○再会の誓いある別離○
賑やかどころから少し離れた場所で、傍目に見ると奇妙な組み合わせの二人が対峙していました。
- カノープス(バルタン)
- 「ギルバルド、どうしても行くのか?」
- ギルバルド(ビーストマスター)
- 「ああ・・・。最初から決めていた事だ」
- カノープス
- 「だが、あいつはどうするんだ?あれはお前の事を・・・」
- ギルバルド
- 「・・・俺にはユーリアを幸せにしてやる事は出来ん。このまま、黙っていくつもりだ」
- カノープス
- 「しかし・・・。・・・わかった、どうせもうお前の気持ちを変える事などできんのだろうしな」
- ギルバルド
- 「すまんな」
- ギルバルド
- 「じゃあな、カノープス。達者でいろよ」
- カノープス
- 「ギルバルド・・・」
- ギルバルド
- 「笑え、笑えよカノープス。笑顔で俺を見送ってくれ」
- 聞き覚えのある笑い声
- 「あーっはっはっはっはっはーだ!」
- カノープス
- 「ぬっ!?その声はもしや!」
- 聞き覚えのある声(謎の有翼人)
- 「天が呼ぶ・・・以下略!とーっ!」
- ギルバルド
- 「お、お前は・・・!」
- ユーリア(歌姫)
- 「こーんなところにいたのねー二人ともー?随分探しちゃったじゃなーい?」
- カノープス
- 「ユーリア、お前、妖邪界はどうしたんだ」
- ユーリア
- 「飽きましたの。」
- ギルバルド
- 「ユーリア・・・実はな」
- ユーリア
- 「・・・全部聞いたよ、ギバやん。ひーどーいじゃないのー!勝手すぎー!もー」
- ギルバルド
- 「いや、すまんすまん。だが俺は・・・」
- ユーリア
- 「すとーっぷ!皆まで言わないでいいわ。私が止めても無駄なのもわかってる。で・も!一言も無しに勝手に旅に出られるのだけはずぇーったい!嫌!」
- カノープス
- 「お前、出番が少なかったからって随分違ってきてないか?」
- ユーリア
- 「あんちゃんは黙っとき」
- カノープス
- 「あん・・・」
- ギルバルド
- 「・・・そうだな、確かに言う通りだ」
- ユーリア
- 「・・・元気でね、ギルバルド様。でも必ず、戻ってきて下さいね」
- ギルバルド
- 「約束しよう。・・・必ず戻ってくると」
そしてギルバルドは二人に背を向けて去っていきます。
- カノープス
- 「本当によかったのか?」
- ユーリア
- 「他にどーしろってゆーのよ。泣いて止めたら行くの止めたとでも?」
- カノープス
- 「・・・ま、それもそーだな。ところで、そろそろハーフタイム終わるんじゃないか?」
- ユーリア
- 「あ、いっけなーい!私、出番なのに〜ッ!」
- (ユーリア、疾風の如く駆け戻る)
- カノープス
- 「おい、ちょっと!・・・ったく、涙くらい拭いていけよイイ歳してから」
見送るユーリアの頬に、薄く光るものが流れ落ちていました。それを知ってか知らずかギルバルド、長の旅路につきまする。
友は黙って見送って、妹を心から愛しいと思うのです。
・・・。
- 天の声
- 「あー歯が浮く」
- カノープス
- 「なら書くなよ」
- 天の声
- 「間が持たなかったんだ」
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