ファイズ第8話『夢の守り人・後編』

(2003/3/16)

■追跡

■煙たがられる女

前回、真理を狙った眼鏡男ですが、そこを瞳っちが携帯で邪魔立て。「あんたか・・・」と、いかにも嫌そうな男が印象的。
ベルトを狙うのは御法度となっているようですが・・・あの、真理は別にベルトしてませんが(笑)
はいっ、ででっどででででっでっどっずばーん♪(誤魔化すな)

■海堂と結花

和彦へのレッスンを終え、室外に出た海堂の前に、結花の姿が。半分ストーカーですねえ(笑)。
海堂が暴れないかを心配してのことですが、あくまでそれは『勇治が心配してるから』。結花の意志とは言い切れません。ともかく、機嫌のいい海堂が「今日は何もしない」と請け負ったので、ひとまず安堵。

勇治がどうして自分を気にするのか不思議に思う海堂は、禁句を口にしてしまいます。
好きなのかな?
アンタそーゆーことを平気で言うなよ(笑)。
結花によれば、勇治は人が好きだから、だそうです。だから二人にもそうであって欲しい、と。でも、結花はどっちつかずなんですよね。海堂は、自分は人嫌いだ、とキッパリ言い切りますが、結花に嘘だと看破されます。
あなたはまだ、音楽を愛してるから。だから、嘘。
動揺して目線が泳ぐ海堂。割とわかりやすい奴なのかも。しかし、結花って見てないようで割と見てるんだね・・・やっぱり、海堂に近いものを感じてるからかな?

しかし、その場はそこまで。例のゴロツキ連中が、仲間二人の死を海堂の仕業と睨んでえらい剣幕で迫ってきます。
それを制止する先生
二人の死に事件性がない、との警察の断定故、海堂はシロと言う先生を前に、ゴロツキどもはすごすご立ち去ります。
しかし・・・生徒が二人も変死したというのに、なんだろう、あの落ち着いた・・・というか、勝ち誇ったような態度は。

■『説得』→『失敗』

和彦の元には、入れ替わるように啓太郎が。啓太郎は「夢を追うのも良いけど、親に心配をかけるのはどうかな。」と、和彦を説得しますが、和彦の意志は揺らぎません。
夢の為なら死ねる』とまで言う和彦を前に、巧は啓太郎を連れてさっさと退散します。
俺達の出る幕じゃない。」との巧の見解に、啓太郎も同意。

帰路についた巧は啓太郎に、「夢の為なら死んでも良い」というのが全く分からない、と打ち明けます。そんな巧に啓太郎は、
そのうちわかるようになるよ。タッくんにも夢が出来れば。
と一言。今回の啓太郎は妙にすんなり受け入れられます。この調子でゴーです。ジャ(削除)

■登場時のインパクト激弱

さて、添野の娘登場です。風邪ひいて自宅療養中の添野と、一連の事件に対する上層部の正式見解をお見舞い代わりに持ってきた沢村が、あーだこーだ議論してるシーンなんかくだんねーから無視。
このシーンで釣りバカ日誌読んでる娘こそ、添野の娘なんですが・・・改めて見返しても、ちっともアレじゃないのでインパクト激弱。っちゅーか、役名つく様なキャラなの?(削除)

■真理の失態

T-CLUBでワインディング実演中の真理ですが、自称『30分ぐらい』を『20分以内』で仕上げるよう言われていたのに、結果は『36分20秒』。更に悪いことに、仕上げまで雑。これには店長も呆れ顔。
あなた、もしかして美容師には向いてないかもね。
落ちたピンを拾ってそれを巻こうとしたりもしたし、客商売であることも真理は完全に忘れてます。店長のデコがもっと広ければ、もっとビシッと言ってくれたでしょうにねえ。フッフッフ、ニヤリ

■夢を断たれた苦しさ

海堂と結花は、勇治の元に戻ります。そこで海堂は、自分のギタリスト生命を断ったあの事故が、人為的に仕組まれていたことを語ります。
「酷い話だと思う。でも・・・」
復讐は良くない。しかし海堂は、勇治には自分の苦しみがわかる筈がないと語ります。
「お前、夢を持ったことがあるか?
 俺に言わせればな、夢ってのは、呪いと同じなんだ。
 呪いを解くには、夢を叶えなけりゃならない。
 でも、途中で挫折した人間はずっと呪われたままなんだ。
 俺の苦しみは、お前にはわからない。

哀しい話です。結花も堪らず涙を流します。

この海堂の気持ちは推し量れても、その苦しみを『わかる』なんて言える人は、偽善者に近いんじゃないでしょうかね?さあ、あなたの周りにそんなの居ませんか?
例えばそう、きらめく歯を誇るテコン(鳳凰脚炸裂)

■真理と巧

巧達が仕事を終えて戻ると、真理は一足先に夕食。今日は鍋焼きうどん。容赦無いなあ(笑)。
勿論、巧が黙っていませんが、真理もいつにもまして食いつきます。そう、真理は、巧に八つ当たりしているのです。さすがの啓太郎もこれを指示する事は出来ませんでした。
孤立無援となった真理は、遂には飛び出していってしまいます。

そんな娘が行く先は、夜の公園のブランコで独り泣きする、と相場が決まっています。古い相場だ(笑)。
そして、お迎えは『ぶっきらぼうな奴』。アンタ古すぎねーか(削除)

自分でも悪いとは思っていながら、つい八つ当たりしてしまった真理は、割と素直に巧の説得に応じて帰宅の途に。その道中、巧は「なんでそんなに一生懸命なんだ?」と真理に尋ねます。
夢を持つとね、時々すっごく切なくて、時々すっごく熱くなるんだ。だからかな。
わかるようなわからんような、若い答えです。巧もよくわからないなりに、それを『贅沢』と言います。

この時、何者かの気配を巧が感じますが、振り向いても誰も居ません。一抹の不安を抱いたまま、巧は真理と一緒に帰宅します。
翌朝、巧は大学で逃がしたオルフェノクは放置して、店に残ることに。「かったりぃんだよ」とは言ってますが、その視線の先には、徹夜でワインディングの練習をして疲れて寝ている真理の姿が。わかりやすい子ですねえ。

■夢の継ぎ手

その大学では、海堂が和彦のレッスン中。今回は、結花も一緒です。
そこに、あの先生が通り掛かります。その旋律に耳を傾け、何か思案げな表情を浮かべます。

海堂の評価は、「お前の指は、黄金の指だ。」と絶賛・・・してるように見えないのが海堂らしさかな(笑)。
そこに、拍手を送りながら入ってくる先生。先生も、昔の海堂に勝るとも劣らない、とベタ誉め。
君に足りないのは後一つだけだが、
 それを達成すれば、今の海堂君と同じになれるだろう。

続く先生の言葉に、和彦は素直に喜ぶが、結花は何か引っかかるものを感じた。「今の海堂」はギターが弾けないのに、それと同じ、とはどういうことなんだろう・・・?

海堂も、何か感じているような表情を一瞬見せたんですが・・・気のせいかな。

■合格通知

一方、真理は再びT-CLUBへワインディング試験。
結果は『21分30秒』。またしても指定時間を超えてしまい、うなだれてしまう真理。店長は一応、仕上がりを確認し、一言。
1分30秒はオマケね。これからもこの調子で頑張りなさい。
と、合格通知。これだよアンタ、『冷たい嫌な女』なら、こういうコメントを吐けません。
いや、良かった良かった。でも、プロなら時間と品質、ともに達成してナンボですからね、真理には一層の精進が必要でしょう。

・・・という状況を、店の外からこっそり垣間見ている。やはり単に「かったりぃ」からではなかったんですね。

■真犯人

大学では、何やら、バイクと必死に格闘している先生の姿が。基調カラー青のバイクといえば、和彦もそうですが・・・
そこに現われたのは、結花でした。
また、教え子の才能を潰すつもりですか。
おお、割と意外そうで実はありがちな真実。
指摘された先生は変身し、結花に襲いかかりますが、結花は素体のままで驚異的なジャンプを見せ、悠々とその場を後にします。あれ、オルフェノクって変身しなくてもある程度の能力は出せるのか・・・。

■遭遇

帰路についた真理、それを再び狙う眼鏡の男。禁止だって言われたのに、言うことを聞かない奴ですねえ。
その前に巧が立ちはだかります。「何者だ?」と聞かれ、黙ってコートをめくり、腰のベルトを見せる辺りが気取り屋風情。

同じ頃、教室に戻ってきた先生は、誰も居ない筈のそこに一人の男が居るのに気付きます。
話は全部聞いている。
 何故海堂直也の夢を潰したんだ。

座ったまま、背を向けたまま一瞥もくれず、その男・勇治は尋ねます。
「フン・・・。
 私より才能のある人間は、最も重い罰を与えねば。
 わかるかね?
  そういう人間は、ただ手にかけるだけではつまらない。
   才能を潰して、惨めに生きてもらわなければ。

なんだこいつは。こんな奴が『音楽家が暴力云々』なんてよく言えたもんです。っつーか『先生』て・・・。

■Four Divertimentos

さて、その海堂の方ですが、結花に『お願い』をされて、一曲奏でることになりました。
タイトルは見出しの通り。んな曲、知りませんっつの(笑)。あと、勘違いされてる人が多いそうですが、和彦の曲はオリジナルらしいです。探しても無駄ですよん♪

このシーン、台詞は少ないものの、その想い、特に海堂の想いがよく伝わってくる良いシーンです。

■戦いの始まり

その曲をバックに、2つの戦いが展開されます。

巧は、カブトムシ型の奴と戦います。ビートルフェノクとでも呼びましょう。或いは、ビーフェノク・カブトとか(大却下)
そんな奴に巧が習い立ての夢講釈。
おい知ってるか。夢を持つとなぁ、時々すっごく切なくなるが、時々すっごく熱くなる、らしいぜ。
 俺には夢が無い。
  だが、夢を守ることは出来る。変身!

くわっ!イカス!なんてかっこつけしぃなライダーなんでしょう(笑)

勇治も、同じような展開。
知ってるかな。夢っていうのは呪いと同じなんだ。
 途中で挫折した者はずっと呪われたまま、らしい。
 あなたの、罪は重い。

くわっ!イカス!なんて重みのあるお馬様。

夢を持たない二人が、それぞれ『夢』を語り、一方はその夢を守る為に、一方はその夢を奪った者を裁く為に、戦いを始めます。今までで、最も重い戦いです。

■ファイズVSスカラベノク

こっちの方が字数が少ない(笑)<スカラベノク

巧・ファイズは、最初は苦戦しても、すぐに逆転しちゃうのが凄いところ。
そんなところに飛んできたのが、全自動馬神様!これまた全自動のガトリング砲を、なんと二人に発砲(笑)。何がしたいんだこいつは。
銃撃がやんだところに、巧が「あぶねーだろ!当たったらどーすんだ!」と、容赦ない蹴り・タックルで馬神様を突き倒してバイクに戻しちゃいます。やっぱり馬神様の行動原理は不明です。

気を取り直して、スカラベノクは剣を取り出し挑みかかります。それを見た巧も、オートバジンの左グリップを抜き取り、ライトセイ(削除)・・・ともかく、剣で戦い始めます。SEがアレに似てないのは、良心です(笑)。

そしてフィニッシュブロウ!烈風剣とでも呼ぶべき技を繰り出し、スカラベノクの動きを封じ、そこを容赦なく二度斬撃。
哀れスカラベノクは灰になっちゃいましたとさ。あ、ちゃんと『ファイ』の字。えっと・・・
飛翔・ファ(あまりのネタなので略)

■馬VS梟

勇治・馬フェノクの戦場は体育館。
武器なし状態では優勢だった勇治も、鉄爪攻撃にたじろぐ様が見受けられます。しかしそれも、剣を手にした時から逆転します。

さあ、まともに戦っては勝てないと踏んだ仮面フクロウ、煙幕で視界を遮り、勇治に襲いかかります。しかし、勇治が一枚も二枚も上だったようです。
煙幕にも焦らず騒がず、的確に仮面フクロウの攻撃を見切り、すれ違い様に斬撃を加え、勝負を決めます。この時の馬フェノクのあまりのカッコ良さに惚れ惚れした人も少なくないでしょう。
ああ、鞘があれば、間違いなく追加キメポーズがあったのに(笑)。

■夢を託して・・・

海堂の演奏は、途中で終わってしまいます。左手に残った後遺症、でしょうか。
ここまでだ。
しかし、その表情は淡々としています。海堂はそのまま、ゆっくりベランダに向かい、こう呟きます。
漸くギターを捨てることが出来る。
 俺の代わりに弾いてくれる奴が出来たから。

そう言って海堂は、ベランダからギターを投げ捨ててしまいます。息を呑む結花。ギターは、そのまま地面に激突、無残な姿となってしまいます。それを見た海堂の、寂しそうな、しかし納得したような表情が印象深い。
今回は、その壊れたギターのアップで幕。


■感想

今回の話は『』がテーマ。特に、夢を断たれた海堂と、夢を断った男を裁く勇治がメインで展開します。
勇治の『裁く』より、巧の『守る』方が前向きなんですが・・・どうしても勇治の方に注目しちゃいましたね。何せ、馬神様が「こんな良い戦いに何故・・・」という活躍しましたし。まさか、ライトセイバーもどきの為にわざわざ・・・?
ともかく、アクションはファイズだけど、戦いへの感情移入度は勇治の方に軍配が上がりました。

夢を断たれた海堂ですが、その夢を後輩・和彦に託し、漸く夢の呪縛から解き放たれます。でも、夢を断ったのが他ならぬ恩師だとはねえ・・・。結花は、勇治が始末を付ける間、ギターを弾かせて海堂を引き止めていた、という説もあるとか。なるほどです。
でも、最後のギターを投げ捨てて壊すシーンには、ツッコミもあったでしょうねえ。「気持ちは分かるがギター壊すな」とか。まあ、その気持ちもわかるけど、海堂はアンタじゃないし、アンタは海堂じゃないし。
っちゅーか、分かったつもりになってんじゃねえ、ってのよ。

それはともかく。
あの先生が海堂や生徒をねえ・・・消去法でいけば当然の結果ですけどね(笑)。
それにしても、あまりに非道なこの男に対し、怒りに身を震わせながらの勇治の言葉の一つ一つが、見ているこっちにも『許せない』という思いを嫌が上にも湧きあがらせます。そこに来て、いかにもありがち、かつシビれるあのトドメです。堪りませんねえ。
でも、胸のすく想いはあまりしなかったですね。あの男を倒したところで、海堂が夢に突き進めるようになるわけでなし。オルフェノク側って、彼らの基本立脚点から既に重いんですよね。

結花は今回、海堂にベッタリ。傍目に見ても、勇治よりは海堂に共感しているのがわかります。ただ、海堂の行動にはあまりついてけそうにない娘ですけど・・・大丈夫かなあ。勇治も、ボヘーッとしてたらまた孤独だぞ?

本編の主人公・も、勇治達にはやや劣るものの、しっかり活躍しています。しかも、遂に戦う目的を見出したのです。それだけでも今回の巧は見る価値があるというものです。
でもやっぱ勇治側と比べたらねえ・・・。

そういう意味では、海堂と結花に該当する啓太郎真理も、深いところまでは描かれていません。ま、今回のメインは勇治達サイドということでしょう。今後に期待しましょう。


■■■ 次 回 ■■■

さて次回は、どうやら社長がどうこういう話らしいんですが、今頃なんで『返却要求』?で、結局返すみたいですけど・・・。
そして、巧以外の何者かがファイズに・・・一体誰が?というか、あの動き・・・なんだか・・・?

【 ファイズ第9話『社長登場』 】

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