特捜戦隊デカレンジャー Episode.18『サムライ・ゴーウエスト』

(2004/6/13)

デカレンジャー、京都へ!
そこに現われた異星人は、タイムスリップ風味なサムライ。京の都を守るとかいうこいつは、一体何者なのか?今更ラストサムライがどうとかいう陳腐ネタでいいと思ってんのかハゲ的ツッコミも陳腐なので省略(略してないやん)。
そして、ご先祖様が新撰組隊士と言い張って退かないバンの信憑性は?
太秦映画村の撮影時の収益はアップしたのかダウンしたのか、ナーウゲッツ・ア・チャンス!微妙に一週遅れ。


■俺達、侍だー!

嘘です。

冒頭、バンが新撰組のカッコで登場して、とんでもない発言をするとこから。なんと、バンのご先祖様に新撰組隊士がいらっしゃるそうです。赤座伴之進という「赤座流剣術」の使い手がそうらしいのですが、そんな史実は残っていませんとも。
でも、「そんな事実はない」とキッパリ言える人もいません。
それが歴史ロマンって奴です。
という辺りでおもむろに京都で事件発生。勿論本日の舞台は京都どすえ。タイトルコールも特別版。

■ベートニンという侍

でその事件ですが、なんだか侍だか武将だかのカッコをした異星人が、物怖じしない女子高生軍団に絡まれてキレて抜刀して追い散らし「京の都は何者かに侵略されたでゴザルか」だの「ニンともカンとも」とか言ってるだけです。一部嘘。
そこにデカレンが登場して話がこじれます。この異星人、デカレンを侵略者と思い込んで挑みかかってきます。これがまた強いんですお約束的に。終いには「赤座剣法・雷神剣」を決められて5人とも変身が解けちゃう始末。

ところがそれが思わぬ展開に。変身の解けたバンの顔を見てベートニンは、「赤座伴之進殿か!」と態度コロリ。同時に腹ペコリで昏倒。おいおい大丈夫かこいつ。
この隙にジャスミンがベートニンの記憶をサーチ。140年前に不慮の事故で京都で行き倒れたベートニンを助けたのが赤座伴之進で、ベートニンはそこで武士道の素晴らしさに触れ、伴之進と京都を守るべく故郷に戻って修行してくると約束したとか。
問題はゾイナー星人の平均寿命が6万年で、140年くらいはほんの数日程度にしか感じていないということ。だから、ベートニンが戻ってきたときには京都はガラリ豹変していたわけです。当たり前だ阿呆。

ここでバン達が悪い方向に話を持っていってしまいます。というかセンか。そのまま話して説得すればいいものを、三文芝居でベートニンをだまくらかして追い返そうというのです。って、それじゃ問題を先送りにするだけじゃないか阿呆。

■浅知恵

三文芝居は、京の都を再現し、そこでベートニンの力量不足を痛感させて帰らせるという、ばかばかしいもの。協力したのは京都太秦映画村。古川さんも困っただろうなあ、言うに事欠いて「日本のハリウッド」なんて言わせられたんじゃあねえ。大失笑。頭の中身を疑っちゃうよねー、昔からネジの締め忘れが多いのは知ってたけどさ。いえ東映が。
ま、そのくらいの鉄面皮じゃないとやっていけないよな。納得。くすす、けらら♪

ほんで芝居ですが、ベートニンが起きると伴之進の部屋で、よくいく飯屋の給仕娘がお梅、伴之進が引き合わせたのが新撰組の3人・近藤・土方・沖田。
で近藤たちがベートニンの実力ではお梅にすら勝てないと言い、藁人形斬りに。ベートニンは見事な技の冴えを見せますが、お梅は「みようみまね」で藁人形を『爆発四散』させちゃいます。ベートニンが己の実力不足を痛感するのも無理はない(笑)。

■悪魔の囁き

しかし、もうちょっとでベートニンがおとなしく帰るというところで、バンが失態。『セット』にもたれかかってこれを崩し、拍子でヅラが外れるわ裏方丸見えだわ、ベートニンに「やらせ」がバレてしまいます。勿論ベートニンが怒って余計話がややこしくなったのはいうまでもありません。バカですかこいつらは。

そして、そんなベートニンに近づいてきたのはエージェント・アブレラ。アブレラは、時代が変わったことを説き、目障りなデカレン達を「美しい京の都を破壊しようとする子孫達」に位置づけ、ベートニンに神社仏閣を移動して新たな都を築けとそそのかします。なんてサラリと凄いことをいうんだろう、こいつは(笑)。
さて、悩めるベートニンの回答は・・・?
「わおーん♪」


■ニセ・キングジョー

ベートニンを探すバン達は、突如出現した超巨大タンス(?)を発見。あまりのデカさに、バン達はデカベースの出張要請。えーっと・・・今から間に合うんでしょうか(笑)。
ともあれ、先行発進したデカマシンでバン達は超巨大タンスに乗っているであろうベートニンを止めようとします。バンは、自分達のことを侵略者だと思い込んでいるベートニンが、古い京都を偲ばせる神社仏閣を守ろうとしているのだと推測していたのです。

しかしあまりの巨大さに、デカマシンごときでは歯が立ちません。おまけに引き出しの中には、重要文化財がキラ星の如く詰め込まれています。まともに手が出せません。
そこにデカベースクローラが到着、デカマシンを帰還させてロボに変形。ボスによれば、これで出力200%になるそうです。胡散臭いなあ(笑)。

■対峙

なおもベートニンの説得を続けるバンでしたが、なんと怪重機を操縦しているのはメカ人間。バンは、ベートニンを探しに向かいます。そんなバンにボスは、Dソードベガを託します。
「侍の魂を教えてやれ」
バンが抜けたことはおそらく苦にならないベースロボですが、国宝やらを取り込んでいる相手とまともに組み合えません。スワンさんがそのシステムを解析するまでは耐えるしかない。

さてバンは、あっさりベートニンを発見。怪重機を止めるよう説得しますが、ベートニンは聞き入れてくれません。そりゃあ、人を騙すような奴の言うことなんか聞けませんわね(笑)。
バンは、そのことは素直に謝り、それでも赤座伴之進が守ろうとした京都を子孫として守りたいと、情に訴えかけます。でもベートニンは、バンに技や侍の魂がないと言ってこれも聞き入れません。こうなったらバン、それを証明して見せるしかありません。

■決着

バンとベートニンの戦いはほぼ互角。藁人形を居合いで斬りおとすほどの修練を積んだベートニン相手に互角とは、バンもそれなりの手練れということのようです。ただまあ、バンみたいにアクロバティックな体術までは、赤座伴之進も持ち合わせてなかったでしょうね(笑)。
両者の戦いは、赤座剣法・雷神剣の打ち合いで幕を見ます。技量はともかく、精神性においては僅かにバンの方が上だったようです。
大人しく縛についたベートニンを、バンは『重要地球文化財窃盗罪』でジャッジメント要請。しかしデリートは不許可。ベートニンは、アブレラの誘いをきっぱり断っていたのです。
・・・でもね、良い子のみんな。悪いことをしてる人を見て見ぬ振りをするのは、同じくらい悪いことなんだよ。

同じ頃、スワンさんによって国宝キャッチャーシステムが『両手の光るとこを壊す』というアバウトかつベタな対処で重文とかを元通りにできることが判明。フィンガーミサイルでこれを破壊し、必殺・前面光線で怪重機を撃破。あっさり。

■侍魂

バンは、ベートニンが『侍の魂』を持っていたことに安心します。ご先祖・赤座伴之進の目は節穴ではなかったことが証明されたのですしね。
ベートニンは、バンが『立派な侍』であることを認め、京の都を離れ、故郷の星に戻っていきます。
このシーンでのバンの台詞がどれほどの人間の心にあるのか、疑いもせずに去っていったベートニンは幸せ者です。
ともあれ、めでたしめでたし♪

めでたくないのはアブレラ。
「後払いで売りつけるつもりが〜!覚えていろデカレンジャー!」
アンタのマネージメントひでぇな。ホントに『エージェント』なのか?(笑)

■出動!中村座ロボ

さて今回の幕引は、折角の京都なので羽を伸ばす一同という図。普段と違う姿は新鮮です。でも、スワンさんのアレって、外せないのかなあ(笑)。あとボス・・・異様に似合いません(笑)。
で。
息抜きにスワンさんは『中村座』をロボに改造したとか。起動コンソールを操作するスワンさんを見て期待と不安が高まるバン達。でも・・・
「なんてね?」
そんなもん嘘に決まってまんがな(笑)。
しかしまあ、仕事も終わったことだし、たまにはこういうのもね。ということでバン達は太秦映画村を堪能することに。・・・昼日中から仕事終わり?いいご身分だなこのクソどもが。ラストでムカついて今回は締め。ムカムカ。


■全般・追記

そうそう、忘れていましたよ。戦隊の守備範囲を。東京の特定地区周辺と、もう一つ。
京都太秦映画村とその周辺地区。
前からですが、戦隊の守備範囲って基本的に『東京特定区』なんですよね。そもそも、『地球署』なのに稼動部隊がたった1つで、その地球署自体がその部隊の為に緊急モードを発動して稼動したりするなんて、システムとして大問題ですよねえ。

まあ今更な話はともかく。
ベートニンの140年前のシチュエーションなんて、今だと誰もがアレを思い浮かべちゃいます。尤も、それを承知で意図的にやっているのがいいんですよ。そもそもただの挿話ですし。
冒頭の女子高生達の反応も割といいですね。ただ、携帯斬られて逃げるのは間違ってますね。「何すんのよ!」程度に噛み付くくらいは絶対しますよ。逃げるなんてそんな軟弱な精神力で今時女子高生が勤まりますかってんだ。全国の女子高生諸君、元気してる〜?と、やっぱりな的ドタ靴鼻オチでこのお話は終わり。

今年の大河ドラマが新撰組だからというわけでもないんでしょうけど、新撰組ネタで京都へ。京都といえば太秦映画村。ちゃっかり宣伝。きっと「デカレンジャーがやってくる!」って客寄せコピーも使ってロケに臨んでたに違いないのですが、どうなんでしょうね?
ところで配役ですが。
センが近藤勇、ホージーが土方歳三、ジャスミンが沖田総司。なるほどね、って感じ。あ、ウメコは飯屋の女の子ね。
そしてバンが赤座伴之進。この赤座なんですが、勿論新撰組隊士としては記録は残っていません。でも、それだけでフィクションとは言えません。紙切れに書き残されたものだけで全てがわかるわけがないんだし。

「安くしておく故、お気張りやす♪」
アブレラも『類』だよなあ(笑)。戦隊ってみんなどこかにこういうノリの良さがあるからとっつきやすいですねえ。いえいえ、今更仮面ライダーに求めるつもりはさらさらありませんとも。あれはもう、別世界のノリだから・・・。
それにしても、こいつの位置づけがいつまでたっても不鮮明だなあ。未だに『組織』が出てこないっていうのも、なんか斬新な印象です。果たしてこのアブレラの正体、そして目的は何か?いつわかるんだろう。

ラストのオチャラケは・・・ごめんなさい、フォローできません。苦笑いするしか出来ませんでした。今時こんな次元の低いオチャラケが許されるなんて、東映ってチョロイとこだよな。ま、ラストだけだから許されてるんだろうけど。


■今回のアリエナイザー

アリエナイザーではないんです。
ゾイナー星人ベートニン。140年前に京の都で行き倒れ、通りかかった赤座伴之進に助けられ、赤座伴之進の武士道精神に触れ侍の魂を目覚めさせた奇特な異星人。その赤座伴之進こそ、バンこと赤座伴番のご先祖様。しかも新撰組隊士とか。
確かに新撰組隊士としては名前が残ってないかもしれないけど、紙切れが全てを物語っているわけでないのは皆さんご承知のとおり。もしかしたら、名を連ねていないだけで本当にいたのかもしれない。そう思うとロマンの花の一つも咲くというものです。

登場した怪重機はビグドローワー。京都の重要文化財を次々とタンスにしまいこんで保管できる優れもの。それをタテにデカベースロボを追い詰めたのですが、スワンさんにシステムを見破られて撃破されちゃいます。
因みにベートニンではなく、バーツロイドが操縦。アブレラの誘惑は、ベートニンの侍魂を揺るがすことはできませんでした、と。


■■■ 次 回 ■■■

次回はホージーネタ。どうやら、精神を入れ替える能力を持つアリエナイザーが、ホージーと入れ替わってしまって大騒ぎになるみたいです。
さあ、見た目がアリエナイザーのホージーは、このピンチをどう乗り切るのか?ベタネタは安定してそうでいいですねえ。

【 特捜戦隊デカレンジャー Episode.19『フェイク・ブルー』 】