奥へ進むと・・・降りていく、という表現がぴったりくるかなぁ。すると、バケツどもの姿を捉えることができた。まだこっちには気づいてないようなので、とっとと先制攻撃をかけた。
(後方が騒がしいことに気づいた連中が)
「かっ、解放軍が・・・!」 (バケツA)
アロセール、サラによる射撃から格闘部隊の突入、魔法攻撃による援護と、バケツ達は右往左往だ。いっそ哀れにもなるくらいだけど、容赦する気は更々無い。
ほどなく第一陣を軽々と突破した僕達は、第二陣と衝突した。そして、その向こうに、あの男がいるのが見えた。
「ゲッ!アンドラスがやられたってのか?なんてこった!おいバルバス、何グズグズしてんだよ!」 (マルティム)
「慌てるな。どうもここだけ呪文の種類が違うらしい・・・。てひど くくり せぱみ んるへ・・・」 (バルバス)
「誰が復活の呪文なんか唱えろって言ってんだよ!アンドラスまでやられちまったんだぜ!?のんびりやってる場合じゃねぇだろーが!」 (マルティム)
「うるせーな黙ってろ!・・・シャランラシャランQ・・・マハリクマシリト・・・テクマクマザコン・・・アラビキネルドリップホウシキ・・・うむ、これだ!」 (バルバス)
・・・何をやってるんだあの二人は?
「デニム、ブリュンヒルドだ!あの野郎が持ってやがった!」 (カノープス)
え?あれですか!あっ、バルバスとマルティムが奥に入っていった・・・。くそっ、全員、突撃〜ッ!
「ぱぱらぱっぱらぱっぱっぱらぱっぱぱぱぱ〜」 (謎の騎士)
「各馬一斉にゲートイン・・・」 (天)
「邪魔をするなッ!」 (セリエ)
(どてぽきぐしゃ)←古典的表現
・・・ほっといていくぞみんな!
・・・と簡単に突破できるほどバケツの数は少ないわけでは決して無かった。でも、こっちだって空中庭園内部なのにアタックチーム自由に編成できるんだから、龍虎武神隊構成員全員揃ってるんだ。全員で一斉にかかれば単純に見ても3対1だ。負けろというのが無理だよね。
「あんまりシステムと実際とを混同させるなよハッハッハ。」 (天)
元はあんたが始めたことじゃないか・・・。
・・・
しかしバケツどもも結構しぶとい。こうしている間にあの二人が何を企んでいるか・・・。
「デニムッ!お前だけでも先に行けッ!」 (セリエ)
せっセリエさん!?コマンド二人相手に僕一人で戦えって言うんですか!?
「心配するな!お前が一人だけと知れば、あの筋肉バカのことだ、自分が何をしているのか説明しにかかる筈だ!私達がこいつらを潰しきるくらいの時間稼ぎにはなる。行けッ!」 (セリエ)
・・・なんか無茶苦茶な理由な気もするけど、とにかく行ってきますッ!
「・・・ああいう台詞、言ってみたかっただけなんでしょ?ホントは。」 (シェリー)
「まぁな。」 (セリエ)
「そ、そんな無責任な・・・!デニム!」 (オリビア)
(後を追おうとするオリビアを捕まえるセリエ)
「心配するなオリビア。あの筋肉バカは間違い無くベラベラと聞かれもしないことまで喋るタイプだ。それに、デニムは十分強い。お前のやるべきは、ここのバケツどもを早く潰しきる手伝いをすることだ。」 (セリエ)
「セリエ姉さん・・・」 (オリビア)
「ちょーっと!止まってないで手伝ってよセリエ姉さん、シェリー姉さん!」 (システィーナ)
「はっはっは、君には僕がついているじゃないか。」 (フォルカス)
「ついてなくていいから手ェ動かせこのヤロー!」 (システィーナ)
なんだろう・・・ちょっと不安が募ったような気がする。
バケツ達の間を縫って、僕はマルティムとバルバスの後を追って奥へ進んでいった・・・。
ことさら暗い雰囲気の部屋だ・・・。奥へ入ると、石柱が乱雑に立てられている場所の中央に、二人が立っていた。
「そこまでだ、バルバス!マルティム!」 (デニム)
(振り返る二人)
「ほう?一人でのこのこと・・・殺られに来たってわけか?」 (マルティム)
「フン、いい度胸だ。その度胸に免じて、俺達がどうしてここに来たか聞かせてやろう。」 (バルバス)
・・・セリエさんの言った通りだ。
「伝説のオウガバトルを知っているか?」 (バルバス)
「1993年3月、クエストがスーパーファミコン専用ソフトとして発売したゲームだな。」 (天)
「・・・間違った、オウガバトルの伝説だ。」 (バルバス)
「ちぇーっ。」 (天)
(天、すごすごと立ち去る)
「・・・なんだ今のは。」 (マルティム)
「知らないよ。それより、その伝説がどうした?」 (デニム)
「結末を知っているか?」 (バルバス)
・・・なんだってこんな話しをするんだ。時間稼ぎをしてるのは、ひょっとしてアイツ等の方じゃないのか?
「人間の勝利だろ。子供だって知ってる御伽噺だ!」 (デニム)
「フフッ・・・フハハハハハ!そう御伽噺として有名だな!だがな、その伝説が事実だといったら、どうだ?」 (バルバス)
なんだって?何を言い出すんだこいつは・・・。
「天界と地上とを繋ぐ門・カオスゲート・・・しかしそれは、天界だけと繋がっているわけではない。 かつて、カオスゲートをくぐって魔界へと旅立った男がいた・・・。貴様達が良く知っている男だ!覇王ドルガルア!奴は己の願いを聞き届けぬ神を呪い、悪魔の力を借りる為に魔界へ降りたのだ!この、カオスゲートからな!!」 (バルバス)
(ずゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・)←タイミングを計ったかのように鳴る地響き
なっ・・・なんだ!?
カオスゲートが・・・魔界と・・・ドルガルア王が魔界に・・・?そんな馬鹿な!するとこいつらは、こいつらの目的は・・・。
「お前達、悪魔の力を身につける為に魔界に降りるというのか!」 (デニム)
「そう!究極の力を得れば、この世に怖いものはなくなる。俺が地上の支配者となるのよ!」 (バルバス)
「そんなこと、できるわけがないッ!いや、僕がさせないッ!」 (デニム)
「できるかッ!?貴様一人の力で俺達が止められるかよ!」 (マルティム)
「デニム一人だなんて、誰が言ったのかしら?おばかさん。」 (カチュア)
(入り口に姿をあらわすカチュアと龍虎武神隊の面々)
「お前達に、生き残る術は残されてない。」 (アロセール)
「観念するんだな。・・・後任せた。」 (セリエ)
「もうっ、やる気出してよセリエ姉さんッ!」 (オリビア)
みんな・・・!
「・・・ふん、戦は数じゃねぇ!貴様らの様な雑兵がいくら束になっても、このバルバス様に敵う筈がない!それを今から教えてやるッ!」 (バルバス)
(びゅんっ)←マルティムの剣がデニムを襲う
「小僧、いつぞやみてぇに手加減はしちゃ、やらねぇぜ?」 (マルティム)
へー、手加減してたんだ。じゃあ、死力を尽くさなきゃ僕とはとても対等に戦えないって事、教えてあげるよ。
「ヘッ、言ってくれるじゃねぇかまったく・・・!」 (マルティム)
(ゴゴゴゴゴゴ・・・)
「魔界に行って究極の力を得るのは俺達だけだ!貴様はここで死ね!」 (バルバス)
(ぶぶんぶんぶんっ)←やたらと剣を振り回して暴れるバルバス
カオスゲートが・・・とにかく、こいつらを倒してしまわないと!