答えは、静岡県が世界に誇りうる特産品。温室メロンです。
温室メロンのルーツはイギリス。はるばる旅をして静岡県で開花しました。その品種は伯爵アール家の管理人さんが開発したもので、その名は‘アールスフェボリット’(アールさんのお気に入り)ですが、イギリスでは途絶えてしまいました。静岡県では、冷暖房を完備したガラス温室を使って、1株に1個づつ、手作りで丁寧に仕上げます。しばしご覧下さい。 |
効率的に太陽を入れるためのスリークォーター(3/4)と呼ばれるガラス温室。南側の屋根が大きい。 |
さあ、栽培です。まずは接ぎ木。強い根を持った台木品種に、甘い実をつける穂木品種を接ぎ木します。 |
土の病気を防ぐため、隔離ベッドと呼ばれる栽培床に消毒した土を入れ、地面から離して栽培します。 |
雄花です。この花の花粉(真ん中)を、下左写真の雌花に交配します。綺麗な花ですね。虫が一匹。 |
花の下に子房を持つのが雌花です。この子房が肥大してメロンの果実になります。 |
主枝(写真右側)に雄花が咲き、水平に伸びた側枝の先に雌花が咲きます。 |
交配後、果実は肥大を始めます。1株で3個交配し、最も形の良い果実1個を残します。 |
太陽をいっぱい浴びてグングン肥大します。特殊な栽培技術で表皮の色は緑から白っぽい色に変化します。 |
グングン大きくなると、表皮に亀裂が入ります。ちょっと痛そうですね。
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この時期、果実は痛みを堪えて涙を流します。乾いて褐色の斑点になったメロンの涙が見えますか?。 |
その涙のあと、傷口を覆う美しい模様が現れます。芸術的な模様ですね。開花から50日間のドラマです。 |
肥大が早すぎると荒い模様になり、遅すぎると綺麗な模様が出ません。とても難しい技術です。 |
播種から約100日、開花から50日で収穫です。外観の美しいメロンは食味も優れています。どうぞ召し上がって下さい。え?、皿がない?。大事なものを忘れてしまいました。 |