キハ58系急行型気動車は、非電化路線の優等列車用として先に登場していたキハ55系を更に発展させ、全国の優等列車網を広げるために登場した車両です。2機関搭載のキハ58型と1機関搭載のキハ28型が主力で、他に中間グリーン車のキロ28型など、さまざまなバリエーションがあります。また、JR化後は各地の非電化ローカル線用として「ご当地カラー」に塗られ、カラーバリエーションも多岐にわたりました。このように各地で活躍していましたが、老朽化のため、最近は急激に数を減らし、2011年3月11日にJR西日本の高山線を最後に原型車が引退した。また、急行やジョイフルトレイン等も数多くありましたが、急行は2007年6月をもって廃止となり、ジョイフルトレインもJR東に「Kenji」が残るのみとなる。

キハ28-2346はいすみ鉄道にて動態保存されることになった。

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晩年まで残ったキハ58系
キハ58 139 九州色→あそ1962色 熊クマ
144 九州色→国鉄急行色 本カコ
293 四国色→国鉄急行色(ヒゲ付) 四マツ
414 東北地域本社色→修学旅行色 仙ココ
477 高岡色→国鉄急行色 金タオ→金トヤ(消滅)→金ホク
563 みよし色→国鉄急行色 岡オカ
569 TORO-Q色→国鉄急行色 分オイ
596 能登路色→国鉄急行色 金サワ→金タオ(書類上)→金エチ貸出
716 九州色 本チク
792 高岡色 金タオ→金トヤ
1022 新潟色→国鉄急行色 新ニツ
1047 国鉄急行色 米トリ→金エチ貸出
1114 高岡色 金タオ→金エチ貸出→金トヤ(消滅)→金ホク
1132 九州色→国鉄急行色 本カコ
1504 赤鬼色→国鉄急行色 盛モリ
キハ28 1528 赤鬼色→国鉄急行色 盛モリ
2119 能登路色→国鉄急行色 金サワ→金タオ(書類上)→金エチ貸出
2158 高岡色 金タオ→金トヤ
2174 東北地域本社色→修学旅行色 仙ココ
2329 みよし色→国鉄急行色 岡オカ
2346 高岡色→国鉄急行色 金タオ→金トヤ(消滅)→金ホク→いすみ鉄道(現役)
2360 高岡色→国鉄急行色 金タオ→金エチ貸出→金トヤ(消滅)→金ホク
2371 新潟色→国鉄急行色 新ニツ
2401 九州色→あそ1962色 熊クマ
2444 九州色 本チク
2466 国鉄急行色 米トリ→金エチ貸出
キロ29 554 アストル 金サワ



JR西日本 北陸地域鉄道部所属車(富山車) 所属表記:金ホク
かつて高山線の普通列車に使用するためにキハ58系や改造車のキハ53-1000が在籍していた。90年代にキハ120系の投入完了でキハ58系は他所に転属したが、2006年から増発実験が始まり、運用が増えて車両が足らなくなったため、高岡鉄道部からキハ58系4両を借り入れた。越美北線復旧で別の高岡色2連が転属してきて、2両が玉突き廃車となった。現在の4両のうち2両は2008年に国鉄色に塗り替えられた。
快速能登ふるさと博号
2008年7・8月に金沢〜七尾・穴水間で運転された。
キハ58系(国鉄色編成)
従来の国鉄色リバイバル車と違い、側面にJRマークが入れられた。
大糸線代走 大糸線代走
キハ58系(高岡色)
高岡色のキハ58系は氷見線・城端線で使用されてきたが、加古川からキハ40系がやってくると、キハ58系は6両が残り、その後高山線に4両と越美北線に2両異動した。越美北線の車両も高山線に異動し、玉突きで別の2両を廃車。最終的には4両となり、うち高岡色は2両。
キハ58系 後期車
パノラミックウィンドーの後期型のキハ58型。高岡で活躍していたが、越美北線が災害で分断されると車両不足となり、福井側に配置された。その後、国鉄色の鳥取車が運用に復帰し、この高岡車は高山線に異動となった。前述の通り、玉突きでキハ58-792+キハ28-2158を置き換えた。
JR西日本 金沢総合車両所および越前大野鉄道部(現廃止)所属車 所属表記:金サワ・金エチ
金沢総合車両所のキハ58系は急行「能登路」と七尾線用として国鉄時代から配置されていた。七尾線の電化や急行能登路廃止でほとんどの車両は山陰線、播但線、氷見線などへ移動したが、2連1本のみが金沢に残り、国鉄色化され、リバイバル急行能登路などのイベント列車で活躍した。
一方、越前大野鉄道部ではキハ120系5両が使用されていたが、2004年の水害で越美北線が分断。車両不足となり、急きょ廃車予定のキハ58系鳥取車と高岡車が借り入れられ、越美北線福井側に配置された。
国鉄色を纏った金沢車と鳥取車改め大野車は最後の原型コンビとされ、敦賀港花火大会やおわら臨、餘部関連の臨時列車等で4連で運転、最後の活躍を見せた。その後、越美北線の復旧直前に高岡車に代わって金沢車が越美北線の運用に入り、復旧を記念する臨時列車「おくえつ号」での運転を終えた。その後は松任工場に数年放置され、解体されている。
一方で大野に借り入れられた高岡色の2両は高岡に返却せず富山鉄道部に転属となった。この玉突きで富山鉄道部では車検の短い2両が廃車された。
金沢車+大野車
金沢車は比較的遅くまで急行に使用されていたため、アコモ改善が行われている。
大野車(左)、金沢車(右)
大野車(旧鳥取車)は廃車予定車であったが、越美北線のピンチヒッターとして復活を遂げた。583系旧秋田車と境遇が似ている。
急行リバイバル能登路
急行さよなら能登路 金沢車
リバイバル〜は金沢から珠洲、さよなら〜は蛸島までの運転
急行リバイバル白馬
急行トレッキング白馬 金沢車
リバイバル白馬は大糸線内でキハ52-156(首都圏色)を増結
おわら風の盆臨時快速
大野車+金沢車
シルエットになっていて申し訳ありません。富山〜越中八尾間の運転。
臨時列車おくえつ号 金沢車
2007年6月30日の越美北線全線復旧を記念して運転された列車
金沢車 急行能登路色
かつて見られた、急行能登路の専用塗装。急行能登路廃止後は山陰などに散らばったが、消滅。金沢に残っていた最後の1編成もリバイバル能登路運転のため、国鉄色に塗り戻されて消滅。(禁転載)
キロ29-554
金沢支社のジョイフルトレイン「ゴールデンエクスプレス・アストル」の中間車。キロ28からの改造車。すでに廃車・解体された。
JR西日本 高岡鉄道部所属車(高岡車) 所属表記:金タオ
高岡鉄道部では90年代中〜後盤まで旧型のキハ45やキハ52、キハ30などが配置されていた。播但線電化で初のキハ40系がやってくるものの、その後も七尾線や高山線、小浜線からキハ58系が転属し続け、キハ58系の最後の聖地となった。
転機が訪れるのは加古川線が電化された2004年冬、加古川鉄道部から大量のキハ40・47系が転属し、キハ58が大量廃車。越前大野鉄道部に貸し出していた車両を含めて6両だけが残った。高岡に配置されていた4両と大野貸出の2両は2006年に富山鉄道部に転属し、高岡鉄道部からキハ58の姿は消えた。
キハ28型 後期車
パノラミックウィンドーを採用する後期型のキハ28型。車齢は比較的浅いものの検切れが近かったのか、加古川からのキハ40に追い出されてあっけなく廃車。
ちなみに、高岡色のキハ58・28は、近郊型化改造が行われている。
キハ58系(国鉄色)
金沢に在籍していた国鉄色車は晩年、高岡鉄道部の所属に変更されていた。しかし複雑な転配のため、ファンからはそのまま、金沢車と呼ばれていた。
キハ53型1000番台
キハ58を単行運転できるように、国鉄清算事業団のキハ58から運転台を移植し、増設した車両。1001〜1003の3両が高山線で運行していたがキハ120化で高岡に異動。加古川からのキハ40転入で廃車となった。冷房用電源を搭載していないため、単行時は冷房が使えなかった。
臨時列車チューリップ号
城端線沿線の砺波で毎年5月に開催される、砺波チューリップフェアに合わせて運転される臨時列車。現在はキハ40が使用されているが、以前はキハ58が専用車となっていた。そのため、車内にはチューリップの写真や、造花が飾られていた。
その他のキハ58系グループ
JR西日本 岡山車
富山車とともに最後まで活躍した。「みまさかスローライフ列車」で使用された。
JR四国 キハ58ヒゲ付
引退を前に、国鉄色塗装にヒゲ付のスタイルを復刻した車両。四国(貸出除く)だけで見られた塗装。多度津工場で保管。
急行しらゆき 新津車
2007年にツアー列車の「急行しらゆき」が直江津〜酒田間で運転された。
急行しらゆき 盛岡車
パノラミックウィンドーだが既に廃車。
実際の急行しらゆき号は金沢〜青森間を走る急行列車で、架線下DCの異名を持っていた
キハ56系
キハ56型を北海道の快速ミッドナイト用に改造した車両。キハ27-551・552は岐阜県の福地温泉で保存されている。
ふれあいSUN-IN
米子支社のジョイフルトレイン。両端のキロ59は解体され、中間のキロ29-503のみが残っていたが、こちらも廃車となった。
JR四国 キハ58・28
2008年で全車引退となった。
JR九州 キハ58・28
九州のキハ58-716、キハ28-2444はJR九州色で最後まで残った編成。
JR九州 TORO-Q
由布院へのアクセス用にパーク&ライド用列車として登場、2009年11月運行終了。その後、国鉄急行色に復元されたが、引退。
JR九州 あそ1962
老朽化したSLあそBOYに代わって運行開始。しかしこちらも老朽化で代替部品が手に入らなくなったため、キハ183系「あそぼーい!」に後を託し引退した。

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ほくりく光速鉄道