特捜戦隊デカレンジャー Episode.06『グリーン・ミステリー』

(2004/3/21)

いかにも犯罪者な風貌のブライディを真っ向から疑うバンに対し、表向きは善良な移住者を装う宏美に疑問を抱くセンちゃんの対比。センちゃんメインのお話なので、バンが空回りして割を食うのはベタな展開ですが、その有様があまりにベタでいっそ爽快です。

真犯人の宏美は、フォローをしようという気すら起きない純然たる悪でした。これが俳優さんの演技力なのか素なのかが気になるところです(笑)。


■朱に交わったバン

冒頭から事件発生。ブライディが車を襲い、車が両断されています。1台だけだけど(笑)。まあ、乗ってる連中を見れば『ブライディ絶対正義』は確実です。それなのにバンはブライディを逮捕しようとします。表面的なことだけ見て事情を調べようともしない・・・まるで日本警察ですねえ。
しかしこのブライディがまた強い。バン達を蹴散らし、いとも簡単に逃走しちゃいます。

■昼行灯の内蔵之助

ベースに戻り、バンは意気込みも新たに張り切りますが、なにか煮え切らない様子のセンちゃんに調子を狂わされます。そういえば、さっきの出動からずっと頭に雑巾を載せたままですねえ(笑)。
何が気になるかと言うと、ブライディが「車が嫌い」だと言ったこと、そしてあの車だけを襲った理由。

こんな『ぼへーっ』としているセンちゃんがデカレンジャーであることにバンは納得がいかない様子ですが、ボスも他のメンバーも「センだからな」と全く意に介していません。考えてみれば、バンは新参ですからね。
昼行灯の内蔵之助よ。やるときはやるから、センちゃんは。
ジャスミンのセンちゃん評。今時こんなこという娘なんていないぞ。昔からいないけど(笑)。

そんな時、次の犯行が発生。今度は運転していた女性まで両断されるという殺人事件に。

■被害者の姉

早速現場に駆けつけたバン達は、被害者がエイリアンだと知ります。そこに一人の女性・宏美が駆け寄ってきます。被害者の姉です。

悲嘆にくれるその様を見て怒りの拳を車に叩きつけるバン。あんまり強く叩きつけた為、切り傷を作ってしまいます。それを見た宏美、その手に空気中の水分を集めて水を貯め、バンの傷を洗い流します。
その特殊かつ「優しい属性」を感じる技能に、バンは宏美を疑う素振りさえ見せませんが、センちゃんはその宏美をずっと見つめていました。別に女たらしというわけではなく(わかっとるわ)

■二方面作戦

一旦ベースに戻ったバン達は、ブライディ捜索にマーフィーを駆りだします。しかしここで、センちゃんが別行動を取りたいと言いだします。それをボスがあっさり承認したことに、バンが納得いく筈がありません。
しかしセンちゃんは、
でも、ピラフが・・・泣いてたんだよねー。
と、わけのわからないことを言ってバンを余計に苛立たせるばかり(笑)。
ボスの決定は翻らず、バンは渋々ながら作戦行動に。出撃に際し、なんかイライラするからセンちゃんは駄目かも、と呟くバンに対するジャスミンのこの台詞が高ポイント。
若さだよ、バンちゃん♪
これがジャスミンの魅力ですよ。

そのセンちゃんは、宏美が買っていた冷凍ピラフを最寄のスーパーで買い込み、妹さんへのお供えに、と宏美に渡します。まだ霜も取れてません。
ここで宏美に「水を出す以外に何かできますか?」と尋問。そう、例えば車を両断するとか。因果な商売ですねぇ。勿論宏美は真っ向否定。機嫌もちょっと損ねた感じです。
それを差し引いても、かなり態度が悪いです。まるで、視聴者に「私が真犯人よ」と言っているようなものですが・・・いえ、最初からキッパリそう言ってましたけどね(笑)。

■ブライディの真実

バン達4人はマーフィーにブライディを追わせ、見事にこれを発見、追い詰めます。その罪状を挙げるバンにブライディが『殺人は身に覚えがない』と反論します。
ブライディは、妻と子を交通事故で失った過去があり、それが冒頭のクソガキどもの無謀な運転をみてついカッとなって犯行に及んだだけで、あれ以外のことは知らないと自己弁護。

しかしバンは全く聞く耳を持ちません。まあ、この供述が嘘とすれば、間違った行動でも言い切れませんが・・・(笑)。
ブライディは「何で信じてくれないんだーっ!」とビルを両断、瓦礫が崩れる間に逃走。

合流したセンちゃんは、ブライディを擁護する側に。更に宏美が真犯人かもしれないといってバンに噛み付かれます。
色んな角度から見てじっくり検証できるのがセンちゃんの美点。しかし、バンもツッコミくれてますが、宏美がどうやって車を切断することが出来るのでしょう?センちゃんも、そこだけがまだ解けていないのです。


■暗躍のアブレラ

さて、逃走したブライディに、野良犬に次いで忍び寄ってきたのがこのニセフリーザことアブレラ声だけでなく目つきも似てるような気が(笑)。
アブレラは子飼いのコウモリを飛ばし、ブライディの首筋に噛み付かせます。するとブライディのみに異変が起き、野良犬も思わず遁走。

実はこのアブレラ、宏美から『真犯人デッチ上げ依頼』(推定)を受けていたのです。

■巨大ブライディの逆襲

ブライディは巨大化し、暴れ始めたのです。
巨大化して暴れまわるブライディを前に、バン達が集結。「やっぱアイツがワルじゃないか!」とセンちゃんを責めるバンですが、センちゃんはひとまずこの場を収めるのが先、と至極正論に出ます。

ブライディもさすがの抵抗を見せてくれますが、テープで動きを封じられては手も足も出ません。ここぞとばかりにバンはジャッジメント要求を出しますが、宇宙最高裁の判決は『デリート不許可』。甚だ納得いかないバンですが、ジャイロワッパーでブライディを逮捕、留置所に転送してひとまずの決着とします。

■事の真相

この戦いの様子を近くで見ていた宏美は、この顛末に大いに不服。肉親を『殺された』のなら不思議でもない態度ですが・・・ねえ。
そこにセンちゃんが登場、真犯人が宏美である状況証拠を連ねて宏美を追い詰めます。その根拠のひとつに「冷凍ピラフの霜が溶けていた」ことが入ってます。
しかし、宏美に車を両断する力があるのでしょうか?宏美、不敵な笑み。

無論センちゃんにはぬかり無し。
スワンさんの協力で、車の切断面に差異があり、後発側は「高速噴射される水」で切断されたものとの確証を得ていたのです。
それを証明すべく、センちゃんは宏美に車を投げつけます。驚いた宏美は咄嗟に車を「高速噴射される水」で両断してしまい、自滅。

■デカグリーンの活躍

開き直った宏美は全てを自供。彼女達リドミハ星人は、豊かな水を保有する星を次々と侵略して砂漠の星にしていくのを目的とする侵略者だったのです。宇宙警察も知らなかったそうです。
宏美は、妹がその『崇高な目的』を忘れて地球を愛した為、「仕方なく」ではなく、「当然のこと」のように始末したと言うのです。
「こんな野蛮な星の人間達と共存しようだなんて・・・
 もっと大事なことが私達にはあるというのに!」
ツッコミどころ満載の台詞ですねえ。どうにも『悪』ですが、『美学』が全く無いのでムカつき度数激高。

そんな宏美にセンちゃんが初めて激昂します。
バカ言っちゃいけない。
 他人に罪をなすりつけて、実の妹まで手にかけて・・・
 そうまでしてやるべきことなんて、あるわけがないだろーっ!

しかし宏美が意外に強い(笑)。盛大に打たれて吹っ飛んだセンちゃんですが、まるで構わずに宏美に迫っていきます。
残念ながら、打たれ強いんだよ俺は!
属性:ハイパーアーマー。センちゃんってジャガーノ(削除)

そんなセンちゃんに怖じた宏美はそのまま逆襲を容易く許します。一度はその水攻撃で挽回しようとしますが、これも「身体を高速回転させて水を弾く」というベタな回避を見せられて失敗。
そのまま審判を受け、ディーバズーカで速攻始末されます。始末シーンの爽快さという点では、現時点では彼女がダントツです。
これにて一件コンプリート。
 この世に解けない 謎はない。

センちゃんキメ台詞。どこぞの探偵少年風キメ台詞ですねえ(笑)。

■普段はやはり昼行灯

とまあ、センちゃんの名推理で一件落着をみたことで、バンもセンちゃんを見直すことに。ところがこのセンちゃんがまた寝てたりするんですね(笑)。古典的なごまかしなのに、気付かないのもどうかと思うけどなあ。
「でももしアイツが犯人じゃなかったらどうする気だったんだ?センちゃんは。」
「センちゃんに『たら』はないのよ。」
またもジャスミンですか。次回がジャスミンだからって、やけに出てくるなあ。

どうにも調子を狂わされっぱなしのバンのイライラは、簡単には解消されそうにありません。というところで幕。お前も食うか?(イモリ進呈)


■追記

人一倍冷静なセンちゃんが謎解き担当。当初から見えていた属性そのままで好感度高いです。
決め台詞のバリエーションには「じっちゃん」も出てきそうな雰囲気がありますねえ(笑)。

しかしまあ・・・真犯人の宏美は、ムカつく女というのを心得てますねえ(笑)。特撮作品に出てくる俳優なので、あれが素だという可能性もあるのが嫌なんですが(笑)。
朝からムカついたけど、センちゃんの大活躍のお陰で逆に爽快感増量。うまいねバッテン荒川は(誰)

そういえば、早くも『デリート不許可』が出ましたね。ただ、誰が見ても不許可と解っていた相手だったので、ちょっと面白味に欠けますね。
もっと、「ええっ!?なんで不許可!?」とみんなが思うようなヤツが出てくることに期待。
それはさておき、短時間で見事な判決を下す宇宙警察最高裁の技量は素晴らしい。これを見た子供達には、「日本の裁判所はどうしてあんなにチンタラやってんの?」と疑問をもって欲しい、と東映は言いたいのでしょう(笑)。


■設定系

今回のEDは『デカマシン搭乗システム(仮称)。入口のスイッチで出口を切り替えて飛び込むシステムですが、センちゃんがやったように搭乗途中で誰かがスイッチを切り替えたら出口が替わっちゃうんですね(笑)。
うううむ、では先にジャスミンかウメコのスイッチ入れて、落ちてくるのを待つのも一興。体勢的にも問題ないし(何の体勢だ)
というか、あれだけ技術の進んでいる世界観でトグルスイッチとは(笑)。

ジャイロワッパ。捕らえた犯人を拘置所に直接伝送する優れもの。縦に細長い顔の宇宙暴走族がツボから出す連中とは少し違います(断ることか)

アブレラ。犯罪者お助けマン。常用マシンはアブレラ・サンデー号でケンケン装備。電話番号1010番をコールして「サンデー号サンデー号応答せよ!」と呼べばズバッと参上するバットマン。混ぜすぎ危険。
今のところただの便利屋程度の存在ですが・・・さて?


■今回のアリエナイザー

最初に登場したのは、車が嫌いだと言ってそれをぶった斬ったジューザ星人ブライディ。事情は上述の通りで、『罪を憎んで人を憎まず』となる好例といえます。手負いの彼が、寄ってきた野良犬を優しく撫でるシーンなんか特に。
そのブライディがぶった斬った車を運転していたクソガキどもは、裁く価値なし。さすがバッテン荒川、わかってらっしゃる。

そして、善良な市民を装って地球侵略を企んでいたリドミハ星人・カーサスこと宏美が今回の真犯人。意外と格闘能力が高い。因みに妹さんはカーミアこと良美。狙いすぎ(笑)。
登場した段階からセンちゃんに目をつけられて、視聴者に簡単に真犯人がバレたのにはちょっと笑えます。それもこれも子供番組ならばこそ。苦労してますね、バッテン荒川(誰?)


■■■ 次 回 ■■■

次回はお待ちかねのジャスミンです。どうやらエスパーであることに関するお話みたいですが、さてどう描かれますやら。

【 特捜戦隊デカレンジャー Episode.07『サイレント・テレパシー』 】