勇者シャルのゼテギネア放浪記

〜第19話〜
降りた天使と堕ちた天使

(永久凍土)

アンタリア大地天使長ユーシスを仲間に迎えた反乱軍。

シャル
貧乏でも平気か?
ユーシス(スローンズ)
慣れてますから
ニーナ(フレイア)
ぃよっし!
ランスロット(パラディン)
「誰が貧乏だ、誰が」
ともかく、ここ永久凍土は前任の天使長にしてユーシスの姉・ミザールが治めている土地。そしてミザールはラシュディを愛してしまい、罪を犯した天使。
シャル
「さー、とっととぶっ倒しにいくぜ野郎ども!
一同
おおっ!
ニーナ
野郎言うな〜ッ!」
ユーシス
「だから、倒しちゃ駄目ですってば!」

○基本構想○

また雪です。
となれば、【雪原】タイプの陸上部隊がいそうですね。後、どこでも同じですけど、飛行部隊には要注意ですね。
ざっとマップを見渡すと、ああら不思議。丁度衝突点に良い拠点が。しかも雪道の上に。
どーみてもそこを前線にして下さいと言っている様なものですね。
ランスロット
「そういう場合、裏を読むものだが…」
シャル
「普通はね。でも、CPUって超バカだから」
ナイジェル(サムライマスター)
「おお、ボード上がりのゲーマーならROMを壊しかねない程のな」
バダム(パラディン)
どこかで聞いたような台詞だな
クリス(パラディン)
「あははははは」
トリスタン
「ふむ。では深く考えずにそこへ陣を張るか。高速移動部隊が必要だな」
アッシュ(パラディン)
呼んだな、小童!
シャル
「ジイサン、あんた今レベルいくつだと思ってんの?」
アッシュ
「この前ので漸く20じゃ。ハタチじゃぞい♪がははは」
ガッシュ(パラディン)
「おさすがです団長。その身体、ハタチとは思えません
ラッシュ(パラディン)
「まことに。見た目とはあてにならぬものでございますな」
三人
うわっはははははは!
トリスタン
つまみ出して投獄しておけ
ランスロット
御意
取り敢えず、前線の中核となる拠点を確保するべく高速移動部隊を編成します。
防衛には鉄壁の守り・ヴァンパイアのバートン率いる戦闘部隊を使います。これを3部隊。
後続の支援部隊として『低空』タイプのユニットで2部隊。
解放にまわる部隊を、北上×2、西進×3で編成します。
シャルの部隊は、北上の解放部隊です。そう、またです(笑)


○雪の進軍○

大地はほぼ全てが雪原地帯。敵本拠バルハラまでは親切な事に一本だけ雪道が伸びています。当然、陸上部隊はこの雪道の途上で帝国軍と衝突する事が容易に推測できます。
ナイジェル
「雪原というだけで、プラチナドラゴンを繰り出してきそうだな」
町の人
「はいっ!そんなあなたにご朗報。(ピカピカリン♪)『ほーむーらーのーつーるーぎ』〜
バダム
「只今後半に大×のぶ○にお越し頂きました」
ニーナ
「…じゃあ、のび太ね」
ナイジェル
んじゃそりゃあっ!
頂けるものは頂いておきましょう。

さて、前線の方ですが。
高速部隊は既に最前線予定地【コーツ】に到着しました。ぼつぼつと帝国軍が見えてきています。
トリスタン
「ふん。今更のこのこやってきても遅い」
マーチン(サムライマスター)
「では皇子、指揮の方はお任せするでござる」
トリスタン
「何だと!?また留守番なのか!
クリス
「あ、皇子。シャルから手紙預かってます」
トリスタン
「手紙…?『御大将が軽々しく戦闘に出てはいけません』知った風な口を…
フェンリル
「あの娘なりに皇子の身を案じているのだろう」
ラウニィー(フレイア)
「…というか、こっちのレベルがまた高いんだな?つまりは」
シャル
あたり
そういう事です。ステージ平均レベルから考えればアンタリア大地より先にこっちを攻略しておくのが筋なのですが、今回はユーシス・ミザール姉妹の再会を果たすべく逆走しています。


○戦闘の状態○

反乱軍の全体レベルが帝国軍の最高レベル並である事から、苦戦するという事はありませんでした。
ヴォニータ(プリースト)
「…というか、何気に出てくるグリフォンが厄介ですわ」
アイーシャ(プリースト)
「陸上部隊ではプラチナドラゴンに手を焼いている様ですね」
ブラックバーン(ドールマスター)
「何分、Lサイズ連中はやたらと打たれ強いからなぁ」
マホニー(ナイト)
「サムライマスターが後衛に2人いるのも厄介ですね。命中したときの打撃は馬鹿になりませんから」
マーチン
「それもこれも命中すればの話でござる」
エバンズ(ゴエティック)
「サムライマスターのお主が言うセリフとも思えんな」
マーチン
「武士と言うは打ち合ってこそ華にござれば」
確かにレベル差+属性武器の前にあっては到底反乱軍の敵とは呼べないこの永久凍土の帝国軍。しかしそれでもプラチナドラゴンの部隊には手を焼きます。
Lサイズキャラは基本的にHPが高い為、弱点をついてもなかなか倒せない強敵です。特にドラゴンはHP上昇率がきわめて高く、とてつもなく厄介です。ドラゴンと戦うなら、必ず弱点をつく武器を戦士系に装備させて臨みたい所です。
トリスタン
「うむ。敵の第一陣が退くと同時に前線を一気に押し出すぞ」
ウォーレン(ゴエティック)
「御意」
トリスタン
「…どうかしたのか?」
ウォーレン
「いえ。…ご立派におなりあそばしましたな、皇子」
トリスタン
「…き、急に何だ。気味が悪いぞ
サラディン(ゴエティック)
「ふふ。…時にシャル殿の方はどうなっておりましょうな」

○解放部隊の長駆遠征○

このステージの拠点はその殆どが防衛拠点としての意味を持ちません。それは地形をご覧頂ければおわかりと思います。
中央を通る雪道以外にはまず戦闘は発生しないでしょう。それでも、不測の事態に備えておきたい所です。
安心して拠点を離れていたら突然のアナウンスとブーイングを聞くというおマヌケな事は避けたいですからね。
ニーナ
誰に言ってるのよ誰に
天の声
「これは自戒の言葉さ。別に不特定少数の事を言ってるわけじゃないさ」
カノープス
「随分な言われ様じゃないか、シャル」
シャル
「あんたも入ってんだってば、鳥頭
ノルン(プリースト)
「という事は、私もなの?」
天の声
フッ。そう、その通り!
ノルン
天誅!
(どがっ)
天の声
ギャアース!

シャル
「さて、やかましい馬鹿も片付いたし、拠点の方に目を向けてみるかね」
カラマゾフ(パラディン)
「まず、ラシュディはミザールからかなりの魔力を秘めた魔石を手に入れたそうです」
カノープス
「ミザールとラシュディの契約はまだ失われていないそうだ」
ニーナ
「多かれ少なかれ、ここの人達はミザールに憐憫の念を抱いているようね」
フット(ニンジャマスター)
『焔の剣』『ワンダーエッグ』を手に入れた」
ランスロット
聖杯伝説…オウガバトル後、大陸を統一したレクサールも、グラン王も使ったという真の王の証…。探し出さねばなるまい」
シャル
「ふむふむ。事の発端は、ミザールがラシュディに渡した魔石って事になるわけね」
ユーシス
「ね、姉さん…」
バダム
「おお、あたかも先の世のヴァレリアで巻き起こる姉弟紛争を垣間見たようだ」
シャル
「そーゆー悪質なネタをバラ巻きに出てくるなってば」
敵戦闘部隊は、前線部隊が最寄りの拠点に鎮座している事からか、解放部隊の方へは一向に部隊を派遣する様子がありません
これ幸いと調子に乗ってバンバン解放できます。
シャル
「少し大仰に編成してしまったかもねぇ」
天の声
「ま、備えあれば憂いなしというやつだ。気にするな」

○帝国軍雑魚部隊の壊滅○

シャル達が順調に解放を進めていく間、帝国軍は前線部隊にいいようにもてあそばれていました。
トリスタン
「だから誤解を招く言い回しをするなというに!」
ウォーレン
「ホッホッホッホ」
サラディン
「フッフッフッフ」
天の声
「全ては、ビッグファイアの碁石だ」
マーチン
妙な碁石でござるな
実際問題、帝国軍は前線部隊にばかり進撃してくるので(普通はそうだけど)こちらの進軍にはさして問題が発生しませんでした。
しかしやはり問題はLサイズキャラ、特にプラチナドラゴンの驚異的な防御力とHP量でしょう。
必ず、火炎系武器を装備させた前衛キャラとゴエティックくらいの組み合わせは準備しておきたいところです。


○対ミザール編成○

いよいよミザールの部隊と対決する事になった反乱軍ですが…。
ユーシス
「姉さん…」
シャル
「あ、いたいた。ユーシス、あんたは前座ね」
ユーシス
「ぜん…なんです?それ」
シャル
「だって、あんた神聖系攻撃しかできないじゃない。却下したいくらいよ」
ユーシス
「う…」
ミザールは天使、しかも最上位のセラフィムです。耐神聖系の防御力は当然高く設定してあります。たとえユーシスのレベルが高くても、威力半減しては意味がありません。
シャル
「ま、前座で倒せればオッケーっちゅーことで」
ユーシス
倒しちゃ駄目ですってば…
ミザール以外のキャラは雪原型のこのステージに相応しくフィボルグ×2。正直なところプラチナドラゴンとかバハムートとかいわれるより遥かに攻略が楽です。
ハイモス(フィボルグ)
「悪かったな、お手軽で」
天の声
「拗ねるな。ホントの事だ」
こちらは火炎系武器を装備したパラディン×2とデーモン×2といういでたちで勝負。
カラマゾフ
「…デーモンで十分勝負もつきそうな気がするのですが」
シャル
「イベントキャラを侮っちゃ駄目よ。だいたい、夜じゃないんだから」
コーエン(デーモン)
「そーなん?」
シャル
「あんたたちの役目はミザールじゃなく、フィボルグよ」
コーエン
イェッサー、ボース!
変な編成。


○姉妹○

ミザール
「あ、あなたは、ユーシス!生きていたのね…!」
ユーシス
「久しぶりね、姉さん。迎えに来たわよ!」
ミザール
「どうしてあなたが反乱軍にいるの?迎えに来たとはどういう意味?
ユーシス
「…姉さん、何か台本違うみたい」
ミザール
ホントだ…

クリス
「なんだか本当にこんな人たちばっかりですね、この劇」
シャル
類は友を呼ぶっていうでしょ?」
カラマゾフ
「わかったような気がしないでもない」

ミザール
「ユーシス…私を殺しなさい!それがあなたの役目よッ!」
ユーシス
「姉さん!」
ミザール
スローンズ初の天使長でしょう、あなたは!しっかりしなさい!」
ユーシス
「…だから、それに触れちゃ駄目だってば姉さん!」
ミザール
気にしていたのね…ごめんね、姉ちゃんこんな状況だから迷惑かけちゃったね…」
ユーシス
「姉さん…別にそんなつもりじゃなかったの…ただ、ちょっと…」
(ユーシス、後ろで様子を伺っているシャルたちを横目で見る)
ユーシス
「…姉さん、私、はやまったんじゃないかしら」
ミザール
う〜ん…」

ナイジェル
「何か考え込みはじめたぞ、あの二人」
クリス
「そりゃあ、姉妹なんだからそう簡単に割り切れないんじゃないですか?」
ニーナ
「多分、それとは違うかもしれないわね」
シャル
「ニーナもそう思う?…まぁ、天使だからねぇ」
バダム
「というより、スローンズだからではないのか」
ユーシス
「だから、何度も言わないでよッ!
錯乱ついでに戦闘に突入してもらいます。当初の思惑通り、案の定戦闘は決着がつきません。
神聖系の攻撃しかしないユーシスですが、相手がフィボルグであるなら少しはものの役に立ちます。イベントキャラですし。
フィボルグのHPを散々削っておいて、真打の登場です。
ランスロット
「実の姉妹が戦うのを黙って見ているのは辛いのでね…」
シャル
「よっ。ミスター人格者!」
ランスロット
やかましいッ!
アッシュ
「ま、そなたは妹の手で倒される事をも望んでおった様じゃがの」
ミザール
「…ユーシスはもう十分苦しんでる筈だから、そこまでは望めないわね」
ニーナ
「ほんと、たかがスローンズが天使長なんてやらされてるんだもん」
ミザール
「ほんとね…それは私には耐えられないかもしれないわねぇ…」

ユーシス
くしゅっ!
クリス
「大丈夫ですか?」
ユーシス
「ありがとう。…ちょっと線が切れそうになっただけだから」
クリス
…線?

ミザール
「さぁ、時間も迫ってきたらしいし、そろそろ終わりにしましょうか」
シャル
「ん〜…死ぬ気万々な奴と戦うのって、嫌だなぁ…」
ランスロット
「やむを得まい」
自分が過ちを犯した事を知っており、その罪を償う為に命を投げ出そうという悲壮感あふれるミザール。戦う相手としてはやりきれないものがあります。
しかし、そうはいっても倒してしまわないとゲームが先に進まないのでちゃっちゃと倒します。
結局ユーシス達の打撃があったことで、拍子抜けするほどミザールは倒れます。仕方がありませんね。レベル差もあることですし。


○別離○

ミザール
「よく頑張ったわね、ユーシス。…ありがとう」
ユーシス
「姉さん…姉さんはそれでいいかもしれないけど、残された私はどうなるの?
ミザール
「あなたは十分な心の力を持っているわ…自分に自信をもちなさいユーシス」
ユーシス
「でも…でも!」
ミザール
「いいのよ…私が望んだ事なんだから。…ラシュディを…彼を止めて…」
ユーシス
「姉さん!しっかりしてッ!」
ミザール
「…ありがとう…ユーシス…」
ユーシス
「姉さん……ッ」
残念ながら、ミザールは反乱軍の仲間に加える事ができませんでした。
…こう言うとまるで『仲間にできる』みたいに聞こえるかもしれませんが、どーあがいても駄目です。あしからず。
天使とはいえ、実の姉妹を戦わせるというのはちょっと気がひける部分がないとはいえないけど、これもイベントの為とわりきって(笑)こらえましょう。いなくてもそれなりに悲壮感は伝わってきますけどね。
ナイジェル
「お?今回はもう締めか。随分軽めに押さえてるなぁ」
天の声
「正直、このくらいでないといかんのだがなぁ…」
ニーナ
前半の暴走が効いてきたってとこね」
天の声
「正直、戦闘についてあまり苦労した記憶が無くてな…」

永久凍土、クリアです。
先にも述べましたが、戦闘においてレベル差・帝国軍の進軍ルートの面から苦労しなかったステージという印象しかないのでちょっと短めにまとめました。
あと、ミザール姉さんとユーシスの掛け合いが少なくなってしまっており、若干物足りなさが残ったかもしれませんね(笑)

−☆−☆−☆−☆−☆−☆−☆−☆−☆−☆−

さぁ、気を取り直して突き進みましょう。

ユーシス
「…姉さん」
シャル
「あんまり、どっかのシスコンもどきみたいなセリフ使わないの」
ユーシス
誰の話ですか?
天の声
「それは次回のお楽しみ
バダム
「次回といっても、この寸劇の話ではなくて
二人
ムヒョヒョヒョヒョ
ラウニィー
「コピーなんじゃねぇか、おめー」
バダム
「はてさて。何の事やら

ナイジェル
「ところでよ。天使の姉妹っていうけど、両親っているのか?」
ユーシス
…え?
ニーナ
「確かに…男の天使って見かけないわね」
バダム
「それは容量と必要性の無さが問題だろうな」
クリス
「聖なる父が実の父なら、天使はみんな家族ですね。たくさん倒したけど」
ユーシス
ちょ、ちょっと…
ナイジェル
「まぁ、無粋な疑問って事で処理してくれや」
ユーシス
う〜…
−☆−☆−☆−☆−☆−☆−☆−☆−☆−☆−

さて、悩むユーシスを引きずりつつ、いよいよ封印の地・アンタンジルに向かいます。
この地に封印されているのは何か。帝国軍がやっぱり来ているのか。謎はますます深まるばかりです。
シャル
「さ、いくよみんな!」
一同
「おおっ」
ニーナ
『ブリュンヒルド』持った〜?」
シャル
あたぼうよ
何だか予断を許さないまま、次回へと続きます。


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サタン・コールは闇と共に

封印されていたものの正体と聖剣の関係とは?


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