中腹の番人


●白の魔道士●

そこからまた僕達は、下へ下へと降りていった。ロデリック王の必殺技はまぁ魅力的だけど、本来の目的はニバスを倒すことなんだ。それさえ果たせば・・・

「おっとっと、それは僕が困るよ。なぜなら竜言語魔法はまだまだこんなものじゃないんだから。」 (ラドラム) 

駄目ですよ、僕達はあなたの護衛じゃないんだから。それに、もういくつか手に入れたじゃないか。

「・・・ふっ、これだから力を知らない人間は困るんだよね。」 (ラドラム) 

何か言いました?

「いや、別に?ま、確かに言われる通り、君達は僕の護衛じゃない。君に従うよ、今は。」 (ラドラム) 

・・・なんか妙に引っかかる言い方するな、この人も。

・・・

そして、暫く降りていくと、今度はバクラム軍に遭遇した!こんな奥まで侵攻していたとは・・・!
・・・。
あれ?
・・・・・・今度会ったら確かめようっと。

「ヴェパール様、あれを!」 (兵士) 

「ん・・・?あれは、解放軍か!うぬぅ・・・こんなところまでくるとは。あと少しで謎の手がかりが掴めようというところで・・・・・・。 やむを得ん、ここはなんとしても連中を壊滅させねばならん!これ以上連中を進めてはならんぞ!」 (ヴェパール) 

ハッ!」 (兵士) 

 

「何やら、妙に気合いが入っておるな・・・。」 (バイアン) 

「あ、久しぶりですね何か。」 (デニム) 

「いや、特に目立って活躍する機会もなかったしな。」 (バイアン) 

「そうですね。」 (デニム) 

ちったぁフォローせんかい!」 (バイアン) 

(暴れるバイアン)

わーッ!?
な、何が気に入らなかったんだ・・・。ともかく、バクラム軍と戦わなきゃ・・・。

ここまで降りてきた割には、随分と弱いような気がしたけど・・・ま、それだけ僕達の力が上がってきているって事かな?

「そういえば、この宮殿でレベルが上がった試しがないな。」 (ヴォルテール) 

「まだそんなに倒してないってだけじゃないの?」 (サラ) 

言われてみれば・・・でも、大した問題もなさそうだからいいか。

●人身御供●

そうして僕達が戦いを進めていくと、やがてまた来たあのおっさん。

「はっはっは。相変わらず頑張っておるようだな。感心感心。」 (ロデリック) 

「久しぶりに会う様な気がするな、デニム。」 (セリエ) 

久しぶり、って・・・まだ半日も経ってないんじゃないですか?

「そうか、まだそんな程度か。時の流れとは不思議なものだ。」 (セリエ) 

なんだろうな、全く・・・。
あ!ロデリック王、あなた、バクラム軍には会わなかったんですか?結構深くまで降りてきてたんですけど・・・。

「確かに、連中なら見かけたが?」 (ロデリック) 

必殺技は伝授しなかったんですか?

「わしが?連中に?冗談ではない! バーニシアの軍属ずれに教える技など持ちあわせてはおらんわッ!」 (ロデリック) 

あ、そっか・・・。バクラム軍ってそういうことになるのか。

「ゴホンッ!そんなことより、まだわしの必殺技を修得せんと思う者はおるかな?次に伝授するのは『鬼哭血散斬』、己の体力を犠牲にして相手を倒す、文字通り柔よく剛を制す必殺技・・・」 (ロデリック) 

「どこが文字通りだ。」 (カノープス) 

「さぁ・・・?」 (デニム) 

「・・・・・・お?これはなかなか面白い素材がおるな。お前、修得してみんか?」 (ロデリック) 

(ロデリック、デボルドに目をつける)

(がしゃこん♪)←首をかしげるデボルド

「はっはっは、愛い奴じゃ。では連れて行くぞ、テレポ――――ト♪」 (ロデリック) 

(びよよよよん♪)←デボルド、瞬間移動

「・・・兄さん、いいのかしら本当に。」 (オリアス) 

それは僕が聞きたいよ。」 (デニム) 

そして、御満悦のロデリック王はまた消えていった。やれやれ、まったく暇な人がいたもんだ・・・。

●宮殿の番人●

そうこうしているうち、僕達はとうとう死者の宮殿の半分まで到達した。いやぁ、長いねぇホント。
結局、ニバスは影も形もなく、もうこうなったら最下層だろうという絶望的な推測が現実味を帯びてきてそろそろゲンナリだよ・・・。
そして、ここにはアンデッドを率いるセイレーンが待ち構えていた。

「・・・セイレーン、か?」 (フォルカス) 

「確かにそんな風なんですが・・・。バクラム軍には見えませんね・・・。」 (デニム) 

「・・・・・・おそらく彼女がこの死者の宮殿の真の番人だろう。僕の記憶が確かなら、 彼女はデーモン・ベルゼビュート。」 (ラドラム) 

ブヒャハハハハハハ!」 (天) 

「誰が小暮かッ!」 (ベルゼビュート) 

(びゅっ、すかーん)←ベルゼビュートの投げた石が天に直撃

「きゅう」 (天) 

(ばたん)

「ふん、久々に生身の人間を見たな・・・ここまで来るとはなかなかの強さだ。アスモデ様への生け贄には丁度良い。フッフッフ・・・ここが貴様らの終着点だ!覚悟するがいい人間ども!」 (ベルゼビュート) 

あー・・・話も聞いてくれないや。困ったもんだねぇ。
プーレザーンスさーん♪

「うむ、まかせておけい。すたーてぃあらー、あく・・・」 (プレザンス) 

(どかっ)←ラドラムの飛び蹴りがプレザンスに炸裂

ぐほーっ!?」 (プレザンス) 

(どんがらがっしゃん)←転がり落ちるプレザンス神父

「勝手なことをするな神父。あのゴーストの着衣スケルトンの武器が何かわからないのか。」 (ラドラム) 

「・・・というか、今のアクションは一体?」 (システィーナ) 

お約束だ。」 (プレザンス) 

・・・また貴重な品物なんですね?

「そうだ。だいぶわかってきたようだね。」 (ラドラム) 

そりゃ、あんたの行動パターン見てりゃすぐ分かるよ・・・。
とはいえ、アンデッドとなると説得するしかないけどなぁ・・・。あ、来てくれた。ラッキー♪

「よし、出番だ神父。・・・何をボサッとしているんだ!ええい、生臭神父め!」 (ラドラム) 

「お前のせいだろうが馬鹿もん。」 (バイアン) 

「むむ〜・・・では行くぞい!スターティアラ!」 (プレザンス) 

(びゅおおおおお・・・)

「ぐくっ・・・!この魔法の使い手がおるとは・・・迂闊!」 (ベルゼビュート) 

ヴェパールの置き土産だ。役に立つ魔法を持ってたなぁ。

結局、僕達はこの悪魔を倒した。結構プレザンスさんがはりきってる。肌にもツヤが出てきたような・・・。
ん・・・?ラドラムさん、どうしたんですか?

「・・・いや、別になんでもない。」 (ラドラム) 

なんだろうな、ホントに思わせぶりだなこの人・・・。先に行きますよ!

デニム達が後にしたフロアにたたずむラドラム。ふと、懐に手を入れ、古びた、ブローチに見えなくもない小さな石を取り出す。

「約束というのも虚しいものだ・・・。」 (ラドラム) 

そう一言つぶやくと、その石をきつく握り締め、再び手を開く。小石はいつの間にか砂の様に砕け、それはラドラムの掌から零れ落ちていった。
その粉が立ち昇らせた砂煙が、どこか人の様に、そう、小さな少女のような姿に見えたのは、気のせいか・・・。

「おっさんも好きだな、捏造が・・・。」 (ラドラム) 

(ぽんっ)←煙と共に現れるウォーレン

「ほっほっほ、捏造とは恐れ入ります。」 (ウォーレン) 

「ふん・・・ともかく、これで長年の借りは返した。せいせいしたとはよく言ったものだ。」 (ラドラム) 

「相変わらずですな。」 (ウォーレン) 

「それはこっちの台詞だ。」 (ラドラム) 

以上、講釈師ウォーレン・ムーンでした。

べんべんっ♪」 (ラドラム) 

「ほ、これは恐れ入ります。」 (ウォーレン) 

「勝手知ったるなんとやら、さ。」 (ラドラム) 

・・・なんだろう、またウォーレンさんが暗躍している気がする・・・。

「気にするなって言ってるだろうが・・・。」 (カノープス) 

「そうですね、ウォーレン老師には深く関らない方が身の為ですね。」 (ミルディン) 

何気に怖いこというなぁミルディンさん・・・。
でも、ま、いっか。ウォーレンさんのことだから多分問題ないだろう。

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