バルバス達と僕のいる、この『カオスゲート』と、姉さん達が今いる場所では間合いが離れている・・・。どうにかみんなと合流しないと、いくらなんでもコマンド2人を相手にしちゃ身が持たないよ。
「合流するつもりだろうが、逃がしゃしねぇぞ!」 (バルバス)
バルバスの猛烈な攻撃を受け、一瞬体勢を崩したところに、マルティムが襲い掛かってきた!
ああ・・・こういう時ってホントにスローな感じになるんだなぁ・・・って、冗談じゃないよちょっと!
「デニムッ!」 (カチュア)
(ずドンドンドンッ)←唐突に鳴り響く音
「ぐはぁ―――っ!?」 (マルティム)
(横っ飛びに吹っ飛ぶマルティム)
(どんがらがしゃぃんっ♪)←奇妙なほど軽快なマルティムの倒れる音
「・・・なんだ!?」 (バルバス)
た・・・助かったけど・・・今の音ってもしかして・・・?
(ががきんっ、ばらばらばら)←アッサルト、カマンダスガンから薬莢を落とす
「何度嗅いでもこの硝煙の香りはたまらねぇなぁ。」 (石柱の上に立つ男)
あ・・・あれは・・・!
「レンドルさん!どうして・・・?」 (デニム)
「よぉデニム。また会えたな。いやなに、お前んとこの妙なジジイが『スポットライト級の登場を演出』するってぇからよ。・・・なかなか、絶妙なタイミングだったみてぇだな?はっははは!」 (レンドル)
ウォーレンさん・・・おかげで助かったけど、どこで何をやってるのかホントわかんないよ。
「貴様ら、俺を無視してんじゃねぇぞ!」 (バルバス)
「・・・っくそぉ、また手前か。やってくれるじゃねぇか。」 (マルティム)
「おらデニム、後はお前の頑張り次第だ。俺が助けるのはここまでだ。」 (レンドル)
(ひゅっ・・・ずざがしゃっ)←石柱から飛び降りるレンドル
「わかってます。」 (デニム)
何気にその隙に後退していた僕は、既にみんなと合流していた。これでバルバス達に勝ち目は皆無となったわけだ。
さあ、観念するんだなバルバス!
「っく・・・!カオスゲートはまだ開かねぇのか!」 (バルバス)
「おいおい、冗談じゃねぇぞバルバス!お前、呪文間違ったんじゃねぇのか!?あ〜あ、やめときゃよかったぜお前なんかにつくのはよォ・・・。」 (マルティム)
「貴様・・・・・・!」 (バルバス)
「なんだぁ?仲間割れかおい。」 (カノープス)
「フン、見苦しい連中だわ。」 (シェリー)
(ずゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・)
まただ・・・確かにカオスゲートは開こうとしている!急ごう!あいつらにカオスゲートをくぐらせてはいけないッ!
「ほれみろ!ちゃんと動いてるぞ。」 (バルバス)
「動いてるったってよ、あいつらどうにかしねぇと折角開いても俺達が死んじまったら意味がねぇじゃねぇか!どーするんだよテメーはよォ!」 (マルティム)
「・・・どうにかすればいいだろうが。お前だって一騎当千のコマンドだろうが!戦いもしないで泣き言いってんじゃねぇぞ!・・・それとも、今ここで俺に殺されたいのか?」 (バルバス)
「・・・畜生、前門の虎、後門の筋肉バカかよ!」 (マルティム)
「なーんで俺が筋肉バカってのは全国共通なんだよ!聖剣の呪文だって読めるんだぞ!?俺はバカじゃねぇ〜ッ!」 (バルバス)
「・・・・・・デニム、いつまで三文芝居に付き合ってる気だ。さっさとやってしまえよコラガキ。」 (セリエ)
「が・・・セリエさん、やる気無い時はすっごく不機嫌ですね。」 (デニム)
「いーから行けっての!カオスゲートだって開こうとしてんだろうが!ダベってる暇ねぇぞ!」 (セリエ)
(間)
「あーつまんねー。」 (セリエ)
(ごろん)←寝転がるセリエ
・・・・・・そっとしとこ。
マルティムもバルバスも、戦士としての技量は一級品だ。でも、僕達を相手にするには戦士たった二人ではとてもではないが役不足だった。
だからって、手加減するつもりも毛頭無い。
「・・・その鎧、見たことあるな。どこだっけかな?」 (マルティム)
「あなたが卑怯な手段で倒した、ゼノビアの騎士の鎧と同じ物ですよ。」 (ミルディン)
「ひ、卑怯?ちょ、ちょっと待てよ!一体何の・・・」 (マルティム)
「言い逃れは美しくありませんよ。潔く認めなさい。せめて最期は罪を認めて楽になるがいいでしょう。さあ!」 (ミルディン)
「あのな・・・あいつは俺が正々堂々と勝負してだな・・・」 (マルティム)
(ミルディン、話半分で大きく溜め息)
「そこまで自分を正当化するとは・・・いいでしょう、あなたには『卑劣な道化師』の名に相応しい死を与えましょう。」 (ミルディン)
「な、なにを!?だっ、誰が卑劣で道化師だってんだ!畜生、ちょっといい男だからっていい気になるんじゃねぇぞこの野郎!」 (マルティム)
「ふん、たかが二人を相手に、随分な仕打ちだな。ええ?ゴリアテの英雄さんよ。」 (バルバス)
「お前の様な男を倒すのに時間なんかかけていられるか。」 (デニム)
「チッ!いい気になるなよ小僧!」 (バルバス)
・・・戦いは、人数差によって、あまりにもあっけなく終焉を迎えた。
(ずぶしゃっ)
「ぐはーっ!?」 (マルティム)
(どぶしゅっ)
「ぬおおおっ!」 (バルバス)
「成敗ッ!」 (デニム)
(どかずかぶしゅっ)
「ばっ・・・ばかな、バルバス!」 (マルティム)
(どさぁっ)←倒れるマルティム
「だっ・・・誰がバカだ・・・!」 (バルバス)
(どたっ)←倒れるバルバス
最後の最後までバカは治らなかった。
しかし、随分あっけない幕切れだけど、いいの?
「戦闘場面の描写はこの程度でいい。細かくやると分量もかさむし矛盾が生じる。」 (天)
矛盾って・・・何を今更・・・。
聖剣ブリュンヒルドはバルバスから奪い返した。でも・・・
(ずゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)
「くっ・・・ことさら激しくなってきやがった!」 (カノープス)
「仕方が無い、全員、カオスゲートから一旦離れろ!」 (デニム)
くそっ、開く方法があるなら閉じる方法だってある筈だけど、それを探してる暇はまったくなさそうだ!
・・・?
地響きが、止まった・・・・・・?
「で、デニム・・・」 (カチュア)
・・・・・・な、なんだ?