仮面ライダー剣(ブレイド) 第18話『暗闇を操る魂』

(2004/5/23)

最強を名乗るライダー・レンゲル。その正体は睦月なのですが、誰が見たって睦月の意志はそこにはありません。また成長ネタにつかうつもりみたいですねえ。
そして、ギャレンを捨てた橘の前に現われた桐生・・・一体この男は何者なのか?何が目的なのか?さあさ、その辺りが今回はネタ的に重要です。ゲストキャラですからもうじき死にますが。身も蓋もないなあ。


■杉田さん出番です

冒頭は前回の『引き』から『続き』がどうなったかまで。略して『引き続き』。日本語の勉強になるなあ(なっとるか阿呆)。

ともかく、手が出せないブレイドに対して容赦しないレンゲル。更にREMOTEで3体ものアンデッドの封印を解除されたブレイドは切り札を失った形。もうかなり追い込まれた状態です。
でもそこはそれ、こんな早期に主人公と戦い追い詰めるキャラには欠陥があるものです。案の定レンゲルは突然頭痛に襲われて、悶絶した挙句に睦月に戻っちゃいます。
「剣崎さん・・・?俺・・・」
きょとんとしている睦月に剣崎はブレイドの格好のままで詰め寄ります。しかし睦月はまるで覚えていない様子。
「何ぃ!?」
この若造に、この台詞の吐き方を教えてやってください杉田さん。

ともあれ、剣崎は睦月を連れていきます。

■桐生と橘

バイクを駆る橘。その先には桐生の姿が。桐生は、橘がギャレンを捨てたことを、チベットへ単身赴任に行く前の烏丸のダンナから聞かされていました。そして、橘の力になって欲しい、とも。しかし・・・
「情けない奴だ。やはりギャレンには俺がなるべきだったようだな。
 烏丸所長には悪いが、俺はお前を助けたりはしない。」
桐生にはそのつもりはないようです。

その時、桐生のバイクに積んである無線から、幼児誘拐事件の警察無線が・・・あ、あれで警察なのか?
桐生は、今の自分は昔とは違う、といい、今の自分を見せるべく橘に「ついてこい」と告げてバイクを駆って行きます。場所は、コスモアミューズメントパークのコスモラウンジ。石油屋の回し者か貴様ら。

■ベルト返還

コタロー宅に連れられた睦月は、このベルトがどれほど危険なものであるか説明を受けますが、睦月はそれを「まだ身体が馴染んでいないから」と言い張り、自分が持っていることを認めさせようと食い下がります。どうやら、口で言っても余り効き目はなさそうです。

取り敢えず、睦月は剣崎に襲い掛かった事実は殊勝に受け止めているので、ベルトを取り上げるのはさして問題ありませんでした。しかしここで迂闊にも広瀬が「保管しときましょ、ギャレンのベルトと一緒に」とかぬかしたことで、睦月は僅かな光明を見出してしまいます。
そうと知れば、ここは素直に引いたほうが得策です。しおしおと去っていく睦月に「忘れろよ、ライダーのことなんか。普通の生活に戻るんだ」とその背に呟く剣崎。可愛そうに、睦月の策謀の欠片も知らんと。

■桐生豪という男

コスモアミューズメントパーク。幼児を抱えて逃走中の犯人・・・何の犯罪だか忘れましたが、まあ少なくとも幼児拉致ではありそうです。
その前に「その娘を離せ!」と桐生が登場。ずかずかと近づいてくる桐生に犯人はおどおど。終いには至近まで寄られてネックハング。そして幼児に逃げるようにいい、例によって電撃ビリビリ大レース。
その光景を見ていた橘は「やめろ、やめてくれ桐生さん・・・」と、立ち尽くしたまま呟くしかできませんでした。幼児はどこに逃げたのでしょう?というか警察いませんね・・・?

「俺を非難しようって言うのか?」
橘は桐生のこの行為を「犯罪だ」として非難しますが、桐生は聞き届けるつもりはなさそうです。
「貴様に何がわかる!ギャレンであることを捨てた貴様に!」
はい、ここで回想入ります。
桐生がギャレンとの適合実験に臨んだあの日のこと。クワガッタンに嫌われ、桐生は右腕を失うことになった、あの事故のことを。そして桐生の中には、「行き場のない『正義への憧れ』」だけが残った、と。
「お前にわかるか?
 ギャレンであることを捨てた腰抜けのお前に、
 この俺のどうしようもない気持ちが・・・!」
一言も言い返せない橘。どんどん近づいてくるサイレン音に、桐生はその場を後にします。警察関係ではないようですね。どちらかというと追われる方。

■睦月、感激

橘は広瀬にこのことを伝えます。ってまたつるむのかアンタ。でも、ここでも橘は「やはりギャレンには、桐生さんのような人が相応しいのかもしれない」とか、自分以外の誰かに責任を押し付けて逃げようとします。そんな印象なの。

その時、コタローが異変に気づきます。なんと、さっきまでそこにあった筈のレンゲルのベルトが消えてしまっているではありませんか!いえ、映像的にはあからさまに何か起きることを予感させましたけどね。桐生の話題に一番関係の薄い(というか全く関係のない)コタローがこれに気づいたのは、やはり必然でしょう。偶然はないらしいですし。

では、ベルトは一体どこに・・・?
そう、ここはふさぎこんでいる睦月がいる部屋。何かの気配に振り向いた睦月は、そこにレンゲルのベルトを見つけ出します。
「お前!帰ってきてくれたんだな、俺のところに!」
お前?ダチ感覚かね。
ともあれ、歓喜の睦月はベルトに向かって、
「俺、頑張るから。
 頑張って、お前(の力)を俺のモノにしてみせる」
などと告白。途中のカッコは気にしないように。あるのとないのとでは大違いという好例。恒例です。ベタ(何が)。

■睦月、豹変

その翌日、バスケの試合があったのですが、睦月はまたスタンドプレー連発。しかし今回は、カッコイイ方ではなく、反則の連発。遂には退場まで言い渡されてしまう有様。睦月の態度も「ったく面白くねーな」とすこぶる悪い。
帰宅途中、部の先輩方が「何ださっきのプレーは、無茶苦茶じゃないか」と正論を振りかざしてきます。今回はさすがの望美も「謝ってもいいと思うよ」と睦月に非があることを認めますが、睦月はカバンで先輩達を牽制した後脱兎。なんですかこの豹変ぶりは。
その逃げるときにうまいこと剣崎がやってきます。ベルトを探している剣崎はそのことを告げて何か知らないかと睦月に迫りますが、睦月は不機嫌そうにシラを切って逃走。追おうとした剣崎は、今度は望美に引き止められます。

今日の様子を見て睦月のことが心配な望美は、何か知っていそうな剣崎にそのことを尋ねますが、さすがに真相を明かすことはできません。剣崎もその程度の分別はあります。
逆に剣崎は、以前睦月が言っていた「嫌な夢」について尋ねます。しかしさすがの望美もそれはよく知らないようです。ひとつ思い当たる節として、睦月が「俺は、暗闇の中から生まれた」と言っていたこと。ロッカー、赤ん坊の泣き声、そしてこの言葉・・・一体、睦月の出生にはどんな秘密があるのでしょう?

■桐生の獲物の末路

さてその睦月ですが、ある程度逃げおおせた辺りで巡航速度に切り替わっています。しかし、信号待ちしているところに突然、バイクで転倒してそのまま何者かから逃げるように駆けよってきた男が、「どけ!」と睦月を突き飛ばそうとすると、その腕をつかんでひねりあげてしまいます。転倒時の負傷も手伝ってか、男はこれでイチコロリと昏倒。

実はこの男、何らかの理由で桐生に追われていたのです。ハタ目に見れば、チンピラ風の桐生がまっとうなライダースタイルの男を煽りながら追う様は、「チンピラに因縁つけられてる可愛そうな男」にしか見えなかったことでしょう(笑)。
その桐生、睦月を見て「あいつは・・・」と呟くのですが、第六勘にピンと来たんでしょうか?


■悩める相川

殺伐とした前半をCMが僅かに癒した後は、プリティ天音の新作メニューのお披露目。癒されるー(腐)。
勿論餌食最初のお客は相川です。ブツは栄養たっぷりのアーモンドティーで、「心の中まであったまる」そうです。癒されるー(腐)。
勿論、相川がマズいだとか言うはずがありません。しかし、その温もりが自分にどんな意味を持つのかを自問自答する相川の姿に、天音ちゃんはちょっと心配気味。慌てて相川がフォロー入れて問題なし。今度からメニューに加わることでしょう。えっと・・・パオパオカフェでしたっけ?この店の名前って何だっけ?

しかし、そんなほんわかした場をブチ壊すアンデッド反応。でも、ここは挨拶程度で終わっちゃいます。ついでに言えば、今回の相川はこれで終わりです(笑)。これでギャラは同じ。

■剣崎と橘

ベルトを探す剣崎と橘の立ち話。橘は、あのカテゴリーAを封印したから「俺のせいだな」などとベルトのことに責任を感じてるみたいです。更に桐生の今についても自分に責任があると言い出します。理由はどうあれ、「桐生からギャレンを奪った」からだそうです。なんてマイナス思考な男なんでしょう。
いえ、何事かに責任を持つというのはいいことです。でもこの橘みたいに行き過ぎの責任感というのはおかしいです。剣崎も、そんな橘に「全て背負い込むことはないじゃないですか」というんですが・・・
「そうだな。俺は弱い男だからな」
ええい、離せ、この男は一発に初殴ったぐらいじゃ勘弁ならん。

橘は、ギャレンを捨てた自分がいまだに剣崎たちの周りをうろついていることを引き合いにそれを立証して見せます。自覚はあったんですね。
「一人になるのが怖いんだ」
終太郎みたいなものかなあ(盛大に違う)。
剣崎ももう二の句が継げません。
ともあれ、レンゲルのベルトを探し出すことが先決。二人はそれぞれベルトを探しに向かいます。

■睦月、襲撃

再び睦月と望美の下校シーン。ここのところ様子のおかしい睦月を心配する望美の前で、睦月が突然苦しみ始めます。
「俺の身体の中で、何かが起きている・・・」
その腕や足から這い出る無数の蜘蛛を見て「こは只事にあらず」と警戒する望美。かと思えば睦月は突然望美に襲い掛かります。目つきも只事ではありません。

「やめて、睦月!」
望美の叫びで我を取り戻した睦月は、ベルトの力に戦慄し、逃げ出してしまいます。そこに都合よく剣崎と橘がやってきて望美から事情を聞くことに。都合良いなあ、ホントに。

■ベルトも必死

睦月はこの「恐るべきベルト」を川に投げ捨てますが、瞬間転移能力を持つベルトをなめてもらっては困ります。ベルトは再び睦月を誘惑します。今回ばかりは睦月も、望美を襲ってしまったことでこれを拒絶しますが、拒絶されたくらいで諦めるような物分りのいいベルトでないことは明らかです。

望美から話を聞いて駆けつけた剣崎と橘の目の前で、ベルトは自分から睦月に絡みつき、勝手に「オープン・アップ」してしまいます。そしてレンゲルは二人をおいて愛機でいずこかへと駆けて行きます。勿論、二人は追いますとも。

■乱戦

レンゲルが向かったのは、アンデッド達が暴れている現場。なんで仲良く人間を襲ってるんだろう。アンデッド同士も戦う相手なんじゃないのか?
ともかく、レンゲルはこれらアンデッドに襲い掛かります。勿論、人間を守ろうなんていう理由からじゃありませんとも。そこに到着した剣崎、そしてアンデッドたちの気配を感知してやってきた相川がそれぞれ変身してこの戦いに割り込みます。

一応、三者の優先標的はともにアンデッド。しかし、レンゲルだけはブレイドとカリスを邪魔だてします。この辺り、いつぞやのギャレンみたいなもんですね。「これは俺の戦いだ!」みたいな感じで「これは俺の獲物だ!」とか言いそうな。
おかげでブレイドとカリスはアンデッドに専念できず、封印もままなりません。

■桐生の変身

やがてレンゲルはブレイドに喉輪を決めます。苦しむブレイドの「やめろ、睦月!」という言葉に望美の姿を重ね合わせた睦月により、レンゲルは僅かに動きを止めます。その隙を突いてブレイドがBEATをスラッシュ、強打一撃でレンゲルを吹き飛ばし、睦月はベルトが外れて元通り。

そこに近づいてくる一人の男。男は、外れたベルトにゆっくりと手を伸ばし、ためらうことなくそれを腰に巻きつけます。
一切表情を変えずに「変身」したその男は、桐生だった。
再び登場したレンゲルは、襲い掛かってくるアンデッド達を片手で制し、ブレイドとカリスに襲い掛からせます。その様は、まるでアンデッドの王とその下僕という風情。装着者が変わるとこんなに性質が変わるものなのか。睦月の場合は対等だったのに。


■全般・追記

ギャレン適合者に選ばれながら適合しきれなかった桐生は、その奥底に残った「正義への憧れ」が次第に捻じ曲がっていき、今の処刑ライダー風『始末屋』をやってるみたい。警察の手のものでもないようですが、これって「正義の名を借りた殺人犯」なのでは・・・?
橘もこの桐生の今の姿が間違っていることを指摘しますが、「桐生からギャレンを奪ったようなもの」とマイナス思考しているので強く言えないみたいです。この橘の性格はどうにかならないもんでしょうか。なんでも自分の責任のように捉えて一人で抱え込んでいくような奴は、見ていて痛々しくなってきます。もちっと気楽にできませんか、コタローみたいにアッパラパーになれとはいいませんが(誰がアッパラパーか)。

折角睦月からベルトを取り戻したんですが、ベルトにはまだ未知の力が秘められていました。それが瞬間移動能力。そこまで睦月にこだわるのは何なのかと思ったら、単に新しい宿主を探すのが面倒くさいだけみたいです。ラストではコロリと睦月から桐生に乗り換えてますし。
クモも「ええい、この素体は弱い!扱い難い!」とうんざりしたのでしょうかね。

桐生が橘に接触してきたのは偶然ではなく、単身赴任前の烏丸が「橘の助けになってやって欲しい」とかいったからだそうで。こういう細かい配慮はみせるものの、相変わらず単独行動が好きな点はどうかという気がします。組織のトップとして。
いや、トップだから、か?
ともあれ、その烏丸の意志は現段階では空回り風味。でも、そんな単純なキャラクターを奴が描くはずがありません。きっと橘をギャレンに復活させて劇的に事切れるに違いありません。そう、それこそまさしく
「俺の屍を(以下古典ネタにつき削除)

それにしても、天音ちゃんどんどん可愛くなっていくなあ。こりゃ相川がアンデッドを完全に捨て去る日も遠くはないですねえ。そう、そうだよ相川君。
それが愛だよ。愛があれば歳の差な(以下謎の倫理教会の資格と交戦状態に突入して途絶)

・・・今回これで引き?なんか投げやりだなあ。それはいつもだけど。あっはっは。ではまた自戒。お、言いえて妙な誤変換。ではまた来襲来週〜♪

■アンデッドとカード

今回は新登場のカードはなかったので、ここぞの一発で披露されたカード。
ブレイドがレンゲルの僅かな隙に放った一撃、BEATです。封印された回にも書いたんですが、『強打』であればSLASHで間に合ってる気もするんですが・・・ま、エンチャント対象が剣か拳かってのが違いますわな。その辺で割り切るべきですかね。


■■■ 次 回 ■■■

レンゲルのベルトを手にした桐生。果たして、本当に力を望んでいるのか?或いは・・・。
その桐生からギャレンを奪い取った橘は、このことにどう責任を感じ、どうけじめをつけるのでしょうか。そう、次回はギャレン復活祭。またかいアンタ。

【 仮面ライダー剣(ブレイド) 第19話『暗黒を征す者』 】

トップ > 仮面ライダー剣(ブレイド)エピソード一覧