前回の暗殺の依頼主に心当たりのあるボス。それは過去に始末し損ねたアリエナイザー。
そのアリエナイザーが、スワンを人質にボスへの復讐を謀る。
バン達はアブレラの作戦阻止で手一杯、頼みの綱はなんとボスだけ。果たしてボスはスワンを守ることができるのか?
冒頭、闇の中から現われた胡散臭いアリエナイザー。待ち構えているのはアブレラ。実はこのアリエナイザー、前回ボスの暗殺を依頼した奴で、名をベン・Gというそうです。
どうもボスには並々ならぬ恨みがあるようですが・・・。
そのボスは、自分を狙う奴に心当たりがあると、ずっと考え込んでいるようです。その様子にスワンが一言。
「地獄の番犬として恐れられたあなたがどうしたのよ!」
「地獄の番犬!?」
驚いたのはバン達。ボスの過去の話なんて、今まで殆ど語られていなかっただけに、そんなコミカルかつラブリー・・・とは縁遠いニックネームをつけられていたとは思わないでしょう。
そんな時、怪重機テリブルテーラーが出現し、巨大なタワーを突き立てて回ります。デカロボで応戦するバン達でしたが、どこに出現するかわからない上に仕事が速い為、後手後手に回りっぱなしです。
それにしても、それ以外に何をするでもないこのテリブルテーラー、何が目的なのでしょうか。
ボスがこれと似たような事件を以前担当したことがあるそうです。早く思い出せよアンタ(笑)。ほら見ろ、もう6本もタワーが建っちゃったじゃないか。
実はこのタワー、それぞれを頂点に線で結ぶと正六角形が浮かび上がります。ボスによると、そのタワーはそれぞれ地脈を刺激し、一定水準を超えたときに六角形の中心に最後のタワーが突き立てられた時、大地震がおきるそうです。
バン達がテリブルテーラーに翻弄されていたころ、外出していたスワンは何者かに狙われます。ただ一頭だけその危機を文字通りかぎつけたマーフィーでしたが、返り討ちに遭ってボロボロの姿でデカベースに戻ってきます。
一体何があったのか、といぶかしむボス達の下へ、ベン・Gから通信が入ります。このベン・G、以前ボスがデリートしたはずのアリエナイザーなのですが、辛うじて生き残り、自らの肉体を強化改造して復讐の機会を狙っていたそうです。やたらベタな口がチャームポイント。
このベン・、スワンを人質にボスをおびき出そうという魂胆。やれやれ、そんなベタな奴では最期もたかが知れてるなあ。
通信が切れた後、バン達は自分達が助けに行くと言い出します。しかしそれをボスが制止。そう、テリブルテーラーを止められるのはバン達が駆るデカロボだけ。ボスはバン達にその任務を与え、スワン救出には自分が赴くと言い出します。
それを聞いたバン達はボスの身を案じます。人質をたてに復讐を果たそうというような下衆ですから、まともに戦うつもりなんかあるはずがありません。そんな奴に対抗するのに、管理者というデスクワーカーなボスでは危険だとバン達は言うわけです。
しかしそんなバン達にボスが一喝。
「俺をなめるな!」
そんなボスにバン達もそれ以上何も言えず、不安を感じながらもテリブルテーラー対策に出撃していきます。
さて、あんな啖呵をきったものの、果たしてボス1人で大丈夫なんでしょうか?
テリブルテーラーの目的がわかっている以上、後は待ち構えて撃破すれば済むことです。作戦でもなんでもないなあ(笑)。
そして現われたテリブルテーラーにデカロボで対抗するバン達ですが、ボスの身を案じているせいかどうも動きがイマイチです。そんなにチンタラしてたら、みすみす大地震を引き起こさせてしまうどころか、ボスまで見殺しでんがな。シャキッとしなはれアンタ方。
さて一方のボス。ありがちに荒野に呼び出されたボスの前にベン・Gが立ちはだかります。スワンさんはトレーラーのコンテナ内で、椅子に縛りつけられてます。こらっ、アップにするなアップに!もうアイドルのころとは違うんだから皺(背後に謎の、狼を恐れない女丈夫登場により以下途絶)
太腿とホットパンツだけで石川秀美DVDボックスに手を出しかけたバカはさておき(今更ネタ)。
案の定ベン・Gは用意万端整えていました。なんと、ボス1人に対してアーナロイド100体。まあ、数だけで言えば絶体絶命ですが、ボスは「勘を取り戻すには丁度いい」と余裕綽々。
さあボス、マスターライセンスをかざし、エマージェンシーコール!ボスをデカメタルが包み、ボス戦闘モードの完成です。
「百鬼夜行をぶった斬る!
地獄の番犬・デカマスター!」
襲い掛かるアーナロイド・・・いや、襲い掛かったのはデカマスターの方の気もするなあ(笑)。ともかく、デカマスターはその剣でアーナロイドを次々と斬り倒していきます。100体いたアーナロイドが剣の一振りごとに確実かつ迅速に消えていく様には、「お前こそ真の警察無双よ!」と言いたくなるほどです。
さすがにベン・Gもこの程度で復讐を果たせるとは思っていなかったようです。だからこそスワンさんを拉致したわけです。
ありがちですが、トレーラーには爆弾が仕掛けられており、導火線につけた火が到達すればぼっふゅーん、ばら、ばら。しゅきーん、あ(もーえー)
さあ、導火線に火がついてはさすがのボスもスワンさんが気になって戦いに集中できません。更に、強化改造されたベン・Gの攻撃が容赦なく襲い掛かり、ボスはなすすべなくやられ放題。
その有様に、高台から覗いていたアブレラも「ドギー・クルーがーもこれで最期か」とやたらあっさり撤収するほど。
一方バン達はテリブルテーラーに予想外に苦戦させられていました。なんでタワーを打ち込むだけの怪重機にそんなに押されるんだか・・・。
そう、バン達も、ボスがスワンを気にして集中できないように、ボスのことを気にして戦いに集中できないのです。
しかしそこはそれ、バン達も選ばれた戦士達。
「俺達は、ボスに選ばれたデカなんだ!」
と全員一丸奮起して、驚くほどあっという間にテリブルテーラーを撃破してしまいます。早くやれよそういうことは。
ベン・Gの猛攻は続いていますが、さすがに簡単にはやられないボス。
「お前の本気はその程度か?俺を一撃で倒してみろ!」
とやたらベタな挑発。
そんな挑発に乗る辺り、檜山が連れ出された理由かもしれません。
その改造された腕は銃にもなる優れもの。どうやらこれがベン・Gの最強技みたいです。その銃口がボスに狙いを定め、ボスはなぜかスワンに「動くな!」と注意を促して無策風味に突撃していきます。これではホントにボスの最期です。
しかし、ボスがそんなアッパラパーであろうはずがありません。檜山ならともかく。
発射された弾丸は当然ながらまっすぐボスめがけて飛んでいきます。ボスはそれを狙っていたのです。
それを剣で弾き飛ばしたボス。勿論、ただ弾き飛ばすだけではなく、その兆弾を使ってなんと導火線を切断しちゃいます。導火線の太さとトレーラーまでの距離を考えれば、常識では考えられない行為です。
しかしそれを可能にするのがボスの凄さです。そういうことにしておきましょう。
さて、復讐の為の切り札を失ってしまったベン・G。そりゃそうでしょう、こんな序盤にボスを窮地に追い込むような凶悪なアリエナイザーが出るわけがありません。檜山だし。
そこに漸くバン達がやってきます。当然、目の前の黒い戦士がボスであることは知りませんが、状況判断でボスだと推測します。ボスであるとは考えがたい頭部デザインなので判断に困ったともいえますが(笑)。
ともあれ戦闘に集中できるようになったボスは、容赦なく必殺技「ベガスラッシュ」でベン・Gを一撃で始末。ラストは猛炎の中からスワンをお姫様抱っこして登場し、バン達の信頼を一気に高めた図で幕。
百鬼夜行をぶった斬る!地獄の番犬、デカマスター!
・・・のお披露目です。地獄の番犬・・・この呼称は普通ケルベロスに使われるんじゃないかなあ。まあ、アヌビス神も似たようなもんですからね。それに前者は、「ケロちゃん」と呼ばれる方が幅を利かせてますから、あんまり使われないみたいだし。
そのデカマスターですが、見た目はそれほどカッコイイというわけではありません。せいぜい及第点レベルでしょうか。安定したデザインワークなので、「万人向けのカッコよさ」ではあると思います。
しかし・・・「黒」「マスター」ときて「理不尽なメット」とくれば、どうしてもアレを思い出してつい吹き出してしまいます。そう、おそらくあちこちで言われている筈の、『激走戦隊カーレンジャー』に登場するVRVマスター。ボスはまだしも、VRVマスターはどう考えても理不尽なんですが、作風のせいか全く問題視されたことがありません(やや嘘)。誰が柴田さんに「シュラシュシュ」なんていわせたんだこのハゲ連中が(誰のことだ)。
ともかく。
ボスのメットについて、バン達はツッコミいれないんでしょうかね?
そういうわけで、今回はバン達はそんなに深く描かれてはいません。ボスに対する信頼の深さとそれゆえの責任の自覚、そういったものがバン達の強さにつながっている。そういったことが描かれています。
それ以外は、あまり各キャラクターで深く掘り下げるシーンもなければ、あらためてみるべきシーンもそうありません。
ま、今回はボス中心なので、このくらいで十分でしょう。
カジメリ星人ベン・Gは、ボスが現役時代に始末し損ねたアリエナイザー。辛うじて生き残ったベン・Gは自らの肉体を強化改造し、相変わらず悪事に手を染めていた模様。
そして、ボスの存在を知り、暗殺をアブレラに依頼したが見事に失敗。今回は自らが出向いてきたわけですが・・・やってることはギガンテスより不確実(笑)。さすが檜山だけのことはあります(関係ない)。
チャームポイントは、悪党にありがちな口元。いまどきどこの子供がこんなベタな悪党口を描くのだろうか(笑)。
一方、ベン・Gの復讐をアシストするべくアブレラが送り込んだ怪重機はテリブルテーラー。地脈刺激タワー(仮)を突き立てる以外に取り立てて能力を見せることなく、バーツロイドとともに葬り去られはしましたが、バン達がボスに気を取られていたおかげでずいぶんご活躍なさいました。多分、また別の形で出てくると思います(笑)。金なさそうだし。
ボスの正体を知ったバン達は、どうやら「いざとなったらボスがなんとかしてくれる」とヌルんでしまうようです。これはいかん、とボスはバン達の窮地に手出しをせずに高みの見物。
「そんなボスなんて大っ嫌いだー!」
とバンが青春する次回、果たしてどうなるデカレンジャー?