熱中、麺づくり

 

食いしん坊なのですね。またオセッカイなのですね。けっきょく、

自分で納得できる麺をうって、周囲に食べさせて喜ぶ顔がみたい。

またオダテに弱い、これなんです。メニューはいろいろです。単純

な麺だけではありません。たとえば草(よもぎ)入り、抹茶入り、

卵黄入り、サツマイモ入り、胚芽入りなどなどです。

 

草(よもぎ)入りキシメン

つけ麺、 4人前の場合です。

なおキシメンは当地独特の

薄く幅広な麺です。

 

麺つゆの準備

伝統的な麺つゆは「だし」と「本返し」で作る。まず「だし」だが、少なくも30

分前に、なべにとった水400CCに椎茸中ぐらい3個と、だし昆布5センチ

角大1個を浸けておく。このなべを火にかけ、沸騰させる。沸騰したら削り

カツオを入れ「だし」をとる。削りカツオは、薄削りなら2〜3分後に取りだ

す。入れてあっただし昆布、椎茸も、ほぼ同時に取りだす。

ついで「本返し」を作るが、これは、なべに濃口醤油80CCに砂糖16グラ

ムとみりん16CCを加え火にかけ、沸騰寸前に火を止めてさます。

「だし」と「本返し」をあわせると、伝統的な麺つゆ、凡そ320CCのできあ

がりである。麺つゆは夏季ならとくに、食べる直前まで冷やしておくとよい。

なお変わり麺つゆとして、しゃぶしゃぶ用のゴマだれに食酢を合わせたり、

伝統的な麺つゆに和風ドレッシングを少し混ぜても、なかなかオツな味を

楽しむことができる。市販の麺つゆのなかにも、使いやすいものがある。

 

材料

中力小麦粉(薄力粉でも、殆ど差はない)500グラム、茹でよもぎ30グラム
薄力粉と強力粉を半々に混ぜても、中力粉の代用ができます

コーンスターチ50グラム程度、食塩30グラムに微温水250CC
食塩の量は季節によって多少加減します(冬より夏は多め)

 

用具

木製こね鉢(内径35センチもあれば十分です)
ステンレススチール製ボウルでもかまいません

テーブルと麺棒
麺生地を好みの厚さに延ばすためのものです
麺棒は、似たような他のもので代用できます
例えば、パスタを作るときのローラー麺棒でも使えます
最近私は、これを愛用しています

包丁とまな板
出来上がった麺生地を、切りわけるに使います
或いは
ヌードルマシン(右)を準備します
例えばイタリア製の「インペリア」
東急ハンズなどで売ってます

ヌードルマシンインペリアです

 

麺生地づくり

食塩は微温水 に溶いておく。なお塩分は、夏季にやや多めとする。この食塩水

に、重曹をいれ茹でてアクを抜いたよもぎ を加え、これをミキサーで5分間程度

高速攪拌し粉砕しておく(以下、これを「よもぎ水」とよぶ)。なお「よもぎ」は、この

攪拌に先立ちすり鉢でよくすっておくと、裁断(後述)のとき、麺の切りはなれがさ

らによい。小麦粉に「よもぎ水」の2分の1を加え混ぜ粉と水分をよくなじませる。

なじんだところで、残る「よもぎ水」の2分の1を加えこねはじめる。おもに手の平

の手首に近いところを使い、全身の体重をかけてこねる。中心からそとへ、折り

たたんではこね、折りたたんではこね、何度もやる。

当初の「よもぎ水」は、当初の量の4分の1が残っているので、これを少しづつ加

えながら、さらにこねつづけ、ミミタブよりやや固いくらいにする。

麺生地は、球形に纏めあげたあと、こね鉢の底にゆっくり押しつけるようにして、

厚みがなるべく均一になるように円盤状に仕あげる。なお、水分が少なすぎては

こねにくく、多すぎては製麺の際、不便することもある。こねはじめからここまで、

20〜30分くらいかかる(馴れると15分程度)。

麺生地は、少なくも1時間ほどは寝かせるべきだとする説が有力である。

 

麺生地の纏めと裁断

麺生地から麺を作るには、伝統的には、麺棒での延ばしと包丁とコマ板による裁

断作業がいる。そばでは、”こねは3年、延ばし(切りを含む)は3月” というらしい

が、麺では、素人には延ばしのほうが手間がかかる。

で、現代風としてはここんとこを機械化することにし、イタリア製の手回しのヌード

ルマシンを使う。この機械には圧延ロールと製麺ロールがついている。麺厚は圧

延ロール用ダイヤルの調節で加減することができるし、また麺幅についても、製

麺ロールのアタッチメントを取りかえれば、冷や麦でも普通のうどんでもあるいは

幅広のキシメンでも、自由に作ることができる。

さて円盤状に仕上った麺生地(前述)は、ヌードルマシンにかけられるように短冊

形に切る必要がある。そのため、さきほどの円盤状の麺生地をコーンスターチを

薄くふっておいたテーブルの上に移す。そしてその上にもコーンスターチを振りか

けこすっておく(コーンスターチは、麺生地がテーブルなどにくっつかないようにす

る効用がある)。

次に麺棒などを使ってこれをさらに延ばし、直径40cmくらいの大きさにする。丸

く平たく大きくした麺生地は、包丁で幅5cmくらいに切る。出来上がった細長い麺

生地は、1片づつヌードルマシンのロールを2度通して好みの麺厚みまで、さらに

圧延する(最初は麺生地を厚めに作り、つぎには好みの仕上がり厚さを想定して

もっと薄くなるように作るとよい)。

麺生地が全て短冊形に仕あがったら、1片づつ、ヌードルマシンの製麺ロールを

通して製麺する。よもぎ入りの場合は、その繊維のせいで麺の切り離れがやや

悪い。くっついている麺は指で引きはなすようにしておくこと。麺にはまた、茹でた

とき麺同士がくっかないように、コーンスターチをよくまぶしておくとよい。

 

麺の茹で上げとその後

麺はコーンスターチをざっと払いおとし、たっぷりの湯で茹でる。なま麺であ

るから、もっとも薄く製麺した場合は大体2〜3分以内で茹であがる(もっと

も所要時間はお好みによる)。茹であがったら、すぐ水道の蛇口を流しっぱ

なしにしながら、よく揉んで、麺のヌメリを素早く取る。ヌメリが取れた麺は、

笊に取る場合は別に準備した氷水に20〜30秒間浸けてシメたい(長く浸

けすぎれば麺がふやけ、コシがなくなる)。麺は笊に取るほか、桶や鉢に氷

水をはって、このなかに麺を泳がせ食卓にだすこともできる。

いずれにせよ、できるだけ早く食べること。手打ち麺を味わうには、打ちたて

・茹でたてを最上とするためである。なおお好みで、刻みネギ、おろしワサビ

などを添えると食味がよい。

以上