特捜戦隊デカレンジャー Episode.11『プライド・スナイパー』

(2004/4/25)

2年も行方不明だったホージーの親友・ヴィーノが突然地球に現れた。しかし同時にデカベースがアリエナイザーに襲撃され、ボスが狙撃されてしまう事件が発生。
ボスは幸い事なきを得たが、一体どうやってアリエナイザーはデカベースに侵入したのか・・・?ってベタな展開ですわいやマジで。


■ホージーの親友・ヴィーノ登場

冒頭、ボスの留守を預かるホージーに報告書を突き返されるバンという絵から始まります。さすがボスは適材適所をわかってらっしゃる。
そんな中、いきなり何かが地球に不時着、炎上。デカロボのシグナルキャノン消火モードであっという間に鎮火させると、残骸には「SPD」の文字。これってSpecialPoriceDekarangerの略だよな・・・まっまさかボス!?(笑)

そんなわけはない。乗っていたのは他星系のSP。あの激突でも全く無傷とは、素晴らしい機体性能です。凶悪犯を追っていたそのSPの顔を見た瞬間、ホージーは思わず「お前は・・・!」と変身を解いて姿を見せます。すると相手も驚いた様子でがっちり抱擁。
実はこのビリーザ星SPのヴィーノは、ホージーの候補生時代の親友だそうです。

■謎の通信障害

そうかということで差し出されたバンの手もシカトして、ヴィーノはまず本部への連絡をしたいといってデカベースに向かいたいと申し出ます。ホージーに否はありませんが、ジャスミンは何かを感じた様子。

しかし惑星間通信は、ついさっきから原因不明の通信不可状態とかでスワンさんが原因を究明中。
仕方がないとヴィーノは、ボスにご挨拶を申し出ます。今のボスはホージーですが、本当のボスは只今留守。そう聞いたヴィーノの態度に、またもジャスミンが何かを感じた様子。

ということで早速ホージーは「じゃ、久しぶりにやろうぜ」と、字面だと妙な誤解を招く発言。

■挙動不審の男

やるっていうのは射撃訓練。取り敢えずのデモンストレーションってことです。
相変わらずのホージーの冴えもかすんでしまうほど、ヴィーノは射撃の名手。3つの的を一撃で破壊する曲芸を披露してくれます。この時、ヴィーノが2年間行方不明だったことがホージーの台詞で、そのヴィーノの台詞から、その間記憶喪失だったことが明らかになります。
割と和やかになりそうなシーンはしかし、ヴィーノが突然苦しみだして一旦幕。ホージーとウメコが一旦ゲストルームまで案内します。

司令室に戻ってきたホージーに、一同はヴィーノに対する不信感をあらわにします。それもその筈で、ホージー自身も「疲れているんだろう」と自分に言い聞かせなければならないほど、ヴィーノの態度は冷たいのです。初対面のバン達が好ましく思わないのは当然で、更にジャスミンは何か「冷たく研ぎ澄まされた野獣の気」しか感じないというではないですか。
親友だから、と入館チェックもフリーパスにしたホージーですが、雲行きが怪しくなってきました。

■ギガンテスの侵入

そこに、要人暗殺のプロとして悪名高い凶悪指名手配犯・ギガンテスが基地内で暴れているという連絡が。すぐさま駆けつけたホージー達ですが、こいつがなかなか手ごわい。一斉に打ちかかれない地の利も手伝ってはいるでしょうが。
そしてギガンテスは僅かな隙に姿を消してしまいます。
それにしても、暗殺のプロともあろう奴が、一体何の目的で・・・?

それと見たバンは駆け出します。それを、少し俯いて考え込んだ後のホージーが追います。向かった先はヴィーノのいるはずのゲストルーム。しかしそこにヴィーノの姿はありません。
揺らぐホージーに、ボスから帰還したという連絡が。

■暗殺者ギガンテスの標的

ギガンテスが暴れた現場にボスの姿はありました。駆けつけたホージー達から事情を知らされたボスは、テキパキと指示を出します。さすがボスですねえ。
しかしそんなボスを凶弾が襲います。そう、ギガンテスの狙いはボスだったのです。立ちすくむホージー、座り込むジャスミン、倒れたボスに駆け寄るバン達。

ホージーはすかさず弾道をたどり、隠れているギガンテスを見つけて追っていきます。

■決裂

そして、ギガンテスはその正体を見せます。それはやはりヴィーノでした。
ヴィーノは、警察がいかに割りのあわない商売であるかを懇々と語ります。テレビの前でうんうん頷いてるご同業の方は多いような気がします。でも、最初からそんなことはわかっていたとホージーは言ってます。おそらくヴィーノも最初はそうだったんでしょう。
でも、ヴィーノは悪魔のささやきに屈したのです。
自分の腕に見合った評価をしてくれる仕事・・・暗殺者。

ホージーはヴィーノに銃口を向けますが、次の瞬間にはそれは撃ち弾かれていました。そう、ヴィーノはホージーより上の技量を持つ狙撃手・スナイパー。うずくまるホージーを後に去っていくヴィーノ。

そのヴィーノの前に、なんとエージェントアブレラが!そう、ボス暗殺を依頼したのはアブレラだったのです。そのアブレラから、標的がまだ生きていると聞かされるヴィーノ。でも、確かに腹部にまともに・・・?

■ギガンテスの挑戦状

医務室で起き上がるボス。実はスワンさんの新型防弾チョッキを着込んでいたのでまったく無傷。倒れたのは撃たれた時のショックによる一時的昏倒だったのです。
「また命を救われたな」
とはボスがスワンさんに言った言葉。うううむ、二人の関係が気になりますねえ。

すぐさま復帰したボスは、ヴィーノがまた何らかのアプローチをしてくるだろうと推測。ここでヴィーノについての情報が明かされます。
ヴィーノは2年前にビリーザ星SPを退職していたこと。
強化改造の副作用で突然衝動的に暴走を起こすこと。
既にデリート許可が降りていること。
そんなところにヴィーノから通信が。人質をたてにボスをおびきだそうというのです。
勿論作戦は立てていきますが、ヴィーノの元に向かうのはホージーが名乗り出ます。自らの手で決着をつける為に。しかしその腕はヴィーノに撃たれて負傷しています。

■決闘

決闘の場はとある廃屋。現われたのがホージーでもヴィーノはさして驚いていません。負傷しているのを知っているので余裕があるのでしょう。

さて、こういう『ガンマンの決闘』シーンには引き金を引く『キー』が必須。今回は映写機のフィルムが全て巻き取られた時。
勝負の行方は、ヴィーノの敗北。自分が負けたことに納得がいかないヴィーノに、ホージーは「誇り」と答えます。警察としての誇りが自分の力だと。
そんなホージーをヴィーノはまだ笑います。そして・・・

■始末

どこぞの瓦礫の国の王様みたくカプセルをガブ飲みし、ヴィーノ巨大化。いつもならベタに勇壮なデカロボのテーマが流れるんですが、今回は物悲しいBGMを背負ってデカマシンが出撃します。
ギガンテスの猛攻を受けても、デカロボは揺るぎません。あたかも、ホージーの『誇り』が力を与えているかのよう。そしてギガンテスはあっさりデリート。
「これにて、一件、コンプリート」
口調の重さが、ホージーの心境をはっきり表しています。

■背中

戦いのあった夜の帳が開け、朝日が空を包もうとする中、この顛末にボスとスワンもややトーンダウン。
それにしても、一体誰がボス暗殺を・・・?ボス二は何か心当たりがあるようですが・・・。

ホージーは、ヴィーノが巨大化した際に外れたブレスレットを見つけ、それをその腕につけ、無言で朝日に向かって立つホージー、その後ろには何も語らなくても心境を理解できる仲間が。
ベタなナレーションにベタな絵のシーンで今回は静かに幕。


■全般・追記

今回のホージー話は、かつての親友が親友として現われ、実は犯人だったという刑事ものでも定番的なお話。別に刑事ものに限定しなくてもどこにでもあるベタな話なんですけどね(笑)。
日本人だからなのか、こういう話はどんなに同じようなシチュエーションのものを見ても飽きないというか。それが「いい意味のベタ」として定着しているからなんでしょうね。
逆に「悪い意味のベタ」ってのは・・・あまりうれしくないけどタイムボカンの「マンネリズム」なのかな。誰に聞いても最初に出てくるのは「ヤッターマン」で、以降の作品は人気が下がる一方みたいな風潮があります。私は嫌いでないけどね。

さてヴィーノなんですが、なんでもビリーザ星人だとか。それで射撃の名手。それならアフロヘアで通り名をビリーザシ(削除)
いやまあ、本家は射撃なんか全くやってませんけどね。

ラストシーンについては、某ロードス島の某スレインと某ラーズといった締めの方が個人的に好きなんですが、だからといってこういうのが嫌いでもない。いやむしろ好き。だからむしろを売ってかーちゃんに高級茶葉使用の烏龍茶を買ってやろう。一、二級の天然茶葉のみ使用してるんです。いえアサヒが。いつのCMネタだこれ。というかなんで演技版玄徳。

与太はともかく。
朝日を前にしてのラストシーン、無言のホージーの背中が賛否両論。特に最後にヴィーノのブレスレットをはめるシーン。あれを「男らしい」ととらえるか「女々しい」ととらえるかで今回の評価はちょっと変わりますわいな。かといってカイオウみたいなのも困るけど。なんかウチとこラオウよりカイオウネタ多いな。

EDは順番通りウメコのマシン・パトシグナル。「止まりなさい!」「突入・攻撃・捕縛」「ジャッジメント」のシグナルが紹介されてます。
実は水上走行も出来るすぐれもの。負けじとマーフィーも水中用装備を披露。・・・装備?(笑)


■今回のアリエナイザー

ビリーザ星のSPヴィーノ。結局ホントはどこの星系かは分からずじまい。
ホージーと共にスペシャルポリスを目指した男だが、自分の腕が正当に評価されていないことに嫌気がさし、悪魔の囁きに屈し、自らの肉体を改造してギガンテスと名乗り、数々の要人暗殺に手を染めた極悪犯。既にデリート承認済。
射撃の腕はホージーでさえ敵わないほどだったが、利き手を負傷したホージーに打ち負けて敗北。巨大化して悪あがきをするも大勢は覆らず撃沈。

自分の能力を正当に評価してほしい・・・誰にだってある欲求だが、果たしてヴィーノの場合はそれが真の理由だろうか。欲望に負けた奴の理論武装にも聞こえる。
自分の弱さを認められなかった男の哀しい最期に、ホージーの背中も朝日に隠れて泣いていた。うわクッサ(笑)。


■■■ 次 回 ■■■

次回はちょっと順番を変えてウメコの出番。とてつもなく巨大な赤ん坊のベビーシッターという任務を与えられたウメコの一日、というところか。またもイーガロイドが登場。一度敗北した奴には苦戦しないというのは本当か?ジャッジメン!ちゃんらーん!

【 特捜戦隊デカレンジャー Episode.12『ベビーシッター・シンドローム』 】