特捜戦隊デカレンジャー Episode.12『ベビーシッター・シンドローム』

(2004/5/2)

突如降ってきたオカーナ星人の赤ちゃん・エイミーの子守りを仰せつかったウメコのお話。その特殊能力ゆえにアブレラに狙われているエイミーを、ウメコは守ることが出来るか?
できなきゃ戦隊終わっちゃうけどね(笑)。


■大魔王

いきなり入浴中のウメコから始まるという激烈サービスですが、エマージェンシーコールで緊急出動に。
このシーンはわずか1分程度なんですが、実に私個人のツボをつついた名シーンです。「めい」は画数の多い方かもしれませんが、私はそういうのが好きなんです。

■ママはママ

謎の落下物をデカロボでナイスキャッチしてみれば、それは何やらファンシーな、でも人一人が横になれるくらいの大きさがある箱。
一同が何かと興味津々に近づきますが、センが「意外と爆弾かも」とつぶやいた瞬間に箱が怪しく発光、一同緊急退避。しかし、それは蓋が開く兆しでした。その中身は・・・。

オカーナ星人の赤ちゃん、らしいのですが、背丈はバン達くらいもあります。やがて赤ちゃんは目を覚まします。この時の5人の反応が、しっかり個性を描いていていいですね。
赤ちゃんはぐるりを見渡し、ウメコに「ママ」と抱き着きます。驚いたのは男性陣。ジャスミン、オカーナ星の言語は未修得で本来の意味はわからないといいますが、
「ママはママだよな」
と妙にシンクロ率高く頷く男性陣。
そうやって顔を見合わせている間に、赤ちゃんの重みに耐えかねてウメコが倒れます。

■みかの系譜

取り敢えず、赤ちゃんを司令室に連れ戻った一同。認識票からこの赤ちゃんの名前は「エイミー」と判明。しかし捜索願いが出ていないのが気になる、とボス。
「捨て子?」
とウメコはエイミーを見つめます。惜しい、ここでエイミーが自分を「オラ」と言ったり語尾「テゴ」で喋れば芸人として食っていけたものを(何の芸だ&作品が1年違う)。

取り敢えず、当面面倒を見る事になりますが、エイミーはウメコをすっかり気に入った様子。しつこくウメコに擦り寄るエイミーの意図を一同が判じかねていると、ジャスミンが何気ない一言。
「おっぱいよ、ウメコ。」
しかし、今のウメコに母乳が出せる筈がありません。それにしても、こういう場合の男性陣のシンクロ率の高さは、どんな作品でも同じような気がしますね(笑)。

■エイミーの謎

「パイパイないの!」
と完全に拒否するウメコを見て、エイミーは動きを止めてしまいます。さっきまで動き回っていた赤ちゃんが止まる時は大概泣くと相場は決まっています。どこの相場だろうなあ。
しかしこのエイミー、巨躯ゆえかその泣き声はハンパじゃありません。あまりの強力さに司令室のメカが火を吹き、ウメコ達も耳を塞いでうずくまる有り様。そう、これがオカーナ星人の赤ちゃんの特殊能力なのです。

オカーナ星のミルクが地球の豆乳に似ているという情報を得たウメコは、エイミーを連れて拘りの豆腐屋に。何でわざわざ「豆腐屋」なんだろう(笑)。
それはともかく。
ミルクを飲んだエイミーの体が急に大きくなったように見えたウメコでしたが、目を擦って再び見てみると、エイミーは元のサイズ。その口元にはしっかりおしゃぶりがくわえられており、エイミーご満悦ポーズ。かと思えば元気に外に出ていっちゃいます。
無論、後を追おうとするウメコに豆腐屋が代金を請求したのは言うまでもありません。

■今回の黒幕

場面は暗い場所に。そういう場所は悪役が登場するもので、今回はイーガロイドとアブレラが登場。実はエイミーを狙ったのはアブレラなのです。エイミー奪還をイーガロイドに命じるアブレラの真意は一体・・・?
そう、オカーナ星人の赤ちゃんの泣き声に備わる破壊力を狙っているのです。

■ペンキ塗りたて

豆腐屋への支払いを終えたウメコがエイミーを探していますが、エイミーはまたベタに『高所からママを見つけて身を乗り出して落ちそうになる赤ちゃん』の図を見せてくれます。おかげでウメコはホントに緊急変身、ジャンプ一番これを落ちる前に抱きかかえて着地、事なきを得ます。あのガタイだから重さも結構あるだろうに、母親って強いなあ。

それでホッとしたのもつかの間、エイミーは近くで作業していたペンキ塗り職人(?)からハケを奪ってペンキ塗りまくり。
割って入ったウメコの頬にもハケをペタリ。さすがに「いい加減にしなさい!」とエイミーを叱るウメコですが、更にペッタリと塗るエイミーを見ると、全くわかってないようです。この辺りの演出はすごくベタで心地いい。

■母性の目覚め

公園の噴水に戯れるエイミーを見つめながら、ウメコ漸く一息。さすがに子育ての大変さを実感したようです。
その隣にやってきた母子。おむつ替えの為なんですが、母親はおしっこを引っかけられちゃいます。それすらどこ吹く風とおむつをかえる母親の姿を見て、「大変ですね」と声をかけるウメコ。
しかしその母親は、泣いたり暴れたりするのは赤ちゃんの仕事みたいなものだから、とサバサバ優しい笑顔で語ります。さすがにエイミーを見たら逃げ出していきましたけどね(笑)。

遊び疲れたエイミーはウメコに寄りかかって寝てしまいます。さすがに重いようですが、そんなエイミーの寝顔にウメコは母性愛を刺激されたようです。
そこに、一体今までどこで何をしていたのかバン達が合流してきます。話によると、エイミーは本部で預かってもらえることになったそうです。これで苦行ともおさらばというわけですが、ウメコはそれを拒否します。
「やっと可愛くなってきたんだもん。」
と、エイミーを育てるなんて言い出します。ここでジャスミンが前に出て説得かと思ったら、
「でも、パイパイ出ないでしょ?」
はいキレイにズッコケ。同時になぜか爆発。どっかん笑うとことでも言いたいのか?

■イーガロイド登場

というわけではなく、そこに現われたイーガロイドの攻撃。相変わらずのクールガイぶり。でも「イガイガ君2世」byジャスミンの呼称を聞くと、カッコよさも半減したような(笑)。

エイミーを狙うイーガロイドとウメコ達は戦い始めます。勿論、アーナロイド軍団を引き連れている為、ホージー達はバンを護衛につけてウメコとエイミーを逃がすことに。しかしイーガロイドもさすがの使い手。アーナロイドの邪魔もあって、ホージー達はイーガロイドの追跡を阻止できませんでした。

■カーチェイス

オープンカーから降りて気分爽快、って感じのおにーさん。そこにバン達が現われ、有無を言わさず車を接収していきます。追うイーガロイドも停めていたバイクに乗ってこれを追跡。誰だ鍵挿したままどっか行ってるのは。横着な。

バンの銃撃を潜り抜け、イーガロイドが迫ります。緊迫した場面を余所に、無邪気にバンの真似をして楽しむエイミーにウメコもついつい愚痴。
バンが一撃食らったところで、今度はウメコが幅寄せでイーガロイドを退けます。その隙を突いたバンの「ムーンサルトなんたら」なるアクロバティックな射撃でイーガロイド爆発。あーあ、バイクが・・・。これ、損害賠償どうなるんだろう?

その爆発にきゃっきゃとはしゃぐエイミーの口から、おしゃぶりが落ちてしまいます。すると・・・。

■巨大エイミー

ここでデカベースのボスとスワンさん。オカーナ星人は本来巨躯で、他星系の人間に合せる為に何らかの方法でサイズを抑えているそうです。赤ちゃんであるエイミーも例外ではなく、もし巨大化すれば怪重機並みの50mにもなるそうです。

その懸念を余所に、エイミーは見事に巨大化。慌ててバン達もデカロボでエイミーをなんとかしようとしますが、まさか攻撃する訳にもいかず右往左往状態。
ここでスワンさんの一言で、エイミーの巨大化を抑えるアイテムがおしゃぶりであることにウメコガ気付きます。しかしそこでなんとデビルキャプチャー3が登場。安上がりだな今回の戦隊は(笑)。
そして、これを駆るのはさっき倒したと思っていたイガイガ君2世。当然、あれで死ぬ筈もありませんからね。

■「母よあなたは強かった」

しかしこのイガイガ君2世、重大なミスを犯します。なんと、先にエイミーを狙ったのです。普通、これでエイミーをタテにすれば戦いを有利に展開させられるので、ここまではミスではありません。
ミスは、ウメコが既に母親の強さを得ていることを失念したこと。
「ウチの子になにすんのよ!」
デカロボの強烈な飛び蹴りが炸裂。体勢を立て直して反撃するデビルキャプチャー3を全く気にせずショルダーチャージ。吹っ飛ぶデビルキャプチャー3にウメコ1人舞台によるジャスティスフラッシャーで一気に撃破。他のメンバーもこのウメコの凄さに呆気にとられっぱなし。

■母親の底力

後はおしゃぶりだけ。しかし、探しに出たウメコをエイミーが追おうとし、滑って転んでしまいます。あわあわ、これはもしや・・・。
「びーえー!」
やっぱり。ってお前は風の申し子か。まる。

アブレラが狙うのも頷けるほど、エイミーの泣き声の破壊力は抜群。バンはウメコにエイミーを任せ、おしゃぶりを探しにいきます。その間、ウメコはエイミーに子守り歌を歌ってやり、自分に注意を向けさせることに成功。遊び疲れてもいたエイミーは、子守り歌の効果も手伝ってねむねむモードに。
そこにバンがおしゃぶりを見つけて戻り、ウメコがエイミーの口に放り込んで万事解決。元のサイズに戻ったエイミーに押しつぶされそうになるウメコですが、既に母親の境地の彼女には苦にならないようです。

■別れ

すっかり懐き懐かれ状態のウメコとエイミーですが、ボス非情の宣告。間も無く両親が迎えに来るそうです。事件性がある為、連絡が遅れていたとのこと。すっかりエイミーを捨て子だと思い込んでいたウメコには、さすがに辛い宣告だったようですが、そこはちゃんと大人です。

残念ながら両親の姿は見られませんでしたが、エイミーは両親と一緒に帰っていきました。見つめるウメコの目には涙が。ここでの古川さんのナレーションがまたいいですねえ。二週目に入ってから、ナレーションが実に効果的です。見習いなさい仮面ライダー。せっかくの小杉十郎太の看板が泣きまくってるぞ。ということで幕。


■全般・追記

今回はウメコの母性。やっぱりラストの別れのシーンはしんみりするものに仕上ってました。今回のナレーションって、なんか耳に残るなあ。さすが古川さん、伊達にスラップスティックやってませんねえ(いつの話的な上に関係ないやん)。

このテのお話は基本的に『突然赤ちゃんを押し付けられる』ことから始まって、『母性の目覚め』を経由、最後は『母は強し』となって『お別れ』という流れですので、完全に定番の流れを踏襲していますね。アクセントとして、冒頭の出撃シーンややたらとシンクロ率の高いバン達男性陣の愉快なシーンが盛り込まれていたような感じです。
特にウメコ入浴中のスクランブルからの出撃のノリは個人的に大好きです。こればっかりだと嫌だけど、この僅かな遊び心がたまらなくいいんですよね。お願いしますね東映さん。

ウメコとエイミーを中心に物語が進んでいく訳ですが、それを狙う敵としてイーガロイドが登場。カーチェイスも見せるサービス精神は誉むべきかな。
残念ながらまともな必殺技は披露されず、以前のような強力キャラという印象がありません。まあ、今回は完全にやられキャラでしたからね。
因みに、これまで「アーマロイド」と呼んでいた雑魚キャラですが、実は「アーナロイド」だと知りました。そっか、バツ・イガと外見どおりなんだから、アナと考えるのが自然か。


■今回のアリエナイザー

アリエナイザーは出てません。強いて言えば「イガイガ君2世」ことイーガロイド。二度目だからといって弱体化しないところが素晴らしい。
どうも今回はアブレラ直々の指揮だったみたいです。

その標的はオカーナ星人エイミー。赤ちゃんなのにウメコより背丈があり、ウメコでなくても「これで赤ちゃん!?」といいたくなる設定。まあ、着ぐるみの都合もありますしプホホホホ。ドロシー。(?)
オカーナ星人の赤ちゃんの泣き声に秘められた破壊力を目に付けたアブレラが狙っていたのですが、見事に失敗。
大泣きが武器になる、っていうのは太古の昔からある定番ものですねえ。


■■■ 次 回 ■■■

次回はキャラクター別エピソードが割り込みを受けます。実は未だに描かれていない人物がいたからです。
そう、それはボスことドギー・クルーガー。白鳥スワンとの関係も気にはなりますが、それ以上に気になる、あたかも行動隊長を思わせるその凛々しい姿の初披露があります。
その名はデカマスター!なんでマスターって黒系なんだろう。

【 特捜戦隊デカレンジャー Episode.13『ハイヌーン・ドッグファイト』 】