■第X回 「ヤクトパンター(Sd.Kfz.173 Ausf.G1)」(サイバーホビー/ドラゴン)
パンターバリエーションも3つ目か…まあ、ドラゴン系列のキットをイチから組むのは、
(新シリーズとしては)今回が初めてですが、例によって同時製作で。
さて、今回用意したのはドラゴンのヤクトパンター初期型と後期型で、
基本構造はほぼ同じだから同時に組めるんじゃないかと。
(タイトルにありますがG1型というのは最近初期型をこう分類している様なので)
キットのリリースは後期型の方が先で、後にツィンメリット付きの初期型が
リリースされて、キャタピラもDS樹脂製のベルト式になっています。
後期型はタミヤを初めイタレリ、GSI(当時はグンゼ産業)から出ていましたが、
初期型はこのドラゴンとGSIのキット(店頭在庫のみ)が有るだけで、
このアイテムは個人的に嬉しいニュースになったなと(遠い目。
さて、画像1枚目はいつものパッケ絵をやめて箱を並べてみたの図からですが、
メルカバの同時製作よりは(たぶん)サクサク進むんじゃないか、
…とこのときは思っていたんですよね…。
そして2枚目、画面向かって左が初期型、右が後期型の画像になります。
(以降もキャプションが無い限りこのルール)
主砲基部の形状の違いがはっきりと分かりますね、これ。
3枚目では足回りのパーツを組んでいます。
上側が初期型の車体下部になるのですが、
第一転輪の上部にくるダンパーユニットの形状が初期型では
かなり凝った?タイプのものが装備されていて、後期型では、
パンターで一般的に見られるタイプになっています。
私見ですが、当初重量増加に伴い戦車型のものより頑丈なタイプを
装備していたものの、問題も無かったのか、結局共通パーツで
済ませる事になった、と見るべきかもしれません。
次はキャタピラです。
DS樹脂製のこれはタミヤのそれと同じく塗装・接着が出来るものですが、
自重による弛みが付けられない為、転輪部への接着と、
画像にあるような感じで軸打ちを行って、
それらしく纏めていきます。
(矢印の2箇所、イメージ的には端から2番目の転輪に打つと、
適度な弛みが付けられるようです、ご参考まで)
今回使っているのは0.5mmの真鍮棒ですが、
車体内側に飛び出た部分を折り曲げて固定、
念のためパテを盛って完了としています。
キャタピラの突部に合わせる様に位置決めをして、
長さはキャタピラの半分程度にしておくと目立たなくなるかと。
この方法はベルト式のキャタピラを弛ませる時にも
応用が出来るので、覚えておくと便利…かも。
車体後部とか。
パンターF型の時にも書いた気がするのですが、
パンターはエンジンがオーバーヒートを起こしやすく、
対策としてガゾリンの混合比を高め、その気化熱で以って
冷却を行う(燃料冷却)ため、燃費は悪い(リッター数百メートル)わ、
排気管からバックファイアは出るわだったのですが、
暫定対策として導入部の本数を増やしたタイプが存在します。
(戦車型ではA型の車両に良く見受けられます)
…で、キットでは後期型も3本タイプに組む指定になってますが、
『後期型なら消炎排気管でしょう』と、
キットの指定を無視してこのタイプにしています。
基部も初期には鋳造一体成型の丸型なものが使われていて、
後期には板材の溶接構造を持った角型に変更されています。
↓後期型
何とか今回も終ったか…や、途中で職場異動(出向)が有った為、12月は全然進められなかったので。
思いがけずのパンターバリエーション3連作になりましたけど、肝心の戦車型がF型のみなので、
今後G型、A型、D型とどんどん増やしたい所だなと。
…あ、そういえばケーリアンとかも有ったなと。 <試作モックアップのみですが
さて、次は何を組むかな…。
(2013.01.05)
71口径88mm砲とか。
3本有るのは初期型の選択パーツとして入っていたからで、
余った分は他のキットに流用しようかと。
精度の良い一体成型なので、マズルブレーキ部分以外はアッサリ組めます。
余談ですが1ピースタイプはエレファントやポルシェ砲塔のティーガーII、
等に見受けられますが、資材の節約などの理由により、
後期には2ピースタイプが一般的になっています。
(マズルブレーキも小型化されていたり)
↓初期型
↓
↓
ラストは某アニメの戦車道参加規則に則って、
大戦もの車両を5台集合させて見ました。
…一部、レギュレーション的に微妙なものが混じってますが。
(基準値が「1945年8月15日以前」の車両なので、
ドイツの降伏直後から若干の余裕がある、とも読める)
ノイバウは対戦車戦闘では役に立たない可能性がある事、
71口径88mm砲を搭載するとはいえ、戦術的に攻勢がかけにくい
駆逐戦車が2/5状態ですので…。
…もっと戦力を強化すべきだなと。
画像出てませんが撃破後のサポート体制はそこそこ…
(MAZ-537とベルゲパンター)っぽいですが。
(メルカバはレギュレーション違反なので出場不可)
↓
↓
画像では殆ど見えませんが、この初期型は
「ツィンメリットコーティング付き」のキットでして、
再現の面倒な格子型の模様が繊細に施されており、
…これは中々良いなと。
(OVMラック基部、排気管基部などは剥がされている所も
割と芸が細かいなと感心していたり)
そんなこんなで組み立て終了の図。
デザイン的にパンターの車体をそのまま上に延長したシルエットを
持つためか、非常にシンプルで洗練された車両、
…という印象を受けますね、個人的にも好きな車両だったり。
他、戦闘室後部に謎のゲペックカステン(雑具箱)がありますが、
必ずしも正式装備ではない様で、
好みで付けたりそのままだったりです。
(今回、初期型ではオミットしました)
そしてこのヤクトパンターを組んで思うのは、
計画車両であるパンターIIに88mm砲はやっぱり
載せられないんじゃないかとか。
何とか載せられたとしても、発砲時に後座してくる分のスペース、
装填及び排莢動作を行う為のスペースが確保できない、
と思われますので、ティーガーIIの様に後部を延長しないと…
とか考えてしまっていたり。
(上の方にある車体上部構造の裏面(=内部)画像参照)
…とはいえ、劇的に付け易くなるものでもなく、
「曲げグセが付けやすい」というだけで、
気を抜くとすぐにぴよんと跳ねるので結構面倒かなと。
キャタピララックの装備状況は前回(F型)がフル装備状態でしたけど、
今回は2枚が1枚だったり、付いていなかったりと
変化を付けてみました。
…や、削ったりするのが面倒だったと言う訳ぢゃナイデスヨ?
他、初期型と後期型で違いを付けた部分は、
右側面のジャッキブロックのラック形状だとか、
初期型ではスコップの刃先を避けるフェンダーの切り欠きが
無い為、左側面のOVMラックが、斜めに取り付いている点、
…等があったり。
余談ですがヤクトパンターは駆逐「戦車」と分類されるものの、
実際の運用は戦車兵ではなく砲兵が担当する事も多く、
火力支援や待ち伏せ・拠点防御に供されるケースが多い事も有り、
側面にシュルツェンが装備されている車両は…
自分は見た事が無いなと。
(前面に出る機会の多い戦車型では装備している車両が多い)
ただ、戦車不足もあって駆逐戦車が陣形の両翼に組み込まれたり、
陣の後方から火力支援を行うケースも多々有った様なので、
一概には言い切れないなと。
次は側面です。
ドラゴンのキットに付属するワイヤーはステンレス製なのか、
曲げグセが非常に付けづらいので、
今回はコンロであぶって焼きなましをしています。
(変色しているのはそのため、一番右上のやつは未処理
なので、銀色に光ってます)
後部デッキとか。
エンジングリルのメッシュカバーを貼った所ですが、
右側の後期型は最初の段階、「貼っただけ」の画像が出ています。
パンターに限らず大戦後期のドイツ戦車は
重量増加に伴うメンテナンス(機械故障・整備)が頻繁に
行われていた事とか、
パンターは先の燃料冷却の件もあって乗員が後部デッキに
上る事も頻繁に有ったと思われますし、
擲弾兵を満載して後退の途中…なんて画像も沢山あるので、
カバー部分はグリルのリブに沿って凹んでいるのが常です。
やり方としては爪楊枝などで少しずつ癖を付けていくのですが、
やりすぎると破れたりしますので…。
リブ形状がチラ見えする感じになっていればいいかなと。
テンション維持のために何となく砲身を付けてみたり。
作業の邪魔になるため、
以後、完成まで外した状態で進めていきます。
車体上下を接着。
…が、隙間が出来てしまった為、パテ埋めしています。
生乾きの時とか乾燥後にそれっぽく溶接跡のディティールを繋げてみたり、
前期型ではツィンメリットのモールドが有るので、
完全に潰してしまわない様、注意しておくべきかなと。
スケールものではあんまりパテを使う事態に発展しない?
…ハズですが、タミヤに慣れていると少し異常に感じてしまうのかなと。
車体上部構造物とか。
上下接着の前に内側から固定するパーツ類が多数有りますが、
各種ハッチ、ペリスコープに砲隊鏡(カニ眼鏡)、ベンチレーターのカバー、
ペリスコープに前方機銃、砲尾構造に砲架、吸排気グリル、
燃料注入口の蓋…とまあ、よくやるよなと。
実車の事を知らないと何故これが別パーツなのか
理解に苦しむかもしれませんが、
これでウハウハする人はどれだけ居るんだろうかと(汗。
ついでにマジックトラックを使用している方にも軸打ちを行い、
経年変化対策としています(ぉ。
…先のパンターFにも後で同じ事やってますけど。
↓