特捜戦隊デカレンジャー Episode.03『パーフェクト・ブルー』

(2004/2/29)

一人の少女が怪重機に誘拐された。ロボで対抗するデカレンジャー達だったが、犯人は姿を消してしまった。
犯人の要求は、『王家に伝わる宝玉ウェルネストーン』。実はこの少女と両親は、惑星間戦争に巻き込まれて滅びた惑星の生き残りだったのだ。そしてそのウェルネストーンは、エネルギーを爆発的に増幅する能力を持ち、惑星一つ破壊するほどのエネルギーを産み出せる。
そんなものを悪人に渡すわけにはいかない。

取引の現場。犯人の連れてきた少女を本人照合するホージーは、間違いなく本人であることを確信する。僅かに映像が乱れたことをバンは気になりはしたが、作戦は敢行された。
ホージーの銃撃が少女を閉じ込めた檻を破壊し、センちゃんとジャスミンが少女を救助、ウェルネストーンは父親に変装していたウメコが守り、次いでバンとホージーが犯人に襲いかかる。ウェルネストーンはホージーが少女の下へ。

後は怪重機と犯人を始末し、事件は無事解決をみたと思われた。だがその少女は、実は犯人の仲間の変装だったのだ。ウェルネストーンを手に高笑いしながら姿を消す犯人。
少女を助けることもできず、ウェルネストーンまで奪われたホージーはがっくりと膝をついてしまう。


■感想

プロ意識の高さゆえ、行き当たりバッタリな動物的勘で行動するバンに苛立ちを覚えているホージー。ミスの許されない仕事ゆえに、常に完璧さを追求しているそのホージーが、割とあっさり失敗して挫折しそうになるお話。って、挫折して終わり?
これまで戦隊は、最初はそれぞれの主要キャラクターをメインに各1話を費やすスタイルを基本としていましたが、今回はレッドとブルーでそれぞれ2話を費やすようで、定型に沿っていません。おそらく、この調子で5人を描き、そこから物語が大きく動き始めるのではないかと思ってます。

今回の犯人は二人組。表に出るのは常に一方で、それもすごく頭の悪そうな『実戦担当』のヘルヘブン。もう一人の犯人は『作戦担当』のケバキーア。ホージーたちは当初、複数犯の可能性を全く検討していませんでしたが、無理もない展開ではあります。
このケバキーア、「僕の世界」とかいうのを持っているイッちゃってる奴ですが、ホージー達を出し抜いてしまう辺り、かなりの曲者。
とはいえホージーも、完璧主義者という割には本人照合時のノイズをシカトして作戦敢行する辺り、あんまり完璧とは言えなさそうです。まあ、ご覧のとおりの駆け出し小僧ですので、無理もありませんね。


■設定的なもの

デカベースには様々な施設が完備されている様子。お陰で、どうやら7人っきりでないのは確認できました(笑)。
さて今回、最初のデビルキャプチャー出現時にバン達が使った出動手段は、合体時の身長が57メートルにもなるロボ基地的ネタ。突入口が2つなのに出口が5つというのは面白いですね。どういう構造なのやら。さすが想像を超えたテクノロジー(テクノか?)

今回、ロボのガンに『冷凍モード』があることが判明。信号機モチーフゆえに、3つはモードがありそう。5つの腕を持つ男に憧れてる奴が設計したかどうかは不明ですが、既に数で敗北(笑)。そんなことで地球を守れるか!でも小型レーダー機を本来の目的で使わずにミサイル風に使うよりはマシかも(笑)。
また、デビルキャプチャー対デカマシン3台戦では、デカストライカーのアームとドッキングギミックの自由度がかなり高そうなことも判明。ただその為には、実際に合体部位を持つジャスミンのマシンが必要な様です。

さて今回の「エンディングネタ小噺」(?)は、デカ手帳(?)。3つのモードをスライドバーで切り替えられる便利なアイテムです。
チェンジモード:変身/フォンモード:通信他諸々/ジャッジモード:判決
特にフォンモードは応用範囲が広そうで、かなり自由に利用されそうです。いや、他の2つって使い所1ヶ所だし(笑)。


■完璧主義者ホージーの挫折

プロ意識を常に持っているホージーは、これまでミスをしたことがないという。ならばミスさせようじゃないか、というのが今回の勇気あるアリエナイザーのチャレンジ。
判定は、見事に八分咲きです。金の種は換金できませんし育ちもしません。メロンパンも入れたりしないしクエックエックエ、チョコボォぉぉル〜[チョコボオール]あはっはっは〜(何の話か)
まあ、失敗したことのないエリートは簡単に挫折するってお話です。どう立ち直るのか見物です。

ホージーがバンにやけに食ってかかるのは、全く計算されていない動物的本能に基づく行動のせい。でも、ああまで食ってかかるのは、本当にそれだけの理由でしょうか?そんな筈はないでしょう。ね、おねー様方。春はちょっと無理かもしれないけど、夏には・・・ね?(何が)
冒頭の訓練シーンでは、確かに完璧なリザルトを出しましたが、訓練と実戦が違うのはおそらくホージーよりもバンの方が良く知っているんじゃないかな。ホージーは、そんなバンに対抗意識を燃やして常に気負っている印象を受けます。

その気負いが今回出たのは、少女の『本人照合』。僅かなノイズが混ざったことを気にしながらも、バンもそれを気にしていたことで妙なプライドを保とうとして作戦を敢行。
しかし結果はご存知の通り。
妙なプライドを捨てられない以上、ホージーに明日はない。さて、どうするホージー?

とか言ってたら次回予告で「プロ失格だ」とかどうしようもないとこにいきそう。おいこら待て、事件は未解決のままだぞ。完璧主義者が聞いて呆れるぞ。
そんなホージーが、どうやって復活を遂げるのか。次回が実に楽しみです。

■熱血バンは騒々しくもきめ細やか?

ホージーに鬱陶しがられても、しつこく「相棒」呼ばわりするこの男。他に3人の仲間がいるにもかかわらず、ホージーだけが特別という印象を受ける為、既におねー様方の食指が動いているとかどうとかいやゲフゲフォ

そのホージーの指摘通り、バンは動きに無駄が多いのです。腕は良いけど、頭より先に身体が反応しているような印象で、事実訓練では一般市民を射殺しちゃいました。こんな男に銃器を扱わせるのは大問題では(笑)。
尤もこれは訓練で、バン本人も「実戦で真価を発揮するタイプ」と断言してます。そうでないと困りますし。いや上司とか色々。第1話で二又さんがキーキー言ってたのも当然です(笑)。

ただ、本能的な行動だけではなく、本人照合のノイズを目ざとく見つけたり、ちゃっかりジャスミンとセンちゃんとの連携をキメたり、ただの熱血バカというわけでもないようです。あんまりフォローになってない気もするなあ(笑)。
それでも、ホージーのミスを責めたりはしません。今のところ(笑)。次回いきなり責めたらどうしよう。

■ジャスミンとウメコは定番崩し?

初回遭遇戦の際、緊急招集時点ではウメコはお風呂、ジャスミンは筋トレと、割と属性にマッチしてます。
誘拐犯に対する対策会議でも、幸せな家庭を踏みにじった犯人に対して「許すまじ」と一言だけのジャスミンに対し、ウメコは「どうするの?」とやや慌て気味。

どこかミステリアスでキビキビしているジャスミンと、明朗快活な元気娘ウメコという属性は、全く崩れてはいません。
でも・・・
とめどなくトドメ!
というデビルキャプチャー戦でのダジャレは、ジャスミンの属性『ミステリアス』のイメージとは・・・いや、別の意味では『ミステリアス』だなあ(笑)。この娘は不思議な魅力があるんですよね。ウメコとは全く違う種の。
そういう意味で今回の戦隊女戦士、定番を微妙に外していますがそこがいいようです。
しかし・・・第2話冒頭の「どーん♪」のインパクトは強烈だったなあ(笑)。

で、今回この二人は大して活躍してはいません。変装にしても、あれだけのテクノロジーが周辺に渦巻いている環境で何を原始的な・・・というお話ですし。当人達のエピソードを待ちましょう。

■衛里香

妙に透明感のある顔立ちに、こなれたお嬢様言葉が嫌味にならない良い娘なんだけど・・・冒頭の『聖華女学院中等部謝恩会』での一コマだけが私の反感を買いました。
友人にドレスが素敵だといわれてのこの言動。
ありがとう。そのドレスも素敵ね。
文言は問題ないけど、口調と所作に心が全くこもっていません(笑)。単にこの娘の演技力が足りないだけの気もしますが。

それにしてもこの衛里香は気丈です。自分の身より、ウェルネストーンが悪人の手に渡ることや、両親のことを案じています。これは次回、ケバキーアにはこの娘を殴るなりして血を流させ、ホージーに「てめぇらの血は(以下略)
お、何気に青系で共通項(笑)

■他の皆様

センちゃん・・・あっという間に影薄くなっちゃったなあ(笑)。でも、バンとジャスミンとでコンビネーション決めたから、まあいいか。・・・あれコンビネーションかなあ(笑)。どうみてもバンの独壇場だし。

ボスは今回、そこにいただけって印象。どっしり構えている辺りはボスらしさだけど・・・。あ、そうか。事件解決は次回だからなあ。きっと今は発注したブラインドとグラサン待ちに違いない(限定しすぎ)

スワンさんは今回、ウェルネストーンの威力解説用の道具。口で言うより見せた方がその威力が正確に伝わりますし、手段としては問題ないんだけど、無理矢理出番を作ってもらった印象。
そんなに出番が欲しいなら、夏頑張りましょう夏(まだ言うか)

びっくりしたのはエド山口の『父親』。なんで出演なんだろう?というのが正直な感想ですが、割と違和感なく溶け込んでる気もします。
それにしても、ホントにモト冬樹にそっくりだよなあ(笑)。当たり前だけど。


■今回のアリエナイザー

実行犯とそれが駆る怪重機、そして作戦を立てた犯人。
怪重機デビルキャプチャーを駆るのは、グローザ星人ヘルヘブン。ドサ廻りで「お前らの為やろ!」とかやってそうな人です(ドサ言うな)
作戦はリコモ星人ケバキーア。うううむ、いきなり訳の分からない名前になっちゃったなあ。リモコンってこと?

この二人の関係はベタにクールです。ウェルネストーンを売りさばくルートを持っているケバキーアにしぶしぶ協力しているヘルヘブン。そして、ヘルヘブンが常に表立って行動するお陰でケバキーアはその存在を気取られることがない。
割と無駄の少ない構成ですね。
お互い持ちつ持たれつ、悪には悪の美学がある・・・ようには見えないなあ(笑)。いずれにせよ、実戦担当を失ったケバキーアの奮戦ぶりに期待しましょう。


■■■ 次 回 ■■■

次回はホージー編の後半。完璧主義者であったホージーの落ち込みようは、そりゃあ凄いものです。もう少しで地球の自転においていかれる筈だったのですが、バンがそれを助け出すような雰囲気。
そうとも、事件はまだ未解決だ。落ち込んでる暇があったらさっさと戦えホージー。
反省しろよホージー!といったところで、データ○タマンは去っていくー、ごーきげんぃよーーぃ♪(パクリやんか)

【 特捜戦隊デカレンジャー Episode.04『サイバー・ダイブ』 】