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■第29回 「チーフテン Mk.11 & サラディン Mk.2」(TAKOM & ドラゴン)
また英国ものか…で、もうすぐ大台に乗りますね…
今回はドラゴンの現用・大戦後系ブランドのブラックラベルのものですが、
パーツ数は箱書きによると280個、…という事で、
本来ならスパッと組んでスパッと塗るのが良いのですが、
(個人的に)手ごたえが無さすぎる気もするので、塗装は他のイギリス車両と
同時にやってしまった方が効率も上がるかと(汗。

実車は2次大戦後の整備計画で作られた装甲車で、
同一シャーシで兵員輸送車型になったサラセン(ガルパン劇場版のエピローグ時に、
ボコミュージアム前に止まっていた白い装甲車)と違って、
大砲付きの砲塔を載せたタイプなのですが…。

サラディンは大戦終了後間もない1946(要求仕様提示)
~47年(開発スタート)の車両になりますが、
冷戦の開始を受けてなのか、主武装の40mm砲から76mm砲への変更要求が有り、
これによりMk.1試作車の完成は1953年、量産型(Mk.2)の生産開始は1958年になってから、
…という経緯を持っています(それでも生産数は1,000台以上あるとか)。

イギリスではこのサラディンの退役後、装輪車両には大砲を積まず、
機銃メインの(ジャッカルとかコヨーテ)オープントップ系の車両が主力になり、
このスタイルの装甲車は結局これだけなんですよね…。
(スコーピオン等歩兵戦闘車両は全て装軌式)

2017年現在では開発時に物別れに終わった?ボクサー装甲車
(ドイツ・オランダの共同開発、イギリスは途中で脱退)がラインメタル社から
再度英国にセールス活動をしているとかの話も有りますが、
何れにせよ英国設計の密閉型装甲車としてはこれが最後…になってしまうのかなと(汗。
ここからいよいよ本命?のチーフテンです。
説明に付いては今更ですが、
Mk.10の仕様に、今度は
TOGS(Thermal Observation and Gunnery System)と呼ばれる
赤外線照準システムを搭載したタイプがMk.11とされています。

…で、Mk.10までの赤外線サーチライトがアクティブ方式
(赤外線を照射して対象を捕捉する方式)であるのに対し、
Mk.11以降でのTOGSはパッシブ方式(対象物の赤外線、要するに熱反応を検知して照準)
となっており、これもまた被発見率の低下とか防御面の向上に寄与しているかと。

更新時期についてはあまりハッキリとしていないのですが、
1983年にチャレンジャー1が配備され始める事から推測するに、
80年代半ばからBAORの所属車両を優先する形で更新されていき、
最終的にイギリス本土のRTRで1995年まで使用されていたそうなので、
この間に何度かに分ける形で改修されていったと考えるのが妥当かと。

キットに付いてはMk.10迄の赤外線ライトのランナーが消えて、
TOGS関連のランナーが追加された形になっていますね、
バスケット部の変更が有る為、砲塔左側面のパーツも違っていたりしますがっ。
やっと終わった…英国面シリーズの中でも一番の難所だったのは前回のMk.10だった様な気がするのですが、
今回は異仕様を纏めて完成させるという変な事をしてしまったせいからなのか、
はたまた時間が取れずにやきもきしていたからなのか、振り返ると色々とアレでしたね…(苦笑。

さて、この後は撮影編なのですが、
作る方に時間を取られ過ぎで更新はサッパリですね…年末年始の内に何とかせねば…(脂汗。
一応断わっておきますが、
この警戒プレートはカラーガイドには存在しておらず、
過去作(Mk.5)の余剰デカールから分捕ってきたものですので、
実車の仕様とかと合致させたいなら不要な部分です(汗。

とは言え、模型的には後面のアイキャッチになる部分ですし、
パーツが有るならやってしまえ、というアレです(ぇ。
ラストはエナメル塗料によるウォッシングになりますが、
今回もいつも通り、足回りにバフ、上面にフラットアースです。

バフは砂汚れの色でもある為、下から上に向かって、
若干跳ねた様な感じで最後に更に描き入れをしていますが、…
…見えませんね、毎回やっているのですがっ。


2枚目は恒例のミラー部ですが、
今回もアルミテープを貼ってそれっぽく仕上げて終了です。

…しかしまあ、今回は特段挑戦的な内容は入っていないというのに(!、
時間が取れずにズルズル完成が延びてしまいましたね…
…長かったなと(色んな意味で)。
細部の塗装に入っておりますが、
今回は消火器ですね、実物は光沢ありのグリーンですが、
いつもの差し色ないしアクセントとして赤です。

余談ですがイラク戦争時のチャレンジャー2が、
赤い消火器を装備していたみたいで(!、
この辺も時代の変遷と共に変わってきているんだろうなと(ぉ。
車体部の大まかな塗装が出来てきましたので、
順次砲塔部の塗り分け作業をしていきますが、
まずは主砲基部のカバーですね、
オキサイドレッドからカーキ系の立ち上げです。
完了直後の画像を流していきます。

まずは同時塗装分のサラディンMk.2からですね、
以前にも書いた気がしますが、大戦終結直後の設計になるためか、
ぱっと見は大戦期のダイムラー装甲車が6輪になっただけ、
…って気もしますが、主武装が機銃から大砲に替わった分、
強そうな雰囲気は有るかも、とか。


繰返しになりますが、同車両は1947年より開発がスタートしたものの、
主武装が40mm砲から76mm砲に変更
(恐らく対峙するソ連車両の重装甲化に対応するため、
40mmでは威力不足だと断定されたからではと)されており、
試作車(Mk.1)の完成は1953年、Mk.2の生産は1958年からだそうで、
戦後車両でありながら、どことなく垢抜けない雰囲気が有るのは、

…英国面ってだけではなさそうですね…(ぇ。
細部塗装は最終段階という事で、
ペリスコープ部及び各種ライト部にクリアーを塗っています。

キューポラ上のサーチライトは普通のシルバー~クリアの場合と、
ブラックベースの2種類ある訳ですが、今回も黒(スモーク)です。

これ、影絵みたいなステンシルを使って、
戦術サインを送ったりする事も有るそうで、
…詳細をご存知の方が居らっしゃれば、ご教示いただきたい所ですね…(汗。
黒の下地が出来た所で錆描きとかの作業に入っていますが、
…今回もいつも通りですね、本体の過去記事とかご参照かなと。

当方もまだまだだなと思うのは砲塔前面とかの雨垂れと錆になるのですが、
平板なら重力方向に描くだけなのに対し、
曲面だと放射状に広がったり、最短ルートっぽい感じで跡が付く、
…ってのが中々難しいものだなと(汗。
塗装編に入りますが、
ほぼ毎回通りなのでさらっと説明していきます(ぇ。


まずは塗装下地となるプラサフ(1枚目)、
次いで黒(2枚目)、RLM70(3枚目)です。


プラサフは金属パーツへの塗装定着用、
黒は下地の中でも成型色消し目的ですね、
RLM70はグリーンのシャドウ色として使っています。
バスケット部の補強状態ですが、
今回は更に雑具箱も付くので、簡単に軸打ちしたのみです。
アップ画像ですが、砲塔左側のTOGS上部の突起に付き、
三角の吊り上げ用のアイホールドっぽい感じがしたものの、
穴を開けるのが厳しかったので、
ジャンクパーツでデッチ上げています。
(重量部品の吊り上げ用に使うヒートンみたいなのに交換)
大体のパーツが揃った所です。

2枚目のアップ画像で分かるかもですが…
パトランプのクリアパーツを飛ばしてしまい、
ランナーパーツの削り出しで自作したところですね…。
(向かって右側がキットパーツ、左側のが自作パーツ)


…、これ、怪我の功名ですが、
古いキット等でやはりクリアパーツが欲しい時、
こうやって自作すれば、という前例になりましたね…
…出来るものだなと(苦笑。
砲塔部の工作に入ります。

まずは基本構造部分が組み上がった所ですね。

Mk.10の時と違うのは、左側面のサーチライトがTOGSに替わった事で、
キット的にも側面パーツが少し変わっている所かと…。
車体部の工作が完了です。
詰まる所、前回のMk.10と全く同じなのでアレですが…(汗。

さて、画像は前側の工作完了状態ですね…。

それにしても、ここ最近同じ工作をしてきたというのに、
思った程サクっと組めていませんね…(汗。
前回と全く同じスタイルなので書く事は殆どありませんが(!、
車体部上面の裏側にも補強工作を行い(1枚目)、
その後に上下の接着となります(2枚目)。

…で、工作はリアパネル側からやっていく形になりますが、
ここからが(パーツ数も多いので)大変なんですよね…。
…端折り気味ですが、工作は完了です(ぉ。

流石英国面、そこにシビれるあこg(殴
…と言う程ではありませんが、
パーツ数が少ないとこんなに早いんだなと(苦笑。

さて、画像1枚目と2枚目は砲塔部のディティール追加ですが、
キットパーツ上では側面のフック類、
モールド差替えのフックがスモークディスチャージャー部に有りますね、
他にはライト部とかの配線コードをそれっぽくデッチ上げてみたり、
(先の書き忘れですが)ハッチの取っ手とかを追加しています。
車体基本部が出来たので今度はフェンダーを取り付けていますが、
右側の後面に集合マフラー?っぽいパーツとその支持架が有るので、
組み順に注意かなと(汗。


2枚目はエンジンデッキ周辺ですが、
既にデッチアップ後ですね、
点検ハッチの取っ手類とかがそれですが、
フェンダー上のやつはキットでは棒状のモールドだったので、
いつもの如く?削り落として真鍮棒に置き換えています。
…や、パーツを見まわしてみると、他にもそういう場所が…(汗。
サス周りが付いた状態です。

サス周りに追加された?縦型のダンパーが各軸に3~4個付いているので、
まあこれが重量増加、武装の大型化に伴った改修なのかなと。

2枚目では早速ホイールが付いていますが、
組み上がり時の剛性がイマイチなので、シャフト部を真鍮棒に置き換えるなり、
ブラインド側に軸打ちをした方が良いのではと(汗。
…や、この後タイヤを付けたらグラグラでしたし、最初からやっておけばと(苦笑。
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ディティール部がハッキリしてきましたが、
右側面の雑具箱は浮かせ気味に取りつく為、ダボ位置が分かりづらいのですが、
画像の様に先に接合部のパーツを付けてしまい、
その後更に軸打ちをして、接合強度を上げています(過剰気味ですが…)。

4種目を迎えているので今更書く事が無いのですが、
パッド部の先付けをしておいたコマを片側100枚で作業しています。

(取説では97枚、本体更新時にも書いていますが、
キットによってはキャタピラ袋にポリキャップが入っていて、
材質の関係からパーツが溶けてしまうので、
持っている人は隔離しておいた方が無難


2枚目は念の為の補強工作ですね、
これまた以前と同じなので説明は略かなと(ぇ
工作完了後の画像のオマケ編です。

2枚目に比較用の大戦ドイツ兵を並べてみたのですが、
勿論そこらの乗用車よりは大きいのですが、
やはり小さい感じがするかも…。

イギリスではこのサラディンの退役後、
装輪式の車両に大砲とか回転砲塔を載せたAFVは開発されておらず、
スコーピオンやシミター、ウォーリア等の装軌式車両か、
以前にも書いたジャッカルとかコヨーテの様なオープントップの
偵察車両がメインになっていますので…ある意味では廃れた兵種なのかなと(汗。

大戦時の装甲車にダイムラーの4輪装甲車が有りますが、
路外性能を向上させた6輪タイプ、という進化形にも見えますし、
過渡期的な外観を持つ車両ではないかなと。
砲塔部の基本形が出来た所ですが、
この後フック類を追加したりするので…
作業はもう少しかかるかなと(滝汗。
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パッケ画像風に煽り構図を撮ろうとしたものの、
…上手く行きませんね…平面からの構図だからかな…(汗。


2枚目は後面の画像ですが、
先のNATO/BAOR仕様のそれとハード上の違いは無く、
警戒プレートの有無だけなので…意味は有るのかなと(汗。
3度登場のBATUS車両です。

キットのカラーガイドにはBATUSスキームの車両が幾つか出ており、
この中で1991年時の所属不明車両(Unknown Unit)のマーキングにしています。

丁度これでチーフテンも10作目ですし、
キットのパッケ画像もこれでしたので
、こうなったという罠。


んで、塗装時にも書いておりますが、
今回の迷彩パターンはいつもの帯状から少し変化を付けて、
やや蛇行気味の描き方をしています。

カラーガイドでの黄色の面積がかなり広かった気がするので、
こういう形で面積を稼いだ格好になりましたが、
…格好良く見えていればいいなと(汗。


右側からのアングルを見ると、
TOGSが隠れてしまう為、
前作のMk.10と殆ど区別が付きませんね…。
NATOカラーのMk.11です。

確証はないのですが、工場出荷時のチーフテンはグリーン単色とも言われていて、
配備先の部隊でそれぞれ迷彩が施されるとか。


でもってこのNATO仕様としているカラーリングは、
西ドイツおよび西ベルリンに駐屯する
BAOR(British Army Of the Rhine=イギリス・ライン軍団)の
一般的カラーという事らしく、NATOという括りとほぼ合致しますので、
取りあえずこういう表現にしています。


…まあしかし、標準カラーとは言え、毎回やってきましたからね…。
今回で一区切り(?、…なので感慨深いですね…(ぇ


過去投稿でも書いた気がしますが、
後面の警戒プレートはイギリス軍のスタンダード仕様ではなく、
駐屯先の道路交通法(西ドイツ)に準拠させるための物である為、
本国のRTR(Royal Tank Regiments)や、
カナダのBATUS(British Army Trainnig Unit Suffield)の所属車両には取り付かず、
しかもヤッツケ仕様というか、
プレートが1種のみで「ハ」の字型に出来ない(!、
…という(ぢつに英国らしい?)エコノミックなバージョン,
…になっているのが特徴かと(苦笑。


あ、そういえば書くの忘れてましたが、
今回の工作で砲塔上部にレーザー測距儀の配線を追加しているのですが、
…見えませんね…因みにMk.10の時にはやっていない部分です。
(一応ですがデッチアップです)
一応ですが、今回のサラディンは後面のフック類を、
かなり差し替えたり追加したりしているので、
実車の雰囲気とはかなり違うかもしれません…(苦笑。
同時進行ならではの現象ですが(!、
サーマルジャケットと並行してサラディンの装備品を塗っています。

…木部は久しぶりですね、イギリスのMBTは戦後は特に装備品が少ない様で、
反面、それ以外の車両では、
普通にシャベルとかツルハシが装備されている訳ですね…。

塗装順は過去作とかと同じで、タン及びセールカラー、
エッジ部にクリアオレンジ、再度タンで調整しています。
基部のカバーが出来たので、
砲身部のサーマルジャケットを塗っていきますが、
これまた前回と同じく、ダークイエローをベースに黄土色、
ハイライトにセールカラーで仕上げています。
錆描きとかが出来たので今度はゴム部のグレーですが、
今回は装甲車(サラディン)のタイヤがある分、
ビフォーアフターが分かり易いかなと(ぉ。

フェンダー前側のフラップ部もいつも通りですが、
…この辺は過去記事とかで何回も書いてますね…(苦笑。
エアブラシによる基本塗装が済んだ所で塗り分け作業に入ります。

まずはキャタピラやゴム部等に基本色となるジャーマングレイを塗った所ですね、
前回よりは作業量が少なめですが…。



2枚目は前回にもやっているデカール貼り前のやつですが、
BATUS仕様とNATO仕様の車体後方の警戒マークのみ、
直接貼らずにプラペーパーに貼ってからの取付になります。
演習時のゼッケンっぽいですし、
何より凸凹で上手く貼れませんのでね…。
迷彩吹きです。

まずはいつも通りのNATO迷彩という事で黒(っぽい紫)、
BATUS仕様(BATUSスキームとも呼ばれています)に黄色です。
(この黄色はミドルストーンとヘンプを混ぜたものですね、
過去記事をご参照いただければと)


今回のBATUS迷彩はちょっとアレンジが入っておりますが、
飽きたとか言う話ではなくて(汗、

キットのカラーガイドを見る限り、
黄色の面積がかなり多いので、
いつもより少し描き方を変えて、
雰囲気ごと変えてみようとした次第ですが…

…どうかなと(汗。
グリーンの基本色を作って行きます。


これもいつも通りですが、RLM70の後は
ブリティッシュグリーン(1枚目)、
ハイライトに聖グロカーキです(2枚目)。
車体部のディティールが出来始めていますが、
後部のパネル(1枚目)、
次いでフェンダー上の雑具箱です(2枚目)。
工作はラスト、砲身部にサーマルジャケットのベルトを追加したところですが、
この前の貼り合わせと合わせ目消しが何気に大変なので、
…大変だったなと(遠い目。

(やり方とかは過去記事とかをご参照いただければと)


今回のでトータル10個か…(苦笑。
砲塔部の工作がほぼ終了ですが、
側面のバスケットとTOGSのパーツが付きました。

TOGSを収容した箱の組立はまあ良いのですが、
砲塔への取付時に上手く砲塔側基部と合わせられない事も有るので、
バラバラに組んだ2個を押し込む形で位置決めしてから、
瞬着で留めていった方が無難かなと(汗。
側面のバズーカプレートが付きました。

フックの自作方法とかは過去の連載記事で書いたので、
略です(ぇ。
またしても前回と同じですが、
エンジンデッキのメッシュ部に付く取手部分を、
キット付属のエッチングパーツから、
自作パーツ(0.5mm真鍮棒)に置き換えています。
当面は前回までとほぼ同じ作業が続きます。

1枚目でサスペンション基部、
2枚目で転輪です。

…使い回し画像ぢゃナイデスヨ?
車体部前面のデッチアップですが、
ホーン(クラクション)部にはガードが有るのに、
ライト部には無いので簡単に追加してみたの図ですね、
…フェンダーミラーとか壊してしまいそうですが、

…どうなるかなと(汗。
タイヤを付けた後、
いつもの?デッチアップ作業をしている所で、
床板とエンジン隔壁を作ったついでに補強、という感じです。
…結構重くなってしまったので、
先記事にも書いた動力シャフト部の補強が必須、
…という事になりますが…
流石は堅牢なるイスラム王(→サラディン)、という所かなと(ぇ。

2枚目は車体上部が付いた所ですが、
ドイツの8輪タイプと比べるとやはり小さいかなと(笑。