■第37回 「パンター F型 (Sd.Kfz.171 Ausf.F)」(サイバーホビー/ドラゴン)
残りは全体の俯瞰図っぽいものを何点か。
この写真を撮った後に砲塔部のフックを付けている関係で、
雰囲気的に砲塔部がペッタンコですけど…。
他、車体シュルツェン(側面装甲板)が付属していないので、
今後他のドラゴン製品から分捕ってくる可能性も…(汗。
パンターはその洗練されたスタイルから、
個人的に好きなデザインの一つですし、
…今後もガンガン組んでいければなと。
各形式の比較検討も出来ますので…。
組立シリーズも5種類目ですね…。今回はパンターF型です。
(注:墓場シリーズからのサルベージなので、組立記事内の時系列がアレです)
このF型というのは実戦参加はしておらず、試作砲塔のみが完成し、
試験データの類は残っておらず、ソ連軍がその試作砲塔を接収し、
データ収集の後は標的にされて、現在は残骸が残るのみだったり。
準備室側に旧キット(イタレリ車体にドラゴン製のパーツを組み合わせたキット、
インペリアルシリーズとして色んな派生キットが出た)がありますが、
このキットはその試作車両と量産仕様(G型準拠)の2種類が
選択式で組める内容になってます(車体上部パーツが2個!)。
で、キット製作の開始なのですが、2008年に1/35シュペルターを組んでいた頃、
何かの合間にふと組み始めて途中放置、
2010年の引越後に引っ張り出してきたものの作業机の上に放置、
(以前の製作編記事のアチコチに見え隠れしていた)
…そんなこんなでいい加減組立くらいは終らせようかと。
…っていうか、足掛け10年超えの放置ってどうよと(汗。
08年当時は出戻り状態(塗装込みでなら今でも)真っ盛りでもあり、
ドラゴンの戦車が何処まで進化しているのか、
自分の手で確かめたかったんだろうなと。
(パーツそのものの正確さや繊細さは見て分る部分なので)
んで、驚いたのは(完成後見えなくなるのに)無駄に凝ったディティール、
でして、トーションバーサスペンションの厚みが位置により違うとか、
(ホンモノなら床板が付くので)見えなくなるトーションバー本体とか、
…「スマートキット」って何を以ってスマートなんだろうかと(汗。
そんな感じで砲塔の基本構造と車体の一部のみを組んだところで、
時間が来たのか、はたまたやる気が無くなったのか、
4年近くも放置する事になる訳ですね…。
奥に見えているのは同時に進めていたタミヤのティーガーI後期型で、
これもまた、現時点ではキャタピラ以外はほぼ出来ていたりして…。
比較すると良く分かりますが、重戦車として開発されたティーガーより、
中戦車のはずのパンターの方が全長が長いんですよね…。
余談ついでですが、大戦ドイツ戦車は車両を鉄道輸送出来る様、
どの戦車も車体の最大幅は同じだったりします。
ティーガーのみ、フェンダーや外側の転輪を外さないと、
貨車に載せられない仕様になっていたりしますが。
現用車両も部隊展開や運用の面から、鉄道貨車や牽引トレーラーの
幅で制限されていますので、知っていると面白い…
…かもしれません。
ここから漸くの塗装作業です(時期的には2019年10月頃)。
実際の作業はE-25のグリーンベースタイプをやった時に、
一緒にやっていたんですよね…。
サフ吹き前に一部のフックとアンテナを真鍮棒に置き換えていたりしますが、
まあ、やっている事はいつも通りなので…(汗。
カメラテスト編が続きます。
パンターは普通に格好良いので、
色々と良いアングルが出ますね…(ぉ。
個人的には後面からのショットで見え隠れする
消炎型排気管がぶっとくて良いなと。
他の記事で一度書いた気がしますが、
大戦時のドイツ戦車はガソリンエンジンを搭載しており、
狭い中に押し込んでいる関係でオーバーヒートを起こしやすく、
その対策として燃料冷却(ガソリンの気化熱で無理くりに放熱)
が採用されています。
で、この燃料冷却の関係でパンターは走行時に
排気管から文字通り火を噴くケースが多く、
対策として3本型になっていたりしましたが、
最終的にこの消炎タイプが標準となった様です。
ただ、採用されたのはG型の後期タイプからで、
どの位の車両がこの装備だったかは、
末期のドイツ軍の台所事情と合わせ、
数量的にはかなり限られていたかと。
塗り分けが終わった所でラストにエナメル塗料での
ウォッシング作業ですが、いつも通り足回りがバフ、
それ以外の部分はフラットアースです。
その後艶消しクリアで全体をコートした後、
ペリスコープ部とかに再度クリアを上塗りして完成となります。
2枚目からはカメラテスト画像になりますが、
放置期間が結構長かった分、感慨深いものがあるなと。
で、このシュマルム・トゥルム(小型砲塔)、
実用性とかは割と有る方で、問題になるのはむしろ
両側面に飛び出しているステレオ式測距儀の方で、
量産できたかどうか、当時の技術水準だと厳しいかもですね…。
(ガルパンTVシリーズのラス前で優花里が黒森峰の様子を見ていますが、
これに搭載されているのは更に大きいタイプと推測される上に、
走行間射撃とかでは振動で肝心の距離が測れないかも…)
迷彩編のラストは手書き
で木漏れ日迷彩を入れていきますが、
帯部分をもっと太く描いておけば良かったかも…。 <今更
塗り分けの第1段階、履帯部などにジャーマングレイで
塗り分けを行った所ですね。
このキット、組立時にフル装備状態にしている関係で、
奥まった部分が意外に多く、
後で塗り忘れに気付いた箇所も幾つか…(滝汗。
砲塔部のアップ。
忘れていた側面のU字フックを取付けていますが、
擬装用にワイヤーを張って枝やら葉っぱやらを
取付ける為のものですね、車両によっては予備キャタピラを
ここにびっしりと取付けて、補助装甲の代わりにした車両もあり、
IV号戦車ではT34のキャタピラを張り巡らせた車両も有るので、
この辺は個人の創意工夫でやってみるのも良いかなと。
サフ吹きの後は、
塗装下地用の黒です。
成型色消しと奥まった部分のシャドウ色も兼ねているので、
ありとあらゆる場所に吹きます。
ふぅ、今回はやりかけキットの組立完了がメインだったからか、思っていたより早く終わりましたね…。
手順的なものに慣れれば確かに「スマート」なキットになるとは思いますが、
選択式部分の仕様セレクトや、それに伴う取説の不親切さも考慮すると、
タミヤ製品を幾つか事前に組んでおくとか、各種資料などで外観構造の変遷を知っておく(!
必要が有ると思われるので、中級者以上のスキルは必要かなと(滝汗。
(上級者は付属のエッチングパーツを全部使ってみる事に挑戦するかと思うので)
…かく言う自分は、タミヤのパンターシリーズを旧シリーズも含め多数組んでいたので…。
さて、ドラゴン製品といえば「大量の余剰パーツ」になるのですが、
次回はこの余剰パーツを生かしたモデリング(→イタレリのベルゲパンター、第10回参照)をしてみようかと(をぉ。
しかしまあ、本文とか奥付の日付見て我ながら呆れるばかりですが、
タイミングの問題にせよ、足掛け10年超えの完成ってどうよ、とか(汗。
…積んだまま、ってのも実際多いんですけどねぇ…(ぼそ。
(2012.11.17)
(塗装編を追記更新、2019.12.01)
排気管周りになりますが、
消炎タイプの排気管ってどう錆付くのか、良く分から無かったので(!、
割と適当な色付けになっています。
まあ、バリバリに錆色でも良いかと思いますが、
熱と煤で年季が入った感じに見えていれば良いなと(ぇ。
塗り分けが出来た所で錆とか汚れを描いていきます。
これまたいつも通り、錆>光沢系金属色>黒鉄色>スモーク、
という感じで汚れが錆に変化していく順番の逆を塗っていきます。
…これやる度にタミヤのモデリングブラシが毎回1本ダメになりますが、
…まあ、ある意味使い捨て状態で作業してますね…(苦笑。
塗装下地が出来た所で車体色のグリーンの基本色を作っていきます。
末期車両はグリーンベースが似合うので、
E-25と同時進行で吹いていました(ぉ。
いつも通りですが、
RLM79>オリーブグリュン>RLM02の順での塗装になりますね、
この後は迷彩を吹いていくのですが…。
木部の色を付けていきます。
いつも通り、ダークイエローをベースにタンとセールカラー、
クリアオレンジでそれっぽい色合いを出して、
タンで再度調整をかけていきます。
パンターのジャッキブロックは
ティーガーのそれよりかなり大型なので、結構気合を入れないと…(汗。
後部パネルとかエンジンデッキ周辺とか。
下側の各種点検ハッチや中央部のセルスターター
(外部からロッドを繋いでエンジンを強制始動する為のもの)部分とかは
各型式でも共通するのですが、排気管の基部
(鋳造か折り曲げ加工の一体成型から板材の溶接、箱型構造に変更)、
排気管本体の形状が変化しています。
G型の最後期型式から画像の様な消炎機能付きタイプに
変更されていますが、パンターはエンジンがオーバーヒートを起こしやすく、
その対策として通常よりガゾリンの混合率を高くし、
その気化熱で以って冷却効率を上げる、という強引な方法が採用(!
されたため、燃費は悪い(リッター数百メートル)わ、
排気管からはバックファイアが出るわで改良されていきますが…。
その最終改定がこの消炎排気管という訳で。
(燃費そのものは改善されていないので、大戦末期には
燃料切れで放棄された車両が続出した事の一因だろうなと)
念の為エンジンデッキの説明をしておきますが、
丸型の部分が排気、角型の4箇所が吸気グリルです。
向かって左側の排気グリルが大型化してますが、
これはエンジンの排熱を利用した車内暖房ユニットで、
脇にある扇形パーツを円形に広げて蓋をして暖房に使います。
(ディティールの関係で大抵開放状態で組みますが)
グリルの骨?部分のパターンは渦巻状だったりする事も有りますが、
メッシュカバーが付くと殆ど分らなかったり。
吸気グリルも型式により大きさや格子パターンが変わる部分ですが、
F型では防御用にスライド式のカバーが付いてます。
大戦ドイツ戦車はガソリンエンジンを搭載している事と、
加えて先述の高混合比の燃焼効率も相まって、
この部分は小銃弾を食らっただけで炎上・爆発してしまう(!
可能性があるため、こういった防御策が講じられていたり。
M4(西部戦線)では正面からパンターの装甲を撃ち抜けないため、
航空支援に頼って後部から機銃攻撃をするケースも
多々有ったそうなので(移動も夜間が中心になっていた)。
側面の形状に移っていますが、
後ろ側の予備キャタピララックをプラパーツで済ませたところ、
プラの厚み分によって、予備キャタピラが装着できなくなり、
キャタピラの接地面と穴、とラックの板を削ってフィットさせてます。
…全部装着すると12枚やる事になるのですが、
結構大変なので、部分的に外す方が無難かも(汗。
他、右側面の小ワイヤー(ラック)はメルカバの余りパーツ、
右隣のジャッキブロックはラックのみエッチングパーツを使ってます。
(この細いワイヤーは主にキャタピラ交換時に使用するもの)
左側面は、中央の(クリーニング)ロッドケースを
プラか金属パーツで選択しますが、固定部分の位置決めが
出来なかったのでプラパーツにエッチングを組み合わせる形で妥協。
ラック基部を先に取付けて固定位置を割り出すしか無さそうですが…。
牽引ワイヤーは金属製のものが付属しますが、
曲げクセが付け難く固いので、焼きなましたり、
市販の紐や銅線(より線)等に換えるのも良いかも…。
他、ワイヤー先端部を固定する方法ですが、片方は前部の杭、
もう片方を車体後部のラックに通すか、
先端部そのものをラックに通すか2通り有る様で、
今回は先に固定ピンを通したので、、ワイヤーを通して固定してます。
更にその下、左側面の前方部のアップが出てますが、
OVM(工具)類の固定にラッチをエッチングパーツで自作…
という選択もありますが、面倒なのでパスしてます(爆。
さて、量産型の車体を選択して組んでみたのですが、
ハッチの開閉方式がスライド式になってます。
ちなみにA・D型は回転スライド、
G型はヒンジ式で外側に向かって開きます。
当初可動機構を残したまま組もうかと思っていましたが、
眺めたりすかしたりしているとすぐ外れてしまうため、
結局閉状態で固定する方向で済ませています。
この辺、ドイツ戦車はより簡易的な構造になっていく
傾向があるので、穴を開けたりする手間を省いて、
レールと補助アームだけの簡易構造になっている事が
如実に分りますね…。
簡素になった分、外れやすくもなった、とも見えるので。
…ここからが2012年の画像(汗。
起動輪部分に形状の正確な8枚、
それ以外の部分にマジックトラック81枚、合計すると
片側89枚の指定になってますが、多すぎる気がしたので、
最初に組んだ左側は86枚で組みましたが、
なんと一晩経って完全乾燥したら縮んだのか、
少し浮き気味になってます。
で、反対側の右側は88枚使って組んでますが、
こちらは普通にいい感じのたるみ具合が出ています。
余談ですが、いつも起動輪との勘合部分で調整しているので、
カン所がいつもと違い、最初の組み付け時から、
少し乾き始めて調整をするまでが結構気を遣う事態になって、
…成る程、これが自分がこのキットを今の今まで敬遠していた
原因の一つだったのかと(苦笑。
マジックトラックで遊んでみるの図。
接着不要が売りのキャタピラですが、塗装後に組み付けができる、
という程の剛性は確保できておらず、
また、(後に判明しますが)起動輪との噛み合い穴が小さいため、
予備キャタピラとして使用する際には加工が必要だったりします。
近年のキットには「DS樹脂」製のベルト式キャタピラが同梱
されてきていますが、あちらは果たして…(汗。
扱いとしては、連結固定式とほぼ同じ感覚でいけるかなと。
2枚目の画像で途中端折って2本にしてますが、
軽く持ち上げただけでパラパラと外れたので、
内側に来る部分に接着剤を流し込んで装着する事に…。
塗り分け編のラストですが、
消火器部分の赤(1枚目)、
ペリスコープ部等にクリア塗料各種です。
…まあ、毎回ですし端折っても良いかなと(ぇ。
ダークイエローとオキサイドレッドでの迷彩吹きになります。
…帯状よりはブチ模様の方が大戦時車両っぽいのですが、
こっちの方がやり易かった、っていうのはここだけの話(ぇ。
そんな感じでこの後まだ迷彩描きが有りますが…。