「このごろお嬢様の様子はどうも変だな・・・夜中に外出したりしてるけど、男ができたようでもなし・・・今夜は後をつけてみようか・・・」
その夜、キューブはこっそりアイリーンの後を追いかけてみた。アイリーンは西の砂漠を抜け、地獄の入口と噂される溶岩地帯に入っていった・・・
キューブ「武者修行でもないのに、こんな場所にいったい何の用があるんだろう?」
アイリーン「さあ、いにしえの魔王ルシフォンよ。出てくるがいい!」
魔王「ほほう・・・また来たか。性懲りもなく」
キューブ「あわわ・・・あれは地下王のルシフォンじゃないか」
アイリーン「今日こそはお前の命をもらおう」
魔王「ふふふ・・・無駄だ。お前がわしを殺しても何もならんぞ」
アイリーン「問答無用だ!」
アイリーンと魔王との戦いは数時間に及んだ。始めは余裕のあった魔王だが、アイリーンの激しい切っ先の前に次第に防戦一方になっていく。
アイリーン「とどめだ!」
魔王「ふっ・・・・・・見事だ。だがお前にはわしは倒せん。しょせん、お前はわしと同じ・・・ぐふっ!」
アイリーン「やった・・・!ついに魔王を倒したわ・・・うっ!」
キューブ「お嬢様!どうしたんですか」
アイリーン「うう・・・くっ、くうぅぅぅぅ・・・・・・」
魔王「うぐぐ・・・・・・ど・どうだ。だから無駄だと言ったのだ・・・」
キューブ「地下王ルシフォン、お嬢様に何をしたんだ!」
魔王「・・・ふ・・・貴様、キューブだな。わしは何もせぬ・・・全てはその娘自身のせいよ・・・」
キューブ「何だって!?」
魔王「お前も地下の世界の者なら知っていよう・・・地下王死す時、その王位は最も相応しい人間に譲られる・・・」
キューブ「え・・・まさか・・・お嬢様が」
魔王「ふふ・・・身びいきが過ぎると知恵の鏡も曇るらしい・・・見るがいい、その娘の力を!暗黒の気を!・・・魔物の国を治めるに相応しいではないか・・・」
キューブ「う・・・・・・そ、そんな・・・」
魔王「・・・・・・これでわしも安心して死ぬことが出来る・・・・・・さらば魔界の貴公子キューブよ・・・」
アイリーン「・・・はあはあ・・・・・・」
キューブ「お嬢様の意識が薄くなっていく・・・・・・魔王の言う通りなら、次に目覚めるときはおそらく・・・・・・」
翌日、アイリーンは忽然と姿を消し、二度と家には帰らなかった・・・・・・ アイリーンの消息は未だ不明である。ただ、旅の剣士が溶岩地帯の洞窟で、魔王の祝宴を垣間見たが、その魔王は若い女の姿であったという |
アイリーンは地下の世界で魔王として君臨していた。魔王とは地下世界の王、すなわち地下王である。 天を治める神の中の王・天帝は、地下世界の魔物どもを治めるため、地下世界の住人で最も力のある者を地下王に封じて統治させていた。 秩序の国が天界。混沌の国が地下界。そして秩序と混沌が同居する人界(地上界)。この三界こそが世界の全て。 地下王の任務は狂暴な地下の魔物たちの統治と、堕落しやすい地上人の征伐である。今、天界に生を受けたアイリーンは、人間世界で育てられ、地下界に降り立った。 そこで永遠の命を得て、地下の魔物たちを治めるのである。このまま地上人が良き世界を築くなら、人々は二度とアイリーンを見ることはないだろう。 が、もし再び享楽に溺れ都が堕落すれば、今度は魔王アイリーンの征伐を受けることになるのだ・・・・・・ |
●守護星の嘆き● |
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魔王エンディングを迎えると、通常の評価が貰えず、守護星の愚痴しか聞けません。 |
男の守護星
「・・・こうなる運命とは、予想だにできなかった(わしも予想がつかなんだ)・・・アイリーンは元々無垢な魂を持つ者ゆえ、かえって地上の汚れの影響が強く出たのかもしれぬ(しれぬな)・・・」
「アイリーンはこれより未来永劫、地下の王として君臨する。それが不幸なのか幸福なのかはわからぬ。いずれにせよ、永遠に続くのだ。代わりの者が現れるまでな(まで)・・・・・・」 |
女の守護星
「・・・こうなる運命とは、私も(私にも)予想がつきませんでした・・・アイリーンは元々無垢な魂を持つ者。(持つ者ゆえ、)かえって地上の汚れの影響が強く出たのかもしれませんね(しれません)・・・」
「アイリーンはこれより未来永劫、地下の王として君臨するでしょう。それが不幸なのか幸福なのかはわかりません。いずれにせよ、(それは)永遠に続くのです。代わりの者が現れるまで・・・・・」 |
※()内は言い回しのバリエーションです。 |