ボスの強さを実感したバン達はすっかりボスを頼りに。
そんな折りに登場したアリエナイザーにバン達は苦戦。しかし頼みのボスは助けに来てくれない。一体どうして・・・?
バン達が1話でヌルんで1話で目覚めてめでたしめでたし、というお話。
冒頭はボス対5人の演習。やることなすこと全くボスに通用しない5人は、余計にボスに対する信頼を強める結果に。ただ、それが「いざという時はボスに任せればいい」という意識を持つようになってしまい、ボスもそれはちょっと困るという風情。
ボスはあくまでも5人の補助として動く、と言うのですが、5人、とりわけバンは全く聞いちゃいません。
丁度その時、メガロポリス工科大学にアリエナイザー出現の報告。バン達は意気揚々と出撃します。あ、メガロポリスって、ちゃんとあるんだ。てっきりバンが勢いだけでぬかしてるホラだと思ってた。
時は夜。場所をビル街に特定しない辺りが東映の根性のなさよの(どんな根性か)。
まあ、「ガッコの構内でウォー『でガンス』」程度で許してやるとするか(どんな程度だ)。
与太はともかく。
夜中の大学構内をうろついていたのはクリスト星人ファーリー。ファーリーは、かけつけたバン達を相手に八面六臂の大活躍。有名なテーマ曲をバックに、全身タイツに赤マントを翻すその姿は、まさにその名に相応しいといえます。何か間違いがありますが気にしないように。
この強敵を相手にバンは早々と敵わないと見切りをつけ、「ボス、出番ですよ!」などとえらく軽い口ぶりで連絡を取ります。しかしボスの応答はなく、しまいには通信を切られてしまいます。
そんなバン達を、ファーリーは圧倒的な攻撃力により追い詰めますが、そこに現われたのは朝日。陽光を浴びた途端、ファーリーは苦しみ始め、「てめぇら、命拾いしたな!」とお約束の捨て台詞を吐いて逃げ出していきます。
確かに命拾いしたバン達。ホージーが状況報告しているところにバンが割り込み、どうして助けに来てくれなかったのか激しい口調で追求しますが、ボスはそのことには全く触れず、ファーリーの目的調査に移るよう指示。バンも不満ながらも命令に従います。
しかし、メガロポリス工科大学には狙われる可能性のある研究材料は腐るほどあります。ここで、ジャスミンのESPが何かを捉えます。「落ちる・硬い・光」・・・なんのこっちゃ。因みにウメコの推理は「新幹線ひかり号」。落ちるて何じゃコラ。
ここを解決したのはセンのはっちゃけ能力で、それが『隕石』であることを導き出します。
そして辿り着いたのは『ルナメタル』。これは、持つ者を完全な闇で包んでしまうという、あまりにファーリー専用的ご都合主義鉱物。実験台にされたウメコがちょっと可愛い。見えないけど(笑)。
勿論、説明を聞いたホージー達は、これこそファーリーの目的だと確信し、ルナメタルを確保しようとしますが、そこはそれ腐っても研究者。もう少しで大事な論文が完成するとかで持ち出しの引き伸ばしを画策します。
尤も、日中であればファーリーもうかつに手は出してこないので、それを承諾してホージー達は周辺の警備につくことに。
その警備の任務をほったらかして、バンはデカベースに戻ってボスに詰め寄ります。
「大体、部下のピンチに上司が知らん顔って、どういうことっすか!」
「俺はお前達のピンチに知らん顔はしないぞ。」
「したじゃないスか!」
「いや?お前達がピンチなら必ず駆けつける。」
「ほんとッスね、俺信じてますからね。」
一応の念押しをして去っていくバン。傍にいたスワンさんも、このボスの返答に心配顔。
「いいんだ。今はな。」
ボスも、今はこれ以上はいえない様子。
周辺警戒中の4人は、バンほどではないにしても、それぞれにボスがきてくれなかったことを残念がっていました。
そんなときに都合よく場面転換ロボ・デビルキャプチャーが登場。4世です。ホントに金かかってねーな今年の戦隊は(笑)。
バンが合流してデカロボ出動。今度はピンチになったらボスが来てくれるから安心、などとピンチになる気満々発言も飛び出すライトさのバンが妙に愉快。
さてロボ戦はそれ相応に展開していきます。ある程度組み合ってロボ登場シーンを消化し終えたのを見計らってホージーが「ファーリーは日光に弱い。コックピットに穴を開けるんだ」と見切りをつけます。いやな言い回しだなあ。
このテの作業はウメコのマシンが得意。しかし、コックピットにいたのはバーツロイド。何か小馬鹿にしたような台詞が小癪。
そう、この間、ルナメタルは完全に無防備に。え?研究員の皆さん?はっ、そんなもん、大事な研究材料をほったらかして逃げちまったよ。えらく簡単に逃げを決め込んだのでかなり拍子抜け。
もぬけの殻状態の研究室にローブ風のもので全身を覆って登場したファーリーは、いとも簡単にルナメタルを発見、これを食ってしまいます。焼いてよし、食ってよしとは、さすが備長炭(ルナメタルちゃうんか)。
陽動作戦に気づいてバンが急行しようとしますが、デビルキャプチャー4(略してデビちゃん)に邪魔されます。しかし、もうロボの消化シーンはジャスティスフラッシャーだけ。ということでバンク流されて一瞬でお釈迦に。
ロボを降りて駆けつけるバン達の前に、待ちかねていたファーリーが姿を現します。その姿は黒く逞しく、より強く長持ちに(語弊のある物言いのため以下略)
見た目の変化だけではなく、強さまでアップしているという極道なファーリーに対し、バン達は余計に手も足も出ずにあしらわれるばかり。
「強ぇ・・・やっぱり俺達だけじゃ・・・」
バンの愚痴が、らしくありませんねえ。
そこに、お約束に高いところに姿を見せたのは、バン達が待ちかねタグホイヤーだったボス。ちゃっかりグラサン装備。その姿にバン達も盛り返します。気持ちだけ。
なんせ、頼りのボスは、自分達がファーリーにやられ放題なのに腕組みしたまま仁王立ち。全く助けてくれる気配がありません。
ボスの態度に、遂にバンがキレてファーリーに八つ当たり。お、やりゃできるじゃんお前。
「見損なったぜボス!」
「勝手に見損なえ。このままじゃ負けるぞ、どうする?」
そう突き放され、バンとうとう大噴火。古い表現だなあ。俺か(自滅)。
「ボスなんか・・・大っ嫌いだーッ!」
ボスに頼れない以上、自分達で何とかするしかない。バン達は呼吸を合わせ、フォーメーションF3でファーリーを攻め立てます。これがまた、やけに命中する上にやけに効果がある。今までの攻撃と見た目上では大した違いもないのに、ファーリーときたらまるで首から緑色の鉱物をぶら下げられたみたいにヘロヘロのパアです。アホじゃありませんよ。
もう時間も押し迫っていてBGSも流れ始めたので、ファーリーに勝ち目は全く残されていません。案の定たやすくジャッジメントでデリート許可、ディーバズーカ一撃で折角闇を得たファーリーは粉砕。あーあー。
「これにて一件コンプリート!・・・と思ったけどこっちがまだコンプリートしてない!」
バン達は既に現場を離れようとしているボスを追いかけます。ピンチのときには助けてくれるといっていたのに、どういうことなのか。バン達の意見は統一されております。
「ピンチだったのか?」
「え?」
ボスの意外な一言に、バン達は勢いをそがれてしまいます。
「勝ったじゃないか、お前達は。
つまり、ピンチなんかじゃなかったってことだ。」
自分を頼る甘さによって力を出し切れずにいた5人に、ボスは奮起と自覚を促すためにわざと突き放したというわけです。よくあるお話ですねえ。ベタさ加減に好印象。
バン達が、誰かに頼らず自分たちだけで突き進んでいく自覚を再び持った段階で、おもむろにボスが締め。
「これにて一件コンプリート。」
どうやら宇宙警察公用フレーズみたいですね(笑)。
デカベースに戻ったボスですが、近い内に自分も戦いに赴かなければならなくなる予感がするとスワンに告白。しかし、そうした不安は部下達には見せない辺り、さすが管理者としてのボスは自覚がおありになる。
それを余所に、バン達はあることを決意。今後ボスに頼らない為、ボス席区画を「KEEP OUT」しちゃいます。それもやたらほがらかに(笑)。
確かに、頼るなとは言ったがさすがにこれにはボスも困惑。図に乗ったバン達はボスを席に「KEEP OUT」する悪乗りぶりを見せ、今日もデカベースには雷が落ちるのでした。
「いい加減にしろーッ!」
バン達5人がすっかりボスに頼るようになって、本来持つ力が発揮できなくなってしまい、それをボスが「突き放す」という形で復活させたお話。
ま、前回いきなりデカマスターのフィニッシュブロウを見せつけられたわけですから、バン達が頼りにするのも無理はないのですが・・・それがあるからボスも変身出来ることを明かさなかったんでしょう。
バンの熱血ぶりがすがすがしいくらいベタに描かれていますが、他のメンバーもサブに徹している中にもその数少ない台詞の端々にキャラクターらしさを覗かせています。ここまでつけたしくさいと、それが逆にすがすがしいもんです。ベタなネタをうまく表現することこそがプロの技というものですね。
ことベタというなら、ラストのKEEP OUT。こういうシーンで締められる作品は、やはり強いですね。ちゃっかりラスト前にアブレラの台詞違い使いまわし映像を流して、ボスの『予感』を引き立ててもいます。すらばしい。意図的(何が)。
で、今回ちょっと気になったのが大学でルナメタルを研究していた連中。デビちゃんが登場するや否や、大事な研究材料をほったらかして逃げやがりましたが、仮にも何かを研究しているようなカルト人間がそんなことでどうする。世間様では「何かを研究してる人」は変人でなければならんというのにブツブツ。交通事故で死んだ息子に似せたロボットを作ってポックリいくぐらいの執念と根性を持ったらんかいこの腐れ学者が。
こんな程度の低い奴が所属するメガロポリス工科大学なんて、たかが知れるというものです。どっちのたかが知れるんだか。
今回、ED幕間でデカマスターが紹介されてます。やはりその頭部の秘密に迫っています。これで、本編でそのことに触れない理由付けができちゃいました。残念。
クリスト星人ファーリー。こうまで露骨な名前をつけておいてサンタの扮装なしとは、やはり東映とはその程度の連中よの。
夜の中でしか活動できない狼男という設定ですが、陽光を遮断できれば行動はできるみたいです。それで狙ったのが、まるでこいつの為にあるかのような備長炭。あるいは活性炭。いや、というか他に何に見えると。
デビルキャプチャー4。こうなると、何号機まで登場するのか見ものですね。いずれ原点回帰で「零号機」が登場して、背中に「天」の字を浮かび上がらせることでしょう。ヒャッホー!
駆るのはつくづく応用の利かないバーツロイド。いや、イーガロイドも大して応用が利く奴じゃないけど(笑)。
次回はキャラクター別エピソード復活編。・・・今回は一応、ボスの後編と位置づけられなくもないけどね。
次はセンの番。またしても女の子がらみで展開します。しかも今度は何も知らないアンドロイドの女の子。それをいいことにセンはマンツーマンで手取り足取りあんなことやこんなことまで教えちゃいます。あまり語弊がなくてイマイチだな今回。