○決意した娘○

ここは会場の喧燥とは殆ど無縁の場所。ケルベロス二頭が退屈に寝そべっている。
と、そこに近づく一人の女性。
マーウォルス(ケルベロス)
「(ぴくっ)」
スタピュロス(ケルベロス)
「(くんくん・・・ぱたぱたぱたぱた)」
アイーシャ(ビショップ)
「久しぶりね、マー君、スタっぴ〜♪」
マーウォルス
「わんわんわんわんっ♪」
(アイーシャの周りを駆け回る)
スタピュロス
「(どたたたたた・・・ぺたっ・・・ぱたぱたぱたぱた・・・)」
(アイーシャの前に座ってしっぽ掃除)
アイーシャ
「うふふっ、元気そうね。・・・ご主人様は、やっぱり居ないのね」
スタピュロス
「(ぱた・・・ふんふんふんふん・・・)きゅ〜・・・」
アイーシャ
「慰めてくれてるの?ありがと」
マーウォルス
「(ぴくっ・・・じろり)」
スタピュロス
「(つーん)」
アイーシャ
「・・・この子達で遊ばないでくれます?」
天の声
「いや、はっはっは」
マーウォルス
ばうばうっ!
スタピュロス
がうがうっ!
(がじがじがじがじ)
天の声
ぎょはーっ!?貴様ら狂犬病の注射うけた事ねーだろーっ!!」
マーウォルス
わんわんわんわん!(どどどどどど)」
スタピュロス
わんわんわんわん!(だだだだだだ)」
天の声
「しえーっ!?」
(あらぬ方向へ逃走する天の声とそれを追う犬達)

アイーシャ
「・・・元気な子達ねぇ」
ウォーレン(ネクロマンサー)
「雉も鳴かずばなんとやら。噛まれるもやはり星の定めのままとは大した御仁ですな」
(アイーシャの背後に立つウォーレン)
アイーシャ
「ウォーレン様!?何時の間に・・・」
ウォーレン
「ほっほっほっほ。星のお導きですよ」
アイーシャ
「おさすがですわウォーレン様。その分では、私が何故ここにきたのかもご存知なのでは?」
ウォーレン
「・・・行かれるのですな?」
アイーシャ
「はい。・・・私はまだまだ、修行が足らない様です。色んな人に会って、もっと見聞も広めないと・・・反乱軍だけでも私の想像のつかない人達ばかりでしたし」
ウォーレン
「まぁ、ここで広まる見聞はごく限られた範囲なのは確かですが」
アイーシャ
「・・・やはり、ウォーレン様はここに?」
ウォーレン
「はい。ゼノビア王国の復興は私達ゼノビア王家に仕えた者の夢ですので」
アイーシャ
「そうですか。・・・ところで、マー君とスタっぴ〜、どこまで行ったんでしょうね?」
ウォーレン
「ほっほっほ。出番が無くてストレスが溜まってましたからな」
アイーシャ
「まぁ、じゃ格好の餌食だったんですね?」
ウォーレン
「されどやはりこれも・・・」
アイーシャ&ウォーレン
星のお導き
アイーシャ
「ですね♪」
ウォーレン
「その通り。さすがはアイーシャ君」
アイーシャは何故かウォーレンに気を許しています。すっかりその飼い犬(?)である二頭とも仲良しになり、そうすると別れがつらいものですが・・・。少なくとも、彼女はそれほど弱くはないようです。
で、私は一体どうなるんでしょう??


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