101.吹雪刑事のプロフィール


吹雪杏子は、国内に潜入した国際テロリストと対決する、謎の女性として登場した。
4代目の女秘密警察官。(男女をあわせると16人目)

交通係から抜擢を重ねて、Gメンになった彼女は、 射撃の名手であるとともに、合気道を得意とする実力派で、 捜査でも高い能力を示して、 女性Gメンの新しい魅力を吹き込んだ。
54話に出演し、うち23話で主役をつとめるという、人気の高さをしめした。

1.出生地と家族

出生地 : 北海道 札幌市 
現住所 : 東京都 大田区 田園調布一丁目 (吹雪邸としてロケされた家は、
            田園調布に2005年12月まで現存していた)
警察官 : 大学卒業と同時に、憧れていた警察官に応募し採用された。
         (当初案は "高校卒" だったが、"大学卒" に変更され、作品でも杏子自身が 「大学を卒業して・・・」 と話す場面もある)
家  族 : 父親も刑事であったが、彼女が大学生のときに殉職している。
        警官一家なのか、妹 陽子も婦警で所轄の交通係をしている。

267話「Gメン対世界最強の香港カラテ」 .

2.「経歴」と「実戦能力」の新しい設定

吹雪刑事には従来にない女刑事として、新しいイメージ・経歴・能力での設定が行なわれている。
経歴の違いは下表の通りで、杏子以前の女刑事は3人とも外事課等の出身で、国際舞台での活躍をしていたという華やかな経歴の持ち主だった。
杏子以降の3人も、津村警部補は杏子と同じくSPだが、他の2人は海外で活躍していた。

Gメン75はバタ臭さを感じさせる設定が多いが、彼女たちの経歴もその一環だったと思う。 そして、杏子が初めて違う設定となっている。
       注)バタ臭さとは → 西洋風な感じ(最近はあまり使用されていないと思う)
   

女刑事7人の経歴
メンバー名 Gメン以前の所属 次の転属先
杏子以前の3人  響圭子 警視庁 外事課(アメリカ担当) インターポール(アメリカ)
 速水涼子 インターポール研修→警視庁 外事課(香港) インターポール(パリ)研修
 津川蛍子 警視庁 国際刑事局 インターポール本部(パリ)
杏子本人  吹雪杏子 交通係 → 警備部 SP隊員 FBI研修
杏子以後の3人  賀川陽子 警視庁 外事課(シンガポール) インターポール(パリ)
 マリコ・寺岡 シンガポール警察 シンガポール警察へ戻る
 津村冴子 警備部 SP隊員    ?


3.経 歴

吹雪刑事には国際舞台の経歴はなく、活躍していたのは国内のみであったが、  256話 死体に呼ばれた女刑事
抜擢が続いたことが窺える。

1)最初は交通係からスタート
2)次は警視庁公安部と並ぶエリート部署、「警備部」に引き抜かれSP隊員に

現場の巡査が抜擢されるには、実績を上げるか、当該組織の上司に認められることが必要である。との事。

交通係としての実績だけでは、SPに抜擢されることはないはずである。
プロフィールでは、「杏子は動体視力と、反射神経に優れている」 とされており、 SPへの抜擢は、 これらの基礎能力と、 合気道が強く、 射撃の腕前も抜群という実戦能力を、 見込まれてのことと思われる。

 注)SPは 「セキュリティポリス」 とは、要人警護をする警察官。          278話 エマニエル殺人事件
   1) 優秀な警察官の中から選抜される
   2) 高い格闘能力  柔道・剣道など 三段以上
           (とすると、吹雪刑事は合気道三段か)
   3) 射撃が上級  25m離れた10cmの的に、20秒以内に4発以上命中
   4) 暗殺者と対決して倒し、時には身を盾にしてVIPを護るという、
     責任感と精神力が必要


1979年の東京サミットでは、「特に指令を受けて、サッチャー首相の護衛に当たった」とあり、世界第1級の重要人物の警護を任される事からも、その能力が高く評価されている。
     (第5回サミットが、現実に1979年6月に東京で開催されている)

このサミット当時の、Gメン75の作品には、
SP隊員の関警部補と、後のGメン村井刑事とが警備の下見を行なって事件に
遭遇する、205話 「新Gメン対ニセ白バイ警官」 がある。


3)黒木警視正にこわれて「Gメン」へ

その翌1980年4月に黒木警視正は、容疑者の警護をGメンだけでは手薄なため、SPに応援を頼んでいるが、その応援が吹雪杏子であった。

杏子は一人で来ているが本来、護衛の派遣に女性一人というのは、よほど信頼されてのことであろう。
来援した彼女はGメンの捜査にも協力し、この事件解決後Gメンに転属し女刑事になった。

(黒木警視正が杏子を最初から指名したのか、それとも警備部側の判断で杏子が選ばれ、黒木警視正が現場で杏子を評価してGメンに引き抜いたのかは不明である)


4.実戦能力の特徴

吹雪杏子にはSP出身という設定が与えられ、 「射撃の名手」 で、 「合気道に熟達」 という強い女刑事として登場した。
Gメン75にそれまでにない実力派であり、新しい女刑事の魅力を発揮した。
吹雪刑事の特徴の一つなので、射撃や格闘能力については別ページにて書きたいと思う。
               格 闘  112 吹雪刑事の格闘について
               射 撃  118 吹雪刑事と、Gメンたちの射撃


5.吹雪杏子 その他の能力

1)走るスピード

吹雪刑事が走る場面は何度もあるが、杏子は走るのが速い。
彼女は走る能力を、それほど表に出したシーンは多くはないが、登場編での躍動感あふれる激走シーンは特に有名だが、274話、294話、297話等々 その他 数多くの作品で、 さりげない場面でも、彼女の速い走りが披露されている。

女の走るスピードは男の90%以下と言われるが、吹雪杏子の走るスピードは若い男に負けない。 男を凌ぐという程ではないので、抜群という訳ではないが、この走る能力は女性としては相当に高い。


2)似顔絵

274話 「東京原宿族 この夏の犯罪」 において、
   吹雪刑事は、目撃者の話から容疑者の「似顔絵」をサラサラと書いて、
   目撃者を驚かせている。
   他のGメンでは、津川警部補も似顔絵を幾度か書いている。


3)復顔術  (右の画像)

282話 「肉体のない女が呼んでいる」 において、
   吹雪刑事は頭蓋骨から顔を復元し、「復顔術」の能力を披露している。
   怪奇作品の本作に相応しく、復元された顔も上手く活用された。


4)ヌンチャク−−脚本のみ

270話 「香港カラテ殺人旅行」 の脚本では、
   吹雪刑事がヌンチャクで、カラテ使い2人をぶちのめすシーンがあったが、中島はるみが
   短期間でヌンチャクを習得するのは無理なので、本編は吹雪杏子が身代金を入れた鞄で、
   カラテ使い2人をぶちのめすシーンに変更された。  (ヌンチャクシーンはぜひ見たかった)


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