」 (レンドル) 

ほざけッ!」 (マルティム) 

ああ、でもさすがに不意を付いたバケツ達のときとは違ってマルティムに押されてるッ!

「・・・手前、ちゃんと名前知ってんじゃねぇかッ!後で泣かしちゃる!」 (マルティム) 

「・・・?おッ!ボウズ、それよこせッ!」 (レンドル) 

(レンドル、デニムに飛び掛かる)

え・・・?わッ!

(ちゃっ)←すれ違い様にデニムが手にしてた銃をかっさらう

(じゃかじゃき)←装弾を調べる

(ずだんっ)←発砲、マルティムに三発命中

ぐはっ!?」 (マルティム) 

・・・い、一瞬の内に?って、僕をに使って・・・!

「ボウズ、こいつはオモチャじゃねぇんだ。あんまりチャラチャラ持ってっとケガするぜ。だからこいつは俺が貰っとく。」 (レンドル) 

な・・・何を勝手な・・・・・・。

「・・・ッちィ〜、くそ、しこたま撃ちやがってこの野郎、鎧がなけりゃ今ごろあの世行きだぜ!」 (マルティム) 

「頭を狙わなかっただけ、慈悲深いと思ってくれよ。だが、次はねぇぞ。マッピー♪」 (レンドル) 

「妙な呼び方すんじゃねえ!・・・くそ、覚えてやがれ!」 (マルティム) 

(びゅんっ)←転移石で消えるマルティム

あ・・・逃げられちゃった。

●事情●

マルティムには逃げられたけど、レンドルさんから事情は聞くことが出来た。それによると、マルティム達は大陸から銃を運ばせてきたらしい。レンドルさんはその銃のスペシャリストで、ガンナーって呼ばれているらしい。

「チチチ。ボウズ、よく覚えとけ?ガンナーじゃなくって、ガンマンだ。何度も言わせるなよ?」 (レンドル) 

そう、ガンマン。で、何で捕まってたかってことだけど・・・。

「マルティムの野郎が気に食わなかったってだけさ。」 (レンドル) 

それだけってこと無いでしょう。

「・・・この島に運ばれた銃は全部で3丁。ウチ1丁がこの『リムファイア』、俺の銃だ。でな、残り2丁の内1丁が、盗賊に奪われちまったんだよ。銃の管理だって連中の仕事だってのに、マルティムの野郎がこの俺にその責をなすりつけようとしやがったんだ。そういう奴さ、あの男はよ。」 (レンドル) 

「ふん、自分の失敗を他人になすりつける、か。そういうことを平気でする奴には遠慮なんかいらねぇよな。」 (カノープス) 

あれ?残りの1丁は・・・?

「・・・俺達と一緒に大陸から流れてきた奴が持ち出したきりだ。」 (レンドル) 

(レンドル、胸のポケットに手を添える)

・・・?
ともかく、こんな威力のある武器を得体の知れない連中に使わせるわけにはいかない。その盗賊を追おう。

●盗賊の最期●

・・・で、これですか?タイミング良すぎません?ウォーレンさん・・・。

「ほっほっほ。内部フラグが0か1かという、ただそれだけですが。」 (ウォーレン) 

何を言ってるんだ・・・。
ともかく、ウォーレンレポートによれば、その盗賊はニムラハバの森に潜んでいるらしい。簡単に潜伏場所が割れるなんて、プロじゃないなこいつ。

・・・

ニムラハバの森では、どこかで見たような人達がやっぱり待ち構えていた。

「・・・飽きない奴だなお前も。」 (カノープス) 

「俺を差し置いてビーストマスターを語ろうという、このゲーム自体が気に入らんのだ。」 (ギルバルド) 

「うふふ。意外と自己顕示欲が強いんだから・・・♪」 (ユーリア) 

「はっはっは。もっと誉めてもいいぞ♪」 (ギルバルド) 

誉め言葉じゃない気がする・・・。あれ?それじゃあ、ここにいる盗賊って・・・あれですか?

「ん?おお、あれか。」 (ギルバルド) 

視線の先を見ると、哀れにも身動きが取れない様に木に縛り付けられた猛獣使いがいた。

デニム・パウエル!こいつは一体何のつもりだテメコラざけんなくそガキ!」 (猛獣使い) 

「この人達と僕達は直接の繋がりはないぞ。文句があるなら、たった二人に毎回してやられるお前の実力の無さに言うんだな!」 (デニム) 

「っく〜・・・!」 (猛獣使い) 

それにしても、なんだってまたこんなところで盗賊なんか・・・。

「そいつは銃を持ってなかったか?こう、杖のようだが先っぽが妙に曲がってる・・・。」 (レンドル) 

「ん・・・?そいつは、これのことか?」 (ギルバルド) 

(ギルバルド、肩にかけていたアッサルトを手に取る)

「それだ。・・・ふん、撃ってもいない。やはり使い方がわからなかったようだな。」 (レンドル) 

「ああ、どうせわからねーよ!大体、そんなものが戦いの役に立つもんかい。」 (猛獣使い) 

(がぱっ、ちゃっ、がきっ、ずどんっ!)←レンドル、アッサルトを構えて撃つ

レンドルさんッ!

「・・・どんな威力のある武器も、使い方を知らねぇ奴には小石ほどの価値もねぇ。お前には過ぎたオモチャだ。俺が貰っておく。」 (レンドル) 

(構えを解いて、歩み去るレンドル)

・・・って、ちょっとレンドルさん、どこへ行くんです?

「手間ァかけたな。だがここでおさらばだ。最後の1丁は、俺ひとりでケリをつけにゃならねぇんでな・・・。生きてたら、また会おう。」 (レンドル) 

(一人、その場を去っていくレンドル)

レンドルさん・・・。
(はっ)猛獣使いは・・・?

「心配ない。あの男、縛り付けていた縄をぶちきって行きおった。」 (バイアン) 

「・・・。敵に情けをかけられるいわれはない!」 (猛獣使い) 

情けをかけるつもりはない。お前は何の為に戦っていたんだ?こんなところでケチな盗賊の真似事をやる為か?戦う理由を見出せない奴に、戦場に出てくる資格はない。
もし、ヴァレリア全土の民衆の自由の為に戦う意志があるのなら、僕達と共に来い。確たる意志もなく人々に迷惑をかけるというなら、僕はここでお前達を殺す。

「・・・選択の自由が全くないじゃねぇか。仕方がねぇ、俺はともかく、こいつらを殺させるわけにはいかない。お前に降ろう。」 (猛獣使い) 

「賢明だな。フィダック城に戻り次第、君達を部隊に組み込む。」 (デニム) 

「好きに使ってくれ。」 (猛獣使い) 

 

「・・・なかなか様になってたぜデニム。カチュアなんかより、お前が王位に就いた方がいいんじゃないか?」 (カノープス) 

からかわないでくださいよ。僕に姉さんの代わりは無理ですよ・・・。姉さんは既にドルガルア王の正当な後継者として世に知られてしまったんだから。

そう、そろそろ姉さんも気が付く頃だろう。オリビア達に任せてきたけど、大丈夫かな・・・。逆にまずくなかったかな・・・。どう思います?ミルディンさん。

「私に聞くんですか?そうですね・・・獅子の前に放たれた兎、という風情じゃないかな。」 (ミルディン) 

あああああ・・・急いで戻らなきゃ!

「あれを素でやってるんだから、あいつも結構天然だよなぁ。」 (カノープス) 

「そこか彼のいいところでしょう。人の悪意を利用することなど、考え付きもしない、それがいいんですよ。」 (ミルディン) 

「あ、俺、これで出番最後だったのに・・・。」 (ギルバルド) 

「まだ出足りないのか?いい加減、でしゃばっただろうが。」 (カノープス) 

「私まだ一曲も歌ってないのに〜。」 (ユーリア) 

AJFに乱入でもしていろ。」 (天) 

「いいの〜?わーい、行く行く〜ッ♪」 (ユーリア) 

「ほっほっほ、祭りの夜が一層激しく燃え上がりますな。」 (ウォーレン) 

魂が燃えるのだ。仕方があるまい。」 (ギルバルド) 

「ええからとっとと帰るぞ。」 (カノープス) 

以上、ウォーレン・ムーンがお送りしました。

・・・もう、ウォーレンさんをどうこう言ってる暇はないや!

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