のと鉄道は不採算路線であった国鉄能登線(穴水〜蛸島)の存続を目的として設立されました。現在の運行区間は七尾〜穴水間で、奥能登への入口ともいえる路線となっています。神岡除く北陸では初の第三セクター鉄道です。
のと鉄道移管後の能登線(穴水〜蛸島)ではJRから直通の急行を引き続き運転したり、パノラマカーを使った有料急行を運転したりして努力していましたが、どちらの列車も利用率低下により廃止となってしまいました。

一方、JRが七尾線を和倉温泉まで電化すると、JRは非電化で残る和倉温泉〜輪島間の運行ものと鉄道に移管しました。これによりのと鉄道は穴水を軸として3方向に伸びる路線を形成し、非電化私鉄として一大路線網を築きました。

ところが輪島へのアクセスに関しては道路整備による特急バスの台頭により、金沢からの所要時間でバスに敵わなくなったため、七尾線の穴水〜輪島間は2001年に廃線となりました。

これ以降は七尾〜穴水間の七尾線と能登線の2路線を運行していましたが、過疎化による能登線の乗客減は歯止めが掛からず、2006年に能登線も全線廃止となりました。2005年にはNT100形の老朽化による代替車としてNT200形が導入され、イメージを一新し七尾〜穴水間のみを運行する鉄道会社となりました。

この路線の見所として、能登鹿島駅が桜の名所として広く認知されています。

2011年には金沢の湯湧温泉がアニメ「花咲くいろは」の舞台となり、主人公たちの通学列車のモデルとしてのと鉄道の列車と駅が登場しました。

七尾線の駅数は8です。穴水までの開通は昭和7年8月27日、輪島(現廃止)までの全線開通は昭和10年7月30日です。


急行能登路 急行のと恋路号



NT200
2005年から導入されている気動車です。新潟トランシス製で、新型NDCとしては会津鉄道車に続くものです。前面の車体下部がゲンコツ型になっているのがこの車両の特徴です。初期車はバリアフリーを考慮し2+1のクロスシートで登場しましたが、座席数が少ないという苦情があったため、増備車では2+2のクロスシートに改められました。従来車は暖色系の車体・シートでしたが、NT200はイメージ一新のため、すべて寒色系となっています。
NT200 (いろはラッピング車)
アニメ「花咲くいろは」で、のと鉄道が主人公たちの通学列車として登場したため、アニメとのタイアップでラッピング列車が登場しました。車体には、主人公の緒花をはじめとする喜翠荘の仲居たちが描かれています。
なお、舞台となった西岸駅では、駅名標が作中の「湯乃鷺」に取り替えられました。
NT200 (永井豪ラッピング車)
輪島市出身の漫画家、永井豪氏のキャラクターを模したラッピング車です。マジンガーZやキューティーハニーなどの絵柄が車体に描かれています。
背景色は車体中央を境に外浦側が青、内浦側が赤となっています。
NT100
のと鉄道開業時(1988年)から活躍していた軽快気動車です。当時流行した?富士重工のLE-DCを採用しています。バス部品を多用する事で(富士重工はバス車体の製造も行っていた)製造コストを下げる基本コンセプトの下に製造されました。それゆえに老朽化も早く、路線短縮のタイミングでまとまった数が廃車となりました。能登線廃止時にNT200型に更新され、用途のなくなった20両はミャンマー国鉄に譲渡されました。
NT100(NOTo-EXPRESS)
能登線廃止に反対する市民団体の手によって登場した特別塗装車で、NOTo-EXPRESS(ノットエクスプレス)の愛称がつけられています。
市民の思いもむなしく能登線は廃止となり、皮肉にもこの車両もミャンマーへ送られた。もちろんのことながら塗装は変更されている。
NT100(やすらぎ)
のと鉄道は長距離路線のため、団体用のお座敷車を3両保有していました。そのうちの1両がこのNT127「やすらぎ」で、能登線廃止まで活躍した最後の車両です。車体側面には沿線の写真がラッピングされています。
現在は穴水駅で保存されています。
NT800
のと鉄道ではJRから直通の急行、能登路号を運転していましたが、それを補完するため、自社でも急行「のと恋路号」を運行しました。その専用気動車がNT800型。大きな前面窓や側面窓のパノラマ型ロマンスカーですが、走行系はNT100形と同一のため、検査時や多客時はNT100形で運転されました。
転換クロスシートや自販機、テーブル、ソファーを備えるなど豪華な車両でしたが、利用客減により急行は廃止となり、車両も廃車となりました。しばらく能登中島に置かれていましたが、現在は穴水駅で静態保存されています。
キハ58(JR西日本)
のと鉄道はJR能登線・七尾線(旧国鉄)を転換した路線です。旧国鉄時代から急行「能登路」が運転されており、その使用車両がキハ58・55系でした。現在ではJRでも貴重になり、絶滅危惧種?となっています。
能登線廃止前の2004年8月に「リバイバル能登路号」、2005年3月に「さよなら能登路号」、能登線廃線後の2008年8月には七尾線穴水まで「能登ふるさと博号」が運転され、それぞれ人気を博しました。

画像クリックでキハ58系のページへジャンプします。

ほくりく光速鉄道