ある日、いつものように遮断機くぐり、いつものように駐車。するとどこからともなく管理人さん、ほうきとチリ取り持ってご登場。ま、いつものように「珍しいですね〜」って会話に小花咲くかと思ったら。

「だ〜れが停めていいつった」と閻魔様のご形相。「おお、誰がいいつった?」「何度も使わせてもらってるんすけど」「そんなん知らん。俺は許さん。認めて無い」「二輪はダメって書いて無いじゃん」「いいとも書いとらん」「つ〜か何度も使ってるんだってば〜」「ほ〜? いつだ? 何月何日何時何分?」いきなり気分は小学生。「じゃ、どこ停めりゃいいんだよ? 路上駐車すすめるんか? 違法行為すすめるんか?」「そんなこと言っとらん」「じゃ、なんで停めちゃダメなん?」「倒れるだろ? 二輪だから」サイドカーが自然に倒れるのは想像してなかったぞ。つ〜よりワザとやんなきゃ倒れないって。だんだんハラ立ってきたぞ。と、ここまで黙って聞いていた彼女「倒してみなさいよ。やれるもんならやってみな」ってオヤジ(ここからはこの呼び名で)をねめつける。オヤジ、圧倒されたか微妙に後ずさる。後ずさりながら「今日は俺の顔に免じて停めさせてやる。今日だけだぞ」僕、だんだんだんだんハラ立ってきたけど、大人はむやみやたらに怒らないし、なにより免じていただけるほどの顔ってよく判らんし。だから「では、あなた様の御名刺頂戴したいのですが。しかるべき所にお伺いして、あなた様のおっしゃられている事がどんなに素晴らしい事なのかを聞いてみたいので」つ〜と「お前らなんかにやるような名刺などないわ! 名乗りたくもないわ!」と、踵を返し詰所に戻っていってしまった。
残された僕も彼女も奥深くブルー。買い物モードも急降下。オヤジからの一方的な借りは気色悪いんで、とっとと返そうとヘルメットを被りセルボタンプッシュ。出口で10分経過のチケットと基本料金払い、見てみぬふりのオヤジにふたりしてお兄さん指おっ立て脱出。
その日、駐車場の管理部に電話して「サイドカー差別するんか?」と恫喝。じゃなくて「サイドカーなんですが利用できないのでしょうか? 本日こんなことがありまして」丁寧に聴くと、「サイドカーだって利用できます。今回の事は現場との意思確認がちゃんとなされていなかったためでした。以後徹底します。お約束します」って心強いお言葉。「もしまたこのようなことがあったら、私のところに電話していただければ」って、役職、連絡先など教えていただけたのでした。だもんで、それから心置きなく利用していたのだけれども。

半年くらいブランクがあって。久し振りの繁華街、サイドカーに優しい駐車場。いつものようにブイ〜ンと遮断機に。すると見なれぬ看板、『バイクお断り』。「んぎゃ〜〜〜〜〜」手前で降りて詰所で質問。「ダメです」それならばと、初めて使う伝家の宝刀。「じゃ、ここの部署に電話して」「この部署は廃止になりました」「じゃ、約束は?」「知りません」

さあ〜、ど〜なる?

ど〜にもならねってか?

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