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■第X回 「8tハーフトラック対空自走砲(Sd.Kfz.7/1&7/2)」(トランペッター)

前回の組立記事から間が空いてしまいましたね…
(12年12月〜13年7月の8ヶ月間出向で時間とかアレだった為)。

そんな感じで今回は8tハーフトラックのバリエーション3個同時組立です。
プラモとしては先にタミヤのものがありますが、モーターライズから改修された
キットのため現在の目で見るとツラい部分も散見されるわけですが、
そういった隙間を埋めるべく、超級に再現された模型としてリリースされています。

どうしてこんなドM認定キットを3個も…という話になりますが、
日報とかでコメントを書く折に中身をチェックしていた所、破損が見つかったりとか、
上手く仕舞えず(箱サイズがギチギチ)、これではパーツの破損が…とか、
昔組んだタミヤキットと脳内で比べられればとか、まあ色々です。


2枚目に行くとランナーを積み上げた状態になってますが、
取説と実際のパーツを見つつ(確認の為)共通で組めるところと、
3種類別個に組む部分とを分けています。
具体的には、トラック本体は全部後期型車体(前面装甲板と装甲キャビン)、
装備砲は全部違うので3個に分けたまま(最後に組む)、
弾薬トレーラー(SdAh52)は嵩張らなかった為後回しにします。


で、まずは嵩張る部分と破損・歪みパーツを先に組んでます。
(パーツがみっしり詰まっていたため圧されたと考えられる、
クレームが多かったのか最近では車体パーツを別枠梱包していたり)
手前からボンネット、キャビン内側(シート)、装甲キャビンですね。

先述した歪みの問題もあり全部閉状態で固定してます。
…もちっと技術があれば開放状態で組みますが…。

いよいよキャタピラの組立に入ります。

WW2ドイツ車両の中でもハーフトラックは路上走行を念頭においているらしく、
現用車両と同じ様に接地面にゴムパッドが付いています。
キットではキャタピラ本体とパッド取付け板、パッドの3つを一組として
プチプチ組んでいくわけですが、接地面側で組んでいく関係上、
裏側のセンターガイドがちょっと邪魔になったり。

という事で今回は新冶具としてスペーサを挟んだ、
レール状の物を作っています。

で、整形の終ったパーツを並べて(キット指定が片側54個だったので
とりあえず50個並べて作業してます)、
先にランナー状態で組んでおいたパッド部分(2パーツ構成)を
ちくちくと貼り付けていきます。

ザックリとですがパーツの切り出しからこの状態に持っていくまで
約3時間/50枚といった所で、…結構かかるなと。
パッド部分の整形作業を接着後に一気にやればもっと短くなるかなと。

…こうしてボンネットやらキャビンが付くと全く見えなくなる罠。

今までの苦労は何だったのかと思いたくなりますが、
こうして閉状態で組む事を前提にしていれば、
あえて無視して先に進むという選択もあるんじゃないかと思ったり。


…自分の場合、ネタ的な意味合いもあって
ついつい組んでしまうわけですが。 <ドM認定

他、色が付いているので分かるかもですが、
フェンダー部分のステップに滑り止めパーツが付いてます。
(付属エッチングパーツを曲げる必要あり)

タミヤ製品をニコイチにすればこの仕様の車両が組めますが、
普通にフルキットで出る時代が来るとわねぇ…(感慨。

牽引状態を再現してみましたが、
色々と邪魔になるので連結ピンは挿しておりません。
(軽く引っ掛けてあるだけ)

横から見た図ですが、シートベルトの取付金具に
シート脇に設置されたバッテリーが見えます。

後期型は装甲キャビンになり見えなくなりますが、
兵員輸送車型も含め前期型はオープントップなので、
こういった形でほぼ全てパーツ化されているのですが…

運転席床と荷台が付きました。
運転席は床板穴から先のレバー類が飛び出す格好になるので、
よく見ながら穴を通して位置決めをします。

…後付けしようかと思ってましたが、
接合(接着)部分が見えないので…。

次はエンジンです。
これこそはメーカのコダワリになるかと思いますが、
ボンネットを開けて整備シーンとかを再現しない限り、
エンジンの上側(カムヘッドカバーとかファンとか)なんて
ほぼパーツ化されないというのに…。
エンジンパーツのためだけにランナー1枚丸ごと使っているんですよね…

通常は裏から見える部分だけ作ってあるだけですけれどっ。

今度は転輪部のサスペンションです。

外観的に千鳥配列だったので、戦車型と同じくトーションバーかと思いきや
普通に板バネ(リーフスプリング)方式です。
(III号、パンター、ティーガーなどではトーションバー、
ついでにトラックの車格については現代でも○t、と呼びますが
車両の重量ではなくて積載量とか牽引能力の事なので参考まで)


他画像で裏面とか出してますが、
まさかここまで凝ったパーツ構成になっているとは…
組上げると感心しますが、その前が大変なので、
評価に苦しむ所です。

大物系パーツが終ったところでシャーシを組み始めます。
でまあ、見ての通り?ですけれど、
トランペッターのキットはシャーシ基部がバラバラで、
しかも実物通りの形状しかしていないため、
組合せ時に水平・垂直出しにくく、組むだけでも一苦労。

何とか歪まないようにと試行錯誤しておりますが、
中間部の補強パーツから先に組んでそれなりの強度と精度を確保して、
何とかカッチリ組もうとしている状況です。

余談ですがフロント部分のサス基部と桁は、
取説では最初に接着しますが勘合精度の甘さが気になったため、
シャーシ組立の最後に、すり合わせつつ接着しています。

戦闘車両といえど基本トラックであるからか、
(身近にあるものの延長になるので)
個人的にはこのデザインが好きなのですが…。

…戦車だけがAFVではないので、
もう少しこういった車両にも、
今後スポットが当たれば良いなと。

今回も何とか組みあがりましたね…出向中の身の上も有ってか、半年以上かかってしましたけど。

8tハーフにはかつてのタミヤ少年時代の思い入れが有ったりする車両なので、
こうして最新系のキットを組むのは感慨もあり、また自分の現在のスキルで何処まで、
…という感覚が有るので機会があればまたやりたいなと。

ふぅ、それにしても自分のコレクションにはまだトラペの12tハーフとか、
ライオンロアのsWSハーフとかあるので…いつかそこまで行けるのかなと(脂汗。

…そろそろ色塗りの準備もせねば…。 <毎回
                                                  (2013.08.31)

見所、という程でもアリマセンが、
同じ37mm機関砲でも外観がここまで異なると、
別物に見えてしまいますね…。


キット内容的にかなり苦行を強いられますし、
まとめて組まないと残りの2台は一生順番が回ってこないかも、
…と思わせるだけのキットでしたね、これ(滝汗。


他、Flak43ですが、荷台側面板を立てた状態ですと
回転時に防盾が干渉してしまうため、
実際の運用時には、まず側面板を倒さないと
状況に対応できない感じですね、これ。

製作編ラストは集合写真を幾つか。

記事にしておりませんが、機関砲の搭載が終った時点で
前面の追加装甲板とライト、
フェンダー上のノテックライト、バックミラー、
側面板のロック機構などが付いております。


この部分、現代でも普通にピックアップトラックなどで
見かける機構なので、機会があれば工事用車両とか、
観察してみるのも面白いんじゃないかなと。

3個目は同じ7/2でもFlak43搭載型です。

戦時体制といえばソレまでですが、
従来の37型(1938年式)に代わり登場した43型は
対空機関砲としてより洗練された形状とシンプルさが売りです。

下半分が円形の揺架になっており、
仰角が取り易くなっているところが特長かと。
(なので予備弾薬も縦にセットされている)

で、仰角を大きく取った時に床にぶつかってしまう関係上、
砲手シートが防盾のすぐ後ろに変更されていて、
詳しく見ていくと成る程と感心してみたり。


他、Flak43搭載車両としては
メーベルワーゲン(量産型)、オストヴィント(試作のみ)、
sWSハーフトラック搭載型なんかがありますが、
8tハーフに搭載したタイプは、
画像こそあるものの量産されていたか不明だったり。


まあでも、こういう車両がニコイチとかしなくても
普通にフルキットでリリースされている時代なので、
…長生きはするものだなと。

この姿はタミヤ製「フラックザウリア」そのままの姿ですが、
『最終的な再現度だけなら』スゴイの一言かなと。

ユーザに相当の技量を要求されますし、
何より時間がかかりすぎて楽しく組めないですし(苦笑。

次は〜7/2に付く37mmFlak37です。

こっちも防盾部などがエッチングパーツですが、
プラパーツとの選択式です。

ただまあ、エッチングの組み方(曲げ具合)を間違えた為、
仕方なく?プラパーツを使用しています。

とはいっても実感が損なわれる訳ではなく、
仕上がり具合は中々の感じかと。


さて、20mm機関砲は対空目的というより
実際には地上掃射的な使われ方をした事が多いそうですが、
37mmになってより対空砲としての能力を上げている訳で。

或いはより高高度の目標への攻撃力強化、
といった側面があったのかもしれません。


…そういえばこれ、装填手のシートがアリマセンね、
ついでに砲手シートの上の俯迎ハンドルの向こうに
カバーが付いている訳ですが、
これは空薬莢避けの板でして、車両によっては
周りに飛び散らないようにネットをつけているものが多いです。

…これだけ再現しておいて空薬莢受けネットが
再現されていないのは片手落ちかな、とか(をぉ。

ここからは個別組立です。
まずは〜7/1タイプに搭載されている
20mmFlak38、4連装機関砲です。

見ての通りのトンデモ振りで、市販キットでこの内容は…
やりすぎとしか言いようがないですね、組みづらいですし(汗。

防盾に補強リブ、予備弾倉ケース、照星…と各種ありますが、
機関砲本体の合いの悪さもあってかなり苦労します。
メーカも反省したのか、以後のキットではプラパーツとの選択式に
変更されていたり。


画像で分かるかどうかですが、
椅子が3個配置されており、真ん中が照準手兼砲手、
左右に装填手がいるためです。
(弾薬マガジンがそれぞれに付く為)

箱組みの弾薬箱を載せて完了です。

たかが箱組みですが、所々隙間が開いてしまう部分があるので、
シャーシと組み合わせる前にパテ埋めをしておきます。
(蓋が開く前提なので多少の隙間は許容範囲内ですが…
部分的に空きすぎな所も出がちなので)

その下、蓋の止め具があり、
下側に多分穴が開いていてリングを回してロック、
という構造になっているかと。

…南京錠が付いていれば完璧かな、とか(ぇ。

フェンダーとシャーシの固定金具はエッチングパーツです。
よくもまあこんなのパーツ化しているなと。

…省略される事が多い部分なんですけれど。

画面右端のトレーラーですが、
火砲牽引時に良く見られるディティールパーツが有ったので、
試しに追加…してみましたが、
後で弾薬箱を載せると蓋が開かなくなるという罠。

情景アクセサリとか火砲牽引時以外では使えませんね、これ(苦笑。

次は付随する弾薬トレーラーです。
Sd.Ah.52(読みはゾンダーアンハンガー)というのが呼称ですが、
シャーシ部分は20〜37mmの機関砲の牽引にも使われています。

で、キットは形状こそ良く出来ていますが、
軸のダボが短すぎたので、画像の様に軸打ちしています。
(塗装後接着が前提なので外せる様にしたかった)

トラック本体の概略がやっと形になってきましたね…。
こうなってくると壮観です(汗。

取付けましたの図。
やってみると案の定というか、54枚では余り気味で、
53枚でいい感じの弛みが付けられるようです。

他、起動輪との勘合がかなりキツめなので、
いつもの感覚で起動輪部分で弛みを調整しようとすると、
フェンダーに干渉するわ最後のパッドが嵌めにくいわで
散々な目に逢うので、他の部分で最終連結するのがベター、
…と感じました。

最初の一個で勘所が分かるので、
2本目以降は割りとサクサク組み上がります。
(1本組むのに3時間とかかかってますが)

やや端折ってますがソレっぽくなってきました。

起動輪のハブキャップにリング状のパーツが付きますが、
生産ロットによりどうもエッチングパーツが
固かったりするものが有るみたいで、
(加工が面倒なら)俺設定で外れた事にして使わない、
…というのもアリかと。

気を取り直したところで転輪を取り付けます。
2枚一組の2種類を千鳥配列にしますが、最後部の転輪のみ、
キャタピラテンションの調節の為か固定方法が違っていて、
このキット構造では剛性が確保できないため、
急遽2mm真鍮棒で軸打ちを行っています。

…プラモでこんな事を最初からするのってどうよ、
とか思いましたが諦めて先に進みます(ぇ。

今度はエンジン隔壁です。

やりすぎなパーツ構成ですが、
メーターパネルにペダル、果てはホーン(クラクション)、
…と、メーカーの情熱は何処まで続くのかと(苦笑。

エンジンを載せて排気管を取り付け、
ハンドルのロッドにフロントフェンダーが付きました。

フロントフェンダーと運転席床、荷台のうち、
どれから組んでいけば歪み無く組めるかですけど、
結局視線が集中しがちなフロント部から接着しています。

接着前にどの位置で固定されるのか確認し、
摺り合せをしておけば宜しいかと。

フェンダーのエッジにはヘアラインっぽく段差がありますが、
これは出来るだけ生かしておいて、
正面方向にあるパーティングラインを確実に処理します。

機器類が付いていきます。
シャーシ後部に見えるのはウインチ基部、
手前側には燃料タンク?っぽいパーツ、
変速機のギアボックス上には直接レバー類が付きます。

車に乗る人は分かると思いますが、現代の車やトラックは
パワーアシスト機構が付いていて、シフトレバーもワイヤとかで
間接的にボックスを操作しているのに対し、直接なので、
これを運転するのには結構な体力が要る事になるかと(汗。

レバーが合計3本有りますが、形状から見て、
シフトレバー(前進?速、後進1段、信地旋回は不明)、
走行・ウインチ切替、サイドブレーキっぽいです。

分かり難いですが、
画面向かって左から4連装Flak38、Flak37、Flak43です。

4連装とはいえ20mm機関砲の方がゴツい基部に見えますね…。

注目すべきは同じ37mmでありながら、
Flak37と43ではかなり形状が異なっていて、
よりシンプルな形状に変更されているのが分かります。


そしてFlak43装備型は実在こそすれ実戦参加が怪しい車両で、
キットの方もそれにあわせてか、荷台側面のフェンスも
格子型のメッシュパターンからパンチングメタル(丸穴)に
変更されています。

この先は憶測ですが、メッシュパターンを変更したのは、
射撃時にプラットフォームとして使う場合、
強度が足り無くて搭乗員が踏み抜いて破いてしまったのか、
防御上の理由があったからなのかなと。
(網と板を比べれば、強度はどちらが上かはすぐ分かるので)

次は荷台部分が連続します。

全部共通かと思いきや、搭載する機関砲により基部形状が違う為、
アンカー部分の位置がそれぞれ違います。

なので、一旦機関砲パーツからそれぞれの砲架を持ってきて、
あとで挿せる様に基部だけ接着しておきます。
(こうしておけばテレコにする可能性が無くなるので)

荷台部分の裏面とかも出てますが、
組んでみると蓋の裏っぽいパーツに補強用の桁パーツ、
シャーシとの勘合パーツ等が全部別パーツで再現されているので、
見た目より手間がかかってます。

…ってこれ、裏側なんで完成すると…(汗。

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