当院で使用する薬剤
近年、薬剤等に対するこれまで考えられなかったアレルギー症状の報告があり、小さな鍼灸
院であっても消毒・滅菌等に使用する薬剤があり、人体に対しては例え軽微であっても毒性
はあるものです。
当院では、普段、患者様が目にすることの無い薬剤を予め公開してみたいと思います。
医療機関等の受診経験から、これら薬剤に対してアレルギー症状等のご経験のある方は、
治療開始時に事前にお知らせ頂ければ幸いです。(当院では幸いにも、未だ1例のアレルギ
ー症例もありません。)
@アルコール類(消毒用エタノール):器具・手指・治療部位の消毒
鍼治療の治療野の消毒や大型器具の消毒に用います。
エタノール(C2H6O)濃度は75〜80vol%の高濃度の
物を使用します。(仕入れの都合で製品・製造メーカーの
変更はあります。)
Aグルコン酸クロルヘキシジン溶液(グルコン酸クロルヘキシジン)
                        :治療部位の消毒・器具の消毒
主に鍼治療時の皮膚の消毒や、体液汚染(血液等が器
具等に付着した場合、このように表現します。)が無い
器具の浸漬滅菌液として本液の希釈液10〜100倍を
用います。細菌類の消毒に効果を発揮します。(仕入れ
の都合で製品・製造メーカーの変更はあります。)
Bヨード系薬剤(ポピドンヨード):注意を要する治療部位の消毒
鍼治療の中でもより衛生状態が必要とされる部位の
皮膚消毒に用います。当院では、肩関節や膝関節
等の関節腔内へ鍼が刺入される可能性がある部位
の皮膚消毒に用います。病院で外科手術の際に
皮膚消毒薬として用いる消毒薬です。
Cアルデヒド類(グルタルアルデヒド):治療器具の滅菌
鍼治療で使用する器具の滅菌に使用します。器具の
中でも血液による汚染の可能性が高い器具の滅菌
に使用します。揮発性が高いことや人体への毒性も
強いので、換気の完全な専用消毒室内でのみ使用
します。ウィルスに対する滅菌効果も高い消毒薬です。
D4級アンモニウム:逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム):手指の消毒
エタノールに塩化ベンザルコニウムを溶解した消毒薬
で、手指の消毒に用います。鍼治療を行う鍼灸師の
手指の殺菌消毒に効果を発揮します。
(当院で採用する手指消毒法はラビング法(擦式法:
速乾性手指消毒薬を手指に擦り込む方法)です。)
E塩素系薬剤(次亜塩素酸ナトリウム):主として布製品・器具の滅菌
ベットカバーや治療着などの布製品等が、血液で汚染
された場合の漂白・滅菌消毒に使用します。
F水(精製水)
消毒薬の溶剤として使用します。
水道水で代用しても良いのですが一応・・・
補足:滅菌・消毒という言葉が意味するところ
滅菌(めっきん):滅菌とは病原性の有無に関係なくウィルスを含むあらゆる微生物を完全に
    死滅
させることで,病原微生物を死滅させる消毒とは明確に区別される.

消毒(しょうどく):消毒は病原微生物を身体外で化学的または理学的手段により直接に死滅
    させることであり,非病原性菌の残存は容認している.滅菌は,すべての微生物を殺菌
    または除菌することである.

殺菌(さっきん)
:物理的あるいは化学的操作により,病原性・非病原性をとわず微生物の生
    活能力を破壊し,死滅させること.殺菌剤といえばわが国では細菌だけでなく,すべての
    微生物をさす.殺菌(滅菌)に対し,消毒とは病原性微生物を殺し,その伝染性を失わせ
    ることをいう.

除菌(じょきん):すでに存在が明らかとなっている病原菌またはそれを含む汚染物を感染力が
    ない程度に除去消毒すること。
当院では、使用する器具の全ては滅菌。
手指は消毒処理をして施術に当たっております。