勇者シャルのゼテギネア放浪記

〜第7話補記〜
乳母車の弥七

(ゼノビア解放後)

ゼノビアを奪還した反乱軍。
しかしこれで終わりではない事は全員わかっています。

ランスロット(ナイト)
「漸く第一の目標を通過したに過ぎない」
ウォーレン(ウィザード)
「左様。全てはこれからですな」
シャル
「はーいはいはい。堅い話は後にして、またあちこち廻るわよ〜」
ランスロット
「…『後にして』って、後にちゃんと話をした覚えがないが?」
シャル
そーだっけ?
アッシュ(ナイト)
「まあ、そう固いことを言ってやるな」
カノープス
「取り敢えず、聞き込み行ってくるぜ」
シャル
「あ、お願いね〜。こっちもすぐ行くから」
さて、これまでの寸劇ではクリア後という部分が全く描かれていないのですが、このクリア後ステージというのは大変重要な要素を持っています。…というのは既にご承知と思いますが(^^)
今回のスラム・ゼノビアでは、物語の上で重要なものもあるのでそれを含めて、少しだけ書いてみようと思った次第です。


○パルマノーバにて○

謎の男
「そのムーンローズ、わしに売ってくれんか?」
シャル
「これ?う〜ん、そうねぇ…幾らで買うの?」
謎の男
「そうじゃな…。100ゴートでどうかの?」
ニーナ(ヴァルキリー)
安すぎ!冗談じゃないわ」
謎の男
「言うてみただけじゃわい。では、1000ゴート!」
クリス(ナイト)
「う〜ん…。僕は宝石の価値ってよくわからないけど、至宝とまで言われたものって、そんな程度なの?」
バダム(ファイター)
「ふむ、別に我らにコイツに売る義理は特にないしな」
謎の男
「わかったわかった、これが最後じゃぞ?5000ゴートじゃ!」
ナイジェル(ナイト)
「この野郎、それくらいの価値で見積もっておいて最初は100で落としに来やがっていたのか?気にいらないぞ、こいつ
シャル
「奇遇ね、わたしも。ということで、売らないから」
謎の男
「イヤなやつらじゃのお。人が頭を下げているのに……」
ニーナ
「本当に欲しいなら、誠実を前面に出すことね」
覚えているでしょうか。シャローム地方の都市【レニナカン】で貰った好意の品の買い手が、ここに一人登場します。が、正直なところ安過ぎです。無視ぶっこきましょう


○フィラーハにて○

町の人
「帝国軍はいなくなりましたが、スラムに住む人々を誰が救ってくれるのでしょうか?あなたがた反乱軍はそこまで考えていますか?考えているわけないですよね。所詮、あなたがたもただの戦争屋なんですものね」
ニーナ
「まぁ、実際問題考えてないから特に否定はしないけど」
町の人
「そんな簡単に放置する問題ですか!?」
シャル
「なによ。考えているわけがないって断言したの、あんたでしょ?」
ニーナ
「だったら、私たちが何もしないのがあなたにとって当然でしょ?」
町の人
そ、そういう問題では…
シャル
「それとも、どうにかして欲しいの?自分は何もしたがらない癖に?」
そういう意味でいっているのではないのはわかるのですが、今回は槍玉にあげさせてもらいました。
シャル達の言う事も無茶な話ですが、ああ言われて黙っていられる程に人間ができているというかお人好しではないという事です。


○アンベルグにて○

ライアン(ビーストテイマー)
「よぅッ!やっぱり来たな。オレの力がいるんだろ?」
シャル
いらない
ライアン
「(かくっ)なんだよ、そっけないなぁ…。オレとお前の仲じゃないかよ」
シャル
いつからどんな関係よ
ライアン
「まあ、それはそれとしてだ。5000だ!5000でオレを買え!
ニーナ
「か、買うの?でも私、ハゲでヒゲちょっと嫌だし、それに高いし」
ライアン
「こっから先、能力の高い手駒はいた方がいいと思うぜ?どうだ?」
シャル
「そうね。いいわ、ついてきて」
ライアン
ワッハッハッハ!このオレさまが加わりゃ100人力だぜッ!」
ニーナ
「あ…そういう『買え』だったんだ…」
クリス
「…どういう『買え』だと思ったんですか?」
ニーナ
「ん?知りたい?今度じっくり教えてア・ゲ・ル(はあと)
ナイジェル
「お、俺も是非!
バダム
何やら、キャラの方向性が違ってきたな
天の声
やかましい
クリア前にライアンの持ち掛けを聞いた人はわかると思いますが、言い値が随分下がっています。どうしても金が欲しいのなら、下げたりはしない筈。ライアン、ちょっとおちゃめ


○カルロバツにて○

ランスロット
「聞いたか、シャル。この都市にはゼノビア王家の乳母を務めた者がいるという話だ」
シャル
「乳母?いいわ、取り敢えず会ってみましょう」

バーニャ
「お噂はかねがね伺っております、シャル殿。ご活躍の様ですね」
シャル
「ありがとう。ところで、乳母というとやはり皇子の…?」
バーニャ
「はい。実はその事でお願いがございます」
シャル
「お願い?私たちにできることなら聞くけど…」
バーニャ
トリスタン皇子をお探しください」
ランスロット
「…今、何と?」
バーニャ
「皇子は生きておいでなのです、ランスロット殿」
ウォーレン
「これも星の導きですかな…」
シャル
「どういう事?」
バーニャ
「ゼノビア家が滅んだ日、私は一人の赤子を抱いてこの町まで逃げてきたのです。その赤子こそ、トリスタン皇子です」
アッシュ
「これは朗報だのぅ、シャルお嬢ちゃん」
バーニャ
「皇子はアヴァロン島へおいでの筈。是非ともお守りください」
シャル
「何故、アヴァロン島へ…?」
バーニャ
「アヴァロン島には大神官フォーリス様がおいでです。恐らく、協力を求めてのことと思います」
ランスロット
「む、早速アヴァロン島に軍を進めねばならんな」
シャル
「どうして?」
ランスロット
「どうして、って…アヴァロン島も帝国軍の占領下で、皇子が危険だ!」
シャル
「自分がどういう立場のものなのかもわからないバカ皇子は放っておいたらいいわ」
バーニャ
「では、シャル殿はご自分の立場・身分を理解しているのですか?」
シャル
私の立場や身分?」
バーニャ
「帝国を倒した後、この国をどうするおつもりですか?」
シャル
「…。この前までは、統治する事も考えなくはなかったけど…。でも私はそんな柄じゃないし嫌だし正直困っていたわ。…皇子が生きているって聞いて、それはもう狂喜乱舞したいほど嬉しいのに、全くバカ皇子ときた日にゃもう…
バーニャ
「では、シャル殿にはトリスタン皇子擁立の意志がおありなのですか?」
シャル
「当然。これで『反乱軍』は新生するわ。そうねぇ…」
ウォーレン
「帝国の支配から民衆を解放する、『解放軍』というのが良いかと」
シャル
「解放…かぁ。悪くないね、さすがオジイサマ
ウォーレン
「いやっははは。照れますな
バーニャ
「さすがシャル殿、身分をわきまえておいでです」
シャル
身分って…まぁ、いっか」
バーニャ
「皇子にお会いし、この『栄光の鍵』をお渡し下さい」
ランスロット
「それはゼノビア家の後継の証…」
バーニャ
「あなたにお預けします。あなたがそれを利用するのもご随意にしてください」
シャル
「いいの?」
バーニャ
「はい…。トリスタン皇子に万が一の事があれば、ゼノビア王家はあなたが復興させてください。私はあなたを信じます
シャル
「…ありがとう。その信頼に誓って、皇子をお守りします」
バーニャ
「お願いいたします。『解放軍』の進む先に光があらんことを」
皇子!
絶えたと思われていたゼノビア家の血脈が、生きている!
ゼノビア復興を目指す者たちにとって、これ以上の喜びはないでしょう。
ですが、ゼノビアで聞いた話では、アヴァロン島には黒騎士ガレスという帝国軍の将軍が来ているとか。折角見つけた光明、消すわけにはいきません。

バーニャとのイベントは実際にはこんな感じでは進まず、殆どが加筆分です。
個人的に、身分をわきまえてというセリフにカチンとくるのですが…。

これで当面の目標として『皇子救出』が発生するわけです。
また、話の中で定義していますがこれを期に『解放軍』になるわけじゃありません
解放軍という呼称は、あなたのプレイによって決定されるものです。戦ってばかりの野蛮な軍団には、民衆はついてはいきません。迷惑がられる事もあるかもしれません。
民衆の為に戦う、そういう基本理念があれば民衆には伝わります。難しいことはありません。


さあ、皇子を求めて解放軍は進みます。アヴァロン島へ。
SFC版で気になっていた、
『アヴァロン島は、[しま]なのか[とう]なのか』
という下らない命題が無事解決したSS版に感謝の祈りを捧げつつ(^_^)
そして、女帝エンドラの息子で恐怖の戦士・黒騎士ガレスがアヴァロン島に来た真の目的は?
トリスタン皇子は無事なのか?
なんだか最近まじめな方向に傾きつつあり、危惧していますが気にせずGoGo!


NEXT
〜第8話〜
コンプレックスにイービルデッド!

トリスタン皇子には会えるのか?そして、黒騎士ガレスの目的とは何か?


放浪記/目次】【トップ