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■第X回 「T-55 AM」(TAKOM)
今回のは久々?っぽい3個同時製作ですね…。

T-55シリーズは初期型とも言えるT-54も含め、
9万とも10万とも言われる程の生産数を誇る車両ですが、
キット的には鉄のカーテンの影響なのかキットには恵まれておらず、
この辺の近代改修型のキットは存在しなかった訳で(苦笑。


そういう経緯も有って、タコムのキットはアイテム的な魅力こそ有るものの、
割と組立難易度が高めのアイテムでも有り、
ある程度の工夫をしつつの作業になりますが…(汗。

尚、いつも通りですが、画像1枚目が箱3個の積み上げ状態、
2枚目が中身ぶちまけ状態ですね、
よく見るとT54/55のコンパチ的なパーツ構成になっていて、
完成後は余剰パーツがそれなりに出る感じですね…。
まずは組立を終わらせるところから、ですがっ。
塗装前の全体像っぽい画像ですが、
並ぶと結構迫力が有るというか、
単体でも結構イメージが違うというか…まあ、そんな所です。

ただまあ、21世紀の現代においてすら、
ノーマル状態のT55が現役で使われている地域も有るので、
この辺の改修型車両も…とか考えてしまったり。



冷戦期においてソ連は自国の防衛用途のみならず、
戦後植民地から独立した地域を始め、
民族紛争や独立運動に対しても、
革命の理想・イデオロギーを実現する為に、
と多数の兵器を文字通りバラ撒いた
(西側諸国が資金を与えたのとは対照的に…
と言う意味ですが、現地政権がインフラ整備等に使用せず、
私物化した上に贅沢三昧で結局革命とか内戦が…)ので、
21世紀の現代でも世界各地で現役な訳ですな…。


現役、という理由のひとつが予算的な問題かと思いますが、
供与された先の国々では国家組織同士での戦闘自体が少なくなり、
兵器の優位性を保つ必要性が薄いとか、
低強度紛争においてもゲリラ側が持つ武器の質からして、
対戦車兵器(RPG弾はこれまたソ連製ですが)も
それ程潤沢に所持している訳でもないので、
敢えて新型車両を調達しなくても良い、という判断が有るそうです。

そして大量にバラ撒かれた分、
補修パーツの類も容易に入手でき、何なら敵側から鹵獲、
ってのも簡単なので使われ続ているとか。

他、イスラエルにおけるメルカバ開発の背景にも有りましたが、
兵器調達を海外に依存すると、新規調達は勿論、
既存部隊の維持整備にも事欠いて、
いざ有事となった時に稼働率が…では安全保障が、…
…と判断されて未だに…というケースも有るのではと。



現代におけるT72の発展型やら改修仕様に関しては、
主にERAが追加されている訳ですが、
この時期のT55は原則増加装甲で済まされており、
後にERA装備タイプも出てきますが…そちらはまたいずれ、という所ですね…(汗。

まあ、とにかく一般的なT54/55とはかなり異なる仕様になっているので、
模型的に見所は沢山ありますよね…キット的も大変な状況でしたがっ。

車体後半部の画像です。

エンジンデッキ上のグリルは先付けなので、あんまり問題は無いのですが、
その周囲を囲む留め具?っぽいパーツが非常に繊細なので、
取付に非常に神経を使う
というか、
大変だった記憶しかないですね…。


前側もそうですが、後面にも行軍ライトと思しきパーツが有ったり、
ドラム缶の貼り合わせが意外と面倒だったりとか、
丸太部分は傷を追加してそれっぽくディティールを付けてみたり、

…と、結構色々手が加わっていますね…(汗。

漸くの砲塔部分ですが、
まずは大きめのパーツ群がざっくりと付いた所ですね…。

目を引くのは上面のハッチ周辺のディティール及び厚みが
大幅に変わっている事だったりとか、
前側に増加装甲が付いている事ですね…。
(ノーマル状態でも砲塔前面は200mmの厚さが有るそうですが、
西側の105mm/120mmの主砲でアッサリと貫通したそうなので)

防御力向上とかの意味合いとか、
この後に取り付く各種センサとかライト類の基部も兼ねているっぽいので、
最終的にはT72Mくらいの内容になりそうなんですよね…(汗
サスが付いたら今度は転輪…なのですが、
画像1枚目の通り、転輪一組でざっと5パーツ
(本体リム×2、外側ゴム部×2、ハブキャップ)あり、
ハブキャップで見えなくなるのに中身のベアリングがモールドされてますね…。
や、凄いんですがハブキャップを付けるダボが見難いので、
外さない自分にとっては…ゲフンゲフン。

2枚目、外側ゴム部は別パーツ化して有る為、
接地面側にもモールドが有るのですが、手持ちの資料では
殆どの車両がツルツルに摩耗しているので、納車直後でもない限り、
あっという間にすり減ってしまう様ですね…。
(一般乗用車が1トン前後、トラックも10トン未満が一般的ですし、
中戦車と言いつつも40トンは有る車両なので、その辺は察して戴けると)

…という事で接地面のモールドを削り落とし、
改めて転輪君やらペーパ掛けやらで整形していく訳ですな…。

…転輪は片側5組ですが2重構造なので実質10枚分、
1台分で20個、更に3台分有るので、都合60個処理している訳ですね…。
…これは根気のいる作業ですな…やり始めて大いに後悔したのですがっ(涙。

…という感じで転輪が全部付いたのが3枚目ですね…。

しかしまあ、ヤラレ役ポジションだった筈のT55ですけど、
キットとしてはかなり難物っぽい感じですね…これは大変かも…(脂汗。
履帯取付前に念の為、車体部内側の補強をしていきますが、
床板のデッチ上げの前にキットのランナー部を使って桁入れをしています。
(画像1枚目で床板が付く前ですけどね…)

で、2枚目では車体上部の天板を組んでいくのですが、
接着面が小さいので、剛性とか水平状態が出しにくいので、
プラ材で補強を入れつつの組立になりますね…なんてこった…(苦笑。

3枚目、エンジンデッキ部のパーツも付いた所ですが、
工作順としては前側の2枚(前側と砲塔リング部の天板、2枚目参照)を
車体に取り付けてから、エンジン隔壁をデッチ上げた後に取り付けています。

尚、後面パネルは最後の取付になりますが、
天板の接着に際し流し込みがし易いので、最後に取り付ける方が楽…かも。

…で、次回はいよいよ履帯ですが…
こちらも色々と有るんですよね…(謎。
砲塔周りでディティールが「だいたい」付いているのですが、
模型としては正しくても、プラモとしては疑問しか出てこない状況で、
砲身基部のレーザー測距儀の取付器具に始まり、
各所のアイホールド、トドメに後部の小フック…
…が
モデラー殺しのポイントになるかと(苦笑。

後部両端には大きなフックが付きますが、
プラパーツを一旦取り付けたものの、割とすぐ破損させてしまい、
結局0.5mm真鍮棒での自作に置き換えております…。
(分かり難いですが右側の装填手・砲手用ハッチの取っ手とかは、
棒状モールドのみだったので、削り落として新造してます)


(ちなみにこのフック、擬装用ではなく随伴歩兵が戦車騎乗時に掴まる為の物で、
ソ連時代から続くタンクデサント時の装備です。
余談ですがソ連においては人命軽視というか、装甲兵員輸送車・歩兵戦闘車の類が
WW2後も暫く開発されず、トラックが有れば良い方だったらしいです。
まあ、戦車って優先攻撃目標になり易いですし、そのままだと流れ弾は勿論、
爆風や破片からも身を守れないので、兵士の損耗率は異常に高かったのではと。
WW2における人的損害は、対峙したドイツ側と比べて圧倒的に多いそうですし…)


さらにその下、U字型のフックもダボ穴が無く見難い
(ガイドっぽいモールドが有るだけ)わ、
そんな所の剛性なんぞ取れるか、
…という事で早々に自作(2mm真鍮棒をガイドに量産)、
…という地獄の様な有様になっていますね…
放り出していた理由のひとつな訳で(汗。


尚、手持ちの資料だと後面の小フック向きは上下対称になっていたりして、
取説の取付け向きの指示と違うのですが…
まあ、生産ロットによる違い、という事で今回は全部下向きです。

でもってこれで小パーツ地獄が終わるかと思いきや、
まだまだ難所が続くんですよね…サイアクだ…(謎。

砲塔部の底面の追加工状態で、
まあ、例によって可動しますが、主砲基部カバーとの兼ね合いで
実質固定するしか無い箇所
ですし、塗装前に俯迎位置の調整が出来る程度、
…と割り切って作業するべきかと。

で、いつも通りにヤワっちい構造なので軸打ちと補強が入っている訳ですな…。

2枚目と3枚目でほぼ砲塔部ディティールが付いた感じなのですが、
後部にまだ謎のラッチが未取り付けだったので画像が追加されています。


因みに今回の難所はハッチ上に付くライトと増加装甲部に有るライトで、
前者はエッチングパーツのステーに組み付けるものの、
位置関係が分かり難く、結局適当な感じな組み付けになっていますね、
後者は片持ちのステーで保持されており、何ともヤワな構造ですね…。
こっちは下側にエッチング板を貼り付けて補強し、剛性を確保
しています…(汗。

更に(!、側面に付くシュノーケルパイプですけど、
これまた取付ステー部がヤワっちくて接着固定時にちょっと押さえていただけで破損(!
…してしまい、これまた追加で保持用ステーをエッチング板で追加したり、
ステーそのものに補強板をコッソリ追加したりと…結構大変な目に遭ってます…(苦笑。

他、プラ製アンテナパーツを付けてみたものの、
あっという間に破損したの図で、いつもの自作パーツに置き換わっている訳ですな…。

っていうかこれ、本人以外は触る場所が分かりませんよね…(苦笑。
まあ当の本人も普通に壊してますがっ(爆。



工作編の最終工程は装填手ハッチ上に有る機銃な訳ですが、
これまた実物通りの形状を目指したゆえか、
貼り合わせ位置は分かりづらいわ、パーツはヤワっちいわ、
マズル部分は埋まっているわで散々な構成ですね…(苦笑。

尚、機銃の台座部分は機銃本体に取り付けてからハッチに接着、
…という指示になっていますが、その通りにやると、
取り付け向きが分からなく場合が有る(ダボが見えなくなる!)ので、
台座部分はハッチ側に先付けしておいた方が良い
かと。

でもってマズル部分を開口する場合、銃身が折れたり曲がったりする危険性が
普通に有りますので、追加工をする方はご注意をば。

…って、このキット、本当に良いトコ無しでしたね…。

2枚目と3枚目は砲塔部の前側、と後側の最終状態ですね…。
特に後部には改修前の仕様から、撤去されずに残っているっぽい?
謎のラッチ類でして…手元の資料にもいくつか残ってますね…謎だ…。
(画面右側、予備弾倉の隙間を縫うように生えているアレコレ)
漸くの車体部工作完了になりますが、
難所だらけというか、苦労した記憶しかないんですが…。

全体の外観が1枚目なのですが、側面のフェンダーが付いた事で
印象がガラリと変わっており、遠目にはT72と同等ですね…。

2枚目は前側の完成状態ですが、ライト部のパーツの位置決めがやりづらく、
瞬着よりは通常の粘性が高いタイプのセメントを使用する方が良い
かも。
ガード部も合いはイマイチなので要注意と言うか、
取説の順番で組むのは止めておいた方が無難ではないかな、
…と愚考したり(苦笑。

後、神経をすり減らすと言う意味ではフェンダー上の小基部
(穴開き基部、アイホールドとも)のエッチングパーツがキモですが、
面倒なら省略したって問題ないかも…(汗

フェンダー上の雑具箱やら燃料タンク類が付いた所ですが、
雑具箱は5パーツ構成の上に剛性が取りづらかったり、
かと思えば燃料タンク部も固定具?の付け位置とか向きが分かりづらいわで
例の実車資料を見ながら…という感じになっておりますが、
…まあ、例によって模型としては正解でもプラモとしてはアレだなと(苦笑。

他、アップ画像も出しておきましたが、
ワイヤ部の長さ指定が取説に載っておらず
現物合わせでの取付になってしまいましたね…何という不親切な…。
尚、小片の金具風パーツが付いておりますが、
キットのフェンダーにダボ穴が有るものの、
何も付かない箇所が有ったので、
パテ埋めの代わりにデッチアップした部分ですね…(汗。

後、先の記事でも言及していますが、増加装甲に伴い
車体前面のライトコードが切れてしまっている様に見えてしまうので、
一旦削り落としてエナメル線で作り直していますね…。
まあこの部分は当方個人のコダワリなので必須という訳でも有りませんがっ。
履帯が3台分付いた所ですね…。
コマ数は取説の通り片側92枚でピッタリという感じで、
少し長いかも、と感じた場合には転輪の隙間部分を少し弛ませたりすると、
適度に歪んででそれっぽくなるかも(ぇ。

他、いつもの事ですが必要枚数をダーッとくっつけた後、
ブラインド側に再度接着剤を塗ったくり、生乾きの内に取り付けます。
で、完全乾燥後に転輪部分に瞬着を流し込んだりして、
経時変化やら、その後の破損などに備えておくと良いかも…。

まずは足回りからなのですが、構造がシンプル、と評される割に
結構複雑なパーツ構成の足回りですよね…
(多分西側車両との比較、と言う意味だと思います)。

んで、AM型の更新内容として前面下部の増加装甲が有り、
最終的に目立たなくなる部分ですが…成程と。

尚、組立に使用する取説に間違いが有り、
正誤表をよく見ながら組み立てる必要が有りますね…。

他、念の為四隅のサスアームと起動輪・誘導輪の軸のみ、
1mm真鍮棒で軸打ちをしています。

…結構かかりますね…数が多いので当然なのですがっ(汗
履帯の組立に入りますが、
このキットのRMSH履帯パーツ、成型不良が割と紛れ込んでおりまして、
その参考画像が2枚出ている訳で(汗。

内容的には画像参照なのですが、
両端のピン接続部が欠けていたりとか、
微妙に小さいパーツが紛れ込んでおり、気付かず最初に取り付けた分で、
ちょっと両隣の履帯と明らかに違う物が紛れ込んでいたのが
確認できた次第です…(汗。
まあ、これからこのキット組む人向けですが、
ちゃんと確認しておくべきですよね…。

んで、今回のキットには側面にフェンダーが付く関係上、
どうしても使わねばならない場合は上側に来る様に組むとか、
3枚目(赤丸部分)に有る様に、コトブキヤの丸モールド用パーツとかを使って、
適当に誤魔化すのが良いかと(ぇ。

…因みにこの後、同じくRMSH履帯を使用するTAKOMキットの内容を
改めて確認してみたのですが、…割合こそ異なりますが、
成型不良パーツが地味に紛れ込んでいます
ね…。

まあ、当方の場合は同等キットが複数ある為、
数的には問題が無くなるのですが(!、1個だけ、って方も多いでしょうし、
そういう場合には別売りパーツ(TAKOM以外にもフリウル、ミニアート、トランペッター等)が
豊富にあるので、そっちを使うのもアリかなと。

…あ、因みにアップ画像に有る色違い履帯コマはトラペ製ですね…。

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やっとぺ―ジ化出来たか…個人的に色々と有って放置状態の末、
画像掲示板がとうとう閉鎖されそうなので、ちゃんとサルベージしておかねばと(汗。

まあそれはそれとして、現代のT-72シリーズと同様、T-55も近代改修版やら仕様違いが多々あるので、
色々と組みながら紹介していければ良いなと。

…組立難度が思いの外高いのがネックなのですがっ。
履帯の後は本格的なディティールが出来てきますが、
まずは側面フェンダーと前面の増加装甲が付いています。

T-55は戦後車両の中でも第1世代の車両だから、
ってのも有るかと思いますが、後のT72やT80と違ってERAブロックではなく
普通に増加装甲なのですね…「AMV」も存在するのでアレですが…(汗。

んで、キット的に追加パーツと言う体裁なので、
モールドされているライトコードに段差が出来てしまうので、
この後の作業でエナメル線等で作り直す予定です(ぉ。

2枚目はフェンダーの補強リブなのですが、
エッチングパーツで再現されているので、結構大変かも…。
(3台分有るので尚更…)

他、側面にガードが付いたりするので、
取付後に補強桁を入れたりして剛性を上げています(ぉ。

尚、前後に付くフラップは取説だとフェンダーに付けてから取付、
…となっていますが、フェンダー本体を取り付けてから取付けた方が、
よりり車体に密着する感があり、位置決めもし易い
かと。
…因みに後面のやつはダボが合わない場合が有り、そのせいも有って
後付けにしたのですが…有る意味ケガの功名、と言うべきかも…(苦笑。

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