バクラム・ヴァレリア国の支配者・司祭ブランタを倒した僕達の次の標的は当然、暗黒騎士団に向くことになる。
暗黒騎士団は空中庭園に逃げ込んだという話だけど、どのくらいのコマンドが一緒なのかはわからない。既に島外に脱出した連中も居るかもしれない。
でも、空中庭園に逃げ込んだ連中を放っておくわけにもいかない。
「今度という今度は城でおとなしく待っておれ、カチュア!」 (モルーバ)
「うっさいわねクソジジイ、待ってるなんて嫌よ私は!」 (カチュア)
(両名、暫く睨み合い)
「・・・ええい、厄介なところばかり遺伝しおって。デニム、このじゃじゃ馬の面倒を頼むぞ!とっととカタつけておとなしくなってもらわねば、民衆への示しがつかんわい。」 (モルーバ)
「大きなお世話よ。」 (カチュア)
ま、戦力としては頼りになるから問題ないとは思うけどね。
・・・
空中庭園・・・逃げ込んだというより、篭城というのが相応しいんじゃないかな。
「篭城には備蓄が必要だ。空中庭園はそれを満たしているとは、到底言い難いな。」 (セリエ)
「本国の増援を期待している、っていうのもまず無いじゃろう。・・・或いは、この空中庭園に何か秘密があるのか?」 (バイアン)
連中の目的・・・単に抵抗する為だけじゃない筈だ。カノープスさん達が話してくれた様に、ブリュンヒルドと何か関係が・・・?
「ともかく、追って行くしか他に道はない。」 (フォルカス)
そういうことだね。
ハイムから空中庭園はさほど離れているわけじゃない。程なく入り口に差し掛かった僕達は、あの男の歓迎を受けることになった。
「よう小僧、待っていたぜ。」 (マルティム)
周囲にバケツどもを配置して、自分は真ん中の、一番高いところに腰掛けて、まるでボス猿気取りだなぁ。ついでに言えば、馬鹿と煙は高いところが好き、って言うし。
「なめたこと考えてるな、小僧。」 (マルティム)
・・・僕って、考えてることが顔に出るの?
「今ごろ気がついたの?」 (カチュア)
そうなのか・・・。
それはいいとして、いい加減観念するんだな、マクドナルド!
「いい加減にするのはテメーだこの野郎!・・・まぁいい。どうせ、お前達はこの空中庭園で終わりなんだからな。おいお前等、連中の相手をしてやれ。少しくらい手加減するのは見逃してやるぞ。」 (マルティム)
(マルティム、ドアへ向かっていく)
なんだい、大口叩いといて自分は逃げるんじゃないか。
はっきりいって、ここまで戦いぬいてきた僕達にとってバケツ達は、サンドバッグ程度にしかならなかった。
「・・・デニム、どのドアをくぐっていけばいいんだ?」 (カノープス)
複数の入り口があるのか・・・。多分、どれを通っても最上階へ通じている筈なんだけどなぁ。
誰かマップ持ってない?
「駄目だな、マピオンだと上空からの位置しか出ない。」 (フォルカス)
誰がそんなもの調べてっていったんだよッ!
「・・・じゃあ、私が決めるから、それに従いなさい。」 (カチュア)
「おう、何でもいいからとっとと決めちまってくれや王女様。」 (カノープス)
まぁ、いいか。
そこから姉さんが選んだドアをくぐって、僕達は上へ上へと空中庭園を昇っていった。
暗黒騎士団も、ただ集まってきたわけじゃないのがよく判った。連中は様々な魔獣達や不死者達を連れて、この空中庭園に布陣していたからだ。バケツどもだけが相手なら後れなんか取りもしない僕達だったけど、魔獣達との連携攻撃となると、少々勝手が違ってくる。
それにしても、どこでこんな魔獣達を集めてきたのかが不思議なところではあるな・・・。
「ほらデニム、述懐してないで、とっとと先に行くわよ!」 (カチュア)
姉さん・・・どうでもいいことかもしれないけど、姉さんの選んだドアって、ひょっとして一番長い道程を選んでるんじゃないかなぁ。
「いいじゃないの。折角待ってるんだから、無視しないでちゃんと相手して、しっかり倒してあげるのが礼儀ってもんじゃない。」 (カチュア)
礼儀・・・かなぁ?
・・・
そして僕達は最上階と思われる場所に到着した。そこにはやはり、暗黒騎士団が待っていた。
「遅かったなぁ。漸くここまで到着か。ま、たどり着いただけでも誉めてやるぜ。」 (マルティム)
「ふん、自分は戦わずに高見の見物か。よほど俺達と戦うのが怖いと見える。」 (フォルカス)
「なめたこといってんじゃねぇぞ!」 (マルティム)
(刀を鞘のままマルティムの前に伸ばす褐色の男)
「やめろ。お主はとっととバルバスの元へいけ。ここは拙者が引き受ける。」 (褐色の男)
「・・・チッ!じゃあな小僧!ここでおさらば言っとくぜ!お前等はここで終わりだ、確実にな!あ〜あ、俺の手で葬ってやれねぇのが残念だよ。」 (マルティム)
「口の減らない男だなまったく・・・。」 (シェリー)
「お前が言うとは余程だな。」 (セリエ)
「喧嘩売るつもり?姉さん。」 (シェリー)
「気にするな、正直な感想だ。」 (セリエ)
あう・・・どうにかしてよオリビア・・・。
「私に何かできるならやってるわ。それに、ああ見えても二人とも機嫌が良いのよ。」 (オリビア)
ちっともそう見えないよ。
敵のコマンド、アンドラス・ガフラヌの率いる部隊は、今までと比べてそれほど強敵というわけではなかった。ただ、アンドラス自体が強敵なので、今までと比較にならないほど苦戦を強いられている。
「む・・・ベルサリア王女か。俺はお主を斬りたくはない。」 (アンドラス)
「私もそうよ。わからないわ、どうしてあなたみたいな人が暗黒騎士団に居るのか・・・。」 (カチュア)
「余計な詮索は無用に願おう。誰にも事情はあるものだ。」 (アンドラス)
(間に割ってはいるカノープス)
「お前、ボルマウカ人だな?俺の知り合いにもボルマウカ人って奴がいるんだが、知ってるか?」 (カノープス)
「何の話だ。俺には関係無い。」 (アンドラス)
「やたらとエセ外国人みたいな喋り方でよ、スル・・・」 (カノープス)
「No〜!それ以上はMeの前でぬかしてはバッドで〜ス!」 (アンドラス)
(間)
「やはり『血』か・・・。」 (カノープス)
「アンドラス・・・?」 (カチュア)
(はっと我に返るアンドラス)
「・・・やめろ〜ッ!俺をそんな目でルッキングするんじゃない〜ッ!」 (アンドラス)
(その場にうずくまるアンドラス)
・・・・・・人にはそれぞれ事情というものがあるんだ。気にしないで。
「・・・ボルマウカ人に産まれたその時から、背負うべきサンドクロスとはいえ、ガッディームでース。」 (アンドラス)
「前々から気にはなっていたんだよな。あいつがよく言ってたさ。」 (カノープス)
「『ボルマウカ人はエビバデMeと同じイントネィショーン♪But、それを気にしてあまり喋りたがりマセーン!Meクライスト・ダイムラー!』」 (胡散臭い外人)
「ってな。」 (カノープス)
・・・ボルマウカの民族言語?
「・・・というか、誰あの人。」 (カチュア)
(カノープスの隣にいつのまにかいる、また別の褐色の男を指差すカチュア)
「(はっ)お、お前は・・・!よくもまぁぬけぬけとMeの前に出てこれたゲートでーッス!」 (アンドラス)
(ぶんぶん)←刀を振り回して外人を追い回すアンドラス)
「Oh,No!ストップストップ!」 (胡散臭い外人)
「ユーのせいでミー達は言語体系ガラガラブロークンダウンよ!ハウ・ツー責任!?」 (アンドラス)
・・・というか、それを甘んじて受け入れた方も問題な気が。
「おい、よっぽど暇なんだなお前は。こんなところに顔出す暇があればオルガナにでも行ったらどうだ?」 (カノープス)
「Yar!エビデー通いラヴァー状態ネ。今日は寄りロード中デース♪」 (胡散臭い外人)
(どろん)←煙と共に参上するウォーレン
「ホッホッホ。御精の出ることで。」 (ウォーレン)
「Oh、ジャパニーズ忍者!」 (胡散臭い外人)
「やめろ〜ッ!それ以上ボルマウカ人の名声を貶めるな〜ッ!」 (アンドラス)
(ぶんぶん)←外人に食ってかかるアンドラス
「すっかりエセ外国人になってるな・・・。」 (カノープス)
・・・えーっと・・・。ここはこの人に任せて、僕達は先に行こう。
「・・・最早お主達と争っている暇はナッシング。とっとと下に降りるがグッジョーブ。拙者はこやつとケリをつけねばならんでござる。」 (アンドラス)
「Ha-Ha-Ha!Meにウィニングしようとは、全くトランペットマーク!」 (胡散臭い外人)
「うるさい黙れ山猿!」 (アンドラス)
「どこで磨きをかければあそこまで胡散臭くなるんだ・・・。」 (カノープス)
「・・・なるほど、トランペットマークですか。」 (ミルディン)
「えらい奴と関わりがあるな、お主達。」 (バイアン)
「ともかく、ここは放棄して、マンチー野郎を追いましょう。」 (カチュア)
微妙な表現しないでよ姉さん・・・。
でも、いいんですかあの二人放っておいて。
「ボルマウカにはボルマウカ。好きにさせておけ。さ、行くぞ!」 (カノープス)
・・・なんか最近、特にゲストが多い気がするけど。
「大きなお世話だ。」 (天)
「身から出たワビサビとはこのこと。」 (謎の騎士)
「うわーっははは!」 (天+謎騎士)
・・・・・・これも放っておこう。