1970年代のアメリカを代表する名曲。ロックバンドとしてのイーグルスを知らない人でも、必ず一度はこの曲を聴いた事があるハズ。イーグルス最大のヒット曲です。
何よりまずココロ引かれるのはイントロ。エレキギターが奏でる哀愁漂うメロディーは、それを聴くだけでこの歌の世界に引き込まれてしまい、ヴォーカルのドン・ヘンリーのハスキーな歌声が、物悲しい雰囲気に更に拍車をかけ、メロディとヴォーカルの絶妙なコンビネーションが歌の世界を表現していきます。管理人がこの曲を初めて聴いたのは、洋楽に興味を持ち始めた中学生くらいの頃だったと思いますが、歌詞の内容も解らないのに、えらく感傷的な気分になったのを覚えています。しばらくして歌詞(訳詞)を知ったんですが、その中には「一体何を言いたいんやろ?」と、考えこませるような意味深な言葉が鏤められていました。発表された当時はアメリカでも意味について色々な憶測をよんだようです。 |
'Please bring me my wine'
「ワインを持ってきてくれないか」
He said, 'We haven't had that spirit here since nineteen sixty nine'
すると彼は言った「そのようなスピリットは1969年以降一切ございません」 |
1969年はウッド・ストックがあり、ロックが巨大なビジネスとして成立すると認識された年です。その年を境に元々ロックが持っていた魂が無くなってしまった、ビッグマネーを稼ぐ道具になってしまったと皮肉っているのが〈ワイン=スピリット=ロック〉の歌詞と言われています。ではイーグルスが成功を手に入れた時感じたのは一体何だったのか? |
'Relax,' said the night man, We are programmed to receive.
すると夜警が言った「落ち着いて自分の運命を受け入れるのです
You can checkout any time you like, but you can never leave!
チェック・アウトは自由ですが、ここを立ち去ることは永久にできません」 |
人間誰しも自分が選んだホテルにいつしかチェック・インします。しかし、その中でどういう事が起ころうとも、それが自分の理想とは違ったとしても逃げ出す事は出来ません。その中で自分を、周りを、状況をいかに変えていくかだけで。何故なら、紛れも無くその場所は自分が選んだ〈ホテル=人生〉だから。
・・・とまあ、管理人なりに勝手な解釈をしてみたんですが、多分この歌詞を読んだ人はそれぞれに色んな意味に解釈するでしょう。それ程深読みしたくなる歌詞である訳で、実際イーグルス自身はハッキリとした歌詞の意図や解釈を語っていなくて、それを考えると聴き手に色々想像させる、人によって違う感じを持たせる事こそがイーグルスの狙いだったのでしょう。
昔からこの〈ホテル・カリフォルニア〉は『暗い高速道路でノイズのあるラジオから流れてくる』という個人的イメージがあるので(^^;、勿論CDで聴く事が出来ますが、可能ならアナログレコードで聴く方がこの曲の雰囲気に合っているんじゃないか
─── と思うのですが、どうでしょう? |
2007.8.5 Sun 記 |