「日の丸・君が代」強制反対 ホットラインとは? 卒業式や入学式などにおける「日の丸・君が代」の実施にともなって、思想・良心の自由が侵害されるケースが増えています。具体的には、「君が代」のピアノ伴奏が教員に職務命令で強制される、「君が代」斉唱時に起立しなかった子どもたちを校長・教頭や来賓の議員が怒鳴りつける、といった例が報告されています。「国旗・国歌法」制定時の政府見解(決して強制するものではない)はどこに行ったのでしょうか? このホットラインは、「日の丸・君が代」の強制によって予想される人権侵害をそのままにはしておけない、という思いから2000年にスタートしました。これまでに、電話やファックスによる訴えが教職員や保護者、市民から寄せられ、弁護士を交えた相談も行いながら、重大な問題については教育委員会への申し入れ、校長との話しあいなどにとりくんできました。ホットラインは大阪だけでなく、東京、広島、北九州など全国各地で行われています。 【呼びかけ人】 池田直樹(弁護士・大阪アドボカシー法律事務所)、井上二郎(弁護士)、、空野佳弘(弁護士)、武村二三夫(弁護士)、菱木政晴(真宗大谷派反靖国全国連絡会事務局長)、松浦悟郎(カトリック司教) 保護者のみなさんへ イラクへの自衛隊派遣に対する批判の声が日増しに高まっています。政府は、できるだけ早く、「戦争」に対する国民の意識を変えたいと考えています。その第一歩が、教育への「愛国心」の強制です。学校への「日の丸・君が代」の押し付けは、まず子どもたちに「国家」というものが重要で愛すべきものだと教え込みます。文部科学省が小中学生全員に配布を強制した「心のノート」もまた、「国を愛する心」を持つように子どもたちを導いています。「命よりも大切なものがある・・」と。 卒業式や入学式で「国歌斉唱 一同起立!」という司会の強制があっても、自らの思想や良心にしたがって「起立しない・歌わない」選択をするのは、憲法によって保障された基本的な人権です。保護者のみなさんにとっても、子どもたちにとっても。しかし、教育委員会は人権を無視して強制する姿勢を年々強めています。 保護者のみなさん。子どもたちと話してみてください。学校とも話してみてください。 生徒のみなさんへ みなさんの良心の自由は、憲法と子どもの権利条約で守られています みなさんの参加する卒業式・入学式では、壇上に「日の丸」がかかげられ、「君が代」斉唱が行われようとしています。 でも、もし、あなたがいやだと思うなら、歌わなければならない義務はありません。 無理矢理立たせたり、歌わせたりすることは誰にもできないのです。 あなたの心の中のことは、あなた自身が決めることで、卒業式・入学式は、みなさんのためにあります。 何をして、何をしないか、自分たちで決めることができるのです。 卒業式・入学式に「日の丸」「君が代」が必要かどうか、これらは、皆さんに関わる大切な問題です。 どうしたいか、自分たちの権利として学校に意見を言うことができます。 むしろ学校は、皆さんの意見を聞く機会を作らなければならないし、そこで出された意見を十分大切にしなければならないのです。 これは、子どもの権利条約第12条に決められた、みなさんの大切な権利です。 教職員のみなさんへ あなたの職場では、卒業式・入学式において、職務命令で「君が代」のピアノ伴奏が強制されたり、「君が代」斉唱時に起立が強制されたりしていませんか?子どもたちが、自らの意志とは関係なく、「日の丸」への敬礼や「君が代」斉唱を無理強いされていませんか? 「日の丸・君が代」の強制は歯止めなく進行し、行きつくところまで進んでいこうとしています。あたかも「日の丸・君が代」の前では、憲法で保障された思想・良心の自由など意味を持たないかのようです。教育委員会や校長は、「日の丸・君が代」に反対する教職員には、処分の脅しを用いて、「モノ言わぬ」教職員にしてしまおうとしています。人事評価システムもこれを支えています。 しかし、考えてみてください。公務員である教職員には、憲法遵守の義務があるはずです。学校の中で憲法が踏みにじられようとしているのを見過ごすことはできないはずです。人権侵害から子どもたちを守る必要があるのです。あきらめて声を上げなくなったとき、「日の丸・君が代」の狙いが達成されたことになるでしょう。強制反対を言い続け、可能なとりくみを続けていきましょう。それでも、校長や教育委員会による思想・良心の自由への侵害が行われたとき、ぜひホットラインに相談してください。ともに考え、行動していきたいと思います。 |