勇者シャルのゼテギネア放浪記
〜第6話〜
魔導な乙女はかぼちゃ好き
(デネブの庭)
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ポグロムの森で景気よくCHAやALIをあげたシャル率いる反乱軍。この事により、旧ゼノビア王国騎士団を基盤として成り立っている反乱軍の気運は、今やスラムと化しているというゼノビアの奪還へと高まっていきます。
- シャル
- 「…特に反対する意味も、反対者もいないようね」
- ランスロット(ナイト)
- 「当然だろう。ゼノビアの奪還は我々の悲願なのだからな」
物語の主線としてはこのままゼノビアに進んでも全く問題ありません。しかし実際問題これだけの人数の反乱軍を、今後も使用に耐え得るレベルにするには、もう少し実戦経験が必要です。
この為、天の声は一芝居を打つことにします。
- マーチン(サムライ)
- 「シャル殿、妙な男を保護したのでござるが…」
- シャル
- 「妙な男?赤いバンダナ巻いて城壁の上で安来節を舞うような?」
- ナイジェル(ファイター)
- 「そのたとえはよくわからんが、ともかく様子が変な奴だ」
男は南の山岳地帯からやってきたらしい。話を聞いた者によるとおよそ次の様だった。
- クリス(ナイト)
- 「なんでも、山向こうのかぼちゃ畑が荒らされて美女が震えるほどの研究を行なっていて頭がオバケで人畜無害のこんこんちき…」
- バダム(ナイト)
- 「長久命の長助が奈良公園の鹿とがっちり握手の無二親友となったという」
- ニーナ(ヴァルキリー)
- 「何の話よ」
- バダム
- 「俺にはこの生き方しかない。任務了解」
- ランスロット
- 「やかましい」
- シャル
- 「…ふうん。別の話を聞いた者によると、バルパライソの魔女が何か問題を起こしている様ね」
- ランスロット
- 「一言で済むではないか。貴様ら一体何を聞いていたんだ」
- クリス
- 「だって、当たり前の事を伝えたって読者は面白くないよ」
- ナイジェル
- 「誰だよ読者って」
お分かりと思いますが、ジャンセニア湖・ポグロムの森どちらを先に攻略しても、次のステージとしてスラム・ゼノビアが出現します。が、ジャンセニア湖をクリアするとこれとは別にこのデネブの庭が追加されます。
今回発生した事件とは、このデネブの庭で起こっているかぼちゃ騒動なのです。
- シャル
- 「放っておけないわね」
- ランスロット
- 「…そうなると思った」
- シャル
- 「あら?予想してた?随分馴染んできたわね、ランス様♪」
- ランスロット
- 「好きで馴染んだわけじゃないが…」
○部隊編成と基本構想○
スラム・ゼノビアへ進む前には、既に通過したジャンセニア湖・ポグロムの森のいずれをクリアしても進めます。が、正直なところスラム・ゼノビアの前の3ステージ、即ち前出の2ステージに加えてデネブの庭をクリアしないと、反乱軍全体の幅が狭くて苦労します。苦労するというより、正直ジャンセニア湖だけをクリアしてスラム・ゼノビアでは、勝ち目は薄いのです。敵のレベルを考えると、私が今回進んできた順番が一番攻略として妥当ではないでしょうか。
- クリス
- 「さあ?世間一般の常識と、あなたの常識とは反比例する場合が非常に多い、と風の噂で聞きましたが?」
- 天の声
- 「正論だけに痛くも痒くも無いわい。がっはっはっは」
- ニーナ
- 「ヤケになってるわね、あれ」
- バダム
- 「感情で行動するのは正しい人間の生き方だ」
- シャル
- 「お前のわけのわからなさ加減には敬服する」
- 天の声
- 「先に進ませろばかたれ共め」
デネブの庭は、これまた今までのステージとは違った特色を持っています。進めていく事ではっきりわかりますが。
今回は以下のような布陣で進攻します。
前線構築×4、南下×2、西進×3
シャルの部隊はこれとは別に、前線として進攻させます。
- フィフス(ウィッチ)
- 「ありゃ、シドじゃない。あなた前線に出ても大丈夫なの?」
- シド(ウィザード)
- 「ポグロム明けですから、心配ございません。これで晴れてゴエティックを目指すことができます」
- エバンズ(ウィザード)
- 「でも、あまりトドメをさすと…まだ低いことに変わり無いんですから」
- シド
- 「うむ。自嘲させて頂くか。カッカッカ」
- ランスロット
- 「ウチには、あんな連中が大勢いるな…何故なのだ?」
- ウォーレン(ウィザード)
- 「変ですか?私は気になりませんが…」
- ランスロット
- 「…そうだろうそうだろうとも」
○解放部隊の解放後の行動○
さて、それはよいとして。
西進部隊は【タルカ】・教会・【ロスアンヘルス】に直行させる。後、これらは【ロスアンヘルス】へ駐留させます。
- ナイジェル
- 「ロスアンヘルス…いかがわしそうな名前の都市だな」
- バダム
- 「いわゆる『おシャレな健康』という奴か」
- エリー(アマゾネス)
- 「それ以上そんなネタで盛り上がるのなら、血を見ますよ」
- エリック(ホークマン)
- 「…誰の?」
- (エリーの放った弾丸ラリアットがものの見事にエリックの喉笛に炸裂)
- マホニー(ファイター)
- 「おお、鷹男が空を一直線に飛んで行く…」
- バダム
- 「ほほう、これがブルーインパルスか」
- ナイジェル
- 「若人おいてきぼりなネタだな」
西はそのくらいにして、南への部隊はそれぞれ【バルジビア】・【プエルトモント】を解放した後に、直接前線へ合流させます。
○前線の構築○
前線の衝突は案の定中盤の山岳地帯でした。最初に衝突したのはフィフス率いる部隊。
- フィフス
- 「飛んで火に入るなんとやら、ってね」
- ラデッシュ(ファイター)
- 「血祭りだな」
- アーノルド(レイブン)
- 「悪い子はいねがー!」
- バレンタイン(ゴースト)
- 「……」
- アリエス(クレリック)
- 「どどど、どーして!?神よ、これが試練ですかッ!?」
あー…。注意しておくと、このゲームでは別に僧侶・天使と悪魔・幽霊を一緒の部隊に編成しても何の問題も無いので、ご了承を。
- ウォーレン
- 「…私の可愛いマー坊とスタの助…」
- 天の声
- 「あーもう、うるさい」
無論、別にウォーレンとその飼犬をいつまでも一緒にしておかなくても問題は出ません。
前線ではこの他にも衝突は起きたのですが、駒落ち部隊ばかりが相手なのでさほど苦労しないかもしれませんが、バーサーカーが率いる部隊には注意が必要です。
奴等は、脅威のコッカトリスを飼っています。これの攻撃がバカスカ決まるともう目も当てられませんので、能力の高いドールマスター×2を後衛には配置したいのですが…。
- シド
- 「ファイター上がりのドールマスターになり立てのヒヨッコでは…ですな」
- アレン(ドールマスター)
- 「ケンカ売っとるんか貴様」
- シャル
- 「今回は目的があって、あまり全滅させると後でこまるのよ」
- ランスロット
- 「ふむ?まぁ、何にしても前線は既に交戦状態だ。あれこれ考えている様なヒマはないぞ」
前線部隊は順調に敵部隊を後退させつつ、やはり道の切れ目に隠れていた都市【アンクード】を解放し、これを第一前線拠点と定めます。
帝国軍が一方通行ではないというのはポグロムの森で既に読者諸兄も御存知でしょうが(普通、シャロームの辺境でわかる)、このステージでは迂回ルートが顕著に使用されます。
【バルパライソ】から北西へ進み山脈沿いに北上し【ロスアンヘルス】から本陣へと向かうのです。正直な話、CPU側の部隊運用はシミュレーションとしてはザル以下で、ボードゲームからのたたき上げゲーマーならROMをぶっ壊しかねないシロモノ。…そんな奴が家庭用ゲームレベルのCPU相手にゲームをするわけはないですが。
○ステージの目的○
さて、前線の二箇所が整ったところで今回の目的、『反乱軍のレベルアップ』を行います。
ここまで反乱軍は気味の悪いくらいに順当に勝ち進んでいて、実戦参加してないキャラも結構います。また、全体のレベルも5〜6で若干低めです。
- ラデッシュ
- 「俺達みたいなキャラを使うからだろうが」
- フット(ニンジャ)
- 「嫌なら最初からやらなきゃいいんだよ」
そう。彼らニンジャ二名は既に9レベル。そしてウェアウルフ達も中途雇用にしては高レベルです。こうした戦闘に出しすぎたキャラがいると、反乱軍の全体バランスが非常に崩れます。それを危惧して、このステージで全体の底上げを図るという事です。
その頃、一番最初に行動を開始した筈のチャーチル率いるタコ部隊は、まだ前線に到着していなかったのです。
○レベル3タコ×2の逆襲○
前線は順当に敵部隊を退けています。既に都市は、ボスの拠点を除き全て解放した為、後は戦闘を片づけるだけ。
【アンクード】に7部隊がひしめいていて、帝国軍側が【アンクード】を突破できるわけがありません。しかも…
- チャーチル(ビーストテイマー)
- 「ついたぜ、シャル嬢ちゃん」
- シャル
- 「よっしゃ!よく来たわチャーチル!早速前線部隊の再編成よッ!」
- アイギパーン(オクトパス)
- 「(にゅるにゅる)」
- サリオス(オクトパス)
- 「(うにゅうにゅ)」
- チャーチル
- 「安心しな、俺はちゃんと側にいるぜ」
- (のたうつタコ。どうやら嬉しがっているらしい)
タコが前線に到着しました。これで帝国軍の部隊は確実な敗北以外に道が無くなってしまいます。以前から酷評を受けているタコですが、能力値と耐性値を見ると盾として非常に優れています。ドラゴンの方が確かに若干高いかもしれませんが、攻撃回数・耐性を考えればどちらが優れた盾であるか一目瞭然でしょう。
ここでも『酔狂』とまで評されていますが、序盤でこれ以上に頼もしいクラスはないとすら言えます。
- ランスロット
- 「しかし、まだレベル3ではないか。大丈夫なのか?」
- シャル
- 「あんた、意外と死地をさまよった事無い様ね。この世界、タコをなめたら生きていけないのよ」
- ランスロット
- 「な、何故?」
- シャル
- 「それはおいしいからよ。フフフ、いい赤色(はぁと)」
- アイギパーン
- 「(びょんびょん、うにうにょ)」
- サリオス
- 「(ぺたぺた、にょよよん)」
- チャーチル
- 「おおっ!?そんなに怯えるな!どうしたんだ二人とも??」
- ランスロット
- 「…ある意味では、お前が一番なめているのではないか?」
- シャル
- 「大阪のおばちゃん、元気かなー。うふふ(はぁと)」
- ランスロット
- 「…大阪?」
- (のたうつタコ。どうやら苦悶しているらしい。そしてうろたえるハゲ)
○敵部隊の駆逐○
最後の最後まで粘りとおされたのは、ヴァルキリー率いるニンジャ部隊。前衛だけに頼る戦法では、まずこの部隊を単体で全滅させる事は不可能でしょう。リーダーは倒せても、ニンジャ×3を倒し尽くすのはまず至難の技。そして悪い事に、リーダーを失った部隊は敵本拠に退却し、完全な状態で再び迫ってくるのです。堂々巡りなのです。
後は、遊撃部隊を編成して、逃げ惑う敵を殲滅するのがよいでしょう。
ウィザードのポールが高レベルニンジャ×2とワイアームを連れて迂回、帝国軍の退却ルート上に潜伏。前線と衝突してリーダーを失った敵ニンジャ共を襲撃するのです。
これによって、敵は完全に抹殺されました。
○最終決戦○
- (りんご〜ん、りんご〜ん)
- シャル
- 「えっ!?これ、何回目の決算?」
- ランスロット
- 「確か、3回目だったはずだが…」
- シャル
- 「た〜いへんっ!ランスロット、急いでデネブを倒すのよッ!」
時というのは随分あっという間に経つもので、この段階で目標クリア日数を超過している事に気がついたシャル、早速ランスロットをさしむけます。歴戦の騎士達が前衛に集結しているのは、デネブの編成のヲロカさ加減を物語っています。
- デネブ
- 「な〜んかいいましたかしら〜?」
- 天の声
- 「ごふっ!こらっ、天の声の主の首を素手で絞めるなッ!」
- デネブ
- 「あ〜ら、いつからアンタが天の声なんて御大層様になったの〜?」
- 天の声
- 「ぐふっ!ま、待たんかこら」
- シャル
- 「あ〜、なんだか仲よさそうねぇ」
- デネブ
- 「うふふ(はぁと)わかるゥ?さっすが勇者サマね♪」
- ランスロット
- 「…類、なのか」
- ウォーレン
- 「然り。やはりこれも星のお告げにて…」
- デネブ
- 「はぁ〜い(はぁと)オジイサマ、おひさしぶり〜ん♪」
- シャル
- 「…何?知り合いなの?結構スミにおけないじゃないオジイサマ♪」
- デネブ
- 「や〜ん!オジイサマって呼んでいいのはアタシだけなの〜ッ!」
- ウォーレン
- 「ほっほっほっほ」
- ランスロット
- 「ええいっ!帝国の犬めッ!すぐさま引導を渡してやるッ!」
- デネブ
- 「…なにこのお約束な騎士様は」
- シャル
- 「まだ染まらなくてねぇ…」
- デネブ
- 「うふふ(はぁと)。そういう頭のカタい人にはかぼちゃの生姜焼きがいいわ♪」
- シャル
- 「…生姜焼き?」
- ナイジェル
- 「他にも色々あるみたいだが、全部『料理』に関係するのはどうしてだ?」
- バダム
- 「単純明快。実験失敗後も処分に困らないからであろう」
- ニーナ
- 「ねーねー。あのかぼちゃ頭も実験の成果?」
- デネブ
- 「あっ、あまり近づいちゃ駄目よッ!まだ不安定な時期なんだから」
- (既に近づいていたクリスがドラッグイーターを食らう)
- クリス
- 「ごはっ!?」
- シャル
- 「うわっ?凄い、たった一撃であんなダメージを与えるなんて…」
- ランスロット
- 「ぬぅ、帝国の手先めッ!覚悟しろッ!」
- デネブ
- 「ちょっ、か弱い女の子に剣を向けるつもり!?」
- ウォーレン
- 「…か弱い?」
- デネブ
- 「かぼちゃん、あのジジイ狙いなさいッ!」
- かぼちゃん(パンプキンヘッド)
- 「カボカボ…」
デネブとの戦闘は、恐らくレベル差ほどには脅威にならない筈。
パンプキンヘッドの攻撃は特殊で、ヒットしたら現在のHPの半分がダメージとなります。その為、1点になるまで絶対に死にません。これらを率いるデネブは、ウィッチでありながらも前衛の中央に鎮座しています。ナイトを3体も揃えれば1回の戦闘で確実に倒せる、筈です。
『伝説』中屈指の弱さを誇るボスです。
○微妙な決断○
案の定、戦闘は1回で終了してしまいます。
- デネブ
- 「ぷ〜。ひっどーい。女の子相手に手加減しないなんて〜」
- シャル
- 「ふ〜ん…ランスって、そういうキャラなんだ〜。へ〜」
- ランスロット
- 「何をわけのわからんことを。この女が研究と称する実験の犠牲となった者のことを考えれば、手加減の必要もあるまい」
- シャル
- 「う〜ん、まぁ、そうかもねぇ…」
- デネブ
- 「え〜〜?このオッサンのカタ持つの〜?デネブしょっく〜」
- ウォーレン
- 「…カペラ殿?」
- デネブ
- 「誰?それ」
- シャル
- 「でもまぁ、今はかぼちゃ荒らし程度でしょ?帝国軍を積極的に支援していたわけでもないし、以後他人に迷惑をかけないことを条件に赦してやってもいいんじゃない?」
- ランスロット
- 「…しかし、その程度で済ませてはやりきれない人々もいるのだぞ?」
- シャル
- 「だからって、敵でない人を殺しても仕方ないでしょ」
- デネブ
- 「えっ?そんな深刻な話しだったの?」
- シャル
- 「…まぁ、いいじゃないの。ウォーレンも何かいってよ」
- ウォーレン
- 「そうですな。これも星の導きなのでしょう」
- ランスロット
- 「わかったわかった、それでいいということにしておこう」
- デネブ
- 「わ〜い(はぁと)」
デネブとの戦闘に勝利すると、デネブを殺すか殺さずにいるか選択できます。殺すと何故かCFが上がり、殺さないとCFが下がります。このステージの民衆がどんな思いでこの選択を受け取るのかを考えれば当然の処置でしょう。
但し、この選択にはもう一つ増減する要素があり、殺すとオピリーのALIが下がり、殺さないとALIが上がるのです。一個人の行いとしてこの選択を考えれば、これも当然の処置です。どちらをとるかはあなた次第。好きな道を進むといいでしょう。
※CF…カオスフレームの略 オピリー…オピニオンリーダーの略
さあ、これで心置きなく旧ゼノビア王国騎士団の悲願の地・ゼノビアの奪還に向かうことができます。
しかし、ゼノビアにはハイランドの四天王の一人、クアス・デボネア将軍率いる帝国軍が駐留しているとか。いままでの敵とは一味も二味も違う事は容易に想像できます。
それでも前へ進む反乱軍。というより、後退していてはゲームにならないから進むというのが正確ですが。
果して反乱軍は悲願のゼノビア奪還を果す事ができるでしょうか?
そして、デボネア将軍の強さとは一体どれほどなのでしょう?
帝国軍四天王の一人であるデボネア率いる帝国軍精鋭を相手に、どう戦う反乱軍?
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