「動物病院で働いています。」と言うと、決まって「獣医さん?」と言われます。
AHT(アニマル・ヘルス・テクニシャン)、AN(アニマル・ナース)、VT(ベタリナリィ・テクニシャン)・・・
呼び名は様々ですが、みんな「動物の看護婦さん」の事です。
動物病院にこの看護婦さんがいるのは一般的になりつつありますが、まだまだ知名度は低いようです。
そんな動物の看護婦さんについて少しお話したいと思います。

これから先は看護婦さんの事はAHTと書かせて頂きますね。

・AHTのお仕事 ・AHTになる方法

AHTのお仕事

AHTは動物病院で何をしているのでしょうか?看護婦って言うくらいですから入院動物の看護はしています。それ以外にも実は色々な仕事をしているのです。動物病院によって仕事内容は様々なので、私の職場での仕事内容をちょっと紹介します。

まず朝 、朝はお掃除から始まります。大体診療開始30分前から、病院内の掃除機とモップがけから始まり、入院犬舎・猫舎の清掃、入院・預かりの犬の散歩、えさやり・・・などなど。これをこなす間に診療が始まり、途中受付をしたり診察の動物の保定に入ったりします。
朝の一通りの仕事が終わると、受付、会計、診療助手(主に保定)、薬作りなどをします。手術がある時は手術の機具を準備します。
午前中の診療が終わると約1時間のお昼休み。
午後は手術がある時は手術の助手(主に麻酔管理、雑用)をします。手術がない時はワクチンのDM作成や、色々な機具のガス滅菌などの雑用をします。犬の薬浴が入れば薬浴もします。何にもない時はひたすら掃除をします。
そして午後の診療をこなし、夕方の入院犬舎・猫舎の清掃とえさやりをし、薬品や処方食の発注をし、看護日誌を書き、ミーティングをして一日が終わります。

ちなみにAHTはトリミング(犬のカット)の技術を持っている事も多いので、病院の仕事以外にトリミングもやっている所も多いです。私も以前はローテーションでトリミングもやっていました。今は週に一回だけですが・・・。
あと最近では犬のしつけ相談などをしている所もあります。私の勤める病院でも先輩が担当しています。私も勉強しないと・・・(^_^;
年々飼主さんが動物病院に求めるものが変わってきているので、それにちゃんと対応していけるようAHTの仕事内容も変化していってきているようです。

AHTになる方法

AHTにはまだ正式な資格はありません。独自の資格を出している所もありますが、国家試験のようなものはないです。ですからこの仕事に就く人は、専門・各種学校を卒業してくる人、トリマー(犬の美容師)から転職する人、一般職から転職する人と様々です。かく言う私は各種学校(私が卒業してから専門学校になった・・・)を卒業して就職しました。

学校を出るのと出ないのと、どちらが良いかは一概には言えませんが、一応学校では基礎的な勉強はしますので、そういう所は勉強しておいた方が良いかなとは思います。実践的な事は動物病院に就職して日々覚えていく事ですからね。それこそ病院によってやり方は様々だし。
あと決して「かわいい動物に囲まれた楽しい仕事」というだけではなく、汚くて危ない事もたくさんあるので、そういう所を学校に行ってる時に理解しておくと就職してから「こんなはずじゃなかった」と嘆かなくてすむかも。もちろん「やってて良かった」という事はたくさんあります。

それよりも学校で、同じ職業に就く友達を作っておくのは大事だと思います。この業界はとても狭いし、普通の動物病院だと
人間関係も狭くなるし。同じ仕事の友達がいると情報交換が出来たり、いろいろ相談も出来るし、心強いです。